この記事では、映画『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』の作品情報
上映時間:141分
ジャンル:ヒューマンドラマ、アドベンチャー
監督:ジェームズ・グレイ
キャスト:チャーリー・ハナム、ロバート・パティンソン、シエナ・ミラー、トム・ホランド etc
映画『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』の登場人物(キャスト)
- パーシー・フォーセット(チャーリー・ハナム)
- 軍人・少佐。王立地理学協会からの指示を受け、ヴェルデ川の水源を探す旅に出る。その旅で失われた都市「Z」の話を聞き、探検の魅力に取りつかれる。
- ヘンリー・コスティン(ロバート・パティンソン)
- 隊員募集の広告を見て、ヴェルデ川の水源を探すパーシーの旅に同行する。パーシーの良き理解者。
- ジェームズ・マリー(アンガス・マクファーデン)
- 資産家。探検家。見栄っ張りで自分勝手な性格。体力があまりなく、実は探検があまり得意ではない。
映画『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』のあらすじ【起】
1905年アイルランド・コーク、英国陸軍駐留地。舞踏会で大公に鹿を献上するため、狩りが行われた。パーシー・フォーセット少佐は鹿を仕留め、妻のニーナと息子のジャックの元に戻って喜び合った。
パーシーはニーナと一緒に舞踏会に出席した。パーシーは勲章を持っておらず、昇進しないことを気にしていた。最後の砦だと思っていた政務官さえも、目をかけてはくれなかった。パーシーは落胆した。
1906年3月。パーシーは上からの指示を受け、ロンドンの王立地理学協会を訪れた。そこには、会長のサー・ジョージ・ゴルディと事務局長のケルティがいた。ジョージ達はボリビアについて話をした。ボリビアの地図は空白だらけで、ほとんど把握できていなかった。分かっているのは、アマゾン川流域にゴム農園がたくさんあることだった。国境を巡ってボリビアとブラジルが論戦になっており、ゴムの高騰を踏まえれば戦争に発展しかねない状態だった。ボリビアとブラジルは公平な地理観測のために、審判役を依頼してきた。パーシーはジャングルを探検し、土地の測量を行うことになった。この功績が認められれば勲章が貰えると言われ、仕事を引き受けることにした。
ニーナのお腹には新しい命が宿っていた。ニーナは不安に思いながらも気丈に振る舞い、パーシーを送り出すことにした。1906年4月大西洋パナマ号。パーシーは「隊員募集」という広告を見てやって来たヘンリー・コスティンという男性に出会う。ヘンリーは家族がおらず、独り身だった。パーシーはヘンリーを仲間に加え、測量の任務を行うことにした。

映画『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』のあらすじ【承】
パーシー達は「ヴェルデ川の水源を探せ」という指令を受ける。それは、ボリビア・ブラジル間の国境を成す川だった。測量の開始地点はジャコビナ農場だったが、地図には載っていなかった。ヘンリーは農場がある町のことを知っていた。
1906年7月ボリビア東部の未開地。パーシー達は森の中を歩きながら測量を行った。夜になり、パーシー達はジャコビナの町で連絡兵のマンリーと会った。マンリーは国境画定委員会から電報が届いたことを知らせた。委員会は任務中止を強く勧めていた。さらに、地元のゴム輸出会社の社長であるゴンドリス男爵が先住民を奴隷のように扱い、道を案内してくれる者がいなかった。パーシーは任務を中止する気はなく、ゴンドリス男爵と取引をして数名の人材を確保した。
パーシー達は筏で川を進んでいた。その途中で、「ハンブルク」と書かれた停泊している船を見つける。船の中に人影を見つけ、声を掛けた。その時、森にいた先住民が矢で攻撃してきた。仲間の1人が矢に撃たれ、川に落ちてしまう。落ちた仲間は川にいたピラニアに襲われ、助からなかった。
仲間達は傷つき体力を失い、極限の状態で動いていた。そんな時、パーシーは先住民の男性から、かつて黄金と食物で溢れていた都市の話を聞く。その都市は英国人の文明よりも古く、白人にはけして見つからない森の奥深くに存在していた。さらに、先住民は英国人のような征服者は死ぬ運命にあるとも話した。
