映画『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』の概要:明るく元気な少年・花田一路は、ある日トラックに撥ねられてしまう。そのまま成仏しそうになるが、女子高生の幽霊・香取聖子に救われる。生き返った一路は、香取を始め幽霊の姿が見えるようになっていた。
映画『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』の作品情報
上映時間:123分
ジャンル:ファンタジー、ヒューマンドラマ
監督:水田伸生
キャスト:須賀健太、篠原涼子、西村雅彦、北村一輝 etc
映画『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』の登場人物(キャスト)
- 花田一路(須賀健太)
- 小学生。明るく元気な少年で、口が少し悪い。母の寿枝ともよく口論になる。交通事故に遭い、幽霊が見えるようになる。
- 花田寿枝(篠原涼子)
- 一路の母。かつてはストリートミュージシャンだった。口は悪いが、心根は優しく温かな女性。
- 花田大路郎(西村雅彦)
- 一路の父。元漁師。現在はタクシー運転手として働いている。ある理由から、元漁師仲間に嫌われている。
- 沢井真彦(北村一輝)
- 元弁護士。一路の父親を名乗るが、それは嘘。本当は寿枝と大路郎のことを逆恨みしている悪霊。
- 香取聖子(女子高生:安藤希 / 幼少期:吉田里琴)
- トンネルにいる幽霊。沢井の娘。病気のときに沢井に放ったらかしにされ、死亡する。生前自分に優しくしてくれた寿枝と大路郎のことを守っている。
映画『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』のあらすじ【起】
トラック運転手はトンネルの中で女子高生の幽霊と遭遇し、恐怖のあまり車を急発進させた。そして、自転車に乗っていた少年・花田一路を撥ねてしまう。一路は幽体離脱し、怪我を負って倒れている自分の姿を見ていた。事故の件を聞いた母の寿枝と祖父は現場に駆けつけ、救急隊員に運ばれようとしている一路に寄り添った。
一路は上空にある光の中に向かっていった。だが、途中で女子高生の幽霊に引き止められ、自分の体の元へと投げ飛ばされてしまう。一路は目を覚まし、家族と再会した。一路は自分が体験したことを家族に話すが、誰もまともに取り合ってはくれなかった。
一路の前に女子高生の幽霊が再び姿を現した。一路は九死に一生を得たことにより、生きたまま幽霊の姿が見られるようになっていた。女子高生の幽霊は香取聖子と名乗り、一路に会いたかったと伝えて姿を消した。一路はよく分からない事態に困惑し、幽霊の存在に怯えた。
夜中、一路の前に、幽霊になった隣人の吉川のばあちゃんがやって来た。吉川のばあちゃんはこの間拾った犬の面倒を見て欲しいと頼んだ。一路が断ると、吉川のばあちゃんは泣き出した。実は、吉川のばあちゃんは既に他界しており、犬の面倒を見ることができなくなったのだ。吉川のばあちゃんが何度も頼んでくるため、一路は犬を引き取ることにした。
映画『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』のあらすじ【承】
一路の友人の村上壮太の母と同級生・市村桂の父は付き合っており、再婚に向けて顔合わせを行った。その話を聞いた一路は、クラスメイトに話を広め壮太達をからかった。恥ずかしくなった桂は壮太の母を侮辱して、再婚などあり得ないと怒った。
一路の前に、父親を名乗る幽霊・沢井真彦が現れる。香取は沢井の言葉に耳を傾けてはいけないと一路に忠告し、沢井に向けて攻撃を仕掛けた。香取達のことが見えない花田一家には、ポルターガイスト現象が起きたように見えていた。花田一家は困惑し、怯えた。
一路が通う小学校で、運動会が開催された。借り物競争に参加した壮太は、封筒を開いた後立ち止まってしまう。封筒の中には「お父さん」と書かれていた。一路の前に香取が現れ、身体を貸してあげて欲しいと頼まれる。一路が困惑していると、壮太の他界した父・村上猛が乗り移った。猛は壮太と話をした。壮太は猛が傷つくことを恐れ、母の再婚を応援できない気持ちを話した。猛は自分に遠慮せず、新しい父親と仲良くすれば良いのだと諭した。壮太は桂の父の元に向かい、封筒の中のカードを見せて一緒に走って欲しいと頼んだ。
