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映画『ジョーカー(2019)』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『ジョーカー(2019)』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ジョーカー(2019)』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『ジョーカー(2019)』の結末までのストーリー
  • 『ジョーカー(2019)』を見た感想・レビュー
  • 『ジョーカー(2019)』を見た人におすすめの映画5選

映画『ジョーカー(2019)』の作品情報


出典:U-NEXT

製作年 2019年
上映時間 122分
ジャンル サスペンス
ドラマ
犯罪
監督 トッド・フィリップス
キャスト ホアキン・フェニックス
ロバート・デ・ニーロ
ザジー・ビーツ
フランセス・コンロイ
製作国 アメリカ

映画『ジョーカー(2019)』の登場人物(キャスト)

アーサー・フレック / ジョーカー(ホアキン・フェニックス)
アーサーは精神的疾患や、貧困問題を抱えつつも、心優しい性格。人々を笑わせようと道化師の仕事をしながら、母親の世話をして暮らす。社会の抑圧から徐々に精神が崩壊し、狂気に満ちたジョーカーとなる。
マレー・フランクリン(ロバート・デニーロ)
人気テレビ番組の司会者で、コメディアン。小劇場で行ったアーサーのショーに目を付け、自身の番組にアーサーをゲストとして招く。番組内でもジョーカーを笑い者にして、精神的に追い詰める。
ペニー・フレック(フランセス・コンロイ)
アーサーの母親。アーサーを自分とトーマスとの間に産まれた子供だと信じ、トーマスに生活の援助を求めるための手紙を送り続ける。しかし、精神疾患と病的な妄想癖があり、過去には精神病院で入院していた。
ソフィー・デュモンド(ザジー・ビーツ)
アーサーと同じアパートに住む黒人女性。アーサーにとって心の支えとなるが、ソフィーとアーサーの間に起こることは、全てアーサーの妄想であった。
トーマス・ウェイン(ブレット・カレン)
アーサーの母親のペニーが30年前に使用人として働いていた屋敷の主。ペニーはトーマスとの間に産まれたのがアーサーだと主張するが、トーマスは否定する。ゴッサム・シティの市長になるために、市民に寄り添う姿勢を見せるが、暴徒化する市民を社会の落第者でありピエロだと嘲笑する。また、後にバットマンとなるブルース・ウェインの父親である。
アルフレッド・ペニーワース(ダグラス・ホッジ)
トーマス・ウェインの屋敷に仕える執事。
ブルース・ウェイン(ダンテ・ペレイラ=オルソン)
トーマス・ウェインの息子で、後のバットマン。

映画『ジョーカー(2019)』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『ジョーカー(2019)』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ジョーカー(2019)』のあらすじ【起】

舞台は1970年代のゴッサム・シティ。街は清掃員のストライキによりゴミで溢れ、貧富の差は拡大し、物々しい雰囲気が漂っていた。ゴッサム・シティに住むアーサーは、母親のペニーの介護をしながら、道化師の派遣仕事をして暮らしていた。道化師の仕事は低賃金だが、アーサーは人々を笑わせたいという気持ちと、いつの日かコメディアンとして成功したいという夢を持ち、ひたむきに生きていた。

ある日、ピエロの格好をして店の前で看板を持つ仕事をしていたアーサーは、街の不良少年達に絡まれ、袋叩きにされて看板を破壊されてしまう。ボロボロになりながら会社に戻ったアーサーを見て、同僚のランドルが身を守るためにと、アーサーに銃を渡した。

帰りのバスで、アーサーは乗り合わせた子供と目が合い、笑顔を向けたが、子供の母親に気味悪がられ咎められる。すると、アーサーは突然大声で高らかに笑い続けた。困惑する親子に、アーサーは1枚のカードを渡した。そのカードには、アーサーが脳の欠陥で笑いの発作が止まらなくなることがあるため、理解して欲しい、という内容が記されていた。

アーサーの家ではペニーがアーサーの帰りを待っていた。ペニーは心臓と精神の病を抱え、殆ど寝たきりの状態であった。ペニーは郵便受けに手紙が届いていなかったかと、アーサーに尋ねた。ペニーは30年前に使用人として仕えていたトーマス・ウェインに、生活の援助を求める手紙を送り続けていたのだ。

映画『ジョーカー(2019)』のあらすじ【承】

ある日、アーサーは小児病棟の子供たちの前でピエロのパフォーマンスをしている最中に、ランドルから渡された銃を誤って落としてしまう。その場は騒然となり、アーサーはピエロの格好のまま逃げ出したが、そのまま会社を解雇される。