食料が底を尽き、極限状態に陥った仲間の1人がパーシーを殺そうとした。ヘンリーは仲間の耳を銃で撃ち、パーシーを救った。その時、水源が見つかる。パーシー達は喜び、最後の測量を行った。先住民の男性は逃げてしまったが、役目を果たしたため追わなかった。
映画『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』のあらすじ【転】
パーシーは年代物の土器を見つけ、先住民の男性が言っていた都市の話が本当だったのだと悟る。その後、パーシーは帰国し、ニーナとジャック、誕生した次男のブライアンと再会した。
1911年2月6日。パーシーの功績は大きく称えられ、あらゆる人が注目していた。パーシーは王立地理学協会員の前で演説を行い、アマゾンに失われた都市「Z」があることを話した。ほとんどの者が都市などありはしないと思っている中、資産家で探検家のジェームズ・マリーは探索に名乗りを上げた。ヘンリーも共に行くことを決める。
ニーナは航海術などを学んでおり、パーシーの探検について行こうとした。だが、女性では探検に耐えることはできないと、パーシーに拒まれてしまう。2人は激しい口論になった。結局、ニーナは一緒に行くことができず、パーシーはヘンリー達と旅立った。
パーシー達は探検を行いながら、新聞記事を読んだ。そこには、アメリカ人のビンガムがペルーで古代遺跡のマチュピチュを発見したと書かれていた。その時、先住民が矢で攻撃してきた。パーシーは反撃しないよう仲間に指示し、攻撃する意思がないことを先住民に示した。先住民は攻撃を止め、パーシー達を受け入れた。
先住民は人食い族で、死んだ仲間の遺体を食べることで魂を体内に取り入れる文化があった。パーシーは「Z」の情報を求め、先住民に話を聞くことにした。ジェームズは先住民の考えを受け入れることができず、ボートに戻った。その村の首長は「Z」について話を聞いたことがあった。上流に暮らす住民に詳しい話を聞くようパーシーに教えた。
ジェームズは皆の足を引っ張ってばかりいた。足を怪我し、敗血症まで患ってしまう。パーシーはゴム採取の野営地まで退却するよう指示した。ジェームズは仲間のことなど考えておらず「Z」のことしか頭にないのだろうとパーシーを非難し、馬に乗って去っていった。
食料が油まみれになっており、これ以上探索を続行するのは不可能だった。ジェームズの仕業である可能性が高かった。パーシー達は探索を諦め、帰国することになった。そんな中、オーストリア皇太子が暗殺される。戦争が起きようとしていた。
映画『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』の結末・ラスト(ネタバレ)
パーシーが家に帰ると、娘のジョアンが誕生していた。そして、ジェームズが帰国し、自分を見捨てたとしてパーシーに謝罪を要求した。パーシーはジェームズの意見を突っぱね、王立地理学協会を辞めて単独で動くことにした。
パーシーは軍人として戦地に行かなければいけなくなる。ジャックは家を空けてばかりいる父に不満を募らせ、厳しい言葉を投げかけた。パーシーはジャックを叱り、思わず頬を叩いてしまう。
2年後、フランス・ソンム川、独軍との戦線。決戦間近の時、パーシーはロシア軍から預かった占い師に運勢を尋ねた。占い師はパーシーが探検家だと知った上で、「Z」を見つけるまで魂は安らぎを得ないと告げた。パーシーの胸に占い師の言葉は強く響いた。
1916年9月26日。パーシーは部下達を鼓舞し、ドイツ軍と戦うために配置に就いた。そんな中でも、パーシーの脳裏には「Z」のことがあった。激しい戦いが行われる中、マンリーは撃たれパーシーは塩素ガスを吸って倒れた。
パーシーは病院で目を覚ました。塩素ガスの影響で目は見えなかったが、すぐに回復するとのことだった。ヘンリーは生きていたが、多くの部下が亡くなっていた。パーシーの部隊は唯一退却をしなかったため、勇気を認められてパーシーは中佐に昇格することになった。パーシーはジャングルに戻りたがったが、医師からは無理だと告げられる。
