映画『逆転裁判』の概要:ある日、弁護士の成歩堂龍一は上司の綾里千尋から、ずっと追っていた事件の新たな証拠を見つけたので裁判の手伝いをして欲しいと呼び出しを受ける。成歩堂は事務所に向かった。そこで、千尋の遺体を見つける。
映画『逆転裁判』の作品情報
上映時間:135分
ジャンル:コメディ、ミステリー
監督:三池崇史
キャスト:成宮寛貴、斎藤工、桐谷美玲、中尾明慶 etc
映画『逆転裁判』の登場人物(キャスト)
- 成歩堂龍一(成宮寛貴)
- 新米弁護士。追い詰められると、慌てやすい性格。詰めが甘いところがあり、なかなか裁判で勝利を掴めない。
- 御剣怜侍(斎藤工)
- 「検察の寵児」の異名を持つ、優秀な検事。亡き父は弁護士だった。ある事件をきっかけに、冷淡な性格になる。成歩堂の幼馴染。
- 綾里真宵(桐谷美玲)
- 成歩堂の上司である綾里千尋の妹。霊媒師の家系で、自身も霊媒師見習いとなる。母はある事件をきっかけに行方が分からなくなり、父は幼い頃に他界している。
- 狩魔豪(石橋凌)
- 御剣怜侍の師匠とも言える検事。40年間、無敗を誇る。仕事人間で、40年間で休んだのは1日だけ。
映画『逆転裁判』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『逆転裁判』のあらすじ【起】
弁護士の成歩堂龍一は、友人の矢張政志の弁護を担当した。しかし、無罪を勝ち取るための証拠が揃っていなかった。成歩堂が諦めかけていると、上司の綾里千尋が現れ助けられる。矢張は無事に無罪となった。矢張はお礼に、考える像を模した時計の置物を千尋に贈った。
御剣怜侍は「検察の寵児」と言われるほど活躍していた。しかし、法を犯さないギリギリの方法で有罪判決を勝ち取っていたため、あまり評判は良くなかった。師匠とも言える検事の狩魔豪は、そんな怜侍のことを心配していた。
千尋はずっと追っていた事件の新たな証拠を見つけ、裁判の手伝いを成歩堂に頼んだ。成歩堂は打ち合わせをするため、事務所を訪ねた。そこで、千尋の遺体を見つける。しかも、事務所内には見知らぬ女性がいた。
成歩堂が救急車に連絡しようとしたとき、警察が踏み込んできた。向かいのビルにいた男性・小中大が、女性の犯行を目撃したと言うのだ。しかも、遺体の傍には「マヨイ」と血痕で書かれたレシートが落ちていた。事務所内にいた女性は綾里真宵という名前だった。刑事は真宵を逮捕した。
成歩堂は真宵と接見した。真宵は千尋の妹で、霊媒師見習いだった。父は既に他界しており、母は消息不明だった。真宵にとって千尋が唯一の家族だった。成歩堂は真宵の弁護をすることにした。真宵が事務所に行ったのは、千尋から連絡があったからだった。その電話の内容は、真宵の携帯の留守電に残っていた。おもしろい像があるため、見に来ないかという話だった。
成歩堂、矢張、怜侍は小学校の頃からの友人だった。しかし、現在の怜侍は剣呑な空気を漂わせており、成歩堂達と関わろうとはしなかった。昔、怜侍は父と同じ弁護士を目指していた。成歩堂はなぜ検事になったのか尋ねるが、怜侍は話そうとはしなかった。
映画『逆転裁判』のあらすじ【承】
日本政府は増加する凶悪犯罪に対して迅速に処理できるよう、新たな司法システム「序審裁判」を導入した。これは、弁護士と検事が公開法廷で直接やり取りを行い、3日以内に被告人の有罪・無罪のみを先行決定する制度だった。
真宵の「序審裁判」が開廷された。成歩堂は怜侍と対決することになった。怜侍は証人として小中を呼び寄せた。成歩堂は小中の話の矛盾点に気づく。事件当時千尋の手によって細工が施されており、考える像を模した時計の置物はただの置物となっていた。しかし、小中はそれが時計だと知っていた。成歩堂は犯人と思われる小中を追い詰めるが、あと一歩の決め手に欠けた。成歩堂は諦めそうになるが、真宵が呼び寄せた千尋の霊に励まされ持ち直す。真宵は無罪となり、小中は身柄が拘束されることになった。
