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映画『バルト・キングダム』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『バルト・キングダム』の概要:13世紀、バルト海沿岸のゼムガレ、現ラトビアの史実を基に制作された作品。キリスト教会十字軍による征服に、交易民族の新たな若き王を筆頭に抵抗する。王の指輪を巡って王の成長と国の行く末、民族としての矜持を受け継ぐ様が描かれている。

映画『バルト・キングダム』の作品情報

バルト・キングダム

製作年:2018年
上映時間:114分
ジャンル:アクション、アドベンチャー
監督:アイガース・グラウバ
キャスト:エドヴィン・エンドレ、ジェームス・ブロアー、アイステ・ディルジューテ、イヴォ・マルティンソンズ etc

映画『バルト・キングダム』の登場人物(キャスト)

ナメイ(エドヴィン・エンドレ)
ゼムガレの好青年。王姉の子で現王の甥ではあるが、国民と分け隔てなく育てられる。快活で慈悲深く、剣の腕もかなり優秀。勇敢で賢い。国外の旅にて見分を広げたいと考えていたが、王より王の指輪を託されゼムガレの若き王となる。
マックス(ジェームズ・ブロアー)
ローマ教皇の落とし子。冷酷無比で傲慢。キリスト教を普及させるという名目で十字軍を組織し、ゼムガレを征服しようと画策する。甘言を説き陥れるのが常套手段。
ラウガ(アイステ・ディルジューテ)
ナメイの恋人。優しくたおやかだが、武器の投てきに長けている。ナメイとの間に強い信頼と愛情を築いている。後に王妃となる。
ヴァルディス(イヴォ・マルティンソンズ)
前王から側近として仕えている。ナメイを王として認めていない様子を見せつつも、王として仕えている。

映画『バルト・キングダム』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『バルト・キングダム』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『バルト・キングダム』のあらすじ【起】

13世紀、バルト海沿岸のゼムガレに住む異教の交易民族の征服を、ローマ教皇の落とし子マックスが画策。だが、ゼムガレ人はバイキングでさえ恐れる勇敢な民族であった。

ゼムガレの若者ナメイは見分を広げるため、ローマへ向けて船旅をするべく仲間達と共に王から許可を得る。ところが、隣村の族長の葬儀へ参加した王はマックスの画策により、幼い王子と共に毒を盛られ病床についてしまう。ゼムガレでは王と王子の解毒を必死に行ったものの、回復は難しいとされ次期王の選定を行った。

船旅の準備に追われていたが、病床に就く王より呼び出されたナメイ。彼は王姉の子で王の甥ではあったが、野心など全くなかった。しかし、王はナメイへと王の証である指輪を渡し、国の今後を任せるのである。晴天の霹靂というべきか、国の誰もが予想しない出来事だった。
王族の先祖が眠るとされる聖域へ向かったナメイは、聖域の地下に王家の財宝が隠されている事実を知る。

一方、次期王として選ばれた人物が、天涯孤独のナメイという青年だと聞かされたマックスは、ナメイが持つ王の指輪を得るべく王の葬儀へ参列することに。
その日の夜、マックス一味の参列を許し粛々と葬儀が行われた。王妃は王の亡骸と共に命を絶ち、死出の旅路へ。

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映画『バルト・キングダム』のあらすじ【承】

死者を弔う日は何者をも殺してはならないという掟があったが、マックスはこれを逆手に取り、王の葬儀の夜にナメイの親友の恋人を殺害してしまう。ゼムガレ人は掟を破られたことに憤怒し、復讐を叫び始める。マックスが隣村の若い族長がやったと先導し、ナメイに協力を申し出た。そうとは知らないナメイ。流されるまま、一族の精鋭を引き連れ十字軍と共に隣村へ。出立前、ナメイは王の指輪を恋人のラウガへ預けるのだった。

様子がおかしいと感じていたナメイだったが、恋人を殺された怒りに囚われた親友は話を聞きもしない。村へ突入したものの、広場にて待ち受ける十字軍と対峙する羽目に。これにより、全ての事柄がマックスの画策であったことを知ったナメイ。だが、ゼムガレ軍は武に誉れが高く、戦闘では負け知らずである。そこで、マックスは彼らを袋のネズミにする策を講じ、ナメイを捕縛するのだった。

ところが、ナメイは王の指輪を持っていない。そこで、マックスは彼をローマへ連行すること。しかし、ナメイは国でも聡明で腕の立つ勇敢な人物である。彼は隙を突いて十字軍を全滅させ、海を泳いで帰還。単独で闇討ちを行い、仲間を救出するのだった。

