映画『オクジャ/okja』の概要:食糧不足問題を解決するとされたスーパーピッグ。10年間育てられたあと、食肉になるため工場へ輸送される。スーパーピッグと兄弟のように育った少女が、阻止しようとその行方を追いかけてゆく。
映画『オクジャ/okja』の作品情報
上映時間:120分
ジャンル:SF、ファンタジー
監督:ポン・ジュノ
キャスト:ティルダ・スウィントン、ポール・ダノ、アン・ソヒョン、ピョン・ヒボン etc
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映画『オクジャ/okja』の登場人物(キャスト)
- ミジャ(アン・ソヒョン)
- 山奥でオクジャと一緒に10年暮らした少女。オクジャのことを大切に思っており、どこまでも助けに行く。
- ルーシー・ミランド(ティルダ・スウィントン)
- ミランド社の新しいCEO。食糧不足問題を解決するために、スーパーピッグを開発して世間に発表した。
- ジェイ(ポール・ダノ)
- ALF(動物解放戦線)のメンバー。韓国語と英語の両方が理解でき、ミジャの通訳をしてくれる。
- ヒボン(ピョン・ヒボン)
- ミジャの祖父。オクジャを買い取ろうとしたが失敗し、ミジャにオクジャを忘れて結婚すべきだと言う。
映画『オクジャ/okja』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『オクジャ/okja』のあらすじ【起】
2007年、ニューヨーク。ルーシー・ミランドの就任式が行われた。今までのミランド社に大改革を起こし、世界の食糧不足を解消すると発表。餌や排泄物の少ない特殊な子豚が発見され、26匹に増やされたところだと言う。世界の農家に配られ、最も大きく育てたところがジョニー・ウィルコックス科学者によって表彰されるのだ。10年後の結果発表が待たれた。
ニューヨークから遥か遠く、ミランド社の配ったスーパーピッグと仲良く暮らす少女がいた。少女はミジャ。豚はオクジャと呼ばれている。崖から落ちそうになったミジャを助けたオクジャは自分が落下したものの、ミジャが必死で探しに行くと無事だった。賢く、頑丈なのだ。
オクジャのところに調査隊が訪ねてきた。オクジャの耳からデータのファイルを取り出すと、パソコンで確認する。同行してきたジョニー博士は、オクジャに驚いて近寄る。ここまでの大きさになっている豚は他にいなかった。どうやって育てたのか聞かれ、放し飼いだと答える。
映画『オクジャ/okja』のあらすじ【承】
ミジャの祖父は、結婚のお祝いに渡すはずだったという金の豚の置物をミジャにくれる。オクジャを買い取りたかったが、ダメだと言われたのだと打ち明け、ニューヨークに連れて行かれることを話した。豚と一緒にいるのはやめ、恋人を見つけろと言われたミジャは金の豚を投げ捨て、走り去る。
夜になって帰ってきたミジャは、オクジャを取り戻すためにソウルに行くと言い出した。貯金箱を割り、お金をかき集める。食肉になることはオクジャの運命なんだと言われるが、無言で家を出て行くミジャ。
ミジャはオクジャを探し、ミランド社にたどり着いた。知り合いの研究者、ムンドを呼んでもらおうとするものの、相手にしてもらえない。業を煮やしたミジャは扉に飛び蹴りし、ガラスを割って中に入る。オクジャを探して走り回るミジャに、ミランド社は大パニックに陥った。
あと少しのところでオクジャはトラックに乗せられ、運ばれていった。ミジャは諦めず、追いかける。道をショートカットし、建物の上を飛び移り、トラックに飛び乗ることに成功。
映画『オクジャ/okja』のあらすじ【転】
そこへ、覆面の男たちが乗ったトラックが近づいてくる。誰も傷つける気はない、ベルトをしろと忠告した奇妙な集団は、トラックをオクジャの輸送トラックへぶつける。オクジャは逃げ出した。
