映画『007 オクトパシー』の概要:007シリーズ第13作目で、主人公のジェームズ・ボンドは6度目となるロジャー・ムーアが務めた作品。冷戦中のソ連が密かに企てている計画を知り、ボンドが阻止しようと立ち向かう。007シリーズらしいコミカルな仕掛けや、派手な戦いが魅力のスパイアクションムービー。
映画『007 オクトパシー』の作品情報
上映時間:130分
ジャンル:アクション
監督:ジョン・グレン
キャスト:ロジャー・ムーア、モード・アダムス、ルイ・ジュールダン、クリスティナ・ウェイボーン etc
映画『007 オクトパシー』の登場人物(キャスト)
- ジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)
- イギリスの秘密情報部の工作員。美女が大好きな、やり手の工作員。007というコードをもらっており、イギリスの秘密情報部の中で、唯一殺しが許されている。
- カマル・カーン(ルイ・ジュールダン)
- アフガン亡命貴族。マグダと共に競売に現れる。勝気で感情が表に現れやすい性格。
- マグダ(クリスティナ・ウェイボーン)
- 金髪の美女。カマル・カーンと一緒にいる。
- オクトパシー(モード・アダムス)
- マグダの主。宝石泥棒のボス。世界中の孤児の女性を集めて育てており、強く美しい泥棒へと成長させている。
- オルロフ将軍(スティーブン・バーコフ)
- ソ連の将軍。冷戦中のアメリカに対して、密かに企みを抱いている。
映画『007 オクトパシー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『007 オクトパシー』のあらすじ【起】
東ベルリン。サーカス団のナイフ使いの双子に追い回され、ピエロに変装したイギリス秘密情報部の工作員009が大けがを負わされる。そのまま命からがらイギリス大使館へやってきた009は、到着するや否や、宝石の卵「レディーの卵」を大使館員に渡すと死んでしまう。
ロンドンでは、ボンドは司令官からレディーの卵の秘密を調べるよう指示される。どうやら、009が手にした卵は偽物だったようだ。明日、本物が競売に出されると聞き、駆けつけるボンドであった。
競売では、カマル・カーンと美女マグダが落札しようとしていた。いつもは売る専門のカマル・カーンのはずが、落札に必死になっている様子を不思議に思い、ボンドは落札を競い合う。そして、卵を本物と入れ替えると、カマル・カーンに落札させるのだった。
カマル・カーンを追ってインドへきたボンド。夜はカジノにいるとの情報を聞き、彼に会いにいく。そして、持ってきた本物の卵を賭けてカマル・カーンとゲームをする。賭けに勝ったボンドは、卵を見せびらかした後、カジノを後にする。
映画『007 オクトパシー』のあらすじ【承】
ボンドを狙う刺客が大勢やってくる。それも見越していたボンドは、次々に敵を跳ね除けて、イギリス秘密情報部のインド基地に逃げ込む。そこにはたくさんの秘密兵器があり、ボンドは今回の任務で役立ちそうなものを身に着け、ホテルに戻る。
ホテルに戻ると、マグダがディナーを用意してボンドを待っていた。美しいマグダと一夜を共にするボンドだったが、マグダはこっそりと抜け出し卵を盗んでいった。しかし、それもボンドは予測していたので、またも偽物の卵を渡しているのだった。
ボンドは、隙を突かれモンスーン宮殿へ捕らえられる。そこには、カマル・カーンとマグダがおり、一緒に夕食を共にする。食事が終わると再び部屋に閉じ込められてしまう。しかし、鉄の柵を溶かして開き、脱走に成功する。すると、ソ連軍の飛行機が一機やってくる。怪しく思ったボンドは、基地でもらった兵器を駆使してソ連軍とカマル・カーンの会話を盗み聞く。ソ連軍は、カマル・カーンから貰った卵が偽物だと分かり激怒する。そして、偽物を渡したボンドをすぐに始末しろと命令するのであった。
映画『007 オクトパシー』のあらすじ【転】
