この記事では、映画『ダーク・スクール』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ダーク・スクール』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ダーク・スクール』の作品情報
上映時間:96分
ジャンル:ホラー
監督:ロドリゴ・コルテス
キャスト:アナソフィア・ロブ、ユマ・サーマン、イザベル・ファーマン、ヴィクトリア・モロレス etc
映画『ダーク・スクール』の登場人物(キャスト)
- キット(アナソフィア・ロブ)
- 金髪の17歳の少女。音楽の才能があり、ピアノを奏でる。9歳の頃に父を亡くして以来、心の均衡を崩している。本来は頑張り屋さん。感受性が高く霊と交信する能力を持つ。
- デュレ夫人(ユマ・サーマン)
- ブラックウッド学院の学長。美術教師でもある。霊と交信する能力を持ち、霊を見る少女たちを器に、早逝した芸術家や音楽家たちの霊に作品を生み出させようとする。
- イジー(イザベル・ファーマン)
- そばかすがある黒髪の女の子で、いつも髪の毛をすっきりとまとめている。数学で才能を発揮するようになる。
- ヴェロニカ(ヴィクトリア・モロレス)
- ウェーブがかった黒髪の女の子。非常に素行が悪く、態度も悪い。母に暴力を振るう継父を殺害した過去を持つ。霊を見ることができるが、特に気にしていない。キットと反発していたが、後に協力し合うようになる。
- ジュール・デュレ(ノア・シルヴァー)
- 音楽教師。デュレ夫人の息子で爽やかな好青年。有名音楽学校を卒業するも、霊と交信する能力はなく母親に協力している。キットに惹かれ助けようとする。
映画『ダーク・スクール』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ダーク・スクール』のあらすじ【起】
9歳の頃に父を亡くし、母と義父の3人で暮らしていた17歳のキット。彼女は素行が非常に悪く、とうとうブラックウッド学院という寄宿学校への編入を勧められる。母は娘の素行の悪さは自業自得だと言うが、口喧嘩をしたところで決定事項を覆すことなどできなかった。
そうして、山奥の歴史あるブラックウッド学院へ。学院は古めかしくも壮大な城のような建物だったが、古い故に電気系統が弱っている。廊下は非常に薄暗く不気味。キット親子を迎え入れた学長のデュレ夫人が、自ら部屋へ案内してくれる。割り当てられた部屋は一人部屋で十分な広さがあった。
他の生徒は翌日の入寮となるため、その日はキットだけ。妙な夢を見て起きた朝、他の生徒が続々とやって来る。キットを入れてたったの5人しかいなかったが、デュレ夫人曰く学院には才能がある者しか入れないらしい。更にここで過ごすには非常に集中力が必要になるため、携帯電話を没収される。当然、ネット環境などあるはずもない。
5人は似たり寄ったりの素行の悪さで、この学院は隔離施設のようなものである。その日の夜は食堂で夕食。文学、数学、音楽、美術の教師と卓を囲む。美術教師はデュレ夫人で、音楽教師は夫人の息子ジュールが担当するらしい。
翌日から早速、授業が開始。文学、美術と順調に進み、数学の時間でちょっとした取っ組み合いがあったものの、無事に終わる。そして、最後は音楽の授業。キットはジュールと即興で音楽を奏でた。彼女にはどうやら音楽の才能がある様子。そこで、夫人の指示によりジュールから音楽の課外授業を受けることになる。ジュールは自分を信じて頑張れば、驚くほどの才能を発揮できるようになると言うのだった。

映画『ダーク・スクール』のあらすじ【承】
やがて、少女たちはそれぞれの授業で徐々に才能を発揮し始める。
その日の課外授業で、キットはジュールと森の音を聞きに行った。目を閉じて音に耳を澄ませる。すると、亡くなった父の声がしてはっと目を開いた。だが、そこはなぜか教室。いつの間に移動したのかとジュールに聞くと、キットが戻りたがったのだと言う。森には3時間もいたらしく、キットは首を捻るのだった。
そのせいで、夕食に遅れてしまったが、美術に才能を見出し始めた少女が食事を辞退。その後、図書室へ向かったキットは数学で才能を発揮し出したイジーと遭遇した。彼女は以前の学校では劣等生だったが、学院に来てから数学で答えを出すのが楽しいと話す。だが、会話を遮るかのように甲高い悲鳴が聞こえ、急いで向かったキットとイジー。