15年前、真宵達の母の舞子は「DL6号事件」の犯人捜しを警察から依頼され、霊媒を行った。犯人は逮捕されるが、フリー雑誌記者の小中が捜査方法を非難する記事を書いた。そのことが大きな波紋を広げる。舞子はインチキ霊媒師とバッシングされ、娘達の前から姿を消した。千尋が言っていた長年追っていた事件は、「DL6号事件」のことだった。
成歩堂は千尋の後を引き継ぎ、「DL6号事件」のことを調査することにした。真宵も成歩堂に協力することを決める。千尋は亡くなる前に、重要な証拠を見つけたと言っていた。それがどこにあるかが分からなかった。
「DL6号事件」とは、法廷の地下にある証拠品保管庫で弁護士が殺された事件のことだった。凶器は証拠品として保管されていた拳銃で、被告人の灰根高太郎は心神喪失のため刑事責任能力なしとされ無罪となった。殺された弁護士は、御剣怜侍の父である御剣信だった。
映画『逆転裁判』のあらすじ【転】
怜侍が男を射殺した罪で逮捕された。成歩堂は怜侍の弁護を引き受けようとするが、怜侍本人に拒絶されてしまう。しかし、怜侍を弁護する人がいないと知り、事件を調査することにした。成歩堂と真宵は、犯行現場となった湖を訪れた。そこでは、謎の巨大生物ヒョッシーが発見されたとして、多くの観光客が集まっていた。
湖の近くに、ヒョッシーを探す大沢木ナツミという女性がいた。大沢木は音に反応するカメラを設置していた。成歩堂は銃声でも反応するのではないかと思い、犯行が写っていないか大沢木に確認した。1枚目の写真は23時30分に撮られていたが、霧が濃くて何も見えなかった。しかも、犯行時刻よりも遥かに前の時間だった。2枚目には拳銃が写っていたが、犯人の弁護士に見せたくないと言われ成歩堂は見せてもらえなかった。
被害者の身元が判明した。「DL6号事件」で灰根を担当した弁護士の生倉雪夫だった。成歩堂は今回の事件と千尋殺害の事件が繋がっていると確信する。成歩堂は怜侍に改めて話を聞きに行った。怜侍は事件に関わらないよう忠告するが、成歩堂は聞き入れなかった、成歩堂は小学生の頃に怜侍に助けられたことがあり、恩を感じていた。
怜侍は事件当日にあったことを成歩堂に話した。怜侍は「DL6号事件」のことで話があると言われ、生倉に会いに行った。そこで、生倉が銃を発砲してきた。怜侍が伏せて身を守ったときに発砲音が聞こえ、生倉が湖へと転落した。怜侍は何が起きたのかよく分かっていなかった。
怜侍の事件を担当することになった検事は、狩魔だった。狩魔は40年間無敗を誇る男だった。そして、仕事熱心のため、休みを取ったのは40年間で1度だけだった。成歩堂はそんな狩魔とやり合うことになった。
怜侍の「序審裁判」が開廷された。大沢木が証言台に立ち、怜侍と生倉がボートの上にいる写真が証拠として出された。成歩堂が苦戦を強いられる中、真宵は傍聴席から大沢木に正確なことを言うよう求めた。真宵は法廷から退席を命じられるが、真宵のお蔭で成歩堂は大沢木の証言の矛盾を見つける。そして、成歩堂は生倉が自殺した可能性があると指摘した。審理は明日へ持ち越されることになった。
成歩堂と真宵は事件を調査している過程で、ヒョッシーの正体を知ってしまう。それは、矢張が用意した、ガスで膨らむ巨大な人形だった。さらに、成歩堂達は新聞記事を見て、小中に千尋を盗聴するよう依頼していた何者かがいたことを知る。
映画『逆転裁判』の結末・ラスト(ネタバレ)
審理2日目。証言台に立ったのは、通報者でもあるボート小屋の管理人だった。管理人は怜侍が「人を撃ってしまうとは」と呟いた言葉を聞いたと証言した。成歩堂が追い詰められたとき、矢張が助けに現れる。事件当日、矢張は飛んでいったガスで膨らむ巨大な人形を探すため、湖に行っていた。今までの証人は午前0時より後に銃声を聞いていたが、矢張は0時前に銃声を聞いていた。大沢木のカメラに写っていた23時30分が本当の犯行時刻である可能性が出てきた。そして、怜侍と会っていた人物は、生倉に成りすました真犯人である可能性があった。成歩堂はボート小屋の管理人が犯人の可能性があるため、尋問を要請した。しかし、管理人の行方が分からなくなる。
