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映画『スウィンダラーズ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『スウィンダラーズ』の概要:韓国稀代の詐欺師が亡くなったという公式発表がある。詐欺師を狙う詐欺師である主人公は大物詐欺師へと復讐するため、検事へと協力を申し出る。

映画『スウィンダラーズ』の作品情報

スウィンダラーズ

製作年:2017年
上映時間:116分
ジャンル:サスペンス
監督:チャン・チャンウォン
キャスト:ヒョンビン、ユ・ジテ、ペ・ソンウ、パク・ソンウン etc

映画『スウィンダラーズ』の登場人物(キャスト)

ファン・ジソン(ヒョンビン)
詐欺師を狙う詐欺師。33歳と若いが、知能型で変装に長けている。詐欺師であった父親が自殺後、天涯孤独になる。父親は自殺ではなく、ドゥチルが殺したと考えており復讐するべく追っている。
パク・ヒス(ユ・ジテ)
ソウル中央地検、首席検事。かつてドゥチルの担当検事であったが、ドゥチル死亡が公式発表されてからは、ドゥチルの配下を次々に検挙している。ハンミン党党首の後ろ盾を持っているが、政治家を馬鹿にしている。
コ・ソクトン(ペ・ソンウ)
ヒスに協力している刑事。端末操作に長けた相棒と共にチュンジャと共謀し、小遣い稼ぎをしている。ファンを非常に警戒しており、ヒスへも忠告するが、実はファンの仲間。
チャン・ドゥチル(ホ・ソンテ)
韓国を騒がせた稀代の詐欺師。大物詐欺師で莫大な資産と配下を持っている。タイへと逃亡し、潜伏していると思われる。
チュンジャ(ナナ)
女詐欺師。美しい容姿を持った女性だが、酒に弱いのが欠点。

映画『スウィンダラーズ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『スウィンダラーズ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『スウィンダラーズ』のあらすじ【起】

2008年、韓国を騒がせた稀代の詐欺師チャン・ドゥチルによる詐欺事件が勃発。被害は相当数に上り、全財産を失って絶望した被害者のうち10人が自殺にて亡くなった。
当時、ファン・ジソンは技術も拙い詐欺師だったが、同じ詐欺師で通称夜霧と呼ばれる父親と暮らしていた。だが、ドゥチルと会った日の夜、父親が人気のない廃倉庫で自殺してしまう。父親が自殺するとは思えず、ファンはドゥチルに疑いを持つように。その後、当のドゥチルは中国へ逃走。警察は国際手配をしたものの逮捕することができず、ドゥチルは死亡したと公式に発表された。

8年後。ドゥチルの担当検事であったソウル中央地検の首席検事パク・ヒスは、刑事のコ・ソクトンとその相棒、女詐欺師のチュンジャを使って雑魚詐欺師を調査していた。居場所と罪状を揃えいざ逮捕したものの、どうやら奴はある男から詐欺被害に遭ったらしく、酷く憤慨している。しかも、容疑者宅から帳簿リストが全て盗まれているという事実が判明。ヒス一行は容疑者を騙した男が怪しいと見て、監視カメラ映像を調査した。

すると、例の男が詐欺師を狙う詐欺師であることが分かる。変装に長け非常に鮮やかな手口で、同業者を狙う知能型詐欺師である。ヒスは件の男を逮捕すべく、直ちに出動し確保することに成功するのだった。

詐欺師を狙う詐欺師になっていたファン・ジソン。ヒスは彼から本当の目的を聞く。韓国ではドゥチルが中国にて死亡したと公式発表されていたが、実は中国から密かに出国し、各国を移動していたらしい。ファンは奴の後を追って4年前にタイで捕縛され、標的のドゥチルと対面しながらも逃走していた。それ以降、奴の足取りを見失ってしまう。そこで、ファンはドゥチルを誘き寄せるため、奴の帳簿を盗み出したのである。

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映画『スウィンダラーズ』のあらすじ【承】

ヒスは労働者を支援する政党、ハンミン党を後ろ盾に持っている。だが、政党に属する議員たちはドゥチルとも繋がりがあり、彼らが支援して中国へ逃亡させたという経緯があった。ヒスがファンの存在を明かすと、党首はドゥチルの生存を秘匿するべくファンを密かに始末するよう命令するのだった。

横柄で腐敗しきった議員に腹を立てていたヒスは、一計を案じることにする。始末を命じられたファンを仲間に加え、大物詐欺師ドゥチルを逮捕しようと言うのである。計画は全てファンが立てることになった。