悲鳴の主は文学に目覚めた少女だった。彼女は電気スタンドだけを点灯していたが、キットは部屋の隅に女性の影を発見。慌てて電気を当てると影は消えてしまった。他の生徒たちも駆け付けたが、文学少女は意味不明なことばかりを話す。そこで、キットは廊下に出て周囲を探った。すると、廊下の奥にシルエットが見えたため、息を飲んで部屋のドアを閉めた。
ヴェロニカは少女の話を信じずに部屋から出て行こうとする。キットが彼女を止めた時、ドアから軋むような音がしたため、鍵をかけた。5人は外へ出ることができず、その夜は部屋へ泊まることに。
雑魚寝しつつ怖い男のことについて話し合った。そこで、キットは出張で遠方へ行っていた父が事故に巻き込まれた夜、キットへと会いに来た話をする。ヴェロニカは信じないと言うものの、他の少女も同じような体験談を語り始めるのだった。
翌日、昨夜のことをデュレ夫人へ報告。すると、夫人は良い傾向だと投薬を中止することにし、少女たちにこれまでよりも一層、努力をするようにと告げた。
映画『ダーク・スクール』のあらすじ【転】
投薬が中止された後、才能の発揮は目覚ましく、キットもまた憑りつかれたようにピアノを奏でる。他の生徒たちも同様で、食事にさえ顔を出さなくなった。そこで、キットは学長室へ赴き、母に電話をさせてもらうことにする。母との会話中、彼女はふと、夫人の背後に飾られている絵を見た。絵の才能を発揮した少女が記していたサインと同じサインが入っていた。
部屋へ戻る途中、文学少女が泣きながら助けを求めて来る。頭の中で怒った男達が騒ぎ立てていると言う。絵を描く少女の様子もおかしい。キットは図書室で画家のイニシャルを調べた。画家は若くして亡くなっており、詩人も同様でキットに影響を与えている音楽家も同じだった。ヴェロニカにそのことを話したが、彼女はやはり信用せず去ってしまう。
キットは外の様子を目にして恐怖を抱き、慌ててヴェロニカを追った。ところが、キットは様子を窺っているうちに、背後から恐ろしい形相の男に襲われてしまう。幸い、ヴェロニカが来てくれたため、助かった。
2人は一旦、外のベンチに腰掛けて気持ちを落ち着ける。そこで、ヴェロニカもまた、霊を見ることができることを知る。
その後、再び室内へ戻り独特な文様が描かれた扉を発見。中へ入ると更に奥行きがあるホールへ出た。壁には無数の絵画が飾られている。赤い扉の中は倉庫のようだ。記録を保管する棚を発見したため、手あたり次第に中を開いてみた。すると、自分達と同じような境遇の少女たちが過去にも何百人とおり、誰もが狂って自殺していることが判明。
デュレ夫人に見つかってしまったため、ヴェロニカは咄嗟にキットを逃がし、自分が矢面に立った。すると、夫人は普段から態度の悪い彼女に対し、とうとう激怒。ヴェロニカを捧げ物にすると不穏なことを言うのである。
映画『ダーク・スクール』の結末・ラスト(ネタバレ)
キットは急いで宿舎へ戻り、他の生徒たちへ逃げようと声をかけて回ったが、急激に建物が揺れ始める。それが治まると建物は一変し、廊下の奥からピアノが聞こえた。誘われるように向かった先は、先ほどのホール。今は灯りがつけられている。そこにはデュレ夫人がおり、ピアノには音楽家がいた。奥の扉から優雅なドレスやスーツに身を包んだ貴族が現れ踊り始める。
キットは音楽家と交代して一心不乱にピアノを弾く。やがて、ホールの天井から強い光が差し込み、ピアノと自分から白い煙が立ち上った。そこで、貴族たちの向こうに父の姿を垣間見たが、男が詰め寄って来て今度は自分の番だと叫ぶのだった。
はっとしたキットはピアノから離れる。そこはジュールの部屋だった。彼女はジュールを信用できなくなり、全員をエントランスへ集める。そして、デュレ夫人を責め立てたが、そもそも夫人本人が霊と交信する能力を持っており、早逝した芸術家や音楽家の受け皿としてキットたちを学院へ連れて来たと言う。霊を見ることができる少女たちは感受性が高く、波長が合いやすい。故に若くして亡くなった芸術家たちの才能を再び現世へと蘇らせることができると言うのだ。しかし、その末路を知ってしまったキットは到底、夫人の言うことを看過できない。