アーサーは落ち込みながら地下鉄に乗り、帰路についた。ピエロ姿のアーサーに気付いた3人組のビジネスマン達が、アーサーをからかい、袋叩きにする。苦痛から笑いの発作が止まらなくなったアーサーを見て、ビジネスマン達の暴力はエスカレートしていく。すると、アーサーは持っていた銃でビジネスマン達を撃ち殺してしまった。この事件はニュースで大きく取り上げられることになり、殺されたビジネスマン達はトーマス・ウェインの会社の社員であったことが判明した。トーマスはニュースで、ピエロの格好でしか行動を起こせない犯人は社会からの脱落者だと述べ、怒りを露わにする。しかし、ゴッサム市長になるために上辺だけ謙虚な姿勢を見せていたトーマスは、市民達の反感を買うことになる。この事件を機に市民達は、ピエロをプロパガンダの象徴として暴動を一層過激にする。

映画『ジョーカー(2019)』のあらすじ【転】

少しずつ壊れていくアーサーは、アパートのエレベータでシングルマザーのソフィーと出会う。多くは語り合わなかったが、2人は少しずつ距離を縮めていった。アーサーは自身が出演するスタンドアップコメディーショーにソフィーを招いた。しかし、ショーの本番でアーサーは笑いの発作を起こし、ショーは失敗に終わる。ところが、ひたすら舞台の上で笑い続けるアーサーの姿が反響を呼び、人気コメディアンのマレー・フランクの番組にゲスト出演することが決まる。

一方ペニーは、トーマスに手紙を書き続けていた。アーサーはペニーに出しておくように頼まれた手紙を覗き見る。するとそこには、トーマスがアーサーの父親であるということが記されていた。困惑したアーサーは事実を確かめるために、トーマスの屋敷を訪ねた。しかし、使用人のアルフレッドに追い返される。アーサーは、母親の名前と、自分はトーマスの息子だということをアルフレッドに伝えるが、アルフレッドは聞く耳を持たなかった。

納得のいかないアーサーは、トーマスに会うために、映画鑑賞パーティーが開かれている建物へ向かった。トイレに立ったトーマスを追いかけ、アーサーはトーマスと対峙する。アーサーはトーマスに対して、自分の父親であることを訴えるが、否定され、ペニーは狂っていると冷たくあしらわれる。それでもなお激しく訴えるアーサーをトーマスは殴り飛ばし、ペニーが使用人として働いている時にペニーが貰ってきた養子がアーサーであるという事実をアーサーに突きつけた。

アーサーは真実を確かめるために、ペニーが過去に入院していた病院を訪れた。そこに保管されていた診察記録には、アーサーが養子であることに加え、ペニーの交際相手に虐待されたアーサーは脳に損傷を負ったこと、ペニーは虚言癖と妄想性障害を患っていることなど数多くの記録が記されていた。思わぬ過去を知ってしまったアーサーは、脳卒中で倒れたペニーが入院している病室へ向かい、そのままペニーの顔を枕で覆い窒息死させてしまう。

後日、ペニーの死を知った元同僚のランドと連れが心配してアーサーの家を訪ねる。しかしアーサーは、ランドルが警察に銃の所持の責任をアーサーに擦り付けて裏切ったという理由で、ランドルの首元を切り付け殺害する。

社会からも見放され、信じられるものも無くしたアーサーは助けを求めるかのようにソフィーの部屋を訪れる。しかし、ソフィーはアーサーの名前を辛うじて知っているだけで、アーサーの突然の訪問に恐怖の色を示す。ソフィーとアーサーの親密な関係は、全てアーサーの妄想であった。

映画『ジョーカー(2019)』の結末・ラスト(ネタバレ)

ビジネスマン殺害の容疑で警察に追われながらも、アーサーはマレーのコメディ番組出演当日を迎える。楽屋に着いたアーサーはピエロのメイクをしていた。マレーは素顔で舞台に立つアーサーを見てオファーをしていたため戸惑う。さらに、街ではピエロメイクをした市民達が暴動を起こしているため、プロデューサーは難色を示した。しかし、アーサーは政治的意図は無く、ただ楽しませたいだけだと主張し、マレーの了承を得る。アーサーはマレーに、番組で紹介する際にアーサーではなくジョーカーという名前で紹介するようにと告げる。

