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映画『魔界探偵ゴーゴリ 暗黒の騎士と生け贄の美女たち』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『魔界探偵ゴーゴリ 暗黒の騎士と生け贄の美女たち』の概要:ロシアの作家ニコライ・ゴーゴリの著書『ディカーニカ近郷夜話』を基に制作されたダークファンタジー。3部作の第1作目。秘密警察の書記官であったゴーゴリは、有能な捜査官と共に連続殺人事件の捜査へ向かい、事件の犯人と思われる黒騎士の謎を追うことになる。

映画『魔界探偵ゴーゴリ 暗黒の騎士と生け贄の美女たち』の作品情報

魔界探偵ゴーゴリ 暗黒の騎士と生け贄の美女たち

製作年:2017年
上映時間:106分
ジャンル:ファンタジー、サスペンス
監督:イゴール・バラノフ
キャスト:アレクサンドル・ペトロフ、ユリヤ・フランツ、オレグ・メンシコフ、アルチョム・トカチェンコ etc

映画『魔界探偵ゴーゴリ 暗黒の騎士と生け贄の美女たち』の登場人物(キャスト)

ニコライ・ゴーゴリ(アレクサンドル・ペトロフ)
小説家を目指して本を自費出版したが、泣かず飛ばず。病的に青白く常におどおどしている。小地主の産まれで裕福な家柄だが、事件現場の書記官として働いている。霊的な能力を持ち、人には見えないヴィジョンが見える。
オクサーナ(ユリヤ・フランツ)
粉屋の娘。30年前に沼で命を落としている。妖艶な黒髪の美人。何かとゴーゴリの手助けをし、ヒントを与えている。
グロー(オレグ・メンシコフ)
いくつもの難事件を解決してきた優秀な捜査官。洞察力に優れ機知に富んでいる。ゴーゴリの能力に気付き、捜査へと同行させる。赤いコートを愛用している。
リザ(タイーシャ・ヴィルコヴァ)
ディカーニカ村の丘の豪邸に住む貴族、ダニシェヴェスキー伯爵の妻。金髪の美しい女性でゴーゴリと惹かれ合う。ゴーゴリの小説を愛読しており、称賛している。

映画『魔界探偵ゴーゴリ 暗黒の騎士と生け贄の美女たち』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『魔界探偵ゴーゴリ 暗黒の騎士と生け贄の美女たち』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『魔界探偵ゴーゴリ 暗黒の騎士と生け贄の美女たち』のあらすじ【起】

第1章「ディカーニカ村の殺人」

1829年、サンクトペテルブルク。豪邸の暖炉にて不審死を遂げた夫人の死亡現場へ、書記官として訪れていたニコライ・ゴーゴリ。彼には特殊な能力があり、こういった現場へと赴く度に人には見えないヴィジョンが見える。そのために倒れることが常で今回も捜査官グローが入室した途端、殺害時のヴィジョンに襲われ唐突に倒れてしまうのだった。

グローは非常に洞察力に優れた人物であり、ゴーゴリが今しがた見たヴィジョンによって真実を告げると、彼に興味を抱く。そして、グローはゴーゴリが書き残した言葉からヒントを得て、たちまちのうちに事件を解決したのだった。

そんなある朝、突然グローが屋敷を訪れ、事件の捜査に書記官として同行しないかと誘われる。ゴーゴリは一も二もなく、彼について行くことにした。
一昼夜、狭い馬車に揺られ、生まれ故郷があるポルタバ州のディカーニカ村へ。村の近くで若い女の遺体が3体、発見された事件の捜査で、恐らく儀式殺人と思われる。被害者は現在3人だが、今後も増える可能性があった。

早朝、ディカーニカ村へ到着。地元警察の署長と司祭が快く出迎えてくれたが、グローはそれよりもまず、発見された遺体の検分を所望。ところが、司祭曰く教えに反するとのことで遺体はすでに埋葬されたらしい。そこで、グローは遺体を墓から掘り起こすと告げ、宿へと落ち着いたのであった。食事の際、グローから更に情報を聞かせてもらう。遺体が発見される前、必ず黒騎士が目撃されているらしい。

