映画『命の相続人』の概要:疼痛科の医師であるディエゴは、患者と一定の距離を取り深く関わろうとはしなかった。ある日、患者のサラが自殺を図り、病院に運ばれてくる。サラもお腹の胎児も危険な状態だった。恋人のアルマンはディエゴを銃で脅し、サラの診察を頼んだ。
映画『命の相続人』の作品情報
上映時間:107分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:オスカール・サントス
キャスト:エドゥアルド・ノリエガ、ベレン・ルエダ、アンジー・セペダ、クリスティーナ・プラサス etc
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映画『命の相続人』の登場人物(キャスト)
- ディエゴ(エドゥアルド・ノリエガ)
- 疼痛科の医師。患者との間に一定の距離を取り、冷静に診察を行う。同僚でもある妻のピラールとは上手くいっていない。
- イサベル(ベレン・ルエダ)
- アルマンの妻。長年不妊治療を行っていたが早期閉経になり、子供を産むことができなくなる。
- サラ(アンジー・セペダ)
- 28歳。アルマンの愛人。多発性硬化症を患う。妊娠7か月目で自殺を図る。胎児の父親はアルマン。
- アイノオ(クララ・ラゴ)
- 17歳。ディエゴの娘。仲が悪い両親に複雑な思いを抱いている。自由奔放で、気が強い性格。
- フアンホ(マルセル・ボラス)
- ディエゴの下で働いている研修医。患者のことを思いやる、優しい心を持っている。密かにアイノオと付き合っている。
映画『命の相続人』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『命の相続人』のあらすじ【起】
疼痛科の医師・ディエゴは、5人の患者の問診を行った。40歳のマリアは三叉神経痛、65歳のセバスチャンは多発性骨髄腫、38歳のカルロスは閉塞性血栓性血管炎、28歳のサラは多発性硬化症、24歳のルーベンはエイズによる栄養不良と衰弱を患っていた。彼らは病による痛みや死ぬ恐怖に怯えていた。
サラが薬で自殺を図り、恋人のアルマンによって病院へと運ばれてきた。医師の懸命な治療によって一命を取り留めるが、意識が戻らなかった。しかも、サラは妊娠7ヶ月で、胎児をエコーで確認すると心臓に病気が見つかった。ディエゴはアルマンに、母子ともに危険な状態であることを話した。アルマンは泣き崩れるが、ディエゴは気に留めなかった。
ディエゴは研修医のフアンホが、余命僅かな患者と談笑している姿を目撃する。ディエゴは患者に深い入りしないよう忠告した。たくさんの患者を治療するためには、「治療は完璧に、しかし患者自身からは目を反らす」必要があった。フアンホはディエゴの考えに納得できなかった。
アルマンはディエゴに銃を突きつけ、毎日サラを診察すること、火傷の治療をするよう脅した。ディエゴが承諾すると、アルマンは発砲した。フアンホは銃声を聞きつけ、音がした方に近づいた。すると、ディエゴの上に重なるようにアルマンが倒れていた。2人とも怪我をしており、意識はなかった。ディエゴは急いで治療室へと運び込まれた。ディエゴの身体を確認するが、なぜか銃創が見つからなかった。その直後、ディエゴは意識を取り戻す。警察から取り調べを受けるが、何があったのか分からなかった。
映画『命の相続人』のあらすじ【承】
ディエゴは亡くなったアルマンとの約束を守り、サラの病室に向かった。すると、そこにアルマンの妻のイサベルがいた。サラとアルマンは不倫関係にあり、イサベルはその事実に動揺していた。ディエゴは特に気にせず、サラの火傷の怪我の治療を行った。
ディエゴは関係が上手くいっていなかった妻のピラールと完全に別居した。そんなある日、娘のアイノオがピアスを開けて化膿したため、病院にやって来た。アイノオは父以外の医師に診てもらうことを望んだ。アイノオは仲が悪い両親に複雑な思いを抱いていた。ディエゴは似たくないと思っていた父に似てしまったことを感じた。ディエゴも父も医師で、20歳で父になり40歳前で独り身になっていた。
ディエゴがサラの様子を見に行くと、火傷の跡が綺麗になくなっていた。ディエゴが密かに驚いていると、アイノオの診断結果を持ってピラールがやって来る。化膿の原因はピアスではなく、淋病だった。誰かとベッドを共にしたのだ。ディエゴはその事実に気づき、腹を立てる。
新郎新婦が乗っていた車が、披露宴に向かう途中で事故に遭った。ディエゴはフアンホと共に新郎の治療を行った。すると、瀕死の状態だった新郎の意識が回復し、自発呼吸をするようになった。ディエゴは自分の不思議な力を感じ、カルロスの経過を調べた。すると、カルロスの容態が良くなっていた。
映画『命の相続人』のあらすじ【転】
