この記事では、映画『28日後…』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『28日後…』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『28日後…』の作品情報
上映時間:114分
ジャンル:ホラー、アクション、SF
監督:ダニー・ボイル
キャスト:キリアン・マーフィ、ナオミ・ハリス、クリストファー・エクルストン、ミーガン・バーンズ etc
映画『28日後…』の登場人物(キャスト)
- ジム(キリアン・マーフィ)
- 自転車メッセンジャーをしていたが、事故に遭い、ずっと眠り続けていた男性。病院で目覚め、街をさ迷っていた所をセリーナたちに助けられる。マークが死んでから、ハンナとフランクに出会い、行動を共にすることになる。
- セリーナ(ナオミ・ハリス)
- 薬剤師をしていた黒人女性。最初は冷たく、突き放したような態度を取るが、ハンナとフランク親子を見て心の温かさを取り戻す。
- ハンナ(ミーガン・バーンズ)
- フランクの娘。母親を亡くし、父フランクと一緒に生活していたところで、ジムとセリーナに出会う。唯一の肉親になった父親を大切に思っている。
映画『28日後…』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『28日後…』のあらすじ【起】
イギリス、ケンブリッジの霊長類センターに、過激派の動物保護団体が侵入した。
しかしそこでは、凶暴性を高める“レイジウィルス”の伝染病の研究が行われていた。
チンパンジーに噛まれた侵入者たちは、ウィルスに感染した。
それから28日後…。
1人の男性が、誰もいない病院で目覚めた。
電話も通じなければ、病院の外もゴーストタウンになっていた。
自動販売機のジュースをありったけ手に入れ、生存者を探すジム。
最後に行き着いたのは、教会だった。
そこには山積みになった遺体と、おかしくなった神父がいた。
神父たちに襲われ、慌てて逃げたジムは、マークとセリーナに助けられる。
血液によるウィルス感染が突然始まり、田舎町から大都市へと感染を拡大させていった。
ウィルスの正体もわからないまま、政府も警察も軍隊も消え、テレビやラジオも機能していないらしい。
マークとセリーナと共に、ジムの実家へ様子を見に行く事になる。
ジムの両親は自殺していた。
マークは両親や妹たちと国外に逃げようとしたが、父親は感染し、まるで地獄のような場所から一人だけ助かったのだという。

映画『28日後…』のあらすじ【承】
夜中に、感染した隣人が襲い掛かってきた。
感染したマークは、セリーナによって殺された。
血をふき取って着替え、急いで逃げ出すセリーナとジム。
途中、イルミネーションが飾られたアパートの1室を見つける。
アパートにも感染者たちが押し寄せてくるが、間一髪で助けられる。
目的のアパートの部屋には、フランクと娘ハンナが隠れていた。
ラジオから流れる軍隊からのメッセージを聞いていたフランクとハンナは、そこに行く提案をする。
アパートでの生活が限界だったこともあり、4人は車で移動を始める。
トンネルの中の潰れた車を乗り越えて進むが、タイヤがパンクしてしまう。
そして感染者の群れがやってきた。
ギリギリでタイヤ交換が終わり、大慌てで車を発進させた4人。
途中、ショッピングモールを見つけ、買い物を済ませた。
放置されているトラックから、ガソリンを調達したフランク。
その後4人は、自然に囲まれた中で食事をし、休憩を取る。
最初こそフランクとハンナを足手まといだと思ったセリーナだったが、親子の姿を見て、心の平穏を感じていた。
映画『28日後…』のあらすじ【転】
ラジオから流れていた目的地に着くが、そこには誰もいなかった。
絶望したフランクは、カラスの鳴き声にも苛立ちを隠せない。
そして頭上にあった死体から落ちてきた血液が目に入り、フランクは感染してしまう。
隠れて見ていた兵士は、フランクを射殺。
ジム、セリーナ、ハンナは軍に保護される。
