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映画『アバウト・レイ 16歳の決断』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『アバウト・レイ 16歳の決断』の概要:トランスジェンダーの少年・レイは、ホルモン療法を受けて「普通の男性」になることを望んでいる。16歳であるレイの治療には両親の同意が必要で、何年も会っていない父親からもサインをもらわなければならず…。

映画『アバウト・レイ 16歳の決断』の作品情報

アバウト・レイ 16歳の決断

製作年:2015年
上映時間:92分
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春
監督:ギャビー・デラル
キャスト:ナオミ・ワッツ、エル・ファニング、スーザン・サランドン、テイト・ドノヴァン etc

映画『アバウト・レイ 16歳の決断』の登場人物(キャスト)

レイ(エル・ファニング)
トランスジェンダーの少年。4歳の頃から自分が男だと自覚していた。周囲の言葉に傷つきながらも、普通の男性として生きていくという強い意志を持ち続けている。
マギー(ナオミ・ワッツ)
レイの母親。女手一つでレイを育ててきた。レイが男の子だと理解していながらも、ホルモン療法への戸惑いを隠しきれずにいる。
ドードー(スーザン・サランドン)
レイの祖母でマギーの母。レズビアン。現在は女性パートナーのフラニーと暮らしている。
クレイグ(テイト・ドノヴァン)
レイの父。現在は別の家庭を持っている。幼少期から会っていないレイがトランスジェンダーだと聞き、困惑する。

映画『アバウト・レイ 16歳の決断』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『アバウト・レイ 16歳の決断』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『アバウト・レイ 16歳の決断』のあらすじ【起】

トランスジェンダーの少年レイは、母マギーと祖母ドードー、そして祖母の同性パートナーのフラニーとニューヨークで暮らしている。レイはホルモン療法で体を男性に近づけ、公立校に転校したいと思っていた。16歳のレイが治療を受けるためには、同意書に両親のサインが必要だった。

レイとともに病院へ行き、治療の説明を受けたマギーとドードーはまだ気持ちの整理がついていなかった。女性を異性として見ていて、かつ女性の体を持っているのならレズビアンではだめなのかと言うドードーに対し、レイは男の子なのだとマギーは返す。しかし彼女自身も、まだ戸惑っているのだった。

マギーは同意書にサインをできないままだった。さらに、レイの父親であるクレイグとはもう何年も連絡を取っておらず、現在の居場所すらわからないという問題もあった。男性らしくなるために日々トレーニングに励むレイは、確かな成果を感じていた。その一方でなかなか同意書にサインをしない母親に苛立ちを募らせていく。

マギーと言い争いになり家を飛び出したレイは、他校の生徒にトンラスジェンダーのことで絡まれ殴られてしまう。翌日、目の周りに痣を作って登校したレイに、同級生のローラが声を掛けてきた。レイは密かに彼女に想いを寄せていた。心配してくれたことを喜んだのも束の間、女を殴るなんて最低、というローラの言葉にショックを受けるのだった。

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映画『アバウト・レイ 16歳の決断』のあらすじ【承】

レイが治療を切望していることを日々感じていたマギーは、クレイグに会いに行くことを決心する。現在の住所を突き止めて訪ねると、クレイグは別の女性と新しい家庭を築いていた。レイがトランスジェンダーであることをクレイグに打ち明けると、幼い頃のレイにしか会ったことのないクレイグは困惑した。まるで病気であるかのように、そのうち治るのではないかなどと言い出す。マギーは説得を試みるが、最後には言い争いになってしまいサインをもらうことは叶わなかった。

気落ちして帰ったマギーに追い討ちをかけるように、ドードーとフラニーがある話を切り出す。レイが公立校へ転校するのを機に、独立してレイとともに別の家に住んでほしいというものだった。こんなときに追い出すなんて自分勝手だ、とマギーは憤慨する。一方、レイはこの話に前向きだった。レイは、自分が女の子だったときの姿を知っている地元から離れたいと思っていたのだ。別の地で男の子としてやり直せることを飛び跳ねながら喜ぶレイを見て、マギーも思わず笑顔になった。

