映画『紅き大魚の伝説』の概要:異世界に住む少女が成人を迎える儀式にて、人間界へ向かう。彼女はある少年と出会うが、彼は少女のせいで命を落としてしまう。少女は異世界へ戻り少年を生き返らせようと、命を張って奮闘する。
映画『紅き大魚の伝説』の作品情報
上映時間:106分
ジャンル:ファンタジー、アドベンチャー、アニメ
監督:リャン・シュエン
キャスト:雨宮天、沢田敏子、千葉翔也、麦人 etc
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映画『紅き大魚の伝説』の登場人物(キャスト)
- チュン(若年:雨宮天 / 老年:沢田敏子)
- 人間界の海の底にある別世界の少女。薬草を司る祖父と鳥を司る祖母、両親を持つ。祖母はすでに亡くなり鳳凰へと姿を変えている。祖父譲りの樹木を操る力を持ち優しく健気だが、信念を曲げない強さを持つ。人間界で出会った少年を生き返らせるべく奮闘する。
- チウ(千葉翔也)
- チュンの幼馴染。両親亡き後、巫女である祖母に育てられる。水を操る力を持ち、渦潮を発生させる力を秘めている。チュンに叶わない片思いをしており、自らの寿命を全てチュンに与える。明るく活発的。
- リンポー(麦人)
- 善人の魂の番人。人間の魂を管理しており、等価交換によって願いを叶える。チュンの寿命を半分使い、少年の魂を生き返らせる。チウの全寿命を使いチュンの寿命を延ばすなど一見、悪人のように見えるが、実は悪いだけの人物ではない。
- シューポー(佐々木優子)
- 悪人の魂の番人。太陽を浴びることができない呪いを持ち、外に出ることができない。元人間。ネズミを操りチュンが持っていた笛を奪う。チウを唆し人間世界へと逃れようと画策する。
映画『紅き大魚の伝説』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『紅き大魚の伝説』のあらすじ【起】
45億年前、世界は海で覆われ大魚が多く泳いでいた。それこそが人の魂であり、源と言われている。人は海の底から誕生し今も尚、その源であったことを魂の底で覚えている。
チュンは海の底の世界からやって来た。その世界の空は人の世界の海と接しており、人が亡くなった後、魂が最後に辿り着く場所だった。チュンたちは人の魂の管理を行い、あらゆる自然の摂理を司る。人ではないが、神でもない他者であった。
16歳の年、成年を迎えるチュンは自然の摂理が人間界にどのような影響を及ぼしているかを観察するため、人間界へと7日間出向くことになった。難しいことではないが、この成年式は言わば試練でもあり戻らない者もいる。チュンは心配する両親と幼馴染のチウに見送られ、空の上にある人間界へと向かった。
世界を繋ぐ渦潮は成年式の時にしか開かない。薬湯を飲んだ彼女は赤いイルカへと姿を変え、人間界の海を1人でさ迷った。世界はとても美しく巡り巡って6日目に海へと戻って来たチュン。彼女は沖に出ていた漁師の少年と出会い、束の間の時を過ごした。そうして夜、渦潮にて戻ろうとした彼女だったが、漁の網に引っかかってしまい逃げられなくなってしまう。そこを昼間の少年が助けてくれたが、パニックになってしまったチュンは、少年を強く殴りつけ海の底へと沈めてしまうのだった。
無事に渦潮を渡り元の世界へ戻ったものの、自分のせいで少年を死に至らしめてしまったチュン。彼が持っていたイルカの形をした笛を手に少年の死を悼む。すると、その笛の音を気に入った魂の番人が力になると言い、クルミのような実を1つ渡すのだった。
番人の言う通り深夜に魂が行き着く場所でクルミを振ると渡し舟が現れた。
小舟が行き着いた場所にあった建物へ。そこは魂の番人が住む邸。番人のリンポーは人を生き返らせることは天意に逆らうことだが、チュンの寿命の半分で生き返らせてもいいと言う。彼女は少年が助かるなら何でも交換すると断言した。