ディエゴは半信半疑ながらサラの診察を行った。すると、サラが目を覚まし、眼球を動かした。驚いたディエゴは、胸の苦しみを感じる。ディエゴは自分自身のレントゲン写真を撮った。すると、胸のレントゲン写真に、弾丸が写っていた。あの時、アルマンはディエゴの撃った傷を抑えながら、拳銃自殺していた。
ディエゴはイサベラに頼まれ、サラの家まで案内した。イサベラはその家が、アルマンが設計したものだとすぐに気づく。イサベラは夫に裏切られた悲しみと失った悲しみを癒すため、酒に溺れていた。ディエゴは薬を渡し断酒を勧めるが、イサベラは聞く耳を持たなかった。
アイノオはディエゴが処方した薬を飲んでおらず、回復していなかった。アイノオは現在付き合っているフアンホが処方した薬を飲んでいた。ディエゴはアイノオに会いに行った。だが、別れさせられると思ったアイノオは、聞く耳を持たなかった。ディエゴはピラールにアイノオの体調を見ておくよう頼んだ。
父が突然体調を崩し気を失ったため、ディエゴは救急車を呼んだ。診断の結果、前立腺の腫瘍が転移し、小脳で出血が起こっていたことが分かった。すぐにでも手術をしなければ、脳水腫を引き起こす可能性があった。しかし、高齢なディエゴの父が、手術に耐えられる保証はなかった。
映画『命の相続人』の結末・ラスト(ネタバレ)
ディエゴの父の手術が行われる一方で、サラの出産が行われていた。サラの子供の心臓を確認すると、病気は見つからず正常だった。ディエゴは父の手術に立ち会うが、救うことができなかった。
イサベラは何年も不妊治療を行っていたが、子供ができなかったことをディエゴに話した。アルマンは自分と血が繋がった子供に拘り、養子を迎えようとはしなかった。ある日、生理がなかったイサベラは、子供ができたと喜びながらアルマンと病院に向かった。だが、医師から早期閉経だと言われる。アルマンはイサベラを怒鳴りつけながら車を運転し、女性を撥ねてしまう。その女性は、サラの妹だった。アルマンはサラを探し、会うようになった。
サラが昏睡状態から意識を取り戻した。ディエゴは赤ちゃんのことやアルマンのことを話した。サラは2~3日後に退院できるまでに回復した。そんなある日、アイノオの体調が良くなく、検査を受けることになった。その結果、重い病気を患っていることが分かった。
ディエゴはサラなら不思議な能力のことを知っていると思い、話を聞いた。人を治す能力は、元々サラの妹が持っていたものだった。サラは妹を連れて各地を巡り、人々を癒した。やがて、病は身内であるサラへと返った。妹はサラを治療することができず、苦しんだ。そして、病を治すために自殺した。サラはアルマンと一緒にいて病気が治ったため、彼が妹をひき逃げした犯人だと気づく。サラは泣き叫び、悲しんだ。
ディエゴは娘を守るため、医師を辞めることにした。そんな時、カルロスに包丁で脅され、妻を治して欲しいと言われる。カルロスが妻を刺した様子だった。ディエゴは一度は手をかざすが、治すことができず病院に運ぶことを勧めた。その一方で、ディエゴが知らない間に、アイノオの容態が悪化していた。カルロスは絶望し、自分の首を切った。ディエゴは2人を病院へと運んだ。ディエゴは同僚の医師から手助けを求められるが、拒んだ。その後、カルロスは亡くなり、アイノオは一命を取り留めた。
ディエゴはフアンホからピラールの審査結果を聞き、白血病かもしれないと教えられる。ディエゴはアイノオとピラールに会った後、麻薬を吸って薬品をお腹の中に注入した。そして、サラと一緒にベッドに横たわった。その後、サラはディエゴの勧めもあり、イサベラに我が子を託した。そして、アイノオの病室を訪れ、アイノオとピラールの手を握り締めた。
映画『命の相続人』の感想・評価・レビュー
始めディエゴは患者に対して冷たいのだが、過酷な医療現場で働き自分の心を守るためには仕方がないことだったのかなと思った。物語のラストで、自分の娘を守るかカルロスとカルロスの妻を治すか葛藤するディエゴの表情を見ていると、とても苦しそうに感じた。本来は他人のことを思いやれる優しい人物だったのかもしれない。病を治療する能力は万能ではなく欠点があったため、とても考えさせられる物語だった。(MIHOシネマ編集部)
自分の人生とは?仕事と家庭を両立させて、どちらも満足のいく生活を送るのは誰しも憧れますよね。もし、自分の持つ能力や力が仕事では発揮できても、それを発揮することによって大切な家族を失ってしまうとしたら…自分だったら何を選ぶでしょう。
仕事に向き合いすぎて家庭を顧みない人は少なくありません。しかし、仕事に向き合い一生懸命働くのは「家庭を守るため」だと思うのです。仕事で周りの人をいくら助けて、力になっても「家族」を失ってしまっては意味が無いと私は思います。
この作品ではそんな、能力を持ってしまうが故に大切なものを失ってしまう男が描かれていました。(女性 30代)
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