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映画『ふたりの旅路』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ふたりの旅路』の概要:ケイコは着物ショーに出演するため、ラトビアの首都リガを訪れた。そこで、阪神・淡路大震災で行方不明になったはずの夫に出会う。ケイコは夫だと認めず、他人行儀な態度を取り続けた。

映画『ふたりの旅路』の作品情報

ふたりの旅路

製作年:2016年
上映時間:99分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:マーリス・マルティンソーンス
キャスト:桃井かおり、イッセー尾形、アルトゥールス・スクラスティンス、アリセ・ポラチェンコ etc

映画『ふたりの旅路』の登場人物(キャスト)

ケイコ(桃井かおり)
交通事故で娘を失い、阪神・淡路大震災で夫が行方不明になる。大切な人を失い、20年間孤独な日々を過ごしてきた。
夫(イッセー尾形)
ケイコの夫。阪神・淡路大震災で行方不明になる。シェフ。ケイコと一緒に、レストランを開こうとしていた。
ロベルト(アルトゥールス・スクラスティンス)
ラトビア人。雑誌の出版を行っている。和食レストランを経営する予定。着物ショーを見て、ケイコを気に入る。
リタ(アリセ・ポラチェンコ)
ラトビア人。通訳。日本語は少したどたどしい。ラトビアでのケイコの活動を手助けする。

映画『ふたりの旅路』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ふたりの旅路』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ふたりの旅路』のあらすじ【起】

ケイコはラトビアの首都リガで開かれる着物ショーに参加することになった。隣人に庭の木の世話を頼み、旅立っていった。ケイコは会場で、ある男(夫)の姿を目撃する。ケイコは混乱し、思わず舞台の上に逃げてしまう。何とかショーを壊さないように振る舞い、その場をやり過ごした。

ケイコの姿は雑誌の表紙に掲載され、リガで一躍有名になった。ケイコはリガで雑誌を出版しているロベルトと通訳のリタに出会い、サインを頼まれる。ケイコは困惑しながらもサインをすることになった。

ロベルト達はラトビア人が誇りに思っているルンダーレ宮殿にケイコを案内した。ケイコは宮殿の美しい内装に感嘆の声を漏らした。ロベルトは嬉々として、宮殿内の案内と部屋や調度品の説明を行った。そこで、ケイコは夫の姿を目撃するが、目に入らないようにやり過ごした。

ロベルトは和食レストランを開きたいと思っており、ケイコにアドバイザーになってもらおうとしていた。市場で食材を見て来て欲しいと頼んだ。ケイコは携帯の翻訳機を使って店員と話をしながら市場を見て回り、食材を購入した。

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映画『ふたりの旅路』のあらすじ【承】

1人で食事を食べていると、夫が現れた。ケイコは夫の空似だろうと思い邪険にするが、目の前の男はケイコがよく行く場所を知っていた。次の日、ケイコが食事をしていると、夫が再び現れた。2人は他人のように会話をした。夫はかつてシェフだったことを話し、ケイコは夫がレストランを開く予定だったことを話した。しかし、男(夫のこと)が夫の現在を尋ねると、ケイコは足早に去っていった。

ケイコは写真を撮らせて欲しいとラトビア人に頼まれた。ケイコはめんどくさがるが、夫に写真を撮ることを勧められる。ケイコは仕方なくモデルになることを承諾した。ケイコの近くには夫も立っていたが、写真には彼の姿が写っていなかった。

ケイコは夫と会話しながら、夜道を散歩した。すると、自分がどこにいるのかよく分からなくなってしまう。2人は楽しい会話をすることができず、口論になった。夫はケイコを残して、その場を去って行こうとした。ケイコは夫を止めず、着物ショーで着ていた留袖のことを話した。ショーで着た留袖は、亡き娘の結婚式用に用意したものだった。ケイコは娘を失って辛い気持ちを話した。夫は呼び止めたいと思っていても素直に止めようとしないケイコを非難した。ケイコの元に戻り、自分も和食レストランのアドバイザーの仕事を手伝うことを伝えた。

