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映画『愛のタリオ』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『愛のタリオ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『愛のタリオ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『愛のタリオ』の結末までのストーリー
  • 『愛のタリオ』を見た感想・レビュー
  • 『愛のタリオ』を見た人におすすめの映画5選

映画『愛のタリオ』の作品情報

愛のタリオ

製作年:2014年
上映時間:112分
ジャンル:サスペンス、ラブストーリー
監督:イム・ピルソン
キャスト:チョン・ウソン、イ・ソム、パク・ソヨン、キム・ヒウォン etc

映画『愛のタリオ』の登場人物(キャスト)

シム・ハッキュ(チョン・ウソン)
ベストセラー作家として名を馳せる大学教授。女性関係の問題が露見し大学を追われ、田舎町で小説の書き方講座を担当しながら生活する。眼病を患い、視力を失いつつある。妻子がいるが、妻はハッキュの浮気癖が原因で鬱病になってしまい家に引き篭っている。
ドク / ユン・セジョン(イ・ソム)
ハッキュが隠居した先の田舎町に暮らす少女。都会から来たハッキュに興味を示し、彼の講義を受講する内に恋に落ちてしまう。初恋の相手であり処女を捧げたハッキュと結婚の約束をしたが、身籠った子は堕胎させられ、さらに別れを告げられた。ドクはセジョンと名前を変え、ハッキュへの復讐を誓った。
チョン(パク・ソヨン)
ハッキュの一人娘。仕事や夜遊びで帰宅せず、母を労わらない父に愛想を尽かしている。思春期を迎えると、彼女もまた家に帰らず非行に走った。
チェ氏(キム・ヒウォン)
違法賭博場を仕切っているヤクザ。日本のヤクザの下請け。ドクに雇われハッキュを追い詰める。

映画『愛のタリオ』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『愛のタリオ』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『愛のタリオ』のあらすじ【起】

韓国に古くから伝わる物語に、目の不自由な父を支える娘と継母の話がある。娘のチョンは、父ハッキュの眼を治すために体を売っていた。継母のペンドクは、何故彼女とハッキュの側に居続けたのだろうか。

女性問題の不祥事で大学から休暇を言い渡されたハッキュは、桜並木の美しい田舎で小説の書き方を教える講師として新しい生活を始めた。

ドクは母親と二人暮らしで、母はろう者であった。母は娘の幸せな結婚を望んでいたが、当のドクは今の生活に満足していた。

ドクは、遊園地のチケット売り場で働いていた。近くにある生涯学習センターから講義を終えて出て来たハッキュは、何気なくドクと会話をした。ドクは、小説はもちろんだがハッキュに強い興味を持ったため彼のクラスに参加。講義を行うハッキュを見て、彼女は恋に落ちた。

ハッキュは、ソウルに残した娘、チョンから早く帰って来て欲しいとの電話を受けた。鬱病の妻は、チョンに「また女といるのよ」と呟いた。

ドクは、ハッキュに抱く恋心を打ち明けた。最初ははぐらかしていたハッキュも次第にドクへ惹かれていき、二人は体を重ねた。「絶対に離れないわ」と縋るドクとは裏腹に、ハッキュは、女性関係の不祥事は女性側に非があったと判明するや否や、大学に戻るための荷造りを始めた。

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映画『愛のタリオ』のあらすじ【承】

ドクは、ソウルに帰ろうとするハッキュを引き留めるため、妊娠の事実を打ち明けた。ハッキュは、結婚して欲しいと訴えるドクを産婦人科へと連れて行くと中絶手術をさせ、彼女の快復を待たずにソウルへと帰った。ドクの携帯には、母からの着信履歴が沢山残っていた。

退院し帰宅したドクは、母から塩を投げつけられた。それでもハッキュを忘れられないドクは、彼が勤めるソウルの大学まで足を運んだ。ハッキュは、二人きりで別れ話をするためにその日は彼女を帰し、後日ドクの家の近くを訪れた。ハッキュの再訪を喜ぶのも束の間、ドクは彼から大金を渡され「もう俺を待つな」と告げられてしまった。二人が口論している内、ドクが消し忘れたコンロの火がカーテンに燃え移り、中にいた母諸共家は焼け落ちてしまった。ハッキュは、業火を横目に彼女の元から消えた。

火事から逃げたハッキュが帰宅すると、チョンは泣きながら「ママが部屋から出て来ない」と訴えた。鍵を壊し中へ入ると、妻は首を吊って死んでいた。

その日からハッキュの視界は霞むようになったが、同時に本も売れ始めた。全てを忘れるために遊び歩くハッキュは、ついに違法賭博場への出入りが露見し大学をクビにされた。ハッキュは、夜遊びを覚え帰宅が遅くなったチョンと共に、家を追われることになってしまった。

