映画『メアリー&マックス』の概要:メアリーは苛められていて友達がいなかった。そんなある日、電話帳で見つけたマックスに、手紙を送ることを思いつく。マックスは友達がいない44歳の男性だった。メアリーとマックスは文通を通じて、友達として仲を深めた。
映画『メアリー&マックス』の作品情報
上映時間:94分
ジャンル:ヒューマンドラマ、アニメ
監督:アダム・エリオット
キャスト:トニ・コレット、フィリップ・シーモア・ホフマン、エリック・バナ、ベサニー・ウィットモア etc
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映画『メアリー&マックス』の登場人物(キャスト)
- メアリー・デイジー・ディンクル(幼い頃:ベサニー・ウィットモア / 大人:トニ・コレット)
- 父のノエルは工場で働き、母のベアラは酒に溺れている。友達はおらず、孤独を抱えている。
- マックス・ジェリー・ホロウィッツ(フィリップ・シーモア・ホフマン)
- アスペルガー症候群を患っている。生まれたばかりの頃、母と共に父に捨てられる。6歳の頃、母が自殺する。
映画『メアリー&マックス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『メアリー&マックス』のあらすじ【起】
これは実話に基づく物語である。1976年オーストラリア。幼いメアリーは友達がおらず、家で暇を持て余していた。父のノエルは工場でティーバッグを作り、小屋でリキュールを飲むことと鳥のはく製を作ることを趣味にしていた。メアリーは一緒に遊んで欲しいと願っていたが、父は遊んでくれなかった。
メアリーの母のベアラは、いつも酒に酔っぱらってフラついていた。クリケットのラジオ中継を聞くことと、シェリー酒を飲むことが好きだった。そして、ベアラは「借りる」と言いながら、商品を万引きしていた。
メアリーは『ノブレット』というアニメが好きで、雄鳥のエセルと一緒に見ていた。ニューヨークにいる44歳のマックスも、『ノブレット』を好んで見ていた。不眠症の彼はテレビを見て過ごし、金魚のエサとなるハエを捕まえた。金魚のヘンリー8世が亡くなっていたため、明日ヘンリー9世をペット店に買いに行くことにした。
メアリーは電話帳で見つけたマックスに手紙を書いた。メアリーからの手紙を受け取ったマックスは、激しく動揺した。18時間窓の外を見続けた後、返事を書く決心をした。マックスはテンポ良くタイプライターを打った。手紙には精神科医のハザホフの指示の下に減量を行っていること、金魚・カタツムリ・インコ・ネコを飼っていること、若い頃にラビオリという目に見えない友人を作ったことなどを書いた。
友達が欲しかったマックスは返信が届くよう願った。9日6時間47分後にメアリーの家に手紙が届いた。しかし、メアリーよりも先にベアラが手紙を見てしまう。ベアラはマックスのことをイカれた男だと思い、メアリーの友達に相応しくないと感じた。手紙をゴミ箱に捨てた。
翌日。ベアラはゴミ捨てを行おうとして、エセルの糞を踏んで滑って転んでしまう。その時、ゴミが散らばり、エセルがマックスの手紙を拾った。メアリーはエセルが咥えている手紙に気づき、母にバレないように隠し持った。メアリーは両親が文通に反対しているため隣人のヒスロップの家に手紙を送って欲しいこと、苛められていて友達がいないことなどを書いてマックスに送った。
映画『メアリー&マックス』のあらすじ【承】
メアリーの手紙を読んだマックスは、幼い頃に苛められたことを思い出し激しく動揺する。部屋の隅に立って深呼吸した後、36個のチョコドッグを食べ2時間眠って心を落ち着かせた。そして、思い立った苛めの対処法を手紙に書いた。
メアリーはマックスの提案を元にいじめっ子に反論したこと、隣人のダミアンと仲良くしたいこと、どうすれば愛されるか教えて欲しいことを手紙に書いた。それを見たマックスは、またしても激しく動揺する。マックスは愛を知らなかった。
愛について考えていたマックスは過大なストレスによって脳がダウンする。精神病院に運ばれ、入院することになった。診断結果は、うつ病と肥満症だった。8か月間、施設で寝たきりになった。薬を飲み、脳に電気ショックが与えられた。
メアリーは返事を待ち続けており、自分が退屈過ぎたから返事がないのかと悩んだ。その後、メアリーは怒りと混乱と自己嫌悪の気持ちに駆られ、マックスの記憶を消すために手紙を燃やした。
8か月後。マックスは退院して平穏な日常を取り戻した。だが、メアリーのことが忘れられずにいた。メアリーに返事を書きたい気持ちと、もう病に罹りたくない気持ちがあった。そんな彼に不運が起きた。マックスの部屋から落ちた機械が、道路に立っていた人の上に落ちた。マックスは裁判にかけられるが、精神に問題があるとされ殺人罪には問われなかった。
映画『メアリー&マックス』のあらすじ【転】