屋敷から外に出るため、ボンドは死体の振りをして袋の中に入り込んで逃げ出した。それが分かると、カマル・カーンは象に乗ってボンドを追いかける。追いかけてくる人だけでなく、虎やワニ、蛇などにも苦戦しつつボンドはなんとか観光船に乗り込み逃げ切るのであった。
基地に戻ると、女性ばかりいる宮殿に、マグダが行き来しているという情報が入る。彼女の秘密を追って、ボンドはその宮殿に忍び込む。すると、そこにはマグダの主オクトパシーがいた。オクトパシーは、ボンドと似たものを感じ、仲間にならないかと話を持ちかける。それは断るボンドだったが、美しいオクトパシーと親密になるのだった。
そんな夜、カマル・カーンに雇われた殺し屋がボンドのもとへやってくる。危機一髪逃げ出したボンドは、何かあると踏んでいたサーカス会場へと向かう。
そこには、カマル・カーンとオクトパシーの姿があった。サーカス職員の振りをし、カマル・カーンの動きを見ていると、ソ連軍のオルロフ将軍が共に起爆装置を設定しようとしていることがわかった。
映画『007 オクトパシー』の結末・ラスト(ネタバレ)
カマル・カーンとオルロフ将軍は、宝石を運んでいることと見せかけて、列車に核兵器を仕掛けて、アメリカを爆破させようとしていたのだ。それに気が付いたボンドは、出発してしまった列車を大慌てで追いかける。
線路を車で走り、列車に飛び乗ったボンドだったが、多くの敵に狙われてしまう。009がやられたナイフ使いの双子と戦い、結果009の仇を討つ。その後、車を盗んで走り回っていたため、敵だけでなく警察からも追いかけられてしまうが、列車までいくとピエロに扮して逃げ切った。そして、あと0秒というところで爆弾を止めることに成功する。
裏切られたと知ったオクトパシーは、彼女の仲間を連れてカマル・カーンの屋敷に忍び込む。彼を殺そうとするが、作戦がばれてしまい逆に捕まってしまう。オクトパシーを連れ去るカマル・カーンを見たボンドは、今度は馬に乗って追いかける。カマル・カーンは飛行機を走らせたが、ボンドは離陸寸前の飛行機に飛び乗り、彼らの最終決戦は空へと向かう。飛行機の羽を壊したボンドは、オクトパシーと共にぎりぎりのところで助かる。カマル・カーンはそのまま墜落した。
その後、ボンドは足を怪我したため休暇を取り、オクトパシーと仲良く船で過ごすのであった。
映画『007 オクトパシー』の感想・評価・レビュー
ワニの被り物で敵のアジトに近づいたり、ピエロの格好をして敵を油断させたりと、どこかクスッと笑ってしまうような仕掛けで戦うボンドがまた面白い。それでいて、しっかり敵から美女を守るのだからやはりカッコイイと思った。さまざまな戦いを見せてくれる007シリーズは、何年たっても人々を興奮させる素晴らしい作品だと思う。(MIHOシネマ編集部)
「オクトパシー」という名前の謎めいた響きが印象的な一本。西洋人には違う見え方がするのかもしれないが冒頭のピエロに恐怖を覚える。そうかと思うとターザンのパロディがあったりして少しちぐはぐに感じる。
西ベルリンから東ベルリンへ向かう際の検問所の看板が懐かしい。東西冷戦時代真っただ中の設定は今後見るであろう若い人には説明が必要なのだろうと思うと時代の流れを感じて遠い目になる。
敵の設定がシリーズ初期の作品程には単純ではないのでどこか爽快感に欠ける気もするが、飛行機に飛びつくシーン等見所は満載だ。(男性 40代)
『007 ユア・アイズ・オンリー』を鑑賞した時に、ジョン・グレンが描くボンドは正統派でスパイらしくて少し堅苦しい雰囲気があったのですが、今作では私が好きな茶目っ気のあるロジャー・ムーアボンドらしい雰囲気が戻ってきていました。
ファンが求めているボンドをしっかりと見せてくれるので、前作でちょっと残念に感じた方も今作を見ればジョン・グレンも悪くないと思えるでしょう。
インドを舞台にしているので、これまでとは少し違ったアドベンチャー的な雰囲気も感じられました。(女性 30代)
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