映画『アンダー・ザ・シルバーレイク』の概要:夢を叶えようとシルバーレイクにやってきたサムだったが、すっかり落ちぶれた生活をしていた。ある時、隣に美女のサラが引っ越してくる。彼女に好意を持つサムだったが、ある日、彼女は失踪してしまった。
映画『アンダー・ザ・シルバーレイク』の作品情報
上映時間:140分
ジャンル:サスペンス
監督:デヴィッド・ロバート・ミッチェル
キャスト:アンドリュー・ガーフィールド、ライリー・キーオ、トファー・グレイス、ゾーシャ・マメット etc
映画『アンダー・ザ・シルバーレイク』の登場人物(キャスト)
- サム(アンドリュー・ガーフィールド)
- ロサンゼルスで一人暮らしをする男。以前は恋人がいたが別れてしまった。情報溢れる世界には暗号が隠されているのではないかと考えている。
- サラ(ライリー・キーオ)
- サムのアパートに引っ越してきた美女。ある日、突然にサムの前から姿を消してしまう。
映画『アンダー・ザ・シルバーレイク』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『アンダー・ザ・シルバーレイク』のあらすじ【起】
ロサンゼルスの東部シルバーレイクで暮らすサムは、いい歳になりながらもダラダラした毎日を送っていた。彼は暇つぶしにエスコートサービスを呼んだり、ベランダに出て隣人を双眼鏡で眺めたりしていた。オウムを飼う中年の女性が住んでいたが、彼女はいつも半裸で胸を露にしていた。
ある日、アパートのプールに犬を連れた美女がやってくる。少し前に越してきた女の子でサムは興味を覚えた。時を同じくして、富豪のジェファソン・セヴンスが失踪したというニュースが飛び込んでくる。
サムは“シルバーレイクの下に”というタイトルの同人誌が好きだった。その内容は、シルバーレイクで起きる殺人や失踪事件の真相について、作者が独自の推論を展開するというものだった。本屋の店員に作者と話したいので電話番号を伝えてくれとお願いする。
プールの美女・サラと知り合いになったサム。部屋に招かれて良いムードになるが、そこの客が来る。二人の女と、そして、海賊のような恰好をした男だ。サラに明日、また来てほしいと言われ、その日は仕方なく帰ることにした。
翌朝、サラを訪ねたが留守だった。窓から中を覗くと、部屋はからっぽ。大家に話すと、昨晩、早急に引っ越ししていったと説明される。サムは家賃を滞納しており、支払わなければ出て行ってもらうと警告を受けた。
サラがいなくなったことを不審に思ったサムは、こっそりと彼女の部屋に忍び込む。荷物は何も無かったがクローゼットにガラクタが残されていた。中に入っていたサラの写真を失敬したサムは壁にひし形を二つ並べた落書きがしてあるのを見つけ、気になる。しばらくすると、一人の女が現れ、ガラクタを持っていった。サムは気がつかれないように身を隠し、彼女を追いかけていった。
映画『アンダー・ザ・シルバーレイク』のあらすじ【承】
女はガラクタを持って仲間と車を飛ばしたが、その先であの海賊男と会い、ガラクタを渡した。その後も女を追いかけたサムは“イエスとドラキュラの花嫁たち”というバンドのライブ会場へと辿り着く。
サムは女に接触し、サラの写真を見せて行き先を知らないかと尋ねたが、女はサムを蹴り飛ばすと消えてしまった。明日、“イエスと花嫁たち”がソロライブをすることになり、そのチケットとしてクッキーを渡されたサム。
そんな時、ジェファソン・セヴンスが遺体で発見されたというニュースが飛び込んでくる。車と共に焼死しており、何人かの女性の遺体もあったという。ニュース映像に映った帽子を見てサムは愕然。それは写真のサラがつけているものと同じだった。つまり、彼女はセヴンスと共に焼死してしまったのだ。
サムは以前から気になっていることがあった。この世界はものすごい情報で埋め尽くされているが、それらの情報には特定の人達だけが気がつける暗号が混じっているのではないかと。
