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映画『まったく同じ3人の他人(同じ遺伝子の3人の他人)』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『まったく同じ3人の他人(同じ遺伝子の3人の他人)』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『まったく同じ3人の他人(同じ遺伝子の3人の他人)』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『まったく同じ3人の他人(同じ遺伝子の3人の他人)』の結末までのストーリー
  • 『まったく同じ3人の他人(同じ遺伝子の3人の他人)』を見た感想・レビュー
  • 『まったく同じ3人の他人(同じ遺伝子の3人の他人)』を見た人におすすめの映画5選

映画『まったく同じ3人の他人(同じ遺伝子の3人の他人)』の作品情報

まったく同じ3人の他人(同じ遺伝子の3人の他人)

製作年:2018年
上映時間:96分
ジャンル:ヒューマンドラマ、ドキュメンタリー
監督:ティム・ウォードル
キャスト:ボビー・シャフラン、エディ・ギャラント、デビッド・ケルマン、ローレンス・ライト etc

映画『まったく同じ3人の他人(同じ遺伝子の3人の他人)』の登場人物(キャスト)

ボビー・シャフラン
大学への進学を機に、自分には知らない兄弟がいるという事実と向き合った少年。車好きで育ての父親を尊敬している。
エディ・ギャラント
大学休学中に友人から連絡を受け、自分にそっくりなボビーと出会う。誰よりも平和な関係性を望む優しい青年。
デビッド・ケルマン
3番目に見つかった兄弟。新聞で自分にそっくりな双子の記事を見つけ、自ら名乗り出た。
ローレンス・ライト
子供の精神分析についての専門家で、問題となる実験の存在を世の明るみに出した男性。一卵性多胎児を引き離して生活させるという研究に誰よりも疑問を抱いている。

映画『まったく同じ3人の他人(同じ遺伝子の3人の他人)』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『まったく同じ3人の他人(同じ遺伝子の3人の他人)』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『まったく同じ3人の他人(同じ遺伝子の3人の他人)』のあらすじ【起】

カメラの前に座る一人の男性は信じがたい経験をしたという。自分でも嘘のように感じるが、これから語られるのは「真実」である。彼の名前はボビー・シャフラン。1980年、大学に入学した時に転機を迎えたという。愛車の古いボルボを走らせ初めての土地に足を踏み入れた。誰も知り合いのいないはずの大学で、寮を探して歩いていると多くの学生に話しかけられたボビー。異常なほどに馴れ馴れしい歓迎をされたボビーは違和感を覚えた。誰もが「おかえり、エディ」と声をかけ、ボビーのことをエディだと思い込んでいたという。

次に語るのはエディの友人のマイケル・ドムニッツ。実はエディは休学中であった。ボビーを初めて見たとき、血の気が引くほど驚いたのを鮮明に覚えていた。誕生日を確認すると、エディとボビーは全く同じ日に生まれていた。マイケルは初対面ながら「君には双子の兄弟がいるはずだ」と急いでエディに連絡を取った。電話口のエディは声までも同じだった。あまりにも奇妙な現実に、ボビーは愛車に飛び乗りエディに会いに行った。気持ちばかりが先だったボビーはスピード違反で切符を切られるもいい思い出となり、初めてエディと顔を合わせたときを語る。まるで生き写しのような人間に対面した二人は「嘘だろ」と声を揃えたという。この奇跡のような話は一気に町中に広がり、地元紙に掲載された。奇跡はまだ続く。この地元紙を見た少年は友人のデビッドと同じ見た目、そして同じ手をした少年たちの写真に度肝を抜かれた。

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映画『まったく同じ3人の他人(同じ遺伝子の3人の他人)』のあらすじ【承】

3人目の少年の名はデビッド・ケルマン。生まれた日にち、養子縁組の業者全てが合致する2人の少年の存在を知ったのである。すぐに新聞社に電話をしたデビッド。別々の人生を送っていた3人が揃う日はすぐにやってきた。誰の紹介もなく打ち解けた3人。この奇跡にメディアはお騒ぎ。多くの人の興味を駆り立てた。