彼女は逃れる方法を探した。ジュールが追いかけて来て、学長室に保管された携帯を使えと言う。次々に狂った少女たちが自殺する中、イジーを正気に戻したキットは、姿の見えないヴェロニカを探した。
その頃、教師たちは夫人に異議を申し立てていたが、デュレ夫人は死体の処理と警察はどうにかすると言い、強硬なまでにやめようとしない。しかし、ジュールは母親に逆らってキットを助けようとするのだった。
捕まったキットは倉庫に閉じ込められてしまうが、部屋の奥にヴェロニカの姿を目にする。しかし、彼女は悪霊に憑りつかれキットに襲いかかって来る。どうにかヴェロニカを正気に戻し、イジーと合流。ところが、儀式で使用したろうそくが倒れ、屋敷に火の手が上がってしまう。ヴェロニカと上の階へ向かいジュールと合流。逃げ道を探した。
燃える廊下の向こうに父の姿を目にしたキット。周囲には貴族や芸術家など多くの霊がいたが、彼女は父親の姿を追う。
同じ頃、狂った夫人もまた火事から逃げようとしたが、制止しようとした数学教師を誤って殺害してしまう。倒れた教師の向こうに悪霊の姿が見えた。
父を追ってエントランスへ到達したキットとジュール。ヴェロニカは逸早く外へ脱出したが、キットは父を見失ってしまう。そこへ、階段の踊り場にデュレ夫人が現れるも、火に巻かれて死亡。母親を目の前で亡くしたジュールを止めたキットだったが、彼は彼女を突き飛ばし落下して来た瓦礫の下敷きになってしまうのだった。
倒れたキットの前に父が現れ、娘を導いてくれる。彼女は父と共に屋敷の外へ出たが、そこで意識を失ってしまう。娘からの連絡で学院に駆け付けていた母が泣きながら抱きつく。キットはすぐさま救急車へ。その姿を目にしながら本人は父と数年ぶりに会話をした。父へとお別れを言った彼女は、去って行く後姿を見送り自分の体へと戻った。
映画『ダーク・スクール』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
非常に内容の濃い作品で、情報量が多い印象を受けた。序盤から中盤辺りで、学長が何をしているのか予想できてしまい、答え合わせのシーンではさほど驚かなかった。前半でヒントを出し過ぎなのだ。
結局、夫人は何がしたかったのだろうか。早逝した芸術家の作品を発表することもなく、ただ作品の制作をさせ少女たちの命を無駄にしている。発表しなければ意味がない気がするのだが。設定としては面白い作品だったと思う。(MIHOシネマ編集部)
『チャーリーとチョコレート工場』でガムを噛む自信家な女の子を演じていたアナソフィア・ロブが成長してめちゃくちゃ可愛い姿になっているのを見られる今作。当時から可愛い顔立ちをしていましたが、今作のピアノの才能があるキットという役どころが彼女の雰囲気にすごくマッチしていました。
ストーリー的にはかなり色々な要素が詰め込まれているので正直見ていて疲れます。最終的にもすっきりする展開ではないのですが、隠された謎を暴こうとするキットの姿は本当に可愛いのでファンにはたまらない作品でしょう。(女性 30代)
不良少女たちが集められた寄宿学校で、次第に明らかになる超常現象と教師たちの恐ろしい正体に、最後まで引き込まれました。特に、死者の魂を使って才能を引き出すという設定にはゾッとしました。最後、キットがすべてを燃やして逃げるシーンは痛快でしたが、後味はかなりダークでした。(20代 男性)
映像の美しさと、徐々に迫りくる不気味さのバランスが絶妙でした。女子たちが才能を開花させる描写は最初ワクワクしましたが、その裏に死者の魂を使うという恐怖が隠れていたのが衝撃的でした。キットの勇気ある脱出劇に手に汗握りました。スローな展開ですが、独特の世界観が印象的でした。(30代 女性)
設定自体はよくある寄宿学校ホラーかと思いましたが、実際にはかなり重いテーマを扱っていて驚きました。芸術や才能と狂気が交差する様子がリアルで、特にベロニカの変貌は衝撃でした。キットが生き残ったことが唯一の救いですが、全体的にかなり暗い後味の作品でした。(40代 男性)
静かに進む展開ながら、ずっと不安を煽る演出が続き、緊張感が途切れませんでした。才能を開花させるために魂を利用するという発想が不気味で、徐々に少女たちが壊れていく描写に心が痛みました。ラストの火災シーンは映像美もあり、絶望と希望が入り混じったエンディングでした。(20代 女性)