成歩堂と真宵はボート小屋を調べた。その時、生倉と御剣怜侍に復讐せよ、「DL6号事件」を忘れるなと書かれた紙を見つける。しかし、何者かに襲われ、紙を奪われてしまう。成歩堂は事件に黒幕がいると確信し、小中を法廷に引っ張り出して話を聞くことにした。だが、その小中が、毒殺されてしまう。
審理3日目。警察の賢明な捜索により、ボート小屋の管理人が見つかる。成歩堂と怜侍はその管理人が灰根だと確信していた。管理人はそれを認め、生倉の殺害を供述した。灰根は御剣信を殺していなかった。だが、生倉は裁判に勝つため、灰根の犯行だとした上で心神喪失で事件を処理したのだ。灰根の人生はメチャメチャになり、妻のサユリは自殺した。
御剣信を殺したのは誰なのか疑問が残った。怜侍は幼い頃に、父が殺された現場にいた。そして、父が証拠を隠滅しようとしたところを目撃していた。そこに何者かが現れ、信と争いになった。怜侍は父を守ろうとして、誤って自分が父を射殺してしまったと思っていた。しかし、成歩堂は怜侍の無罪を信じており、事件を調べ直した。
「DL6号事件」についての裁判が行われた。成歩堂は真宵が呼び寄せた千尋に励まされ、怜侍の弁護を続けた。事件現場には、御剣信と生倉の他に狩魔がいた。千尋は狩魔の不正を立証する証拠を、考える像を模した時計の置物に隠していた。狩魔は自分の不正に気付いた信を殺害したのだった。狩魔は逮捕され、怜侍には無罪が言い渡された。
真宵は母の霊媒が間違っていたことに落ち込むが、成歩堂と怜侍がそれを否定した。信が最期に目撃したのは息子が拳銃を持っている姿だったため、庇うために信の霊が灰根の名前を口にした可能性があった。その後、成歩堂は灰根の弁護を担当することにした。怜侍は成歩堂と握手を交わし、助けてくれたことを感謝した。
映画『逆転裁判』の感想・評価・レビュー
酷評な意見が目立つ作品ではあるが、個人的にはおもしろいと感じた。ゲームのストーリーに沿って作られており、『逆転裁判』ファンにとっても楽しめると思う。灰根の妻であるサユリの霊が登場したところは、感動する場面のはずが本気で怖かった。あんなにリアルに幽霊を表現しなくても良いと思う。法廷での戦いは、CGが駆使されていてなかなか見応えがあった。役者達もゲームのキャラクターを上手く表現していて、それほど違和感を感じなかったし良かったと思う。(MIHOシネマ編集部)
ゲームやアニメで人気な『逆転裁判』が実写化すると聞いてこれはかなりコケるだろうと思っていましたが、監督は三池崇史、成歩堂を演じるのは成宮寛貴という事で期待せずに鑑賞しました。
正直な感想としては、やはりゲームやアニメの「リアル」では無い世界で楽しむほうが面白い作品だと思います。裁判をテーマにした作品としてはあまりにもコメディ感が強すぎるし、謎解きやサスペンス要素も甘いです。原作をベースに描いているので仕方無いとは思いますが、キャラクターのビジュアルや設定は、実写化するならもう少しリアルでも良かったのかなと感じました。(女性 30代)
ゲームをプレイしたことがあるので、映画版はとても楽しめました。ゲームの中の主人公の性格が、そのまま表現されていました。
内容は原作に基づいているので、とにかくくだらなくて面白いです。
しかし、コメディの中にも、割と真面目な場面もあります。
本当は一つの事件がもっと長いゲームなので、内容が凝縮されすぎているような気もします。原作を知らない人は、もっとわかりにくいかもしれません。
個人的には逆転裁判シリーズのゲームが大好きなので、楽しめました。(女性 40代)
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