映画『紅き大魚の伝説』のあらすじ【承】
すると、番人はチュンを魂の保管庫へと連れて行く。数多ある魂の中から少年の魂を長い時間をかけて見つけ出した。番人はチュンの寿命の半分を少年の魂に与え絆を結ぶ。人の魂は幼いイルカの形をしており、旅立つ日がくるまでチュンが困難や害を廃して彼を育てなければならない。
翌朝、少年の魂を持ち帰ったチュンの元へチウがやって来る。彼はおおよそのことを察し、秘密を共有する代わりに少年に伝説の大魚からヒントを得てクンという名前をつけるのだった。
クンはチュンの庇護の元、順調に成長。ところがある日、事情を知らない母親がクンを勝手に捨ててしまう。チウと共にゴミ捨て場へ向かうと悪人の魂を管理するシューポーに声をかけられる。シューポーはチウをとても気に入り、クンを探してくれる。善人の魂はイルカになるが、悪人の魂はネズミになる。見つかったクンを目にしたシューポーは、この子はとても大きく育つと言うのだった。
クンを生き返らせた影響か近頃、この世界には異常なことが起こっている。塩辛い大雨が続き、海水も隆々していた。土地神は不吉な兆候だとして、厳重に警戒するよう言い渡すのだった。
チュンとチウはクンを少し離れた池へと運び出すことに。ところが、池の近くに頭が2つある毒蛇が生息しており、撃退したチウが噛まれてしまう。チュンはチウを背負って薬草を司る祖父の元へと走った。祖父は蛇に効く薬はないが、自らに毒を移し替えることでチウを救ってくれる。祖父は今わの際、チュンが成すことは大いなること、自分の思うように生きろと言葉を残した。
天変地異は続き、降るはずのない雪が降る。チュンは祖父の死を悼み、チウに自分の寿命が半分しかないことを明かす。今や年長者たちはチュンを疑い始めている。危機を察したシューポーは、チウにクンを隠せと言う。クンはもう抱えきれないほどの大きさに成長していたが、チウは大魚を川へ放すことに。だが、チュンはクンが川に放された話を聞くとためらいもなく探しに向かう。そのせいで、シューポーに囚われイルカの笛を奪われてしまうのだった。
映画『紅き大魚の伝説』のあらすじ【転】
シューポーの獄からどうにか、脱出したクンとチュン。意識を失っているチュンとクンを発見したチウは、2人を連れて廃屋へ。2人の絆の深さを知ったチウは、自分の行いを酷く悔い何としてもチュンの力になろうと誓う。
そこで彼はリンポーの元へ向かい、自分の寿命の半分をチュンに与えたいと申し出る。だが、リンポー曰くチュンの価値が高くなったため、チウの寿命の全てを貰わなければならないらしい。その上、今更交換したところで、クンが去った途端にチュンは命を失うと言う。そこで、チウはリンポーと取引することにした。
やがて、クンが大魚へと成長。チウは2人が寄り添う姿を目にし、片思いに苦しむ。大津波が発生し、雷雨が降る。年長者たちはとうとうクンとチュンを見つけ出し、排除しようとする。チウは祖母が渦潮を起こす際に使う仮面と釈を盗み出し、2人を人間界へと逃がそうとするのだった。
一方でシューポーもまた、行動を開始。シューポーは外へと出られない呪いから脱するべく、この機に乗じて渦潮で人間界へ脱出。しかし、渦潮を支えるための力量を備えていなかったチウの力では、クンとチュンまで逃がすことができなかった。
そのせいで、大津波が町を襲い多くの人が流される。天から海水の柱が幾つも落ちて来る。チュンは傷だらけのクンを労り、海水の柱から人間界へ向かえと促した。
だが、そこで年長者に発見されてしまいクンが攻撃を受ける。チュンは大木となった祖父に助けを求めた。すると、大木は孫の意を汲み己の体から炎を発する。そこへ、亡くなった後、鳳凰となった祖母が夫の声に応えチュンを助けてくれる。世界が崩壊の危機を迎えている今、被災した家族を救おうとしたチュンだったが、元はと言えば魂を生き返らせようと天意に背いた彼女のせいでもある。チュンはそこでようやく、自分がやってしまった事の重大さに気付くのだった。
