12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『再会の時』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『再会の時』の概要:1960年代後半、反戦運動に参加し固い絆と連帯感を持っていた8人の男女。大学卒業後15年が経過し突如、仲間の1人が自殺したとの訃報が入った。葬儀のため、7人全員が集結し再会したが、長い時は彼らの気持ちを変えてしまっていた。

映画『再会の時』の作品情報

再会の時

製作年:1983年
上映時間:105分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ローレンス・カスダン
キャスト:トム・ベレンジャー、グレン・クローズ、ウィリアム・ハート、ケヴィン・クライン etc

映画『再会の時』の登場人物(キャスト)

ハロルド・クーパー(ケヴィン・クライン)
実業家。誠実でしっかり者。亡きアレックスの親友で、別荘を貸していた。学生時代から好きだったサラと結婚し、2人の子を儲ける。
サラ・クーパー(グレン・クローズ)
ハロルドの妻。亡きアレックスの恋人だったが、堅実なハロルドを選ぶ。2人の子供の母親であり優等生。
サム・ウェバー(トム・ベレンジャー)
人気俳優。どこか粗野な面がセクシーな魅力を醸している。学生時代からカレンに片思いをしていた。妻とは離婚し、子供に会えない日々を送っている。意外に責任感が強い。
マイケル・ゴールド(ジェフ・ゴールドブラム)
ジャーナリスト。雑誌社に記事を載せているものの、クラブ経営に宗旨替えしようと考えている。口が上手くお調子者な面がある。メグに好意を寄せている。
ニック・カールトン(ヴィリアム・ハート)
ラジオ番組の元ホスト。ベトナムへ従軍し凄惨な経験から男性機能を失っている。そのせいで、卑屈になり否定的なことを言うことも多い。アレックスが管理していた山小屋に魅入られる。住所不定で明日をも知れない日々を送っている。
メグ・ジョーンズ(メアリー・ケイ・プレイス)
アトランタにて弁護士をしている。男性経験が豊富で高校時代に妊娠、堕胎を経験している。現在は妊娠するべく奮闘中で、仲間から種を貰おうと考えている。
カレン・ボーウェンズ(ジョベス・ウィリアムズ)
主婦。広告会社の重役を勤める夫との間に2人の子供を儲ける。夫に本音を言えず鬱屈しており、育児に専念。詩や短編を書くのが趣味。学生時代からサムに好意を寄せていた。
クロエ(メグ・ティリー)
アレックスの恋人。年若く無邪気で可愛らしい。スタイルも良く余計な口出しをせず、空気が読める。ニックと打ち解け、良い関係になる。

映画『再会の時』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『再会の時』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『再会の時』のあらすじ【起】

学生時代、かつて苦楽を共にした仲間の1人アレックスが突然、亡くなったという訃報が舞い込む。実業家として成功を収めていたハロルド・クーパーは妻のサラと愕然とした。
葬儀には疎遠となっていた仲間達が続々と集まり、アレックスの恋人クロエも参列。親友としてハロルドが友人代表のスピーチを行った。大学時代の仲間達と会うのは、実に15年ぶりのことだった。

霊園に遺体を埋葬後、アレックスが住んでいたハロルド所有の別荘にて食事が饗される。アレックスは別荘のバスルームにて、手首を切って亡くなっていたらしい。第一発見者は同棲していた恋人のクロエだった。15年ぶりの再会とあって、ハロルドは仲間達にこのまま別荘で週末を過ごさないかと誘う。すると、全員が予定を変更して共に過ごすことを了承した。

メンバーはハロルドとサラ、俳優となったサム・ウェバー、ジャーナリストのマイケル・ゴールド、ラジオの元DJニック・カールトン、弁護士のメグ・ジョーンズ、主婦のカレン・ボーウェンズ、そしてクロエの計8名だ。

映画『再会の時』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『再会の時』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

映画『再会の時』のあらすじ【承】

その日の夜、仲間達は思い思いに近況を明かし、ハロルドもまたアレックスに関しての話を明かした。彼はある土地の管理をアレックスに任せ、アレックスもまたその管理に真面目に取り組み、つい3週間前も必要な道具を入手していた。自ら命を絶つ気配などどこにもなく、今回の訃報についても信じられずにいるのだった。

翌朝、ハロルドはニックを誘って朝のジョギングへ。彼はニックにこれから発生する事実を明かした。ハロルドの会社が大企業に買収されると言うのだ。故に、彼の会社の株を保有しておけば、株の値が今より3倍に増える。これを売却すれば、ニックはまとまった大金を得ることができるし、生活も楽になるだろう。更に、ハロルドはサラとアレックスの関係についても吐露。大学時代、アレックスとサラは恋人関係にあった。その関係はハロルドとの結婚後も続いていたらしく5年前に判明し、ひと悶着あったのだった。

サムとカレンが買い出しに出かける。その後、ハロルドもニックとマイケル、クロエの4人でアレックスが管理していた山小屋へ。サラとメグは夕食を作っていた。
メグは高校時代、多くの男性と関係を持ち妊娠した経験がある。当時はやむを得ず堕胎したが、立派な職に就いた今なら出産、育児が可能だ。妊娠できるよう準備を整えていたが、いかんせん誰の子を妊娠するかで悩んでいる。一番、差し支えない男性はサムと思われた。