3人は兄弟構成までも同じく、養子縁組で引き取られた同じ年の姉がいた。異なるのは家庭環境のみ。親同士の顔合わせの際に発覚したのは、どの両親も三つ子である事実を知らなかったこと。いずれの両親も使用した仲介業者はルイーズ・ワイズ。知らされていなかった事柄があることに憤慨した親たちは、ルイーズ・ワイズを訪ねた。そこで得られたのは「三つ子の養子縁組は難しいから」といううわ言の理由だけ。何か明確な理由があるはずだと、幾度となく両親たちは真実を追っていた。

連日メディアに追いかけられていた3人はスター気分。ニューヨークの街で遊び惚けていた。一緒に遊び、一緒に働き、デートも一緒だった。それぞれに恋人もでき、充実した日々を送っていた。3人ともに結婚し、子供にも恵まれた。なるべく家族同士で集まるようにしていたとある日、エディは「生みの親を探したい」と好奇心の赴くまま二人に話した。図書館に行けば出生記録が見つかるはずだと、探し始めて2時間。簡単に母親の名前を見つけ出せた。実際に母親に会ってみると、期待したようなロマンティックな展開にはならなかった。プロムの夜に勢い余って妊娠したというのだ。里子に出したことへの後悔は感じられず、飲むお酒の量で血筋だけは見受けられた。

映画『まったく同じ3人の他人(同じ遺伝子の3人の他人)』のあらすじ【転】

3人は実の母親との出来事はなかったかのように、レストランを開業した。順風満帆に見えた人生。妻たちはこのころから何かが変わり始めたと言う。

「子供の精神分析」について著書を持つジャーナリストのローレンス・ライトは、執筆のために調べ物をしている最中に一卵性多胎児をわざと違う家庭に養子縁組をするという実験の報告書を読んでしまった。当時話題になっていた三つ子のニュースを目にしていたローレンスはすぐに3人にアポイントを取った。

自分達は実験台だったと知った3人。確かに幼い時の記憶で、毎月見知らぬ大人からテストを受けていたことを思い出す。たくさんの質問と撮影。とても不快だった記憶は3人に通じるものだった。養子縁組の家庭全てに協力を依頼している、育成記録のためだと聞かされた両親たち。被験者は3つ子の彼らだけではないということをローレンスは掴んでいた。人生を操作されているような不快感が関係者たちを襲い始める。

映画『まったく同じ3人の他人(同じ遺伝子の3人の他人)』の結末・ラスト(ネタバレ)

実験の責任者はピーター・ヌーバウワー医師。精神科医としてニューヨークで成功を収めている医師であった。当時の話を聞いたことがあるという女性が証言を始める。ピーターはセクシーでハンサムな男性であったという。そんな彼が、養子に出される一卵性双生児を引き離し育ててみれば、人格を形成するのは遺伝か環境かということが実証できると言い出したというのだ。決して正当化すべきではない実験内容だが、当時の研究者たちに躊躇はなかった。

まだ全てを公表されてはいないこの実験について知ってから、3人の関係性が変わり始めた。同じ事業をしながらも揉め事が絶えなくなったというのだ。まず初めにボビーが二人の元を去った。争いごとを嫌うエディは、徐々に心を病み始め躁うつ病を患った。さらに研究の実態は明らかになる。実は、意図的に病歴のある親を選び子供たちを別々の家庭に送り込んだというのだ。それも遺伝の力を確かめるためであった。

バラバラになり始めた三つ子の人生は、エディの死を持って大きく変わる。ボビーはエディの異変に気づいていた。離れていても予測していたのだ。

ヌーバウワー医師の死後、目的も結果も不明のまま葬られている当実験。実験データは今や機密扱いとされおり、2066年までは閲覧不可だという。当時助手をしていた男性は倫理観よりも探究心が勝っていたと振り返る。しかし結果は彼もわからない。注目していたのは「親のしつけ」がもたらす発達への影響だという。確かに家庭環境が全く異なる3つの家庭で育った3人の個性は異なった。遺伝子による影響よりも、培った土台次第で人生は変えられるとボビーは言う。その後、ようやく開示された実験の資料。しかし結果の部分と被験者の情報はいまだ開示されていない。私たちの日常にも、見知らぬ兄弟と生き別れて過ごしている人がいるのかもしれない。

