映画『TAXi』の概要:1997年制作のフランス映画。制作・脚本はリュック・ベッソン。監督はジェラール・ピレス。出演はサミー・ナセリ、フレデリック・ディファンタール、マリオン・コティヤールなど。
映画『TAXi』 作品情報
- 製作年:1997年
- 上映時間:85分
- ジャンル:アクション
- 監督:ジェラール・ピレス
- キャスト:サミー・ナセリ、フレデリック・ディファンタール、マリオン・コティヤール、エマ・シェーベルイ etc
映画『TAXi』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★★★
[miho21]
映画『TAXi』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『TAXi』のあらすじを紹介します。
舞台はフランス・マルセイユ。宅配ピザ屋勤務のダニエル(サミー・ナセリ)は、あまりのスピード狂のためタクシードライバーへと転向。愛車であるプジョー406を操り、いついかなる場所でもあっという間に客を送り届る事が出来るのだった。ただし、運転の荒さは尋常ではないが。
一方、運転技術のまったくないマルセイユ刑事のエミリアン(フレデリック・ディファンタール)は、ある時偶然ダニエルの運転するタクシーへと乗車する。異常なスピードを出すダニエルを、エミリアンはスピード違反の現行犯で逮捕してしまう。
一方、マルセイユ市内では「メルセデス」と名乗る、メルセデス・ベンツに乗るドイツ人強盗団が出没。連続して銀行強盗事件が勃発していたのだ。エミリアンはダニエルの運転技術に注目し、スピード違反チケットと引き換えに、強盗事件の捜査に協力させる事を強要する。
こうして、運転できない刑事と、スピード狂のタクシードライバーという凸凹コンビが誕生する。「メルセデス」を追いながらも、ダニエルは恋人のリリー(マリオン・コティヤール)との関係に悩み、エミリアンは自分の上司であるペトラ(エマ・シェーベルイ)へのアタックに燃えていた。
そんな二人は、果たして「メルセデス」を捕まえる事は出来るのだろうか。
映画『TAXi』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『TAXi』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ベッソン製フランスアクション映画の夜明け
フランス映画と言えば、アンチハリウッド的風潮が強く、独自の路線を歩んだ映画が多かった。しかし、ハリウッドでも大ヒットを飛ばすリュック・ベッソンの功績により、今やフランス産アクション映画が数多く作られている。
その始まりともいえるのが今作「タクシー」だ。ベッソン制作・脚本によるこの映画は大ヒットを記録し、シリーズ作品が4作、リメイク作品が1作制作さられたほどの人気を誇る。後に「トランスポーター」シリーズや「96時間」シリーズが生み出される下地にもなった。近年のフランス映画に革命を起こしたという意味でも、この「タクシー」の存在価値は高いと言えるだろう。
ド派手なカーアクション
今作の魅力は、とにかくド派手なアクションシーンである。CGに頼らず、実車での撮影にこだわったカーチェイスシーンは特に見ものである。ラストの高速道路での追っかけっこは手に汗を握る事は間違いないだろう。
加えて今作の魅力とは、登場人物の個性の強さにあると言える。まず運転の出来ない刑事エミリアン、彼が思いを寄せるモデル系上司ペトラ、スピード狂の運転手ダニエルとその恋人のリリー、変に日本かぶれの警察署長ジベールなど、もはやドタバタコメディ並の濃いキャラクターが集まっているのがおかしい。中でもリリーを演じたマリオン・コティヤールは、この作品をきっかけとして大ブレイク。今では世界的な女優へと成長しているから驚きだ。タランティーノの「パルプフィクション」と同じテーマ曲をオープニングに流すというセンスの良さから、テンポの速いセリフの応酬に、豪快なカーチェイスシーン、適度なお色気など、ベッソンはエンタメの全てをこの作品につぎ込んでいる。子供から大人まで楽しめる娯楽作品の快作と言えるだろう。
個人的にはリュック・ベッソンの代表作だと思っているこの『TAXi』シリーズ。とにかく笑えて、ちょっぴりお下品で、フランスらしいゆるい空気感が流れているのが大好きな作品です。
子供の頃に見た時は、俳優をあまり知らなかったので有名な人は出ていないと思っていましたが、改めて見るとマリオン・コティヤールはもちろん、主人公のサミー・ナセリだって人気俳優ですよね。
1作目ならではのチープなB級っぽい雰囲気も味わえるのでシリーズの中でもかなり好きな作品です。『ワイルド・スピード』シリーズのように、まさかこれがヒットするとは思っていなかったのではないでしょうか。(女性 30代)
映画『TAXi』 まとめ
リュック・ベッソン制作によるアクション映画の第一弾と言えるのがこの「タクシー」。後にも同じような作品が多数制作されているが、ベッソン自らが監督した作品よりも、それらの作品群の方が売れているというのは皮肉な事である。どの作品もだいたい上映時間を90分前後に抑えているというのも、エンタメのツボをわかり切ったベッソンらしい賢い選択だ。このシリーズ、後半に行くにつれて、内輪ネタばかりになっていき魅力を失っていくが、やはりこの1作目の面白さは別格だろう。「ジェイソン・ボーン」シリーズ以上の迫力を誇るカーチェイス・シーンは必見である。人間ドラマや内容は薄っぺらいが、たまにはこういった頭を空っぽにして楽しめる映画というのもいいものだろう。
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