映画『死霊館のシスター』の概要:『死霊館』シリーズのスピンオフ作品。シリーズに登場するシスターの謎が明かされる。時系列としては最古のものとなり、バチカンの教皇庁から派遣された神父と見習いシスターによる、悪魔ヴァラクとの壮絶な戦いが描かれている。
映画『死霊館のシスター』の作品情報
上映時間:96分
ジャンル:ホラー
監督:コリン・ハーディ
キャスト:デミアン・ビチル、タイッサ・ファーミガ、ジョナ・ブロケ、シャーロット・ホープ etc
映画『死霊館のシスター』の登場人物(キャスト)
- バーク神父(デミアン・ビチル)
- バチカン教皇庁の調査員。特殊な現象を主に調査しており、悪魔祓いができる数少ない神父。大戦中に悪魔に憑依された少年を救えなかったことを悔いている。博識で勇敢。
- アイリーン(タイッサ・ファーミガ)
- 尼僧志願生の修道女。終生誓願をするかどうか迷っている。幼い頃から不思議な幻覚や夢を見ることで修道女になる。清楚で意思の強い女性。
- フレンチー(ジョナ・ブロケ)
- ルーマニアのビエルタン村に住む青年。聖カルタ教会へと物資を運び、自殺した修道女を発見する。フランス系カナダ人であるため、フレンチーと呼ばれている。本名はモリース。
- ヴィクトリア(シャーロット・ホープ)
- 聖カルタ教会、最後の生存者であったシスター。聖遺物、キリストの血を保管する鍵を託され、ヴァラクの憑依から逃れるため、自ら命を絶つ。ヴァラクによって魂を囚われ、手先として使われる。
- オアナ(イングリット・ビス)
- 修道女。ヴァラクによって命を落とすも、アイリーンに教会の歴史を教えたり時に助けてくれたりもする。ヴァラクによって操られることもある。
- ヴァラク(ボニー・アーロンズ)
- 尼僧の姿をした悪魔。カルタ公爵によって召喚され、幻覚を見せて人の心を弱らせる。蛇の首領であることから、蛇を使って襲うこともある。非常に凶悪で抜け目がない。
映画『死霊館のシスター』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『死霊館のシスター』のあらすじ【起】
1952年、ルーマニアの聖カルタ教会にて尼僧が自殺したという事件が起きた。バチカン市国へと7年振りに呼び出されたバーク神父は、司教から件の修道院の調査を依頼される。尼僧にしか入れない場所があるとのことで、助手に尼僧志願生がつけられることになった。
ロンドンの聖ビンセント病院。助手として白羽の矢が立ったのは、ルーマニア出身で尼僧志願生のアイリーンだった。バーク神父は、選ばれたことには何か理由があると言って彼女を連れて行くことにした。
ルーマニア、ビエルタン村。遺体の第一発見者である村の青年、フレンチーを訪ねる。フレンチーは村と教会の取り決めにより、3カ月ごとに物資を運ぶ仕事にて修道女の遺体を発見したと言う。そこで、バーク神父は彼に修道院へと案内してもらう。
馬車にて山奥へ。修道院の敷地内には馬が嫌がって入らないと言うため、そこから徒歩で向かう。聖カルタ教会は戦争の爆撃により痛んだ箇所が多くその上、教会を囲んで無数の十字架が立てられていた。村では悪魔を封じているのだと噂されているらしい。フレンチーは発見した遺体を保管するため、物資を保管する氷令室に運んでいた。ところが、中へ入ると寝かせておいた遺体がなぜか座っている。バーク神父は遺体から謎の鍵を入手。
遺体を埋葬した後、発見場所でもある修道院の入り口へ。扉の前の階段には血だまりができていたが、何か月も経過しているはずなのに固まっていない。明らかに異様な事態ではあるが、一同はいよいよ中へ。黒い布で全身を覆った修道長と会ったが、修道院の安全面に異常はなく、話をするなら翌日にして欲しいと言われる。その日は来客用の部屋で一泊することになった。