目の前で父を殺された、ハンナの落ち込みようは酷かった。
ジムは、ヘンリー少佐に建物内を案内してもらう。
そこには感染した兵士メイラーが、鎖でつながれていた。
感染後の状態について知るためらしい。
兵士たちは、セリーナの武器を奪い、馬鹿にしたような態度をとる。
そしてヘンリー少佐は、ジムに真実を告げる。
ヘンリー少佐は、死を覚悟した部下たちに“女”を約束したという。
そして、ラジオ放送を使って人々をおびき寄せ、捕らえた女性を強姦するつもりだった。
裏切った軍曹とジムと連れ出し、射殺しようとする兵士たち。
軍曹は死に、ジムは射殺からは逃げるが、死を覚悟した。
ジムがバリケードを越え、感染者だらけの地域に逃げたと勘違いした兵士たちは、ジムの射殺を諦めた。
映画『28日後…』の結末・ラスト(ネタバレ)
準備をすると言い、セリーナはハンナに薬を飲ませた。
そこに、兵士たちが設置したサイレンが鳴り響く。
ジムは、兵士たちが張り巡らせたバリケードの中に、感染者たちを引き入れた。
メイラーの鎖も解き放った。
薬の影響で、挑発を始めたハンナに気をとられた見張りの兵士たちは、メイラーに殺された。
一人になっていたハンナは、鏡の後ろに隠れて感染者から逃げ延びた。
セリーナを人質に逃げていた兵士は、ジムの反撃に遭い、命を落とした。
ジムに対して恋心を抱き始めていたセリーナは、ジムが感染していないことを知って喜んだ。
セリーナに飛行機を見たことを教え、まだ救いはあると教えるジム。
そこにハンナもやって来て、3人で逃げ出そうとする。
しかし、途中で撃たれたジムは意識を失った。
それから28日後…。
怪我が治ったジムは、セリーナ、ハンナと3人で、飛行機が通るのを待っていた。
ありったけの布をつぎはぎして縫い付け、飛行機から見えるようにSOSのサインを作り上げた。
それを見た飛行機の操縦士は、生存者がいることを無線で伝えていた。
映画『28日後…』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
感染系ホラー映画の上位に入るほどの秀逸な作品である。
衝撃的なのは序盤でロンドンの街が無人で、主人公が「Hello!」と叫んでも一切の返事どころか、物音一つもない不気味なシーンである。
まさに「絶望」という言葉が似合うほどの衝撃的なシーンでしたが、その後に出会った感染者との壮絶な出会いもまた強烈すぎるインパクトを残します。
更に音楽の使い方も非常に上手く、不安を煽ってくる演出が突出していました。
最初は頼りなかった主人公がラストで覚醒した瞬間、それは感染者にも見間違うほどの鋭い眼光は本作にある「怒り」を象徴していました。(男性 30代)
いわゆる感染系パニック映画なのだが、ゾンビというわけではなく、あくまでレイジウィルスという人間を凶暴化させるウィルスに感染した人間が襲い掛かるという内容。その為、どこに誰が潜んでいるか分からない静けさと、突然全力で襲われるという緩急さが物凄く、つねにハラハラした展開が楽しめる。バイオハザードやアイアムレジェンドなど、飽和し始めているこの手の映画を見ている人であれば、どうしても似てしまう展開があり、多少退屈に感じてしまう感も否めない。(男性 30代)
ゾンビ映画の中でも印象深く、大好きな作品。
ゾンビといえば、一般的にゆっくりとノロノロ歩くイメージではないだろうか。
この作品は、初めてゾンビが走ったと言われている作品で、これまでのゾンビのイメージを完全に覆している。恐怖に陥った人間の感情も如実に表しており、高評価を受けているのも納得の作品だと思う。続編の28週後…も好きな作品ではあるが、やはりこの作品には敵わないだろう。
ゾンビ好きに限らず、一度は観てほしいオススメの一作である。(女性 20代)
