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映画『シークレット・ヴォイス』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『シークレット・ヴォイス』の概要:大人気歌手のリラは近々復帰コンサートを予定していた。だが、浜辺で失神した際、記憶喪失になってしまう。歌い方を忘れたリラは動画サイトで自分の歌をそっくりに歌う女性を発見する。そして、彼女に自分の指導を頼みたいと考えた。

映画『シークレット・ヴォイス』の作品情報

シークレット・ヴォイス

製作年:2018年
上映時間:125分
ジャンル:サスペンス、ヒューマンドラマ
監督:カルロス・ベルムト
キャスト:ナイワ・ニムリ、エバ・ジョラチ、カルメ・エリアス、ナタリア・デ・モリーナ etc

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映画『シークレット・ヴォイス』の登場人物(キャスト)

ヴィオレタ(エヴァ・リョラッチ)
カラオケバーで働くシングルマザー。マドリードに住んでいたが10年前に娘のマルタとロタに引っ越してきた。リラの歌に励まされ、それ以来、彼女の大ファン。その熱心さから、リラの歌を完璧にコピーして動画サイトにアップしている。
リラ・カッセン(ナイワ・ニムリ)
数々の賞を受賞した歌手。母親が亡くなった10年前から歌は歌っていない。今の生活を維持するために復帰コンサートを予定していたが、記憶喪失となって歌い方や踊り方を忘れてしまう。
マルタ(ナタリア・デ・モリーナ)
ヴィオレタの娘。わがままで自分の気に入らないことが起きるとすぐに暴れだす。

映画『シークレット・ヴォイス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『シークレット・ヴォイス』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『シークレット・ヴォイス』のあらすじ【起】

90年代に大ヒットを飛ばした歌手、リラ・カッセン。ある日、彼女は浜辺で失神していたところをマネージャーのブランカに助けられる。迅速な対応のおかげで一命は取り留めたが、目が覚めたリラは記憶喪失になっていた。

リラはブランカから現状を説明される。かつてはゴールドディスクをいくつも受賞するほどヒットを飛ばしていたが、この10年、リラは歌を歌っていなかった。このままでは今のような贅沢な生活は送れなくなるため、コンサートを開催することになっていた。

二ヵ月後のマドリード公演を皮切りにツアーをする予定なのだが、リラは歌い方も振り付けもすっかり忘れてしまっていた。苦悩するリラは、ある時、ネットの動画サイトにアップされたカラオケ動画を発見する。その女性は容姿もリラに似せていたが、何より歌い方も振り付けも本物そっくりに歌っていた。

カラオケ動画の女性はヴィオレタといった。カラオケバーの店員をしており、マルタという年頃の娘がいた。母娘関係は悪く、マルタは金をせびり、思い通りに行かないとすぐに癇癪を起した。マルタの手口はナイフを手に自殺を仄めかす方法だ。娘を大切に思うヴィオレタは、その手にいつも負けて言うことを聞いてしまっていた。

映画『シークレット・ヴォイス』のあらすじ【承】

娘のこともあり、ヴィオレタは生きることに疲れていた。入水自殺を考えていた時、浜辺で声を掛けてきた女性がいた。それはブランカだった。リラの大ファンであるヴィオレタはすぐに彼女だと気がつき、興奮した。ブランカはカラオケバーで歌う姿を見て感激したと言い、一緒に飲まないかと誘ってきた。

ヴィオレタの生い立ちや現在の状況、口の堅さなどを密かに確認したブランカは、彼女なら大丈夫だと確信する。ブランカはヴィオレタに現在のリラの状況を説明した。そして、記憶喪失のリラに歌と踊りを教えてあげてくれないかとお願いをする。

ヴィオレタは戸惑ったが、ほとんど二つ返事でその申し出を受けることにした。マルタにも誰にも内緒でリラに教えることになったヴィオレタだったが、なかなか簡単なことではなかった。しかし、憧れのリラと一緒に居られることに喜びを感じたヴィオレタは、以前よりも表情を明るくしていた。その様子をマルタは少し不信に思いだしていた。

リラとヴィオレタは同じ時を過ごすことで、お互いの距離を縮めていった。ヴィオレタは以前に一度リラと会っており、レコードにサインをしてもらったことがあった。彼女が幼少期から歌を歌っていたこと聞いたリラは、自分が歌い始めた時のことを思い出そうとする。そのことをブランカに尋ねると、自分自身で作詞作曲してオリジナルを歌っていたと説明される。誰かの真似をしているのではないと諭されたが、リラは心にざわつくものを感じていた。

映画『シークレット・ヴォイス』のあらすじ【転】

ヴィオレタの熱心な指導が功を奏し、リラは着実に以前の“リラ”のように踊り、歌えるようになっていった。そんな時、マルタがカラオケバーを訪れる。そこで母が自分に嘘をついて店を休んでいることを知ったマルタ。翌朝、マルタは店に遊びに行きたいとヴィオレタに言った。契約上、真実を言えないヴィオレタは、来週ならいいとはぐらかした。

コンサートの開催が間近に迫っていた。リラはもう完璧なパフォーマンスができるまでになっていた。コンサートへの同行をお願いされるが、これ以上娘に嘘をつきたくないと断るヴィオレタ。レッスンの成功を祝し、リラは自分の衣装からヴィオレタに一着プレゼントする。