映画『死霊館のシスター』のあらすじ【承】
バーク神父は教皇庁に認定された数少ない調査員だった。彼の調査対象は主に特殊な現象である。特殊とは神の奇跡や悪魔が引き起こす事象だ。アイリーンもまた幼い頃から幻覚に悩まされた一人であったが、彼女の場合はどちらかと言うと神の奇跡に近いようである。
深夜、ラジオの電源が勝手に入る。気付いた神父が電灯で照らすと音楽が止まる。アイリーンの無事を確認後、神父は暗闇に過去、悪魔祓いで救えなかった少年の姿を目にする。少年を追って墓地へ向かったが、脅かされて棺へ落下。彼は生きたまま埋葬されてしまうのだった。
その頃、異変を察し目覚めたアイリーンは、ランプを手に室内を移動中。墓地から鳴る鈴で神父に脅威が迫っていることを知る。
急いで墓地へ向かいバーク神父が生き埋めにされた墓を見つけ出し、掘り出すことに。その間、棺内にいたバーク神父は背後から襲われ危うく命を奪われそうになる。アイリーンのお陰でどうにか助かったが、墓の中に収められた荷物に怪しい本を発見。邪悪な力が働いているのは目にも明らかだった。
翌朝、再び修道院の入り口前へ。血だまりの量が増えていた。バーク神父は入手した鍵をアイリーンに渡し調査するよう話し、神父は本の調査を行った。建物内の人影を追ったアイリーン。礼拝堂で何世紀も礼拝を続けている場に辿り着いた。そこで、オアナというシスターに出会う。
フレンチーが村のパブにて、村に次々と不幸事が起こっている話を耳にしている頃、バーク神父は書籍から修道院に召喚されたものが冒涜を意味するヴァラクという悪魔だったと知る。ヴァラクは蛇の首領とも言われていた。
映画『死霊館のシスター』のあらすじ【転】
同じ頃、オアナから首を吊ったシスターがヴィクトリアという敬虔な修道女だったと知らされたアイリーン。そもそも、聖カルタ教会は暗黒時代に聖カルタ公爵が建てた城だったと言う。公爵は悪魔を召喚するため、魔術と儀式を繰り返し地獄の扉を開いたらしい。だが、そこへ教皇庁の十字軍が突入し、扉を聖遺物であるキリストの血で封印した。教会は城を占拠し、悪魔の封印を強めるために礼拝を絶やさず行うことにしたと言う。ところが、何世紀か後、大戦の爆撃により封印が破壊されてしまい、悪魔ヴァラクが再び動き出してしまったのだ。
そこで、アイリーンは夜中にシスターを目にしたと話す。すると、オアナはそのシスターこそが悪魔ヴァラクなのだと言う。奴は幻を見せて人の心を弱らせる。シスターの姿を取るのは、尼僧に紛れて一人残らず襲うためだ。礼拝の時間が迫っているため、話はそこまでしか聞けなかった。アイリーンはその日も修道院へ宿泊することになり、オアナから部屋へ案内してもらった。
その頃、資料を漁っていたバーク神父。そこへ修道長が現れ、地獄の扉がある内部へは入れないと告げる。更に修道長はアイリーンの死を予言し、姿を消してしまうのだった。
悪夢を見て目を覚ましたアイリーンの前にヴィクトリアが現れる。彼女はアイリーンに神の救いをと告げ、首に縄をかけて窓から転落。直後、鍵がかかっていたはずの扉が開く。アイリーンは蝋燭を手に廊下を進み、修道院の奥へ。そして、地獄の扉があるその場所へ。扉が開くとヴァラクが待ち受けている。アイリーンはヴァラクの脅威に晒され、命を脅かされるもののオアナに助けられるのだった。
ヴァラクは日ごとに力を増している。アイリーンは礼拝堂へ向かい祈りを捧げることになるも、礼拝堂にはオアナの遺体が横たわっている。そこへ、シスターたちが集まり、全員で祈りを捧げることに。だが、強い風が吹き抜け、アイリーンを除くシスターが全員、吹き飛ばされてしまう。