“シルバーレイクの下に”の作者から連絡がきた。彼の最新作は“フクロウのキス”。フクロウの仮面を付けた全裸の女が寝ている間に現れ、命を奪っていくという話だ。サムは彼にサラの部屋にあったひし形の落書きを見せると、それは放浪者の暗号で“静かにしてろ”という意味だと教えられる。そして、彼から放浪者の暗号ガイドをもらった。
世界は暗号だらけだと恐怖する作者は“フクロウのキス”から逃れるために部屋中に監視カメラを設置していた。彼は自分の宝物をサムに見せてくれた。それは秘密の地図というおまけがついたシリアルだった。その地図はどこか重要な場所へ自分を導いており、近く解明する予定だという。
墓場で開かれた野外上映会で、偶然に主演女優に出くわしたサム。その後、“イエスと花嫁たち”のソロライブへ。入り口でチケットのクッキーを食べるように言われたサムは全部飲み込んだ。
会場で友人と偶然に出会ったサムは、彼から妙なことを聞かされる。“イエスと花嫁たち”の曲の中には、隠されたメッセージがあるのだと。会場でサラのガラクタを取りにきた女を見かけたサム。気がついた彼女は逃げ、サムはそれを追いかけたがチケットのクッキーのせいで気分が悪くなり、途中で倒れこんで見失ってしまった。
映画『アンダー・ザ・シルバーレイク』のあらすじ【転】
サムの元恋人は女優として有名になり、大きな商品広告の顔になっていた。サムはそれを見上げることしかできなかった。暗号について調べていたが、煮詰まったサムはエスコートサービスを呼ぶことに。その時、あの野外上映会の主演女優が相手としてやってくる。
彼女はサラを知っていた。だが、二年前のパーティで見かけただけだという。そのパーティは映画プロデューサーが開いたもので、広大な土地にいくつもの屋敷があったのだそうだ。屋敷には好きに入れたが、ひとつだけソングライターが住む屋敷だけは立ち入り禁止だったという。
暗号について考え続けたサムは、ある法則を使って“イエスと花嫁たち”の曲から暗号を読み解く。“ディーンの頭を撫で、ニュートンの下で待て”という言葉。最初は分からなかったが、サムはそれがグリフィス天文台のことだと気がつく。
グリフィス天文台にやってきたサムはジェームス・ディーンの彫像の頭を撫で、ニュートンの名が彫られた石像の前に座り込んだ。すると、そこに一人のホームレスが現れる。彼はサムを洞窟へと連れて行った。洞窟を進んで行くと、防空壕に辿り着いた。
“シルバーレイクの下に”の作者の家を訪ねると警官が立っていた。聞くと、彼は自殺したと言われる。こっそりと忍び込んだサムは、監視カメラの映像をチェック。なんと、そこにはフクロウの仮面を付けた全裸の女性が写っていた。怖くなったサムは秘密の地図が入ったシリアルを手にその場から逃げ出した。
曲に隠されたメッセージについて“イエス”に話を聞きに行ったサムは、作詞作曲は別の者がやっていると教えられる。あるソングライターが書いていると言われ、サムの中にある疑念が湧いてくる。
エスコートサービスでやってきた女優と接触したサムは、二年前のパーティの場所へと案内してもらった。不法侵入したサムは、ソングライターの屋敷へとやってきた。そこには年老いた一人の音楽家がおり、ずっと昔からさまざまな曲に暗号を仕込んでいたと説明される。
お前たちはただ私が作った暗号に踊らされて、何もかも操作されているのだと言われたサム。やがて音楽家は銃を取り出しサムを撃ち殺そうとしてきた。サムはギターを手に取り、それで音楽家の頭を打ち砕いた。
映画『アンダー・ザ・シルバーレイク』の結末・ラスト(ネタバレ)
呆然と家に戻ったサムのところに警官が現れる。サムは焦ったが家賃滞納についてのことだった。警官を説得したサムは、あと一日だけ待ってもらえることになった。
コヨーテを見かけたサムは、以前ホームレスに会った時、コヨーテを見かけたらついて行けと言われたことを思い出す。ついて行くと、あるパーティに出くわした。そこで元カノと再会したサム。彼女が女優として成功していること、フィアンセがいることを知って複雑な気分になるが、僕も頑張ると言い残した。