オクジャと一緒に街中を逃げ回るミジャ。巨大なオクジャに逃げ惑う人々。追いついてきた覆面のメンバーは、オクジャの傷をかばい、助けてくれた。実は彼らはALF・動物解放戦線のメンバーで、ミランド社と敵対しているのだった。味方である。彼らのトラックで逃げながら、ミジャはオクジャのお腹をさすった。オクジャの巨大な糞が転がり、彼らは逃走に成功した。
ミジャはALFに、4才の頃からオクジャといることを話した。オクジャは地下研究所に連れて行かれる予定だった。アリゾナ生まれで母親はチリにいると聞かされていた、オクジャの生い立ちはすべて嘘だ。遺伝子操作の実験で生まれた生き物だった。ミジャはオクジャを連れて帰りたいと言うが、オクジャを囮にほかの豚を救い出す同意をしたと、嘘の翻訳をされる。
ミジャの同意なくオクジャを囮にしてしまったことを知り、ALFは翻訳担当だったジェイを追放する。ミジャはミランド社に自ら協力し、オクジャに会わせてもらうことにした。こっそり現れたジェイがミジャに謝罪する。
映画『オクジャ/okja』の結末・ラスト(ネタバレ)
オクジャを紹介するミランド社のステージでは、博士がショーを始めていた。ミジャとオクジャが登場する。突如、後ろのスクリーンに豚への虐待の映像が流れ始める。現場は騒然とし、人々はミランド社を責め立てた。騒ぎの中でミジャが負傷する。
ミジャは研究所に侵入し、オクジャを呼んで走り回る。とうとうオクジャを見つけたのは食肉加工の工場だった。豚たちが目の前でどんどん殺されてゆく。豚を殺している係の前にやってきたミジャが、幼い頃の自分とオクジャの写真を見せる。
そこにやってきたのは、ミランド家の姉・ナンシーだった。ミジャはナンシーに金の豚を投げ渡す。オクジャを生きたまま買いたいと意思表示するミジャ。ナンシーは条件をのんで、はじめて売れたスーパーピッグとして大事に家に送り届けるようにと命令した。
工場からの銃声を聞きながら、解放されたオクジャと帰り道を歩くミジャ。豚の中から子豚が転がり出てきた。二人は子豚をこっそりと連れ帰るのだった。
映画『オクジャ/okja』の感想・評価・レビュー
命を奪って食事として提供するビジネスと、奪われてゆく命を救おうとする正義との間で、ただ友達のオクジャと一緒に暮らしを続けたいだけの、純粋なミジャの気持ちが通して語られる。
利害が一致すれば協力関係になり、一致しなければ対立するという、それぞれが目的のために一心不乱な様子が興味深い。好き嫌いではなく、何をしたいと考えているか?どの立場で見ることになるかは、人によって違うのではないだろうか。(MIHOシネマ編集部)
ポン・ジュノ監督らしい「皮肉」で「ブラック」な人間の暗い部分を描いた作品です。
あなたは「豚」をなんだと思いますか?「食べ物」?それとも「ペット」?私は豚=食べ物です。私と同じ考えの人こそ見て欲しいこの作品。
食糧難を無くす為に、遺伝子操作をして生み出された「スーパーピッグ」とそれを「友達」として育ててきた少女。そしてスーパーピッグを「食糧」としたい人間たち。それぞれの考え方はどれも理解できるもので、なんとも言えない複雑な気持ちになりました。(女性 30代)
食肉問題や動物愛護といった社会派の作品ながらファンタジー要素もあって、誰もが入り込み易い作品であると感じた一方で、同時にその問題が単純に解決できるものではないことも教えてくれた。今一度、食に関しての考え方を見直すきっかけになるだろう。
本作は私たちが普段考えたくもないような食肉加工の現実を嫌味なく描いてしまったポン・ジュノ監督の凄さが分かり、かつ様々な社会問題をテーマとして扱い続けている監督の着眼点のユニークさをふんだんに楽しめる傑作だ。(女性 20代)
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