3人目の被害者である女性の遺体を掘り起こし早速、検分に入る。解剖の結果、遺体には血液が一滴も残されていなかった。ゴーゴリは気分を害し、川に散歩へ。そこで、馬車に轢かれ気を失ってしまう。どうやら彼を轢いた馬車は、村の丘に住むダニシェヴェスキー伯爵のものだった様子。ゴーゴリは伯爵の妻リザに介抱され、伯爵夫妻と食事を共にすることに。美しいリザに一目で惹かれてしまったゴーゴリだったが、リザはあまり体が丈夫ではないようだった。

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映画『魔界探偵ゴーゴリ 暗黒の騎士と生け贄の美女たち』のあらすじ【承】

伯爵から馬を借りて村へ。しかし、その帰り道。彼は森の中で背中に4本の角を生やした黒騎士を目撃。闇雲に逃げた結果、風車がある丘で落馬してしまった。そこへ、粉屋の娘オクサーナが現れる。彼女は彼に少し落ち着くよう促したが、ゴーゴリは差し出されたお茶を飲んで意識を失ってしまう。

気が付くとすでに朝で、宿屋のベッドだった。しかも、なぜか裸足で泥に塗れている。ゴーゴリはこのことをグローに話して聞かせた。すると、グローの一声で風車を見に行くことに。村人の話によると、粉屋の娘が生存していたのは30年前。近くの沼でおぼれ死んだと言う。しかも当時、失踪した若い女は他にも10人以上いたらしい。警察署長は悪い噂が広がるのを防ぐため、この事実をグローにも話していなかった。30年前の事件の犯人が今回の事件と同一犯だとすれば、無関係とは言えない。

その夜、部屋の鏡に不審な影を見たゴーゴリ。彼はまたオクサーナの夢を見る。ふと、目覚めると宿屋のベッドで、また足が泥塗れだった。
その日もグローと風車が見える丘へ向かったが、茂みから切り落とされた腕を発見してしまう。夢で見た女が宿屋の女将だったことに気付いたゴーゴリは、グローと共に女将を捕まえようとする。しかし、女将はグローを投げ飛ばし、ゴーゴリを殺そうとする。警察署長が女将を始末したことで、どうにか助かるのであった。

女将の家を捜索。どうやら彼女は魔女だったようで、一連の犯人は女将だと断定されたが、何か釈然としないグローとゴーゴリ。
その夜、宿にリザが訪ねて来る。ゴーゴリとリザは帰る前の逢瀬とばかりに抱き合ったが、リザの姿が度々、オクサーナに変わる。彼女は魔女が犯人ではないと告げ、早く起きろと促した。慌てて起きたゴーゴリは、宿屋の前の納屋が燃えているのを目撃。中ではグローと黒騎士が剣を交えていた。

消火後、グローの焼死体が発見され都市へ帰る準備が行われた。しかし、ゴーゴリはオクサーナの言葉を信じ、次の捜査官が来るまでの間、捜査を続けると警察署長に告げる。署長はゴーゴリの固い決意に折れ仕方なく了承するのだった。

映画『魔界探偵ゴーゴリ 暗黒の騎士と生け贄の美女たち』のあらすじ【転】

第2章「赤いジャケット」

捜査の継続を宣言してから数日後、司祭の息子と浮気していた夫人が自宅で刺殺されるという事件が発生。目撃者は司祭の息子だけであったため、容疑者として牢に入れられていた。始まりは赤いジャケットだと言う。村では赤いジャケットは悪魔を示す物で、浮気妻を罰するらしい。その後は不思議な現象が続いたと言うのだが、彼が連続殺人をしたとは到底、思えない。ゴーゴリは警察署長に被害者宅の捜査と画家の協力を頼んだ。

絵心があるという鍛冶職人を紹介される。次に被害者宅へ。家の中にはいつものマークが記されていた。そこで、ゴーゴリはヴィジョンを見て失神。犯人が黒騎士ではなく、でっち上げだということが分かる。ゴーゴリは家を調べ、証拠を発見。夫が容疑者として署へ連行された。

尋問により、夫が妻を殺害したと自白したが、ゴーゴリは蝋燭に触れて再びヴィジョンを見る。殺害は黒騎士ではないものの、関係はあるようだ。夫の話を聞き犯人ではないと気付いたゴーゴリ。署長に夫人の遺体を解剖させて欲しいと頼む。