映画『まったく同じ3人の他人(同じ遺伝子の3人の他人)』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

この作品は、奇跡の再会を喜ぶものではない。悲劇の実験に知らぬうちに巻き込まれ、明るみになった事実に狂わされた男たちとその家族の人生を見守るものである。初対面でもすぐに打ち解ける三つ子。それは遺伝子レベルで理解し合っている証拠。微妙な価値観の違いは、環境によるもの。それを実証するためにDNAに勝負を仕掛けたこの実験は、決して許されるべきではないし、とてもつらい真実であった。軽快な前半から一気に色味を変える後半。人間の本質を見つめ直す一作である。(MIHOシネマ編集部)


驚きと絶望が交錯するドキュメンタリー。孤児院で離れ離れになった三つ子が、偶然の再会で奇跡のように結ばれた冒頭に衝撃。しかし、その裏で行われていた非倫理的な育児実験と隠蔽に突きつけられたとき、胸が張り裂けそうでした。遺伝子が人生を左右するのか、環境が人格を築くのか。最後に三人が選んだ道に涙が止まりませんでした。(20代 男性)


兄弟の絆が深まる一方で、背景に潜む影にゾッとさせられました。幼い頃から別々に育ち、似た性格や癖で繋がる三つ子。その後明かされた遺伝子実験の事実に愕然。幸せな再会の裏にある、研究者の非人道的行為には怒りを感じました。最後まで希望を捨てずに生きる彼らには強い敬意を抱きました。(30代 女性)


衝撃的な展開が続いた中、最も印象に残ったのは三人の“普通”に暮らそうとする姿。遺伝の不思議を楽しんでいた序盤から、組織的実験の被害者として揺れる心情へと観客も心を引きずられました。倫理倫理と言われながらも、人間同士のつながりを信じたいという思いが再会と最後の選択に凝縮されているように感じました。(40代 男性)


女性として特に胸に響いたのは、再会後の母親との対面シーン。生みの親を探す彼らの純粋な願いと、それを取り巻く社会の冷たさが交差して胸がぎゅっとなりました。三つ子がそれぞれ違う人生に重なる中で、“血より濃い絆とは”を改めて考えさせられました。涙と怒りが同時に溢れる強烈なドキュメンタリー。 (30代 女性)


人生の不確実性を突きつけるような作品。育児実験というテーマは倫理的に許されないけれど、それを知った三人が“知ってしまった悲しさ”を背負いながら家族として歩み出す姿は美しかった。一方で、遺伝だけでは説明できない“偶然や選択の重み”を感じる、社会派ドキュメンタリーの傑作だと思います。(50代 男性)


三つ子が偶然に出会い、幼少期の記憶や癖が重なる瞬間は映画史に残る名場面。笑顔の裏にある葛藤が増幅していく流れは見事です。しかしその後に暴かれる実験の事実には、ドキュメンタリーとしての信頼性と同時に恐怖を感じました。個人よりも“実験結果”と見られていた彼らに対し、深い同情と敬意を抱きました。(40代 男性)


心理学好きとして、本作は非常に実験心理の問題点をわかりやすく伝えてくれた。三人の成長と性格の類似性が、まさに自然と養育環境の境界線を浮き彫りにしました。どれほど遺伝子が人生に影響するのか、三人の未来への歩みと共に問いを立て直す力強い作品だと感じました。(20代 女性)


驚きと深い悲しみが交錯する構成に圧倒されました。再会の喜びが持続するかと思いきや、“研究の被験者”として自身が扱われていた事実を知る絶望。それでも三人が自らの人生を選ぶ姿からは、生きる強さと、“兄弟の絆”の本質を見た気がします。社会への警告と希望を同時に、これは観るべき作品です。(50代 女性)