『バイオハザード』と同年に公開された作品だが、先に『バイオハザード』を観てから今作を鑑賞してしまったため、どうしても似たようなシチュエーションだと思ってしまう。だが、病院で目覚めて一番、混乱していた状況を知らずに目覚めた主人公が荒れ果てて無人となった街を一人彷徨するシーンは不気味で不穏な感じがして良かった。そして、逃走しながら感染者との攻防を経て行くシーンは、いつ襲われるか分からないという状況に緊張感を強いられたし、軍に辿り着いて助かると思った矢先の落とし穴。構成や襲われるタイミングなどが秀逸だ。意識を失ってからの28日後…というのも何やら不穏な感じで気が抜けない。静と動の使い方がとても上手くエンタメ性がない分、とても高レベルな作品だと思った。(女性 40代)
ゾンビ映画と思って観ると良い意味で裏切られる作品。社会が崩壊した中でむしろ恐ろしいのは“生きている人間”だと痛感します。軍人たちとの対立は、人間の本性を暴くような展開で、胸が締めつけられました。セリーナとジムのラストが救いです。(30代 女性)
感染スピードが早すぎて、従来のゾンビとは全く違う恐怖がありました。文明が崩壊した後、人間は何を守るのか。ジムの最終的な覚悟や、仲間を守るために狂気に足を踏み入れる姿が印象的でした。ホラーだけど、考えさせられる一本。(40代 男性)
淡々と進む描写が逆に怖かったです。特に前半、静かな街の風景と突然襲ってくる感染者の対比が鮮烈。ジムがただの被害者ではなく、戦う覚悟を決める過程がリアルで、惹きつけられました。感染より人間の狂気の方が怖い。(20代 女性)
終末世界を舞台にしながらも、キャラクターの心理描写が細かくてすごく引き込まれました。フランクが感染してしまうシーンは泣けましたし、ジムの変化も自然で説得力があります。暴力に抗えない状況の中、愛と絆を描いた良作。(30代 男性)
ゾンビ映画ってより人間ドラマ。極限状態における「人間らしさ」がどれだけ大切かを痛感しました。中盤以降は軍の恐怖に焦点が移って、単純なサバイバルものではない深みを感じます。ジムが自らの手で状況を切り開く姿はカッコよかった!(40代 女性)
低予算映画とは思えない緊張感。手持ちカメラの映像が臨場感ありすぎて、感染者が飛びかかってくるシーンは心臓に悪い。でもそれ以上に、登場人物たちの表情や選択がリアルで、妙に共感してしまいました。終わり方も希望があってよかった。(50代 男性)
映画『28日後…』を見た人におすすめの映画5選
クワイエット・プレイス
この映画を一言で表すと?
「音を立てたら、即死」――極限の静寂が支配する世界!
どんな話?
音に反応して襲ってくる謎の怪物によって人類が滅亡寸前の世界。家族は一切音を立てずに生活を続けながら、生存をかけて戦う。沈黙の中の緊張感が全編にわたって張り詰める。
ここがおすすめ!
『28日後…』同様、“見えない恐怖”とサバイバルの緊張感が続く一作。無言の演技と音響演出の秀逸さで観る者を一気に引き込む、静かで激しいスリラーです。
アイ・アム・レジェンド
この映画を一言で表すと?
終末の街にたった一人…孤独と戦う男の決意と再生!
どんな話?
ウイルスで人類が壊滅した後のニューヨーク。科学者ロバートは感染者と戦いながら、治療法の研究を続ける。希望と絶望、静けさと暴力が交差する、壮絶なサバイバルドラマ。
ここがおすすめ!
『28日後…』のような荒廃した都市の映像美と孤独な戦いが魅力。ウィル・スミスの圧倒的な存在感と、世界の終わりを感じさせるリアリティに心を掴まれます。
ザ・ロード
この映画を一言で表すと?
灰に包まれた地球で、父と子が歩く“生”への祈り。
どんな話?
世界の終焉後、文明が崩壊した地球を旅する父子。略奪、飢餓、暴力――何もかもが失われた世界で、希望だけを胸に歩き続ける姿を描く静かで壮絶なヒューマンドラマ。
ここがおすすめ!
『28日後…』と同じく、絶望的な環境の中でも人間性を問う作風が特徴。美しくも荒れた世界観と、父子の絆が強烈な余韻を残す、文学的なサバイバル映画です。
ワールド・ウォーZ
この映画を一言で表すと?
感染爆発、世界崩壊――絶望に立ち向かうリアルパニック!
どんな話?
突如世界中で発生したゾンビパンデミック。元国連調査官ジェリーは、感染の起源と解決法を探るべく、世界を駆け巡る。テンポ良く展開されるパニックサバイバル大作。
ここがおすすめ!