映画『再会の時』のあらすじ【転】

夕食が完成し、いざ食事の時間となった時、サムが出演しているドラマ放送が開始される。一同は本人を前にドラマ鑑賞。散々、からかった後で夕食となった。
ところが、食事も終盤に差し掛かった頃、サラがアレックスを思い涙に暮れる。彼を偲んで仲間達は思い出を語り合う。

1960年代後半、彼らは大学生で反戦運動に一丸となって取り組んだ。当時は強固な絆で繋がり、誰もが気持ちを共有し会話せずとも相手のことが理解できていた。だが、15年を経た今は当時の心を取り戻すことができず、それぞれに距離ができてしまったように感じる。

ハロルドは学生時代の音楽をかけ、気分を盛り上げることにした。全員で夕食の片付けをした後は思い思いに過ごす。メグは早速、サムへと妊娠したい旨を告げる。しかし、サムは意外に責任感の強い男で最初はメグの申し出を断ろうとした。互いに話し合いをして合意を得ることに成功。

翌早朝、ハロルドのジョギングにニックとサムが参加。そして、ハロルドは全員にジョギングシューズをプレゼントした。思いの外、履き心地の良いシューズに満足するメンバー。
カレンは今の夫との間に本音を曝せない苦悩を抱えていた。対してサラもまた、未知の自分を引き出してくれるアレックスと関係を続けていたが、ふとしたきっかけにより露呈。解決したもののしこりが残った。

アメフトの試合をテレビで楽しみ、興に乗ったハロルドたちが庭でアメフトをし始めた。しかし、そこへ警官と共にニックが現れる。どうやら信号無視をしたことで逮捕された様子。警官がドラマのワンシーンをサムが再現するならニックを解放すると言うため、調子に乗ったサムが挑戦。ところが、現実はそう甘くない。サムは失敗してしまい怪我をしてしまう。警察に口止めをして帰したハロルドは、ニックをきつく叱りつけるのだった。

映画『再会の時』の結末・ラスト(ネタバレ)

学生時代、サムはカレンに片思いをしていた。だが、彼女はニックと付き合っていて、サムは自分の思いを打ち明けなかった。だが、再会してから彼女への気持ちが再燃。カレンもまた密かにサムへと思いを寄せており、夫と別れる決意を固めたと言う。だが、よく考えたサムはカレンに悲しい思いをさせたくないとの理由から、カレンの申し出を断ってしまった。

最終日の夜になり、アレックスがどうして死んだのか、ようやく全員で話し始める。アレックスには人付き合いを嫌っている節があり、仲間達にさえも悩みを打ち明けることはしなかった。例外はサラだが、彼女でさえも明確な理由を把握していない。一番近くにいたのはクロエだったが、彼女もアレックスの本心までは知らなかった。結局のところ、誰もアレックスを理解している者はいなかったということである。

一人欠け、二人欠け。居間にはニックとクロエが残る。ニックはベトナムに従軍し、凄惨な経験を経て男性機能を失っていたが、クロエは彼を元気づけるべくベッドへと誘う。そして、サラはメグの元を訪れ、彼女にハロルドと寝ることを許した。メグが一番欲しかった遺伝子が、ハロルドのものだと知っていたからである。

サムとカレンが外で抱き合っている頃、ハロルドもメグと体を重ねていた。その頃、サラはマイケルと世間話で盛り上がった。
別れの朝、全員が寝坊することなく起き出して来る。そこで、ニックがアレックスの書類を持ち出して来た。そして、彼はハロルドの了承を得てアレックスの土地を相続し、今後はこの別荘にクロエと住み山小屋の管理をすることが決定するのであった。

映画『再会の時』の感想・評価・レビュー

反戦運動に一丸となって取り組んだ仲間達が、長い時を経て再会する。学生運動やこういった活動は目標が明確であるため、打ち込めば打ち込むほど特別な連帯感が生まれる。学生ということもあって、同じ大学で時を過ごしきっとずっと、互いの距離が近かったのだろうと思う。だが、社会に出て生活をするようになると、気持ちも状況も変化するものだ。

そういったことから15年後に再会した時、彼らは思い出を語り合う上で当時、あったはずの固い結束が失われていることに気付く。週末を共に過ごすことで、当時の思いを振り返ると共に新たな関係や友情を作り上げる。仲間っていいなと思える作品。(MIHOシネマ編集部)


学生時代、毎日一緒にいて色々な経験を共にしてきた関係で今も繋がりのある友人が何人居ますか?あんなにも仲が良く、一生付き合っていくんだろうなと思っていたのに、友人関係なんて意外とあっさりしているものです。
今作で描かれた8人もあるきっかけで再会した昔の友人。ひとつの目標に向かって一致団結していた仲間も時が流れると大きく変わってしまうのだと感じました。
自分のことしか考えてない人もいれば、正義感の強い人もいる。キャラクターに個性があってとても面白かったです。ラストもしっくりくるまとまり方でした。(女性 30代)


ザ・ベビーブーマー世代の60年代の人々の破天荒ぶりが素晴らしく、群像劇としても内容の濃すぎる色んな展開は多少やり過ぎだと思っても面白かった。昔どれだけ通じ合っていた仲間でも、時間の経過とそれぞれの成長と共に変わっていかざるを得ない社会の流れというのが少しエモーショナルにさせられるし共感できる。

意図的に選曲された音楽もシーンに色を加えていて、プレイリストに追加したくなるラインナップだ。人物が多いので追っていくのは大変だが、「大人たち」一人一人の考え方や価値観は斬新で目が離せない。(女性 20代)

みんなの感想・レビュー