1923年イングランド、ストーク・キャノン。大佐となったパーシーは、記者の質問を受けるがその表情は硬かった。パーシーの影響から、アメリカでは探検ブームが巻き起こっていた。しかし、アメリカ人は武装して探索を行うため、貴重な建造物が破壊されないかパーシーは心配していた。
ジャックは一緒に探検しようと父に話を持ちかけた。母を説得し、旅に行く許可をもらう。パーシーはヘンリーにも話を持ちかけた。ヘンリーは結婚し子供も生まれたため、同行を拒んだ。「Z」の存在を信じていたが、それを見つけるための情熱を失くしていた。
1924年12月3日ロンドン。パーシー達は探検に行くことを記者会見で発表した。その後、パーシーは王立地理学協会員に会い、「Z」から戻らないと決めた場合は愛用のコンパスを送ると伝えた。そして、家族に別れを告げ、旅立っていった。
1925年4月。パーシーは同行者を帰らせ、ジャックと共に探索を続けた。そして、「Z」に到着するまでの最後の手紙を、ニーナに送った。そこには先住民と会い、彼らだけが知る秘密の岩穴についての話を聞いたことが書かれていた。
探検を続けていたパーシー達は、先住民に捕まってしまう。ジャックは死の恐怖に怯え、パーシーは息子を宥めた。その後、パーシー達の行方は分からなくなった。何百人と捜索人を出すが、見つけることはできなかった。ニーナはパーシー達に会ったというブラジル人から、パーシーが愛用していたコンパスを預かっていた。それを王立地理学協会員に見せた。ブラジル人はパーシーから「意味が分かるはず」という伝言を預かっていた。
パーシーの仮説は百年近く一笑に付された。しかし、21世紀初頭にアマゾンのジャングルから道路網や農耕集落の遺跡が各地で見つかった。その内の1つは、パーシーが「Z」と呼んだ場所だった。
映画『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『インディ・ジョーンズ』シリーズのようなコミカルさや明るさはないが、実在した探検家の話はとても興味深かった。見ているだけでもジャングルの探検は過酷で、楽しさなど感じられないほど大変なものだと思う。それでも、失われた都市「Z」を見つけるために行動を起こすパーシーが純粋に凄いなと感じた。あと、家でパーシーの帰りを待ち続ける妻のニーナが切なかった。きっと探検など行かずに、家にいて欲しかっただろうと思う。(MIHOシネマ編集部)
1925年に消息不明となった探検家、パーシー・フォーセットを題材とした作品。『インディ・ジョーンズ』のようなアドベンチャーものを期待して観るとがっかりしてしまいます。この作品は実話をベースに作られていて、とにかく地味でリアルなストーリー。盛り上がったり、ハラハラドキドキするシーンもありますが、衝撃が1番大きいのはラストでしょう。あの時話されていた伏線はここで回収されるのか…と切なく、悲しいなんとも言えない気持ちになりました。
歴史に名を残すこと。相当な覚悟が無いとできない事だと感じました。(女性 30代)
タイトルから勝手に冒険ファンタジーものだと思っていたら、ファンタジー要素皆無でびっくりしてしまった。むしろ、“幻の黄金都市を見つける”というファンタジーに囚われ続けた男の生涯が、限りなくリアルに描かれていた。
そのリアルさゆえに全体的にやや重苦しい空気で、面白いが観ていて少々疲れる。が、最後の最後で完全にしてやられてしまった。だって、もしかしたら本当に、この世界には黄金都市があるかもしれないのだ。だとしたらこの映画はやはり…いや、この世界こそが、ファンタジーなのかもしれない。(女性 30代)
探検映画だと思って観始めたら、実は「執念」と「信念」の物語だった。パーシー・フォーセットの人生を通して、男が何を信じ、何を失いながらも“真実”に向かっていくのかが丁寧に描かれていて胸に響いた。最後、息子と共にジャングルに消えていくシーンには切なさと崇高さを感じた。(20代 男性)
パーシーの妻ニーナの強さが印象に残った。女性の立場から見れば、家族を置いて何度もジャングルへ向かう彼に苛立ちもあるけれど、それでも愛し、理解しようとする姿に涙が出た。夫婦愛と夢の追求という二つのテーマが交錯する、静かで重厚な人間ドラマだった。(30代 女性)
戦争、家族、地位、それらを超えて「未知の世界」を追い求めた男の執念に圧倒された。チャーリー・ハナムの演技も良かったし、映像の美しさがジャングルの過酷さと幻想性をより深く印象づけてくれた。派手な演出ではないが、余韻の深い映画だった。(40代 男性)