自宅に戻ったヴィオレタにマルタは言い寄ってきた。ごまかしきれなくなったヴィオレタはリラとのことを正直に話した。すると、マルタは興奮し、この情報をマスコミに売って大儲けしようと言いだす。その姿にヴィオレタは愕然としてしまった。

娘の行動に泣き崩れるヴィオレタ。だが、次第に彼女は感情を無くしたように無表情になっていった。その姿に苛立ったマルタは部屋を荒らし出し、いつものようにナイフを持ってくると自分の首にあて自殺すると叫んだ。しかし、ヴィオレタはその言葉に全く反応しない。止めてくれると思っていたマルタは、本当に自殺するよと言いながら泣き出す。そんな娘に対し、ヴィオレタは静かに、やりなさいとだけ返した。

映画『シークレット・ヴォイス』の結末・ラスト(ネタバレ)

ある朝、リラは全てを思いだして目覚めた。リラは来ていたヴィオレタの前でブランカに言った。もう“リラ”には戻れないと。そして、ブランカに解雇を言い渡す。ブランカは驚いたがリラの気持ちは変わらなかった。戸惑いながらもブランカはその場を去って行った。

リラはヴィオレタに真実を話し始めた。リラの母は歌手を目指しており、自作でデモテープを作るほどだった。だが、ヘロインを常用していたことで歯車が狂いだす。リラは母が作った曲を歌って注目され、歌手としてデビュー。その後は母が作詞作曲の歌を“リラ”の曲として発表し大成功を収めた。得た金でリラは母を更生施設に入れた。

リラの母は自分の曲が受け入れられたと喜んでいたが、クレジットに彼女の名前が載ることはなかった。5枚目のアルバムを作り出した時、母親は再びヘロインに手を出し始める。リラは次第に母のことや曲の製作過程がバレるのではないかと恐怖するようになっていった。母の60歳の誕生日、リラはヘロイン10グラムを贈り、母はそれを過剰摂取して死亡してしまった。10年前から歌わなくなったのは、曲を作っていた母が死んでしまったことが原因だったのだ。

全てを知ったヴィオレタは、ある考えに辿り着く。最後のレッスンとして自分が自作した歌を披露する。その後、リラは予定通りコンサートを開催したが、彼女の名前はもう“リラ”ではなかった。彼女は“ヴィオレタ・カッセン”と名前を変え、母を真似るのではなく、今度はヴィオレタを真似て生きていくことにしていたのだ。

コンサートの成功を見届けたヴィオレタは自宅へと戻った。真っ暗な部屋では、首を切ったマルタが大量出血のために死亡していた。ヴィオレタはマルタを気にも留めずに以前にプレゼントされた衣装に着替えると化粧を施した。

浜辺へとやってきたヴィオレタは靴を脱ぐと海の中へと突き進んでいった。彼女の体は水の中に消え、浮かび上がってくることは二度となかった。

映画『シークレット・ヴォイス』の感想・評価・レビュー

作品に流れる独特の空気感は素晴らしい。感情芝居を引き出すために時間を贅沢に使っているが、ダレることはなかった。オリジナルとコピーというテーマはクリエイティブな作業をしている者なら誰しもが毎回のように苦悩するテーマだと思う。そこに切り込んでいく監督のカルロス・ベルムトはすごいとしか言いようがない。メインの女優二人の演技は歌も含めて一見の価値あり。(MIHOシネマ編集部)


本作は、復帰コンサートを予定していた時に記憶喪失になった国民的歌手のリラが、動画サイトで発見した自分のモノマネを生業とする貧しいシングルマザーとの交流を描いたヒューマンサスペンス作品。
何か起こりそうな不穏な空気にどんどん引き込まれていった。
異空間な風景や遠近法を使ったカメラワークもかっこよくてスタイリッシュ。
このじっとりとした緊張感ある独特な雰囲気がとても好みだった。
また、女が内側に抱える毒々しいものが静かに流れ出てくるのを眺めているような不思議な気持ちになった。(女性 20代)


エヴァ・リョラッチとナイワ・ニムリの二人が美しく、少し不可思議で不穏な空気が漂うストーリーとマッチしていた。母やヴィオレタを真似たリラは、元々「自分」という存在が希薄だったのかもしれない。少しだけ怖い女性だなと思った。マルタとヴィオレタはまさか死を選ぶとは思わなかったので、この結末には衝撃を受けた。二人の親子の関係がもっと深く描かれていれば、マルタが癇癪を起している気持ちが理解できたかもしれない。(女性 30代)


マルタとヴィオレタは何のために「死」を選んだのか。死という結末は同じかもしれませんが、その理由は違ったように感じます。そもそも、マルタがかなりのわがままで自分の思い通りにならないとすぐに癇癪を起こす性格は、甘やかしすぎたヴィオレタのせいだったのでは無いでしょうか。リラのことを隠したくない、嘘をつきなくないと言いつつも、娘に対する態度は嘘にまみれていたような気がします。もう少し母と娘がお互いに歩みよっていたら「死」という結末にはならなかったのではないでしょうか。(女性 30代)

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