マックスは48歳の誕生日を迎えるまで、静かな日常を送っていた。ある日、購入し続けていた宝くじが当たり、巨万の富を得る。一生分のチョコと大好きなフィギュアを全部購入した。まだお金がたくさんあったため、隣人のアイビーにプレゼントした。アイビーはお金を使って大いに人生を楽しみ、亡くなった。
マックスは「フィギュアの収集、チョコの確保、友達作り」という3つの目標を掲げていた。2つを叶えることができたが、まだ何か足りない気がした。ラビオリは本に夢中で相手にしてくれなかった。そんな時、メアリーのことを思い出す。
ある日、ラビオリが出て行き、戻ってこなくなる。マックスはハザホフに助言を求めた。ハザホフはメアリーへの手紙に本当の自分の姿を書くよう助言した。マックスは手紙を読むたびに不安発作が起きていたこと、医師の診断によってアスペルガー症候群であることが分かったこと、そしてアスペルガー症候群の特徴を手紙に書いた。
アスペルガー症候群の特徴としては、世界が無秩序であるように見える、人の表情の意味を理解することができない、感情を上手く表現できないなどがあった。マックスはアスペルガー症候群を治療したいとは思っていなかったが、1つだけ変えたい点があった。それはちゃんと泣くことだった。マックスは頑張っても泣くことができなかった。
メアリーはマックスへの手紙を喜び、自分の涙を詰めた瓶を贈った。2人の友情は無事に復活した。メアリーとマックスは手紙と共にチョコを入れて送り合った。マックスは手紙を慎重に読み、少しでも不安を感じたら読むのを止めて薬を飲んで神経を沈めた。そして、手紙にはアイロンをかけて特別な場所に仕舞った。これも神経を沈めるのに一役買った。
映画『メアリー&マックス』の結末・ラスト(ネタバレ)
1988年8月8日午後4時59分。ノエルは最後のティーバッグを作り、退職した。ノエルははく製作りを止め、金属探知機を持って浜辺を歩いた。しかし、その趣味は短期間で終わった。海に攫われて亡くなってしまったのだ。
メアリーは父の遺したお金で大学に行き、心の病を学んだ。その大学には、役者志望のダミアンの姿もあった。メアリーはダミアンに思いを寄せていたが、上手くいっていなかった。マックスに会うためのお金を使って額の痣を消すが、全く無意味だった。
ベアラは酒と間違って防腐処理剤を飲んでしまい、亡くなってしまう。メアリーはダミアンと結婚し、幸せになった。だが、うぬぼれた彼女は自信過剰になり、心の病は全て自分が治すのだと考えた。メアリーはマックスを事例に、卒論でアスペルガー症候群を書いた。論文は各方面で称賛され、メアリーが25歳のときに本が出版された。
メアリーは本と手紙とチョコをマックスに送った。手紙には1週間後会いに行けること、印税の半分を贈ることを書いた。だが、マックスはこの知らせを喜べなかった。マックスは苦痛と混乱、困惑、裏切り、不快感、嘆き、そして呼吸困難になるほどの辛さを感じていた。マックスはタイプライターのMの文字を引っこ抜いて送った。それを受け取ったメアリーはマックスの怒りを感じ取り、自らの本と業績を廃棄した。
メアリーは落ち込み、自己嫌悪して酒に溺れた。マックスに謝罪の手紙を出し、返信を待ち続けた。一通の手紙がポストに入っていた。それはダミアンからで、文通相手のデズモンドと恋に落ちたため家を出て行くことが書かれていた。
マックスはメアリーを許し、『ノブレット』のフィギュアを贈った。マックスの心に平穏が戻った。郵便配達員はメアリーの家に荷物を届けるが、メアリーは眠っていて気づかなかった。荷物は玄関に放置された。メアリーは荷物に気づかないまま、薬を飲んで自殺を図った。実はその時、メアリーはダミアンの子を妊娠していた。
メアリーは自殺に失敗した。メアリーの家に、45年かけて広場恐怖症を克服したヒスロップが訪ねてくる。そして、玄関先に荷物が置いてあることを教えられる。メアリーは『ノブレット』のフィギュアを受け取り、マックスからの手紙を読んだ。手紙にはメアリーが最良の友で、唯一の友だと書かれていた。
1年後。メアリーは赤ちゃんと共にマックスの家を訪ねた。しかし、マックスは天井を見上げながら亡くなっていた。メアリーは天井に自分が送った手紙が張られていることに気づき、涙を流した。
映画『メアリー&マックス』の感想・評価・レビュー
なかなか濃いストーリーだったが、粘土で作られた登場人物達が可愛くてそこまで重くは感じなかった。孤独を感じているメアリーとマックスがひょんなことから通じ合い、交流を続けたというのが凄いなと思った。しかも、この作品が実話を基に作られているというのだから驚きである。メアリーがマックスと会えなかったことは悲しかったが、マックスがメアリーのことを本当に友達として大切に思っていたことが分かったので感動した。(MIHOシネマ編集部)
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