夫の旅立ちを何度も見送る妻の立場で観ていて、本当に複雑な気持ちになった。夢に生きる人を支えることの尊さと、それによって犠牲になる家族の痛み。女性として、この映画は「待つ者の物語」でもあると感じた。最後の別れの描写が静かすぎて、逆に心に刺さった。(50代 女性)
一つの夢を追い続けるパーシーの姿に、同じ男として熱くなるものがあった。現実と理想の間で揺れながらも、信じるもののために命を懸ける生き方は潔く、そして悲しかった。特に息子との和解と共闘は感動的。親子の絆がテーマになっているところも見どころ。(30代 男性)
女性目線だと、ニーナがすごく芯のある女性で、そこに好感が持てた。男のロマンと愚かさ、その両方を受け止めようとする姿がかっこよかったです。時代背景もありながら、男女の役割についても考えさせられる深い映画だった。派手さはないけど、心に残る作品。(20代 女性)
ストーリー展開がスローだが、それが逆に「探検」というテーマに合っていたと思う。じわじわと緊張感が増していき、最後のシーンは静かに涙が出た。文明と未開、科学と神話、どちらが正しいのかを問う作品で、終わってからも深く考えさせられた。(40代 男性)
映画『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』を見た人におすすめの映画5選
『アギーレ/神の怒り』(1972)
この映画を一言で表すと?
「狂気が支配する密林で、人間の欲望がむき出しになる」
どんな話?
16世紀、伝説の黄金郷“エル・ドラド”を求めてアマゾンを下るスペイン遠征隊。やがて彼らの旅は信仰と野心、そして狂気に飲まれていく――壮絶な探検の果てに待つものとは。
ここがおすすめ!
重厚な映像と圧倒的な自然描写により、人間の内面をむき出しにする異色の冒険映画。『ロスト・シティZ』のような“探索”と“信念”の物語が好きな方に強くおすすめします。
『エベレスト 3D』(2015)
この映画を一言で表すと?
「極限の美と恐怖が交差する、命がけの登山ドラマ」
どんな話?
1996年の実話をもとに、登山家たちがエベレスト登頂を目指すが、突然の嵐により想像を超える危機に直面する。壮大な自然に挑む人間の姿を描いた感動作。
ここがおすすめ!
自然との闘いの過酷さと、その中でも光る人間の尊厳を描く作品。『ロスト・シティZ』と同じく、夢と危険が隣り合わせの探検のロマンを堪能できます。
『フィッツカラルド』(1982)
この映画を一言で表すと?
「オペラを密林に運ぶ夢──常識を超えた男の執念」
どんな話?
南米アマゾンでオペラ劇場を建てる夢を持つ男が、巨大な蒸気船を山越えさせようとする。ハーゾグ監督と主演クラウス・キンスキーによる伝説の狂気と執念の記録。
ここがおすすめ!
実際に無茶なロケを強行した“映画自体が冒険”といえる一本。『ロスト・シティZ』のように、夢に取り憑かれた男の行動力と壮大な自然が見事に融合しています。
『モータル・エンジン』(2018)
この映画を一言で表すと?
「動く都市が大地を支配する、スチームパンク冒険譚」
どんな話?
文明崩壊後の世界で、巨大な“移動都市”が他の都市を捕食する荒廃した地球。謎を抱えた少女と青年が、世界の真実を知るために危険な旅へ出る。
どんな話?
スチームパンク的な世界観で描かれる壮大な冒険物語。『ロスト・シティZ』のように、未知の世界を目指す主人公たちの情熱と成長が熱く描かれます。
『ザ・ミッション/監獄島』(2016)※原題:The Mission(仮タイトル)
この映画を一言で表すと?
「信仰と贖罪が交差する、ジャングルの果ての人間ドラマ」
どんな話?
18世紀、南米のジャングルに布教に向かったイエズス会士たちと、彼らを取り巻く原住民との交流。そして国家の思惑に翻弄されながら信念を貫こうとする姿が描かれる。
ここがおすすめ!
美しい自然描写と重厚なテーマ性、そして静かに心を打つ演出が魅力。『ロスト・シティZ』のような“信念の果て”に惹かれた方に観ていただきたい名作です。
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