その頃、ヴァラクによって幻覚を見せられたバーク神父は、物資を保管する氷冷室に逃げ込んでいた。だがその時、ヴィクトリアの遺体が動き出し神父へと襲い掛かって来る。フレンチーが駆け付けヴィクトリアを倒してくれたため、どうにか助かった。
映画『死霊館のシスター』の結末・ラスト(ネタバレ)
生き残ったシスターたちと祈りを捧げていたアイリーン。そこへ、バーク神父とフレンチーがようやくやって来る。扉を開き事情を話したものの、振り返ると誰もいない。そこにあるのは、オアナの遺体だけである。白い布を被せられた遺体はミイラ化していた。恐らく、修道院はすでにヴァラクの手に落ち、聖域としての価値を失っていたのだ。
ヴァラクは人に憑依しなければ、外に出られないのだろう。故に、最後の生存者であったヴィクトリアは、それを避けるべく自ら命を絶ったのだと思われる。
全ては地獄の扉を閉じ、封印しなければ終わらない。扉は地下墓地にあるが、キリストの血がなければ封印ができない。そこで、彼女は終生誓願を行うことを決意。終生誓願を行うこと即ちそれは、一生を神に捧げシスターとして生きることである。
アイリーンが持つ鍵は地下墓地の先にある保管庫の鍵だった。地下墓地にてマリア像が示す先に鍵穴を発見。そこに聖遺物、キリストの血が保管されていた。次は地獄の扉である。しかし、地下を探索する過程で、3人はバラバラになってしまう。
アイリーンは亡霊に襲われつつも先へ進み、儀式の間へと誘われヴァラクに囚われてしまう。駆け付けたフレンチーに助けられたが、代わりに彼が囚われる。そして、泉に吹き飛ばされたアイリーンの前にとうとうヴァラクが姿を現す。だが、奴の力は強大で、アイリーンも命を奪われそうになる。だが、そこで彼女は口にキリストの血を含み、奴へと吹きかけた。すると、ヴァラクと地獄の扉が再び封印されるのだった。
意識を取り戻したフレンチーによってどうにか助かったアイリーン。バーク神父も左目を負傷したが、無事だった。
夜が明け、シスターたちの魂を弔った一行は、その場を笑顔で去った。
20年後。マサチューセッツ州、ウェイクフィールドにて超常現象研究家エド・ウォーレンとロレイン夫妻による講義が行われた。その資料の一つとして、フレンチーが悪魔に憑依された映像が流される。彼はヴァラクによって逆さ十字の烙印を押されていたのだ。彼の傍らには、アイリーンが寄り添っていた。
映画『死霊館のシスター』の感想・評価・レビュー
『死霊館』シリーズのスピンオフで、シスターの謎が明かされる。ホラー映画ではあるものの、怖さはあまりなく、悪魔の手練手管に翻弄される神父と見習いシスターの奮闘を見るといった感じ。死霊館で姿を見せるシスターが実は悪魔ヴァラクだったというのは、少々驚いた。不気味な感じではあったが、悪魔のようには思えなかったからだ。
今作では、序盤からヴァラクの存在が判明している。しかも、聖遺物で地獄の門の封印は成功するものの、フレンチーと神父に残された傷は明らかに悪魔による刻印で、ヴァラクが完全に消滅していないことを示唆している。悪魔って抜け目がないのだなと冷静に思ってしまった。(MIHOシネマ編集部)
『死霊館』シリーズのスピンオフ作品。監督もジェームズ・ワンでは無いのであまり期待はしていませんでしたが、ホラー作品と言うよりも悪魔祓いにほっこりするような展開が上手く掛け合わされているんです。怖くはありませんが非常に面白い作品でした。
それにしても、このシスターのビジュアルは何とかならなかったのでしょうか。マリリン・マンソンを彷彿とさせるようなビジュアルは、私の思い描くシスターのそれとは大きくかけ離れていて見ていて面白くなってしまうし違和感が凄いです。
ホラーが苦手な方にも見やすい作品だと思います。(女性 30代)
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