村でたった1人の医師に解剖を頼んだものの、医師は酒浸りでやぶ医者と噂されていた。だが、腕と知識は確かなようで夫人の死因は心破裂であることが判明。医師と一緒に酒を飲んだゴーゴリは、したたかに酔ったままリザへと会いに向かった。彼女から小説に真実を投影したらどうかとアドバイスをもらう。

丘の豪邸からの帰路、森の中でグローらしき人影を目撃。すると、そこへ被害者夫人の娘が現れる。どうやら彼女は黒騎士に追われているらしく、一緒に木陰に隠れてやり過ごした。共に村へ向かう際、娘の婚約者が迎えに来たため、事情を説明しようとしたゴーゴリ。話そうとした矢先、婚約者から殴られてしまう。

映画『魔界探偵ゴーゴリ 暗黒の騎士と生け贄の美女たち』の結末・ラスト(ネタバレ)

その拍子にヴィジョンを見る。雑多な都市にオクサーナが立っている。ゴーゴリは彼女に説明を求めた。すると、彼女はゴーゴリには2つの世界が用意されていると言う。完全なる悪が支配する闇の世界と人の世界である。彼の能力は闇の力によるものらしく、この力をコントロールできるようになれば、黒騎士も容易に見つかると言うのだった。

目が覚めると宿のベッド。二日酔いによる酷い頭痛と殴られた頬には痣ができていた。そして、鍛冶職人が亡くなった女たちの似顔絵を描いて来てくれた様子。更にグローのトランクが部屋に運び込まれていた。どうやら亡くなる前に手紙を残していたらしい。だが、トランクには鍵がかかっていて開けられなかった。

亡くなった夫人の娘の結婚式が行われた夜、ゴーゴリはやぶ医者に事件で使用された蝋燭を見てもらった。医師はその蝋燭に火を点し、緑の炎が出ることを見せたが、ゴーゴリは驚いて倒れてしまう。どうやら、緑の炎が出る蝋燭には幻覚作用もあるらしい。ゴーゴリは被害者の夫に真犯人が誰かを聞き出すことに。恐らく、犯人は実の娘である。
ところが、逆上した夫に首を絞められてしまうゴーゴリ。この騒動を利用し、娘は婚約者と共に逃走してしまう。一同は2人を追って森へと入った。

道半ばで木の根に足を取られた婚約者を発見。娘の悲鳴が川の方から聞こえたため、急いで向かおうとしたが、夫人の亡霊が立ち往生。ゴーゴリと鍛冶職人、ゴーゴリの従者は亡霊から空高く舞い上げられ、手も足も出ない。逸早く気絶した医師が目を覚まし、持っていた蝋燭に火を点した。すると、亡霊は事件当時のことを思い出し、ゴーゴリの本性を見てしまう。彼が闇の力を持っていると気付いた亡霊は、恐れおののいて消えてしまった。

翌朝、小舟で亡くなっている娘が発見される。近くの地面には黒騎士のマークが描かれていた。ゴーゴリは従者と医師、鍛冶職人を集め信頼に足る者たちだと口にする。そして、鍛冶職人からグローのトランクを開けてもらった。しかし、取っ手を握った瞬間、ゴーゴリはまたもヴィジョンを見る。そこは暗い洞窟の中、血塗れの若い女達と黒騎士に囚われ血塗れのリザが悲鳴を上げるというものだった。

映画『魔界探偵ゴーゴリ 暗黒の騎士と生け贄の美女たち』の感想・評価・レビュー

作家ニコライ・ゴーゴリには、実は人には見えないヴィジョンを見る能力があった、という設定で物語が進む。作品は一貫してブルーグレーの色味が強く、まさにダークファンタジー。主役のゴーゴリもやけに青白い顔色で、前半はとにかくびくつき脆弱な印象が強いが、捜査官グローの言葉に触発され、徐々に自分の能力と向き合うようになっていく。

後半は頼りのグローが亡くなり、やむを得ず単独での捜査を行うことになるが、そうすることで更に自信をつけるようになる。その過程で、ゴーゴリの能力が闇の力であることが分かる。現実と闇の世界やヴィジョンの割合がバランスよく演出されており、物語に引き込まれる構成になっている。3部作であるため、一気見してしまう。(MIHOシネマ編集部)

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