番組では、初めこそ拍手で迎えられたジョーカーであったが、やはりジョーカーの笑いと世間の感覚は噛み合わず会場は静まり返る。マレーがその場を盛り上げようと、ジョーカーを馬鹿にする冗談で笑いをとる。戸惑いと怒りが加速したジョーカーは、ビジネスマンを射殺した犯人は自分だと突然告白を始めた。マレーは半信半疑でジョーカーの話を聞いていたが、つまらない冗談だ、その話にオチはあるのか、と問い詰める。するとジョーカーは立ち上がり、マレーに向けて銃を突き付け、生放送中に射殺してしまった。会場はパニックになるが、一部で暴徒化する市民を一層煽る形となった。

トーマスは荒れ狂った街から逃げようと、妻と息子と路地裏を進んでいた。しかし、トーマスとトーマスの妻はピエロのマスクを被った男達に射殺されてしまった。呆然と立ち尽くす幼いトーマスの息子は、将来バッドマンとなるブルース・ウェインであった。

パトカーで連行されるジョーカーは、車内から荒れ狂う市民達や至る所で燃え上がる炎を眺め、微笑む。そこへ脇から、ジョーカーの乗るパトカーに救急車が突っ込み、ピエロ姿の市民達がジョーカーを助け出す。目を覚ましたジョーカーがパトカーのボンネットの上に立ち上がると、市民たちは称賛の声を上げ、ジョーカーは高らかに笑うのであった。

改めて逮捕されたジョーカーは、アーカム州立病院でカウンセリングを受けていた。カウンセリング最中に再び笑いの発作が起き、カウンセラーに理由を聞かれると、面白いジョークを思いついたが、理解できないだろう、と笑い続ける。ジョーカーは部屋を後にし、病院の廊下を華麗なステップを踏み、踊りながら進む。ジョーカーの歩いた廊下には、血まみれの足跡がくっきりと残っていた。

映画『ジョーカー(2019)』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

アーサーの壊れていく様子がリアルで、観ていて息が詰まるような感覚でした。最初は同情心すら抱いていましたが、後半の彼の行動には恐怖を感じました。社会から孤立した人間が狂気に飲まれていく過程をここまでリアルに描いた映画はなかなか無いと思います。ジョーカーが生まれた瞬間、すべてがひっくり返るような不安と恐怖を感じました。(20代 男性)


社会から見捨てられた人間が、どうして悪へと変貌するのか。その答えを突きつけられた気がしました。暴力や精神の病についての描き方が生々しく、観ていて胸が痛くなりました。特にラストのトークショーのシーンは衝撃的で、ただの「悪役誕生譚」では済まされない深いテーマを感じました。(40代 女性)


最初はただのバットマンの敵役の過去話かと思って観たのですが、良い意味で裏切られました。ジョーカーというキャラクターが一人の人間・アーサーとして、どれほど追い詰められたかが丁寧に描かれていて感情移入してしまいました。社会の無関心さ、冷酷さがリアルで、自分にも何か責任があるような気さえしました。(30代 男性)


映画の映像美とホアキン・フェニックスの怪演が本当に素晴らしかったです。特に階段を踊るシーンは美しさと狂気が同居していて忘れられません。ジョーカーに共感するわけではないけれど、理解はできてしまう…その危うさがこの映画の最大の魅力だと思いました。怖いけど、また観たくなる映画です。(20代 女性)


正直、観終わった後しばらく放心状態でした。社会の格差や無関心、精神疾患への偏見など、現代社会が抱える問題がこの作品には詰まっています。ジョーカーの狂気は決して遠い存在ではないというメッセージに震えました。ホアキンの演技には鳥肌が立ちました。(50代 男性)


精神疾患に苦しむ人たちへの社会の無理解、それがどれほど人を追い詰めるのかという現実を突きつけられました。アーサーが母の真実を知り、自分という存在すら否定されるくだりは本当に辛かったです。ジョーカーは悪ではなく、社会の犠牲者の象徴だと思いました。(30代 女性)


バットマンシリーズのスピンオフ的な位置づけかと思って軽い気持ちで観たのですが、全く違いました。アーサーの人生があまりに悲惨で、途中から目をそらしたくなるような場面もありました。でもそれがこの作品の魅力でもあり、観る人に問いを投げかけているのだと思います。(60代 男性)