映画『バルト・キングダム』のあらすじ【転】

王の指輪を奪うべくサーレマーへ向かったマックスを追い、ナメイと戦士たちも船を漕ぐ。だが、海を渡るよりは川を下った方が早い。そこで、彼らは船を担いで川へ移動し、一路サーレマーを目指す。海からではなく山から入国。周辺の族長へも警戒を促すよう伝令を送った。

その頃、サーレマーに到着したマックスは、ナメイが国を裏切ってローマへ向かったと嘘を告げ、王の器にないため、指輪を渡せと要求。だが、ラウガは恋人を心から信じており、ナメイは決して裏切らないと言って指輪を渡そうとはしなかった。

そこへ、ようやくナメイと戦士たちが密かに到着。マックスの策略を破ったナメイは国民に武器を持つよう宣言し、ラウガとも再会。王の指輪を受け取った。
そうして、十字軍と対峙し撃退。マックスは形勢が不利と知ると、すぐさま撤退するのだった。

ローマへ逃げ帰ったマックスは父親の教皇に聖戦を布告するよう脅迫。正当な兵ではなく、罪人を兵士にして軍の補強を行った。
同じ頃、ナメイはラウガと結婚。ゼムガレは束の間の安息を得る。その後、ナメイは族長会議を開き王の器であることを見せつけローマに対抗するべく、連合軍を組織。その間、ナメイを認めない不当な輩による背信行為が生じるも、事前に察知し内乱を防いだ。

このこともあって、ゼムガレと連合軍はより一層、絆を深め戦いへと挑む。海岸にてマックス率いる十字軍と対峙したものの、族長の2人が多額の賄賂にて寝返ってしまう。そのせいで、仲間同士で戦うことになってしまいナメイ軍は非常に不利な状況へ。早々に退却したものの兵は半減。砦での籠城戦へ移行することになった。

映画『バルト・キングダム』の結末・ラスト(ネタバレ)

マックスは焼き討ちを命じ、火矢が射かけられる。砦内では国民の避難で騒然とする中、宣教師が戦いをやめさせようとしたものの、マックスはその宣教師でさえも射殺してしまう。
砦の扉が破られ十字軍が一斉になだれ込んで来る。ナメイ達は地下道から逃走を図り、王族だけが入ることを許された聖域へ。この度の戦闘により、ナメイの親友が命を落とした。

翌朝、マックスの使者がナメイの元へやって来る。マックスは王の指輪を渡せば土地へ戻すと言う。協議は揉めたが、これにより前王から仕えている側近ヴァルディスが裏切り者であったことが判明。ヴァルディスはこれ以上の被害を出さないため、マックスに屈する道を選んだ。そこで、ナメイは民族の矜持を捨ててマックスに屈するか、矜持を守りゼムガレ人として抵抗するかを国民と戦士たちに問い掛け、意思を委ねることにする。

聖域は湿地帯にある。早朝は霧に覆われ視界が悪くなるため、戦闘の場としてはある意味有利であった。ナメイは王家の財宝を使って、戦闘に参加する国民全員に新たに作った王の指輪を装着させ武装させた。
早朝、ラウガと共にマックスと相対。更に火を放って煙を発生させ、十字軍を背後から奇襲した。敵兵の全員が王の指輪をしているとは知らないマックス。意気揚々と指輪を手にしたものの、方々から指輪を見つけたと声が上がり動揺する。
そうして、ナメイによって湿地の沼へ落とされたマックスは、岸へ上がることもできずに溺れ死んでしまうのだった。

100年後、ゼムガレは教会に征服されてしまうが、国民の心までは征服できず。ゼムガレ人はナメイが示した民族の誇りと矜持を忘れず後世へ受け継いだ。
王の指輪は現在、ナメイスの指輪と呼ばれ誠意と勇気、自由の象徴として伝えられている。

映画『バルト・キングダム』の感想・評価・レビュー

フィンランドの南に位置するラトビアの史実を基に制作された物語。ラトビア人と勇敢のシンボルとされるナメイスの指輪の歴史にまつわる、キリスト教会と異教徒の戦いを描いている。

作中に重厚さはあまりなく、さらりと見られる。独特な民族衣装や序盤で描かれるスポーツなどは、歴史的にも面白い。主人公は快活で国外への旅を楽しみにする好青年であったが、王として指名されたことで次第に頭角を現していく。対して教皇の息子は敬虔なクリスチャンでもなく、むしろ教会やキリスト教の教えを憎んでさえおり冷酷無比で卑怯。異教徒民族側からの視点で描かれているからかもしれないが、傍目にも敵味方がすぐに見分けられる演出になっている。壮大なはずだが、小規模な印象がある。(MIHOシネマ編集部)

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