まずは逮捕した雑魚詐欺師を解放させるべく、ソクトンと協力。ヒスの命令により容疑者が釈放された。更に架空の会社を作り上げファンを社長に据え、雑魚詐欺師にカジノへの投資話をする。費用は10臆ウォンと高額であるため、ドゥチルに泣きつくに違いないと読んだ。隠しカメラによって監視を続け、読み通りにドゥチルへと泣きつく。ドゥチルは側近を送ると言っていた。

ファンがカジノ運営での多額の資金洗浄をする現場へ、ドゥチルの側近を案内。だが、いざ契約という段階になって、ファンの儲け話に疑いを持った側近が契約を断ってくる。そこでヒス一行は計画を変更し、チュンジャをメインに行動させることにした。上手く取り込んでドゥチルへと繋ぎを作るためだった。

チュンジャは若く美しい女性で演技力もある。相手を酔わせて既成事実を作る予定だったが、酒に弱いという欠点あった。側近を取り込む計画を進める間、ファンが突如、計画を進めるためにタイへ飛ぶと言い出す。ヒスは仕方なくそれを了承したが、ソクトンは危機感を覚え信じてはならないと忠告するのだった。

映画『スウィンダラーズ』のあらすじ【転】

一方でヒスはドゥチルの目撃情報を報道させる。それを見た側近はドゥチルへと連絡を入れ注意を促したが、なんとドゥチルが韓国へ来ていることが判明。側近を追跡し、とうとうドゥチル本人を確認する。ソクトンとヒスも急いで現場へ向かったが、ドゥチルは短い会話を交わしてすぐに姿を消してしまう。

寸前で標的を逃し歯噛みしていた時、タイにいるはずのファンが韓国にて密かに記者と会っているという報せが入る。収賄リストについて話している様子。記者曰く、本物の収賄リストの情報を知る者はヒスだけらしい。

そこで、ヒスはファンの自殺した父親のことについて調べることにする。すると、ファンの父親がかつて夜霧と呼ばれていた詐欺師であったことが分かる。ヒスはその名前を目にして驚愕。8年前、ドゥチルの逃走を手伝わせた夜霧を始末したのが、ヒスだったからだ。夜霧は口が堅いことで有名だったが当時、駆け出しの検事であったヒスはドゥチルの命令に逆らえなかった。

計画は佳境へと入りつつある。側近を追ってドゥチルの潜伏場所であるレストランへ。盗聴での会話にノイズが少ないことから、恐らく地下にいるのだろう。ファンはソクトンと地下へと潜入し、部屋の前で待機。会話はドゥチルが3千億ウォンもの大金を洗浄するという内容で進む。突入するための応援も呼んであった。ところが、ヒスは突入寸前で全員に撤収命令を下してしまうのだった。

党首との密談により、ドゥチル逮捕の暁には議員席の地盤を貰えるよう頼み込んだヒス。それには、まず3千億ウォンを横取りしなければならない。アジトへ戻った彼はドゥチルを見逃したと憤るファンと口論になる。ファンが収賄リストを狙っていると知っているヒスはそれを餌に、資金洗浄を行う際に3千億ウォンを横領する算段をつけた。

後日、ファンの会社にドゥチルの側近が訪れ、1臆ウォンの譲渡性預金証書を300枚持って来る。そこで、ファンはヒスと交渉し50パーセントの取り分を要求。了解を得ると他の3人に取り分を全て与え、自分はリストだけを入手すると宣言した。
側近には1週間で現金化することを告げ、ひとまずはリストの半分を入手したファン。残りは計画を無事に終えた後に渡すと言われる。

映画『スウィンダラーズ』の結末・ラスト(ネタバレ)

ヒスの権力により、側近の会社へ検閲が入る。その間にファンはリストを記者へ提出。記者は嬉々としてリストを公開した。その収賄リストには十数名の警察官や官僚の名前が掲載されていたため、ハンミン党は一気に騒然となる。
だがそんな時、側近が姿を消したという報せが入る。一行は直ちにドゥチルが潜伏していたと思われるレストランへ突入したが、地下の部屋はすでにもぬけの殻だった。激怒するヒスだったが、ファンへと姿を消した側近から連絡が入る。奴は金を受け取って逃げる算段らしい。捕まえるなら今しかない。

ヒスは政党の密談にて、官僚たちに300億ウォンの現金を用意するよう告げた。それはかつて、彼らがドゥチルから受け取った総額である。私腹を肥やすのはやめて、務めを果たせと怒鳴り返してやった。
その後、リストがあるとデマを流した雑魚詐欺師を捕縛。奴を始末しようとしたが、どうやら全てが計画的な犯行で、始めから何者かに命令されていたらしいということが分かる。

