映画『追撃者(2014)』の概要:砂漠地帯でガイドをしているベンは、初老の富豪マデックの狩猟に同行する。マデックは獲物と間違えて、人間を射殺してしまう。事件をもみ消そうとするマデックと、無線で報告しようとするベン。砂漠の真ん中で、マデックによる執拗な追撃が始まった。
映画『追撃者』の作品情報
上映時間:91分
ジャンル:サスペンス
監督:ジャン=バティスト・レオネッティ
キャスト:マイケル・ダグラス、ジェレミー・アーヴァイン、ハンナ・マンガン・ローレンス、ロニー・コックス etc
映画『追撃者』の登場人物(キャスト)
- マデック(マイケル・ダグラス)
- 狩猟が趣味の富豪。砂漠で起こした殺人事件をもみ消すため、異常なまでにベンを追い回す。
- ベン(ジェレミー・アーヴァイン)
- 砂漠地帯のトレッキング・ガイド。マデックにライフルで追われ、裸足で砂漠地帯を逃げ回る羽目になる。
- レイナ(ハンナ・マンガン・ローレンス)
- ベンの恋人。ベンとは砂漠でデートをしていた。今は離れて暮らしている。
- 保安官(ロニー・コックス)
- マデックから金を受け取り、解禁前の狩猟を許可する。
映画『追撃者』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『追撃者』のあらすじ【起】
アメリカのモハーベ砂漠。自然ガイドをしているベンに、保安官から狩猟ガイドの連絡がくる。依頼したのは初老の大富豪マデック。彼は国内で1台しかないベンツのRV車に乗り、特注の高級ライフルを自慢そうに見せびらかしながら現れた。
途方もなく広がる砂漠を、マデックとベンを乗せた車が走る。夜になるとマデックは車に搭載した電子レンジで食事を温め、エスプレッソマシンで煎れたてのコーヒーを飲んだ。
翌朝。2人は車を置いて狩猟に出発した。ベンは狩猟解禁前なのに許可書があるのかと尋ねると、マデックは保安官に金を積んだのさ、と悪びれる様子もなく答えた。
野生動物の生息地に到着し、静かに獲物を待つ2人。崖の上に動く物が見えたため、マデックはすかさずライフルで撃った。命中した手応えがあり確認に行くと、撃ったのは動物でなく人。ベンの友人、チャーリーだった。
動揺したベンはその場を離れた。マデックは死体を見つめながら、ベンの銃を使ってさらに1発撃ち込んだ。
映画『追撃者』のあらすじ【承】
死体から弾が2発見つかれば、ベンも同様に疑われるだろうと、マデックは考えたのだ。彼はベンに取引を持ちかけた。通報しないことを条件に、大学に行く奨学金と就職先を世話すると言う。その代わりにこのことは誰にも話すな、と言った。
金に目がくらんだベンは、取引に応じることに。チャーリーの死体を穴の中に埋めるが、次第に気持ちが揺らいで、保安官に無線で報告しようとした。
それを見たマデックは、ベンの裏切りに怒り狂った。ライフルを突き付けて、服と靴を脱げと脅迫。そして砂漠に向かって歩けと命じた。
灼熱の太陽が照り付け、日中の気温は50度に達する砂漠地帯を、ベンは裸足と下着姿で歩き始めた。マデックは付かず離れずの位置からベンを追跡する。時折、悠長にコーヒーを飲みながら。
マデックが目を離した隙に、ベンは岩のくぼみにあるチャーリーが作った秘密の抜け道に入った。
抜け道の先にはチャーリーの家があり、ベンは身を隠した。一方、マデックも外側から家を発見しており、ダイナマイトに点火して家の中に放り投げた。
映画『追撃者』のあらすじ【転】
チャーリーの家はダイナマイトで爆破した。ベンは間一髪で飛び出して無事。「しぶといやつだ」と、マデックはまたしても彼を砂漠で歩かせることにし、再び獲物を狙うように追撃した。
炎天下、ベンはフラフラになりながら歩く。絶望的な状況下であったが、彼は諦めず、チャーリーの家から持ち出した地図の中の×印を探した。
×印の場所を見つけて掘ると、ゴム製のパチンコと、少量の水が入ったボトルが出てきた。ボトルを持ち上げて飲もうとするが、マデックがボトルに向けて発砲。ボトルは割れて、中の水はすっかりこぼれてしまった。
ベンは巨大な岩山に辿り着いた。そこは恋人のレイナと訪れた場所で、水が溜まる場所があることを知っていたからだ。彼は水を求めて岩山を登るが、残念ながら水は干上がっていた。そこに、「諦めて出てこい!」と、拡声器によるマデックの声が鳴り響いた。
夜になり、マデックは岩山に向けて車のライトを当てる。岩山の中では、ベンが寒さで凍えていた。
映画『追撃者』の結末・ラスト(ネタバレ)
ベンが諦めかけたその時、岩陰に水たまりを発見した。彼は犬のように水をガブガブと飲み、反撃に出る力が湧いた。
ベンはマデックに見つからないように岩山を脱出。車の下に隠れるがマデックに気付かれて轢かれそうになる。マデックのライフルが弾切れになった隙をついて、ベンはパチンコ玉で攻撃。玉はマデックの頭部に命中し、気絶させるのだった。
ベンはマデックの身柄を保安官事務所に届けた。ところが、マデックはすでに保安官を買収していたため、保安官が開けたドアからまんまと逃亡する。
マデックはヘリに乗ってあっという間に街から去って行った。何もできないベンは、呆然と空を見上げるだけだった。
すっかり疲れたベンは、恋人のレイナの家を訪れた。再会を喜びながら眠っていると、枕元にマデックが現れた。
「後始末にきた」と、ベンに銃を向けるが、レイナの方が早くマデックを撃った。よろめくマデック。そして、最後の銃声が鳴り響いた。
映画『追撃者』の感想・評価・レビュー
劇中のほとんどの時間、マデックとベンしか出てこない。青い空と太陽以外、誰もいない荒涼とした砂漠地帯。たった2人しかいない悲惨な状況で、富豪はベンを支配し、まるで人間狩りをしているように、笑みを浮かべながらしつこく追いつめる。この狂気に満ちた姿を、マイケル・ダグラスが見事に憎らしく演じ切っている。
砂漠から逃れても、世の中はやっぱりお金という結論にも、怖さがある。最後の銃弾が誰に当たったか描かないラストもゾクゾクした。(MIHOシネマ編集部)
マイケル・ダグラス演じるマデックが本当に「最凶」で彼が持つ貫禄や、渋い雰囲気がキャラクターに厚みを持たせていたのでハラハラしながらとても面白く見ることが出来ました。
こういう作品を見ていると途中で、でも結局悪者は成敗されるんだよな…と気持ちが萎えてしまうのですが今作はそれを最後の最後まで引っ張るので、どうなるのかドキドキしながら迎えるラストが本当に気持ちよかったです。
マデックの傲慢で金にものを言わせるキャラクターには恐怖を感じますが、個人的には嫌いじゃないです。(女性 30代)
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