ケイコは留袖を捨てようとしていたが、捨てることができずに仕舞っていた。今回留袖を着ることになったので、異国の地であるリガまでやって来たのだった。ケイコは留袖を着て観客から拍手をもらい、失われた日を取り返したような気持ちになっていた。

映画『ふたりの旅路』のあらすじ【転】

ケイコは20年間1人で生きていて、孤独だった気持ちを泣きながら夫に話した。誰ともしゃべらないため、1人でしゃべっていることがあった。そして、夫も娘も生きていた幸せな日々を思い出して、辛い気持ちを癒していた。

ケイコは料理番組に出演することになる。市場で出会った男性が番組のプロデューサーで、ケイコに出演を交渉していた。ケイコは言葉が分からないまま頷いており、承諾したことになっていたのだ。ケイコは予想外の出来事に困惑する。

プロデューサーは市場でケイコお見かけ、英語で話しかけた。ケイコは英語を話すことができなかったので、彼が何を言っているのかきちんと理解していなかった。プロデューサーのことをレストランの関係者だと誤解しており、予約するために連絡を求めているのだと思っていた。ケイコが適当に相槌を打っていたため、出演を承諾したと誤解されたのだ。番組の撮影は明日で、ケイコはゲストとしていくつかの質問に答えることになった。一度出演を承諾したため、断ることはできなかった。

映画『ふたりの旅路』の結末・ラスト(ネタバレ)

ケイコは緊張した面持ちで番組の撮影所を訪れた。撮影が始まり、司会者はリガと神戸が姉妹都市であることを説明した。その後、ケイコに料理に纏わる様々な質問を行った。ケイコは夫と一緒にレストランの開店準備を行っていたが、阪神・淡路大震災に遭い滅茶苦茶になってしまったことを話した。その時、夫も行方不明になったのだった。娘を失ったのは、震災の少し前だった。ケイコは全てを失い、自殺を考えるほど心が傷ついていた。その時、ボランティの人がおにぎりを渡してくれた。ケイコはそのおにぎりを食べて「おいしい」と感じ、生きる気力を取り戻したのだった。そして、毎食おいしい食事を食べることを心に決めていた。

料理対決が行われ、ケイコはラトビア人の料理人と共に料理を作った。その時、ジャガイモの皮まで料理に使用した。収録が終わった後、ケイコはケチ臭いと思われたのではないかと心配し、落ち込んでいた。リタはケイコを慰め、素晴らしい料理だったと褒めた。そして、スタジオでの話を聞いて、感動したと思いを伝えた。ケイコは娘についてリタに話した。ケイコの娘は結婚式の少し前に、交通事故で亡くなっていた。すぐに震災が起きたため、娘の死を悲しんでいる暇などなかった。

ケイコがホテルの部屋で片づけを行っていると、携帯が鳴った。テレビを点けるとこの前出演した番組が放送されており、ケイコが作った方の料理が勝利していた。その後、ケイコはロベルトのレストランを訪れた。そこで、夫と会う。ケイコは目の前にいる男が、夫であることを受け入れた。すると、夫はもう消えなければいけないことを告げた。ケイコは二度と夫を失いたくなかったため、嫌がった。夫は娘のアキコが肌身離さず持っていた鶴の折り紙をケイコに贈った。

ケイコが目を瞑っていると、舞台に上がるようスタッフに呼ばれる。ケイコは微笑み、控室を出ていった。机には、鶴の折り紙が置かれていた。着物のショーが行われた。そこには白無垢を着た女性の姿があった。ケイコは日本に帰り、留袖を片付けた。傍には夫の姿があった。ケイコは夫の方を見て、微笑んだ。

映画『ふたりの旅路』の感想・評価・レビュー

終始不思議なストーリーで、何だかモヤモヤとした気持ちが残る作品だった。セリフの言い回しや場面展開が独特で、理解するのが難解だった。ただ、桃井かおりの演技が素晴らしく、ケイコの孤独と寂しい気持ちは伝わってきた。桃井かおり×イッセー尾形のやり取りは自然で、2人が好きな方は気に入る作品かもしれない。作品を見終わった後、家族を大切にしたくなるような物語だった。もう少し分かりやすく描いてくれれば、もっと万人受けすると思う。(MIHOシネマ編集部)

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