科学と倫理、その境界線を描き切った稀有な作品。遺伝子の不思議を軽視せず、家族との再会という人情だけに頼らないリアルさが心に刺さる。再び交わされる「君は誰?」という問いに、世界は終わりではなく始まりだと感じさせられました。ドキュメンタリーとしての力を、改めて思い知らされました。(30代 男性)

映画『まったく同じ3人の他人(同じ遺伝子の3人の他人)』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『まったく同じ3人の他人(同じ遺伝子の3人の他人)』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

キャットフィッシュ 〜リアル・フェイスの裏側〜

この映画を一言で表すと?

「真実と嘘の狭間で揺れる、SNS時代の衝撃ドキュメンタリー」

どんな話?

SNSで出会った女性とのロマンスが、やがて思いもよらぬ展開を見せる。親密さを増していく会話の裏に隠された、ある“真実”を追ううちに、観客はリアルとフィクションの境界を問われていく。現代の人間関係の闇に迫る一本。

ここがおすすめ!

観る者の先入観を打ち砕く驚きの展開は、『まったく同じ3人の他人』と同様に、ドキュメンタリーの強烈な力を実感させます。真実の捉え方や、人を信じるということの難しさを描くリアルな視点が魅力です。

ディア・ザック(原題:Dear Zachary)

この映画を一言で表すと?

「1本の映画が、法を動かすほどの力を持った実話ドキュメント」

どんな話?

殺された友人の子どもに向けて、その人となりを伝えるために撮影されたホームビデオ風ドキュメンタリー。しかし、物語は予想外の方向へと展開し、あまりにも深い悲劇と怒りを視聴者にもたらす。

ここがおすすめ!

強烈な感情のうねりと、正義とは何かを突きつけてくる本作は、観る者を最後まで引き込んで離しません。『まったく同じ3人の他人』と同じく、個人の人生が社会制度の矛盾に翻弄される構図が胸に刺さります。

ジーザス・キャンプ(原題:Jesus Camp)

この映画を一言で表すと?

「信仰という名の教育の裏側を暴く、宗教ドキュメンタリーの傑作」

どんな話?

アメリカの福音派キリスト教を信仰する子どもたちが集うサマーキャンプ。その様子を密着取材し、洗脳的な教育や政治的洗脳の現場を赤裸々に描く、驚愕の記録映像。

ここがおすすめ!

教育や育成の“正しさ”を問うという点で、『まったく同じ3人の他人』との親和性が高い作品です。信仰がもたらす純粋さと狂気、その狭間を見つめる鋭い視点が光ります。

ザ・インポスター(原題:The Imposter)

この映画を一言で表すと?

「本物か偽物か?誰もが騙される、衝撃の実録ミステリー」

どんな話?

行方不明の少年が数年後、別人となって現れる。フランス人詐欺師が“息子”として家族に迎え入れられるという信じがたい実話を、本人と関係者の証言でスリリングに描き出す。

ここがおすすめ!

他人なのに“家族”として受け入れられるという設定は、まさに“同じ遺伝子の他人”というテーマと響き合います。何を信じるか、誰を信じるかに迷う体験が味わえる傑作です。

アブダクション・イン・プレイン・サイト(原題:Abducted in Plain Sight)

この映画を一言で表すと?

「信じがたいほど奇妙で衝撃的、犯罪ドキュメンタリーの異端児」

どんな話?

1970年代、信頼していた家族ぐるみの知人に13歳の少女が誘拐される。しかも、事件は一度だけでなく二度にわたり発生。周囲の大人たちの“理解不能な行動”により、事件はさらに混迷を極めていく。

ここがおすすめ!

「まさか」が「本当にあったこと」だったという、現実の恐ろしさを実感できます。『まったく同じ3人の他人』と同様、信頼していた大人や機関が恐ろしい真実を隠していたというテーマに惹かれた方におすすめです。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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