そんな親子の元へ、ユン・セジョンと名前を変えたドクがやって来た。玄関口で対応したハッキュの目はほとんど見えておらず、チョンに会いに来たと語る彼女を疑いもなく招き入れた。

映画『愛のタリオ』のあらすじ【転】

チョンに近づいたドクは、母を求める彼女から「毎日遊んでね」と言われる程に気に入られた。ドクは、ハッキュの執筆を手伝うという名目で頻繁に出入りするようになり、チョンもドクに会うのを楽しみにしていた。

ハッキュの目は、日に日に悪くなっていった。ドクは親身になって眼科医を紹介したが、実はこの医者と彼女は通じており、法外な治療費をハッキュに提示した。ハッキュは金を工面するため再び違法賭博に手を出し、かえって借金を背負ってしまった。

翌日、賭博場を仕切っているヤクザのチェがハッキュの家を訪れると、借金のかたにチョンに体を売らせる契約書を書かせた。ユン・セジョンが経営する店にいたチョンは、チェの手下達に攫われてヤクザの本拠地がある日本へ送られてしまった。

日本へ密入国する船の中で、チョンはチェに、何故セジョンの店に居ると分かったのか尋ねた。チェは「ドクのことか?他人を疑えよ」とチョンを嘲笑った。

晴れてハッキュと二人きりの生活を送ることになったドクは、彼に生ゴミを食わせるなど嫌がらせを行った。ハッキュがどん底まで弱った時、彼女は自分がドクであることを打ち明けた。ハッキュは、娘を奪われ、嫌がらせを受けながらも彼女に側にいて欲しいと願った。

映画『愛のタリオ』の結末・ラスト(ネタバレ)

依存し合うドクとハッキュの前に、すっかり大人びたチョンが姿を現した。彼女は、その場では「セジョンのチヂミが食べたい」とドクに変わらぬ態度で接したが、チョンもまた復讐に燃えていた。

ドクはチェに助けを求めたが、自分でなんとかしろと見放されてしまった。

チョンは、日本でチェの親分に取り入っていた。ドクと通じていた眼科医が、治療と称してハッキュの目を悪化させていたことを暴いたチョンは、父に目を移植しろと彼女を脅した。日本のヤクザからは逃れられないと悟ったドクは移植手術を受け入れ、何も知らないハッキュは「視力が戻ったら二人でやり直そう」と彼女を抱き締めた。

ようやく自分に対して真摯に向き合うハッキュに、ドクは「悪い男でいてよ!」と泣き喚いた。そうして抱き合う二人だったが、チョンに雇われた闇医者達の手によって意識を失った。

ドクは、故郷で過ごしたハッキュとの時間を夢に見た。美しい思い出や感触は次第にボヤけてゆき、意識を取り戻した時には視界が無くなっていた。

視力を取り戻したハッキュは、失明したドクの手を強く握り「愛してる」と囁いた。

映画『愛のタリオ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

ドクの執着心はもちろん恐ろしいが、妻を不安にさせ子供を一人ぼっちにし、純粋な少女に堕胎を強要してもさして罪悪感を抱かなかったハッキュの人間性が怖かった。

しかしながら、現行男尊女卑の思想から抜け出せずにいる日本では違和感のないキャラクターにも思える。こんな男が居ていいものかとショックを受ける反面、育児放棄の事件で実名報道されるのは女性が多い。男に原因があってもあまり取り上げられない。

愛がテーマの映画ではあったが、純愛やら不倫やらの前に、社会的な制裁を受けているようで受けていない、まずもって反省できないだらしのない男に目がいってしまった。(MIHOシネマ編集部)


本作は、女性問題で大学を追放された教授が、赴任早々に田舎町で出会った純粋な少女ドクと恋する様子を描いたサスペンスラブストーリー作品。
特に、教授の美しい肉体とハンサムな顔立ちが魅力的だが、そのルックスと対照的なダメ男っぷりには驚かされた。
ドクが復讐にまわる後半シーンは、体当たりの演技に女の怖さを見せつけられた。
「タリオ」は「目には目を歯には歯を」という意味で、まさその言葉の通り。
復讐の復讐や裏切りに、切なさの残る後味の悪い終わり方で面白かった。(女性 20代)


「愛」の形が素晴らしいです。こういう、愛が深すぎて、憎しみに変わってしまう作品大好きなんです。この作品はまさに「目には目を歯には歯を」をそのまま映像化した感じです。とにかくチョン・ウソンが美しくて、それだけで観る価値があります。そんな美しい男性がみるみる落ちていく姿がたまりません。
「愛」と「復讐」韓国映画ではいつもこの2つが隣り合わせですね。この作品はどちらもかなり過激なもの。ラストの展開にも驚きますが、そこまでの過程も丁寧に描かれていて見応えがありました。(女性 30代)