感情を押し殺しながら生きてきたアーサーが、ジョーカーとして覚醒していく様子が怖いけど、なぜか美しくも感じました。特にラストシーン、血の足跡を引きずって踊る姿には言葉を失いました。こんなにも狂気と美を両立させた作品は他にないと思います。(10代 女性)


アーサーが「笑い」をコントロールできない障害を抱えていたという点が印象的で、そこから生まれる誤解や孤立が、どれほど苦しいものかを感じさせられました。母との関係、真実の発覚、どんどん崩壊していく精神状態の描写が圧巻でした。(40代 男性)


まるで舞台劇を観ているかのような、重厚で息苦しい映画でした。アーサーが現実と妄想の狭間で壊れていく過程は、観客に自問自答を迫ります。「自分だったらどうだろう?」と思わせるリアリティがあります。エンタメとしてではなく、社会派ドラマとしても非常に優れた作品でした。(50代 女性)

映画『ジョーカー(2019)』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ジョーカー(2019)』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

タクシードライバー(1976)

この映画を一言で表すと?

孤独と狂気が渦巻く、静かな爆発を描いた映画史に残る名作。

どんな話?

ニューヨークの街を夜な夜なタクシーで走る退役軍人トラヴィス。彼は街の汚れた現実に嫌悪しながら、孤独と苛立ちを募らせていく。そして彼の怒りは、やがて危険な方向へと向かっていく…。静かで不穏な狂気が印象的なドラマ。

ここがおすすめ!

ホアキン・フェニックスのジョーカーと同じく、ロバート・デ・ニーロ演じる主人公の精神的な崩壊がリアルに描かれます。都市の孤独や社会への不信をテーマにしつつ、心理的な描写が秀逸で、観終わった後に深い余韻が残ります。

ブラック・スワン(2010)

この映画を一言で表すと?

美と狂気が共鳴する、心理サスペンスの傑作。

どんな話?

バレエ団に所属するニナは、「白鳥の湖」の主役に抜擢されるが、そのプレッシャーから次第に精神を蝕まれていく。理想の演技を求めるあまり、現実と幻覚の境界が曖昧になっていき…。ナタリー・ポートマンの怪演が光る衝撃作。

ここがおすすめ!

ジョーカー同様、精神の崩壊を体感するような没入感が魅力。映像の美しさと心理描写の繊細さが融合し、芸術と狂気の境界を描き出します。観る者に強い感情の揺さぶりを与える、圧倒的な映像体験が味わえます。

ナイトクローラー(2014)

この映画を一言で表すと?

社会の裏側を暴く、危険すぎる成功物語。

どんな話?

職を失った男ルイスが見つけたのは、事件や事故現場を撮影してテレビ局に売る“ナイトクローラー”という仕事。徐々にその仕事にのめり込む彼は、スクープのためにモラルを捨て、常識を逸脱していく…。

ここがおすすめ!

ジェイク・ギレンホールが見せる異常なまでの執着と冷淡さは、ジョーカーの狂気と共鳴します。現代社会のメディアと倫理の崩壊を描いた緊張感のある作品で、人間の闇に興味がある人には刺さる一本です。

アメリカン・サイコ(2000)

この映画を一言で表すと?

華やかな仮面の裏に潜む、エリート殺人鬼の狂気。

どんな話?

ウォール街のエリートでありながら、裏では快楽殺人を繰り返す男パトリック。完璧な外見と狂気が同居する彼の姿が、80年代アメリカ社会の表と裏を浮き彫りにしていく。ブラックユーモアとサスペンスが融合した異色作。

ここがおすすめ!

ジョーカーのように、表向きの人格と本性が乖離したキャラクターが主人公。クリスチャン・ベールの怪演が圧巻で、狂気と美学が混ざり合う中毒性のある作品です。倫理観が揺さぶられるストーリー展開も見逃せません。

レクイエム・フォー・ドリーム(2000)

この映画を一言で表すと?

夢が悪夢へと変わる、究極の破滅型ドラマ。

どんな話?

4人の男女がそれぞれの夢を抱きながらも、ドラッグに手を出したことで人生が崩壊していく。光り輝いて見えた未来が、少しずつ暗く深い闇に染まっていく様子を描いた衝撃作。

ここがおすすめ!

人間の希望と堕落の極端なコントラストが強烈な印象を残します。映像演出と音楽が観る者の感情を揺さぶり、心に爪痕を残す作品です。ジョーカー同様、破滅へと進む人間の心理が巧みに描かれています。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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