スリラーとゴシックホラーを融合させたような独特の雰囲気が気に入りました。死者の魂を「借りる」ことで才能を得る、という設定が新鮮で不気味。キットが友達を助けようとする姿にも胸を打たれました。終始静かだけど、観終わった後にじわじわ怖くなるタイプの映画です。(50代 男性)
学園ものと超自然ホラーを組み合わせた作風が印象的でした。美術館のような校舎の映像も素晴らしく、最初は魅力的な世界に感じたけれど、次第に背筋が寒くなる展開に。キットが全てを終わらせるために校舎に火を放つ場面は、美しさと悲しさが同居していて胸に残りました。(40代 女性)
思春期の少女たちの不安定さと、超常現象をうまくリンクさせた演出が秀逸でした。特に、芸術に没頭するうちに自我を失っていく過程がリアルで怖かったです。キットが最後まで人間らしさを失わずに戦ったことに救われました。静かだけどゾクッとくる良作ホラーでした。(30代 男性)
少女たちの成長ものかと思いきや、想像以上にダークでヘビーなストーリーでした。死者の才能を奪うという設定が悲しく、特に若い子たちが苦しみながら才能に飲み込まれていく様子は胸が痛かったです。ラストの炎のシーンは、まるで浄化のようで美しかった。(50代 女性)
映画『ダーク・スクール』を見た人におすすめの映画5選
サスペリア(2018年版)
この映画を一言で表すと?
美と狂気が渦巻く、極限のアート系ホラー!
どんな話?
ドイツの名門バレエ学校を舞台に、踊り子たちが次々と奇怪な現象に巻き込まれていく物語。学校の裏に隠された秘密と、少女たちの心身に忍び寄る狂気を、圧倒的な映像と音楽で描きます。
ここがおすすめ!
『ダーク・スクール』同様、アートと超常現象を絶妙に絡めた世界観が魅力。じわじわと追い詰められる恐怖感や、学校という閉鎖空間の不穏な空気が好きな方にはたまらない一作です。
ザ・ブラックコート 卒業式前夜の殺人
この映画を一言で表すと?
絶望と恐怖に支配された少女たちの静かな悪夢。
どんな話?
厳冬の寄宿学校で、卒業式前夜に奇妙な出来事に巻き込まれる少女たちの物語。孤独と不安に満ちた空気の中、次第に明らかになる衝撃的な真実が背筋を凍らせます。
ここがおすすめ!
『ダーク・スクール』の静かでジワジワくる恐怖感が好きな方にはぴったり。ゴシックホラー調の雰囲気と、重く暗いテーマ性が心に深く突き刺さる、じわじわ効くホラー映画です。
ザ・クラフト
この映画を一言で表すと?
少女たちの魔力が暴走する、ダークな青春オカルトドラマ!
どんな話?
新しい高校に転校してきた少女が、不良少女たちと仲良くなるうちに、彼女たちが魔術を使って力を得ていく過程を描く物語。しかし、欲望に溺れた魔力は次第に暴走し、彼女たち自身を蝕んでいきます。
ここがおすすめ!
『ダーク・スクール』のような若い少女たちが持つ不安定なエネルギーと、超自然的な力の暴走を描くストーリーが好きな方におすすめ。ダークな青春映画を楽しみたい方にぴったりです。
ザ・オーメン(1976年版)
この映画を一言で表すと?
運命に翻弄される家族を描いた、オカルトホラーの金字塔!
どんな話?
養子として迎えた少年が、実は悪魔の子だったという恐ろしい運命に巻き込まれる一家の物語。静かに、しかし確実に忍び寄る恐怖が、観る者の心をじわじわと締めつけます。
ここがおすすめ!
『ダーク・スクール』同様、表面的な日常の裏に潜む邪悪な存在を描いています。じっとりとした緊張感と、ラストに向かう絶望感を味わいたい人に、ぜひおすすめしたい一作です。
ザ・スケルトン・キー
この映画を一言で表すと?
過去と呪いが交錯する、南部ゴシックホラーの傑作。
どんな話?
ニューオーリンズの古い屋敷に介護人として雇われた女性が、家の中に潜む恐ろしい秘密に気づいていく物語。伝統的なブードゥー文化と現代ホラーを融合させた、独特の世界観が広がります。
ここがおすすめ!
『ダーク・スクール』と同じく、外見上は優雅で美しい空間に潜む恐怖を描いています。ジワジワと忍び寄る違和感が好きな方には、この上ないホラー体験を提供してくれるでしょう。
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