ガソリンスタンドでファンが側近と会い、一先ずは300億ウォンを渡した。ヒスはファンを捕縛し、側近の監視を行う。アジトにて仲間の前でファンを痛めつけたヒスだったが、部下から側近と金、ドゥチルも取り逃がしたと知らせが入る。次に会う約束の日は翌日の夜。
そこにドゥチルから電話が入る。だが、ヒスとの会話は党首と検事長へも聞かれており、直ちに終息させろと命令が下るのだった。

ヒスが現場へ向かっている間、アジトに残っていた仲間に父親を自殺と見せかけて殺害したのがヒスだったことを明かしたファン。自分の味方について欲しいと声をかけた。
翌日の夜、待ち合わせ場所へ。ところが、ソクトンの裏切りに遭い、ファンとチュンジャ、ソクトンの相棒がヒスの部下に捕縛されてしまう。ヒスは自分一人でドゥチルを捕まえ、これまでの失態を回復させようと考えていたのだった。

そうして、いよいよドゥチルと側近が時間通りにやって来る。ヒスは奴らを一網打尽にしたが、ドゥチルだと思っていた人物が実はファンだったことに驚愕する。すると、ファンはドゥチルの声真似で自分は詐欺師だと告げ、これまでの計画を全て明かした。
始まりからこれまで、全てがファンの計画だったことを知ったヒスは、銃口を向けてファンを殺そうとする。だが、そこで背後からソクトンがヒスへと銃口を向けた。

実はソクトンもドゥチルの側近役の男も、ドゥチルの詐欺被害で自殺した者の親族であった。更にそこへチュンジャが党首と検事長を連れて来る。2人はヒスへと悪態をついて命乞いを行ったが、事態はそれだけで済まずパトカーのサイレンまでもが鳴り響く。
一同は全員逮捕されるも、ヒスの言動は全て隠しカメラにてネット上にリアル配信されていることが分かり、党首も検事長もヒスも社会的制裁を受けることになるのだった。

しばらく後、刑期を終えたファンがようやく自宅へ戻る。ところが、そこへソクトン達が姿を現し戻ったファンを歓待。そして、仲間達は入手した300億ウォンと計画表を見せ、最後に残ったドゥチルを貶めるべく、ファンに計画を立てるよう促すのであった。

映画『スウィンダラーズ』の感想・評価・レビュー

韓国を騒がせた大物詐欺師はマフィアのボスのようである。非常に幅広いコネを持ち、財界や政界をも牛耳っている。しかも検事でさえ配下として扱い、人殺しもさせる。主人公の父親もこの大物詐欺師の配下だった。

詐欺師が詐欺師を貶めるには、相当な切れ者でなければならないと思う。今作は非常に洞察力に優れた検事を相手取っているが、主人公が刑務所から出ると仲間達の手によって、標的はすでに大物詐欺師のみとなっている。主人公の仲間も結構やり手なのだなと感じたラストシーンだった。(MIHOシネマ編集部)


本作は、詐欺師の父を殺されたことで詐欺師だけを騙すようになった天才詐欺師の集団と野心に満ちたエリート検事が協力して有名詐欺師への接近を試みる姿を描き、実際の事件を基にした韓国サスペンス作品。
復讐ものだが執念のような後味の悪いドロドロしたものはなく、観ていてスッキリとした爽快感があった。
そして、存在感のある役者陣たちの騙し合いや綺麗に回収されていく伏線、気分爽快などんでん返しの結末に驚かされ、何度も観たくなる作品だった。(女性 20代)


まさか、検事のヒスがファン・ジソンの父殺しに関わっているとは思わなかった。予想外の展開が見られるので、最後まで楽しめた。悪い奴を懲らしめるので、爽快感があった。
詐欺師の詐欺師らしい、先々まで読むファン・ジソンの計画力は素晴らしいと思う。水面下で頭脳戦が繰り広げられるため、見ているだけでも頭が疲れる。最後まで驚かされたし、大掛かりな計画は見応えがあった。物語のラストで種明かしがされるので、すっきりした気持ちで見終わることができる。(女性 30代)


ヒョンビンがとんでもなくかっこよい今作。詐欺師だけをターゲットにする詐欺師集団というなかなか細かい設定ですが、とにかく面白かったです。
おそらくヒョンビン目当てで見る人が多いと思いますが、ストーリーやキャラクター設定がしっかりしているので作品として十分楽しめます。
爽快なラストになっているのもとても良かったです。伏線が沢山散りばめられているので見逃さないように集中して見て欲しい作品です。(女性 30代)

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