映画『紅き大魚の伝説』の結末・ラスト(ネタバレ)
天からは更に海水の柱が落ちて来る。世界は海水で覆われ人々は難を逃れようとするも、逃げ場を失って行く。そこでチュンは事態を治めるべく、祖父の樹へと戻り自らの命を使って世界に足場を作るのだった。
その頃、クンは人間界へ向かっていたが、チュンを諦めることができず戻って来てしまう。彼は彼女を必死に探したが、すでに大木となってしまっている。クンはチュンの樹から一枝折ると、リンポーの元へ。すると、リンポーは枝からチュンを蘇生させる。しかし、蘇生したことでチュンの力が失われてしまった。それでも世界を渡るため、リンポーから道を示してもらいクンと共に向かう。その道中、無事だったチウと合流した。
世界を渡ればクンはチュンと過ごした記憶を失ってしまう。チュンはそれでも良かった。生きる世界が違うから、人間界へは共に行かないつもりだ。チウは彼女へと恋心を吐露したが、チュンは兄としか見ていない。その夜、チウは人知れず涙に暮れた。
そうして、北の海である世界の果てへとやって来た3人。チュンとクンは魂を分け合った唯一無二の2人。どんなに姿が変わってもきっと見つけ出せる。2人は別れを惜しみクンはその名の通り、伝説の大魚へと変貌を遂げチウが発生させた渦潮で人間界へと向かった。
そこでチウはリンポーとの契約を執行。その証として持っていたクルミの実を割り、中の核を飲み込んでしまう。彼は自らの寿命を全て使ってチュンの寿命を延ばし、風と水になって人間界へと送り出してくれるのだった。
そうして、人間界へと渡ったクンとチュン。クンの記憶は失われていたが、チュンの姿を一目見て息を飲んだ。
しばらく後、リンポーは時が来たと言ってクルミの実を割る。彼は自らの死期を悟り、形を成したチウに後を継がせると言うのだった。
映画『紅き大魚の伝説』の感想・評価・レビュー
中国の古書『荘子』にある、大魚にまつわる神話を基に制作された中国の長編アニメーション。制作には12年の時が費やされており、本国での公開当初は意見が二分したと言うが、世界に公開されたことで絶賛されている。
まず今作を、日本を代表するアニメ、ジブリ作品と似通っていると言う人がいるが、確かに似ている部分はあるけれど、全く違うものとも言える。中国神話が基になっていることもあり、タイトルにある紅が随所に使われ非常に美しいシーンが多い。少年の魂を持つ魚と少女の絆の深さ、少女を助ける幼馴染の片思いなど、内容量が多くとても深い。心象や絆の深さなど余すところなく描いており、世界で絶賛されるのも頷ける良作。(MIHOシネマ編集部)
本作は、人間界とは違う世界で生きる主人公チュンが、自分を助けるために命を落とした人間の青年を生き返らせるために奮闘する姿を描いた中国アニメーション作品。
まず何と言っても、美しい夜空やファンタジックな景色、中国の伝統的な建築などといった画の美しさに感動した。
そして、フレームワークにも強いこだわりと技術をはっきりと感じることができて、その不思議な世界感にどっぷりと浸れるほどの素晴らしいアニメ作品だと思った。(女性 20代)
Netflixオリジナル作品。中国アニメです。はっきり言ってしまうと、ジブリ感がものすごく強いです。ストーリーはジブリとディズニーをミックスしたような感じ。その辺が気にならない人はとても楽しめると思います。
人間界とその反対側の世界がこの作品の舞台。ストーリー自体はとても不思議な感じがします。世界観も壮大で、色々な場所や建物が美しく描かれていました。
とにかくセリフが詰め込まれていて、見ていて疲れます。もう少し余白がある流れだと、作品の世界観に浸れたのかなと感じました。(女性 30代)
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