映画『アバウト・レイ 16歳の決断』のあらすじ【転】

マギーは、もう一度クレイグに話をしようと彼の家に向かった。しかし、そこでマギーが目にしたのはクレイグの弟マシューの姿だった。マギーはクレイグと付き合っていながらマシューと寝てしまったことがあり、それが彼女とクレイグの破局の原因になった。マギーはクレイグには会わずに引き返し、クレイグが署名を拒んでいるとレイに伝えた。

レイは髪を短く刈り、署名を求めるため1人でクレイグのもとを訪れた。すぐには承諾してもらえず、レイはクレイグの現在の家族と食卓を囲んだ。義理の妹と弟は、レイが男の子だということを素直に受け止めてくれるのだった。

クレイグから連絡を受けたマギーは、レイを迎えに行くため家を出た。ドードーとフラニーも一緒に行くと言って聞かなかったため、3人で車に乗り込む。ガソリンスタンドで給油中、ドードーたちはトイレに行った。マギーはやはり1人で行くことに決め、ドードーたちを置き去りにして出発した。

迎えにきたマギーを見たレイは、サインをもらうまでは帰らないと言った。マギーは覚悟を決めてサインをするが、クレイグはまだ躊躇していた。再び2人は言い争いになり、それを聞いていたレイは、マギーがマシューと寝たせいで家庭が壊れたことを知る。さらに、レイの本当の父親はクレイグではなくマシューなのだった。パニック状態になったレイは叫び出してしまう。

映画『アバウト・レイ 16歳の決断』の結末・ラスト(ネタバレ)

家に帰ったマギーはレイに謝ろうとするが、そっけない返事が返ってくるのみだった。父親のサインがもらえないことに絶望しているレイは、法的に独立したいとマギーに告げる。落ち込んだままのレイに、ドードーはホルモン療法に賛成であることを伝えて励ました。

ある日、マギーが帰宅するとクレイグが家の前で待っていた。この間のことを謝りに来たのだという。もう逃げることはせず、レイの父親として今回の件に関わることにしたという覚悟を述べた。マギーは自身とクレイグのサインがそろった同意書をレイに渡した。レイは唇を震わせ、涙を流して喜んだ。それから、クレイグやマシューのことを少しずつで良いから知っていきたいとマギーに告げた。

レイはマギーとともに病院へ行って説明を受け、ホルモン療法を始めることになった。帰りのタクシーで2人は抱き合った。それから、クレイグ一家、マシュー、ドードー、フラニーとの食事会に合流する。席に着いたレイは、自慢のママだ、とマギーに伝えた。マギーは自慢の息子だ、と返した。

映画『アバウト・レイ 16歳の決断』の感想・評価・レビュー

トランスジェンダーのレイは「普通の男の子」同士の会話や、周囲の何気ない言葉で日常のふとした瞬間に心を痛める。小さい頃からたくさん傷ついてきたのだろうと考えると胸が締め付けられる思いがした。それでもレイにとって自分は疑いようもなく男であり、「本物」になるため突き進んでいく姿がとてもかっこよかった。幼いゆえの純粋さでレイを迷わず「お兄ちゃん」と呼ぶ義理の妹と弟が印象的だった。(MIHOシネマ編集部)


本当に素晴らしい作品です。思い出しただけで、自然と涙がこぼれてきます。感動して泣くのではなくて自分でも無意識のうちにぽろぽろと涙がこぼれ落ちてきて、この作品が本当に心に響いたのだと感じました。
身体は女の子だけど心は男の子の主人公レイ。そしてレイを理解しようとする家族。とにかく家族の愛に溢れていました。「トランスジェンダー」と言うと、理解することを難しく感じてしまうかも知れませんが、「愛する我が子」と考えるだけで十分なんです。家族が理解してくれることが、どれだけ大切で安心できるかを強く感じました。(女性 30代)

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