『28日後…』で感じた“感染のリアルな恐怖”を、よりスケールアップした形で体感できる一作。スピーディーな展開と大群ゾンビの恐怖がクセになる世界的ヒット作です。
バイオハザード(RESIDENT EVIL)
この映画を一言で表すと?
ウイルス、実験、ゾンビ…地獄の施設で生き残れ!
どんな話?
秘密実験で漏れたウイルスが地下施設に拡散。閉じ込められた特殊部隊と主人公アリスは、ゾンビと殺人AIの中で脱出を試みる。ゲーム原作とは思えない完成度で世界中に衝撃を与えた。
ここがおすすめ!
スピーディーでスタイリッシュなアクションに加え、感染×サバイバルの構図が『28日後…』と同じくハマる要素。シリーズ化されるほどの人気を誇る理由をぜひ体感してみてください。
みんなの感想・レビュー
これ見た時に、ゾンビものと違い、動物の場合はスタンピード状態になり、
人間から理性を奪った状態が一番怖いと思わせるものだった記憶がある。
最近のゾンビ映画は観せる為なのか、走ったりなど動きが早いものが多く、
ゾンビってそういうものじゃないよね…って作品が多いが、
この映画は人間から理性を奪った状態、暴走状態だから走るのもありと思わせてくれた。
確かエンディングって2種類ありましたよね。
バッドエンドもあったはず。
懐かしい映画だなぁ…
大ヒットした感染パニック映画「バイオハザード」シリーズの第1作目と同じ年に公開された作品。
「バイオハザード」のように感染者が一旦死んでからゾンビ化するのではなく、生きている人間が凶暴化するレイジウィルスの“感染者”となる設定のため、あくまでも人間同士の争いになっている。
ゾンビではないので生きた人間と同様に走ったり動いたりして、殺そうとすればできるし、ウェスト少佐によれば餓死もするという。
序盤の動物愛護団体のメンバーや、ジムを助けようとしたマークのように、噛まれた事によって血液や唾液が体内に入り感染するシーンが多いが、フランクのように感染者の血液が目薬のように目に入っただけで感染するという意外なシーンも存在する。
ウェスト少佐たちのレイプ目的での呼びかけラジオや、明らかに感染者を殺めることを楽しんでいる軍人たちは、感染していなくても凶暴になれるという人間の一面を表現している。
世界の終わりを描いた作品やゾンビパニック映画があまりにも多いため、他の映画でも見た事のあるようなシーンの多さが気になる。
予想外に早く動いて襲ってくる感染者たちの姿は意外性があり、ハラハラさせられる。
ジムの誘導で軍人たちに襲い掛かる姿には驚かされるが、訓練を受けたはずの軍人がそんなに簡単にやられるのかというツッコミどころもある。
また、ジムが感染者を殺害するシーンは、彼がセリーナから守られるだけの立場からセリーナとハンナを守る立場になるという変化への伏線と、覚悟を決めたきっかけとして必要不可欠だろう。
しかし買い物を楽しんだ後に、ひとりでガソリンスタンドに入っていってまで行動を起こすのには矛盾がある。
軍人たちに殺されかけた後にたくましくなるのは急すぎる変化で、大切な人を守ろうとする心境だけでは納得しきれない。
ホラー、SF、ファンタジーなどのジャンルで特に優れた作品に贈られる、2003年のサターン賞最優秀ホラー賞を受賞した作品。
同じ2002年に公開された「バイオハザード」シリーズ第1作目と似通った部分があるためか、ゾンビが襲ってくるという印象が強いようだが、生きた人間がウィルスに感染して凶暴性をむき出しにして襲い掛かるという映画。
動きが早い感染者が襲ってくるという設定は斬新で、病院で目覚めたジムが教会の山積みの遺体を発見して大声を出せば全員がゾンビとなってうじゃうじゃと襲い掛かる。
かと思えば、まだ生きていた数人の感染者が襲ってくるだけという意外な展開が待っている。
感染者は目が赤くなるという設定も見るからに不気味。
続編に「28週後…」が存在し、キャストやスタッフは入れ替えられて、今作の監督と脚本家が製作総指揮に回っている。