一路の父の大路郎は町の漁師達から嫌われていた。一路は父がなぜ嫌われているのか、祖父の徳路郎に尋ねた。徳路郎は重い口を開いた。大路郎は漁師で、嵐の近づいている日に猛と一緒に漁に出かけた。船は転覆し、猛は脚を怪我して泳げない状態だった。大路郎は猛を見捨て、1人だけ助かった。大路郎は漁師を辞め、タクシーの運転手に転職した。その話を壮太が聞いてしまう。壮太はショックを受け、走って逃げていった。
映画『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』のあらすじ【転】
沢井は自分も大路郎に殺されたのだと一路に話した。一路は沢井の言葉を聞きたくなくて、逃げ惑った。そこに、吉川のばあちゃんが現れる。吉川のばあちゃんは真実を見せるため、一路を90年代の東京に連れていった。
寿枝はストリートミュージシャンだった。浪人生だった大路郎は寿枝に惚れており、彼女の歌を聞いていた。沢井は弁護士で、父が他界したことを知らせるために寿枝に会った。寿枝は妾の子で、莫大な財産の3分の1を相続することが遺言状に書かれていた。寿枝は財産を放棄しようとした。すると、沢井が突然涙を流しながら、寿枝の音楽を褒め出した。財産目当てなのは明らかだったが、寿枝は純粋に喜んだ。その頃、一路の本体は意識が戻らず、病院に運ばれていた。
沢井は寿枝を連れてレストランを訪れた。そこに、沢井の子供を連れて女性がやって来る。女性は沢井に子供を預けると、去っていった。沢井は子供を引き取って育てる気がない様子で、警察に連れて行こうとした。寿枝は子供を不憫に思い、自分が引き取ることにした。その子供は、香取聖子と名乗った。
映画『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』の結末・ラスト(ネタバレ)
寿枝は香取と一緒に道路に立ち、歌を歌った。大路郎は2人に声をかけ、仲良くなった。香取は寿枝と大路郎に愛され、幸せな日々を過ごした。だが、それは長くは続かなかった。香取は父である沢井が引き取ることになった。香取は具合を悪くしていたが、沢井は病院に連れて行かなかった。放置された香取は、そのまま亡くなった。
寿枝は相続を放棄し、彼女の財産を当てにしていた沢井は借金取りから暴力を振るわれた。沢井は街中で寿枝と大路郎の姿を見かけ、声をかけようとして車に撥ねられて亡くなった。大路郎達のことを逆恨みし、悪霊となった。香取は沢井から大路郎達を守っていたのだった。
一路の前に猛が現れ、大路郎に見捨てられたことを否定した。大路郎は必死に猛を助けようとしていたが、猛は自分が助からないことを自覚していた。猛は家族のことを大路郎に頼み、海の中に沈んでいった。大路郎は猛の願いを叶えるため、1人で岸に帰ったのだった。
一路は目を覚ました。その頃、大路郎は嵐の中、船に乗って海に出航していた。沢井が乗り移った桂の父にナイフで脅されたのだ。一路は祖父と共に助けに向かい、タコを投げつけて桂の父を攻撃した。すると、桂の父の顔が沢井の顔になった。大路郎は海の中に落ちた一路を助けようとして海の中に飛び込んだ。そして、海の底へと沢井に引きずり込まれそうになる。香取は大路郎を助けた後、沢井を説得して一緒に成仏した。その後、大路郎達は迎えに来た漁師の友達や家族に助けられた。
一路は桂、壮太と一緒にトンネルに出かけ、花を供えようとした。だが、大量に現れた幽霊に追いかけられてしまう。
映画『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』の感想・評価・レビュー
前半はちょっとコミカルな部分が多すぎたため戸惑いを感じた。だが、花田家一家が家族のことを大切に思っている気持ちが伝わってきて、温かな作品だったと思う。幽霊の動きや戦い方が不自然で、思いっきりCGを使っています!という感じが残念だった。もう少しCGに力を入れていれば、もっと楽しめたのではないかと思う。篠原涼子や北村一輝など豪華な俳優が出演しており、彼らの振り切った演技がおもしろかった。(MIHOシネマ編集部)
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