映画『沈黙の鉄拳』の概要:2009年制作のアメリカ映画。監督はスティーヴン・セガールとのコンビも多いキオニ・ワクスマン。主演・制作はスティーヴン・セガール。共演はマーライナ・マー、ジェシー・ハッチ、ジェシー・ハッチ、バイロン・ローソンなど。
映画『沈黙の鉄拳』 作品情報
- 製作年:2009年
- 上映時間:94分
- ジャンル:アクション
- 監督:キオニ・ワックスマン
- キャスト:スティーヴン・セガール、マーライナ・マー、ジェシー・ハッチ、バイロン・ローソン etc
映画『沈黙の鉄拳』 評価
- 点数:65点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『沈黙の鉄拳』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『沈黙の鉄拳』のあらすじを紹介します。
元特殊部隊員であるシェーン・ダニエルズ(スティーヴン・セガール)は、無実の罪で6年間も投獄されてしまう。無実を訴えるものの誰も聞いてはくれず、待ちきれなくなった妻は彼の元を去って行ってしまう。ようやく冤罪を証明して出所したものの、何も残されていない彼は、失意のあまり自暴自棄になってしまう。ある晩シェーンは、偶然中国マフィア(バイロン・ローソン)が警察官を射殺する現場を目撃してしまう。さらにシェーンは、彼らに誘拐されていた中国人美女のティア(マーライナ・マー)と、ロシア人の息子を助け、共に逃走する。
ティアは、麻薬組織の会計をしているという伯父の救出をシェーンに依頼する。伯父は中国マフィアに狙われているのだという。シェーンは、中国マフィアと敵対するロシアン・マフィアの助力を得て、叔父の救出に乗り出す。だが、中国マフィアの裏には汚職警官が存在し、また本土中国からはさらに別の思惑を持った軍人が乗り込んできていたのだ。
こうしてシェーンは、中国マフィア、汚職警官、ロシアン・マフィア、中国人軍人といった勢力の争いに巻き込まれていくのだった。果たしてシェーンは、この抗争に打ち勝ち、無事に叔父を救い出す事が出来るのだろうか……。
映画『沈黙の鉄拳』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『沈黙の鉄拳』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
スティーヴン・セガール、久々の一撃
リーアム・ニーソンの「96時間」シリーズや、ジャック・バウアー役で有名なキーファー・サザーランドのドラマ「24」などですっかり市民権を得た「戦うオヤジ」というキャラクター。だがやはりその元祖はこの男、スティーヴン・セガールをおいて他にはいない。合気道をベースとした総合格闘術は、ハンパない程の痛みと爽快感を観客に約束する。今作においてもその技のキレは衰えを知らず、どんな敵と相対しようが、劣勢に陥る事は一切ないほどの無敵の強さを見せつけてくれる。特に終盤で登場するバイロン・マンとの肉弾戦は見もの。あまりの戦力の差に、もはやいじめをしているとしか思えないほどのセガールの強さには大笑いである。
すさまじい銃撃戦シーン
今作は、中国マフィア、ロシアン・マフィア、汚職警官、中国人軍人といった様々な面々が、熱いバトルを繰り広げるのが魅力の一つだ。その抗争を盛り上げるのが、終盤40分以上に及ぶ壮絶な銃撃戦。あの名作「ヒート」を彷彿とさせるような凄まじい銃撃戦は、今作最大のハイライトと言えるだろう。スティーヴン・セガールの本格アクション、そしてマフィアたちによるガン・アクションシーンにより、今作はただのセガール映画を越える作品だと言っても過言ではない。
さらに見逃せないのは、セガール映画特有の無意味とも言えるエロチック・シーンだろう。制作総指揮をセガールが担当しているため、彼のやりたい放題の作品になっているのは否めない。冒頭で主人公の前から姿を消してしまう妻の描写なのだが、どう見てもストリッパーが中年オヤジに奉仕しているとしか見えないのには苦笑である。しかもセガールがニヤニヤ笑っているのがそれに余計に拍車をかけている。それでも今作のヒロインであるティアと結ばれる展開にしなかっただけでも、まだ良心が残っているのはないだろうか。
ハリウッドスターと呼ばれる映画俳優たちには、どんなキャラクターも演じられるカメレオン的な俳優から、コメディ専門の俳優などたくさんのジャンルがあると思いますが、アクションシーンに異様なまでのこだわりを見せているのがスティーブン・セガールです。
彼が作品の中で見せるアクションは格闘技を基本にした本物なんですよね。その場しのぎで演技としてアクションをしているのではなく、経験や知識から来る本物のキレや間合いは本当に見応えがあります。
彼のアクションシーンにハラハラしたい方は沈黙シリーズどの作品を見ても楽しめるでしょう。(女性 30代)
映画『沈黙の鉄拳』 まとめ
日本に輸入されるとなぜか主演作品すべてが「沈黙」シリーズに置き換えられてしまうスティーヴン・セガール映画。それでもいまだにハリウッドで主演を張り続けているというのは、特定ファンがいるという証拠だろう。中には駄作も多いが、今作のような拾い物も存在するからあなどれない。熱いガンアクション、過激な暴力描写、ときおり挿入されるエロシック・シーンなど、今作はセガール映画の魅力の全てが詰まっている一作だと言えよう。中でも今作は、珍しく適役の造形に凝っており、特にロシアン・マフィアのドンの存在感は必見だろう。今作の時点でスティーヴン・セガールは57歳。還暦前とは思えない技のキレを鑑賞してみてはいかがだろうか。
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