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映画『イテウォン殺人事件』あらすじとネタバレ感想

映画『イテウォン殺人事件』の概要:「イテウォン殺人事件」は、2009年の韓国映画。1997年に起きたイテウォン殺人事件を基に描いた法廷サスペンス。殺人容疑者役にチャン・グンソク、検事役をチョン・ジニョンが演じた衝撃作。

映画『イテウォン殺人事件』 作品情報

イテウォン殺人事件

  • 製作年:2009年
  • 上映時間:99分
  • ジャンル:サスペンス、ミステリー
  • 監督:ホン・ギソン
  • キャスト:チョン・ジニョン、チャン・グンソク、シン・スンファン、コ・チャンソク etc

映画『イテウォン殺人事件』 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

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映画『イテウォン殺人事件』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『イテウォン殺人事件』のあらすじを紹介します。

997年春。イテウォンのハンバーガー店のトイレで、韓国人大学生チョ・ジョンピル(ソン・ジュンギ)が、首や胸など9カ所刺されて殺害される事件が発生。すぐに現場にいたアメリカ国籍の青年2人が捕まります。容疑者は、母親が韓国人で父親がメキシコ人のロバート・j・ピアソン(チャン・グンソク)、18才。
そして、友人のa・j、アレックス・t・チェン(シン・スンファン)、17才。警察が押収した証拠品は、ナイフ・靴・服など全て血まみれ。しかし、初期捜査が遅れたため、殺害現場の保存ができず捜査は難航。米軍の資料によると、ピアソンが有罪であると認定しているが、韓国の検察側はアレックスが刺したと考えた。
しかし、ピアソンの供述にもあやしい点が多い。”クールなものを見せてやるから来いよ!”という一言をどちらが言ったのか?パク・デシク検事(チョン・ジニョン)は、”殺したのはどっちなんだ?お前は米軍で殺したと認めたんだろう?”と訊くが、”友達だからさ”と答えるピアソン。

公判が開始され、証人としてピアソンとアレックスの友人が証言台に立つが、友人たちは次々と証言を変えてしまう。”2人が階段を上るところを見たが、現場は見ていない”と。法医学者の意見も得るが、どちらが犯人かという決定的な証拠は掴めなかった。次に現場検証が行われた。殺害現場で、ピアソンはいきなり、”ナイフの持ち方が違う!”と殺しを再現して見せた。
その様子に驚く、パク検事。彼が本当は殺したのではないのか?その後、検察はアレックスを殺人で起訴し、ピアソンも凶器所持と隠匿罪で起訴した。

1998年、再び公判が行われ、供述の再検証が必要との結論に。そのため、判決はソウル高等裁判所へ差し戻されてしまう。(事実上のアレックスの無罪が確定。)”誰が私の息子を殺したの?”と被害者の母親が悲痛な叫びを上げます。
こうして、アレックスは無罪、ピアソンは本国(米国)へ釈放となり、事件は未解決のまま裁判は終わってしまう。

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映画『イテウォン殺人事件』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『イテウォン殺人事件』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

実話ベースの映画化作品との比較~クールなものを見せてくれたのはどれ?

実話ベースの映画化作品の衝撃度としては、「チェイサー」(08)やポン・ジュノ監督の「殺人の追憶」(03)が高くおすすめ。凄惨な殺害シーンや暴力シーンの迫力を見せつけられます。本作「イテウォン殺人事件」は、2作ほどの派手さはないものの、”未解決事件”がテーマであり、被害者家族の悲痛な思いとくやしさ、怒りに満ちています。

韓国では、初期捜査がうまく行われていない事が多く、それが冤罪や真犯人を逃すことに繋がっているようです。映画はいわば、”きちんと捜査してほしい”という警察や検察に対する挑戦状なんです!”死体に口なし”とはいいますが、何度も殺害シーンが流されます。被害者は、背後から首や胸を9カ所も刺されています。

気分が悪くなる人もいると思うので観るときは注意して下さい。血まみれで被害者の顔が見えないほど凄惨です。映画化がきっかけとなり、”イテウォン殺人事件”の再捜査が今も続けられています。今度こそ、犯人が捕まり、罪を償ってほしい。目を見開いたまま亡くなった、被害者の顔が忘れられません。

アイドル映画とあなどってはダメ!ときめく俳優たちの競演

本作は、チャン・グンソク主演の法廷サスペンス。チャン・グンソクといえば、ドラマ「美男ですね」(09)や「ファンジニ」(06)などで人気の俳優。繊細な演技と子役時代から積み重ねてきたキャリアで”無敵”な存在感を持っています。本作では、殺人の容疑者役に挑戦。頭が良く、クールな顔をして警察や検事をだます男。

優男な印象が消えて、瞳の色からも犯罪者の匂いがします。人気者とはいえ、汚れ役をすることに抵抗はなかったのでしょうか?彼の演技の引出しが拡がったように思います。ぜひ、静かなる狂気をこの映画で体験してみて下さい。彼以外にも面白い俳優がいます。「王の男」やドラマ「トンイ」などで存在感を示した検事役のチョン・ジニョンです。

”殺したのはどっちなんだ?”と悩みながら、アレックスの方を有罪にします。声がいい。冷静だが、熱いハートを感じます。チョン・ジニョンが出演すると、画面全体が引き締まる感じと自然な演技が素晴らしい!単調な公判シーンでも、見続けていられますね。そして、被害者役のソン・ジュンギ。殺される運命だったけど、明るく演じてくれました。台詞は少ないけれど、強く印象付けられます。


実際の未解決事件をもとに描かれた今作。容疑者をチャン・グンソクが演じているということでかなり期待して鑑賞しましたが、彼の役への入り込みっぷりが半端ではなく、この作品に対する熱意を感じさせられました。
未解決事件のため、最後まで犯人は明らかになりませんが、多少の脚色はあるにしてもここまで細かく、リアルに描けるのならば捜査の時点で分かっていることはもっとあるのでは無いか、犯人の手がかりが本当はあるのでは無いかと韓国の警察に対する不満を感じてしまいました。
暗い作品ですが、こういった事実を知ることはとても大切だと思います。チャン・グンソクが演じていることにより興味を持ちやすくなっていると思うので、沢山の人に知って欲しい作品です。(女性 30代)

映画『イテウォン殺人事件』 まとめ

実話ベースの映画化作品を観ると、悲しくやり切れない気持ちでいっぱいになります。と同時に犯罪を扱った韓国映画で素晴らしい作品が多いのは、社会全体が病んでいるからだと思います。日本映画でこれほど興奮する映画を観た事はありません。本作の見どころは、チャン・グンソクなど旬の俳優が演じている点と未解決事件である点です。

法廷サスペンスとしても、ミステリーとしても興味深い作品ですが、凄惨な殺害シーンが繰り返し出てくるので見続けるのが辛いです。殺害シーンをこれほど鮮明に描く事が出来るのなら、どうしてもっときちんと捜査することができなかったのか?おおいなる謎です。ラストで、パク検事がピアソンに尋ねます。

”お前、韓国語が話せたのか?”と。だまされていたことが分かる瞬間ではないのでしょうか。ぜひ、今度こそ犯人が捕まり、事件が解明される事を切に願っています。

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