パーティにはセヴンスの娘も来ていた。二人はパーティを抜け出し、貯水池で泳いだ。その時、彼女はサムのプレゼントだと言って銀の腕輪をくれた。同時に、彼女は狙われているとも口にした。その時、どこからともなく二人に向かって発砲する者がおり、慌てて水中に身を隠したが彼女は撃ち殺されてしまう。
腕輪には文字が彫られていた。H6からG4、NPM1、35から37という文字だ。最初はチェスか何かだと思っていたが、NPM1がニンテンドー・パワー・マガジン第一号のことだと気がつく。35ページから37ページはゲームのマップが表示されていた。だが、それだけでは解決できなかった。サムはシリアルの秘密の地図を思い出し、それを取り出して重ねてみた。すると、貯水池からマウント・ハリウッドへの道が示されたのだ。
地図が示す場所をネット検索しても、そこの画像は載っていなかった。サムは現地へと向かって行く。そこにいたのは、あのガラクタを取りにきた女たちだった。彼女たちは一人の男と掘っ立て小屋に住んでいた。男は全てを説明しだした。
これは死後、今の世界から上昇するための行為なのだと。サムが目にしたトンネルや防空壕は彼らの墓で、死ぬまでの半年間、快楽に身をゆだねて暮らすのだそうだ。死後、彼らは上昇し解放された魂は王のように存在するのだと信じ切っていた。
ジェファソン・セヴンスもそれを行っている一人で、彼は自分の死を偽装してサラと共に自分の防空壕で過ごしていた。彼の防空壕の入り口はすでに塗り固められており、中に入っている者は全て死ぬことが決まっていた。
サムの気持ちを察した男は、サラに電話をかける。テレビ電話越しにサラと再会したサム。たわいもない会話をし、二人は別れの言葉を口にして電話は切られた。女たちはサムも仲間に加わらないかと誘ってきたがサムにその気はない。お茶に仕込まれた薬のせいで朦朧としたサムの前に、いつかのホームレスが現れた。ホームレスは秘密を知ったサムを殺そうと考えていたが、過去の恋の話を聞いて考えを変え、サムを解放してくれた。
部屋に戻ったサムは、窓の外から聞こえるオウムの声を聞く。その声に導かれて、サムは今まで覗くだけだった中年女性の部屋を訪ね、二人は関係を持った。ベランダでタバコを吸っていると、自分の部屋に警官と大家が入ってくるのが見えた。壁にはひし形の落書きがされており、それを見た大家は激怒していた。
映画『アンダー・ザ・シルバーレイク』の感想・評価・レビュー
ハリウッドに集まってくる者たちは、もしかしたらこういった思考の若者がほとんどなのかもしれない。それだけハリウッドという町は夢と幻想と陰謀に満ち溢れた場所なのではないだろうか。そんなことを思わせる作品。ひとつひとつの出来事がパズルのピースのように関連を持ってはまっていく様は面白いが、夢物語の域を出ない。だが、それは意図してそのように作られているのは分かる。デヴィッド・リンチの作風に近いが、分かりやすい作品。(MIHOシネマ編集部)
本当にエモすぎる。好き嫌いがはっきり分かれるんじゃないでしょうか。時代遅れの音楽も、昔好きだったお菓子も、憧れのあの子のファッションも何もかもが素敵でキラキラしていて、私は完全にこの作品の世界観に引き込まれてしまいました。
夢を持つことはとても大切。だけど夢を叶えるのはとても大変なこと。それでも諦めて終わりにしてはいけない。それが生きるということ。私はそう言われているように感じました。
意味がわからないと途中で諦めないで、ぜひ最後まで観てほしい作品です。(女性 30代)
謎に満ちた、奇妙な世界をたっぷり堪能できました。謎を解こうとしないで、幻想のような世界観をただ眺めると大変面白いです。裏組織や秘密結社など、都市伝説の要素が沢山散りばめられているストーリーですから、オカルトや陰謀論に興味のある方なら内容を理解できるかもしれません。また、女性の下着や水着姿のシーンが多いですが、ファッショナブルでセンスを感じます。ベッドでオレンジジュースとクラッカーをだらしなく食べるシーンがやけに印象的です。(女性 30代)
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