想像以上にドロドロで衝撃的な展開が続く、韓国らしい復讐劇でした。最初はただの不倫スキャンダルかと思いきや、時間が経つごとにヒロインが復讐の鬼と化していく変貌に驚きました。特にラストの盲目になった男に対して真実を告げるシーンはゾクッとくるほどの冷酷さ。悲しみと怒りが複雑に絡み合った一作です。(30代 男性)


最初は教師と教え子の甘美な恋愛に思えたけど、そこから破滅の連鎖に入っていくのが韓国映画らしくて良かったです。何より女性側の復讐心がどんどん膨れ上がっていく描写がリアルで、見ていて胸が苦しくなりました。彼女の計画が成功するほど、愛が歪んでいたことがわかって切ない。復讐ものが好きな方には刺さる映画です。(20代 女性)


中盤からの展開が容赦なく、目が離せなかった。裏切られた女の執念、そしてその復讐のためにすべてを捨てていく姿は、もはや愛ではなく呪い。盲目の元恋人が真実を知らされた瞬間、すべての因果が収束していくのは見事でした。原作が韓国民話らしいが、それを現代風にここまで残酷に描くのはすごい挑戦だと思います。(40代 男性)


女の復讐映画ってどこかファンタジーになりがちだけど、『愛のタリオ』はリアリティがありすぎて逆に怖かった。自分が壊されたら、相手のすべてを壊してやるっていう執念深さが凄まじい。エロティックなシーンも多いけど、それ以上に精神的に追い詰められる映画。感情移入しすぎると、観終わったあとかなり疲れます。(30代 女性)


最初は年の差ラブストーリーかと思って油断していたら、まさかこんな展開になるとは…。相手を想う気持ちが強すぎて、愛がそのまま復讐に変わる怖さ。特にヒロインの復讐がじわじわ進行していく過程に、恐怖すら感じました。最終的に男は全てを失ってしまうけど、それすらもヒロインにとってはまだ足りなかったのかも。(20代 男性)


ヒロインがあまりにも悲劇的な人生を歩んでいて、最初は同情していたけど、復讐が進むにつれて「もうやめて」と思ってしまう自分がいた。そこまでしなくても…と思う一方で、それだけ深く傷ついたんだと考えると胸が苦しい。男側の罪も決して軽くないけど、救いのない世界にただただ圧倒されました。(40代 女性)


韓国映画ならではの粘着質な人間描写が際立った作品。ヒロインの復讐心が凄まじく、特に男に対してだけでなく、その家族にまで影響を及ぼしていく容赦なさが印象に残りました。盲目になるという罰も象徴的で、自分の罪を目で見られない皮肉が効いています。重くて暗いけど、最後まで惹きつけられる力のある映画でした。(50代 男性)

映画『愛のタリオ』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『愛のタリオ』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

別れる決心

この映画を一言で表すと?

愛か罠か、深く静かに絡み合う心理ミステリー。

どんな話?

殺人事件を追う刑事が、容疑者である被害者の妻と関係を深めていくうちに、愛と疑念の狭間に迷い込む。全てが明らかになる時、彼の選んだ“別れの決心”が胸に突き刺さる。

ここがおすすめ!

官能的で繊細な心理描写が『愛のタリオ』の空気感に通じる。特にヒロインの謎めいた魅力が全編を支配し、観る者の心をかき乱す。愛が壊れていく過程を、静かで美しい映像で体感できます。

オールド・ボーイ

この映画を一言で表すと?

究極の復讐とは何かを問いかける衝撃のサスペンス。

どんな話?

15年間監禁され、突然解放された男が、自分を閉じ込めた犯人を探す中で衝撃的な真実に辿り着く。愛と恨みが交錯する壮絶な復讐劇が展開される。

ここがおすすめ!

『愛のタリオ』同様、愛と復讐が密接に絡み合った物語。緻密な構成と怒涛の展開で観る者を圧倒し、ラストには深い余韻が残る。韓国映画らしい容赦のない描写を求める方におすすめです。

白雪姫殺人事件

この映画を一言で表すと?

噂が真実を殺す、SNS時代の心理サスペンス。

どんな話?

美人OL殺害事件を巡り、ネットやマスコミによって“犯人像”を作られていく女性。次第に歪んでいく真実と、真相に近づいていくジャーナリストが見たものとは――。

ここがおすすめ!

『愛のタリオ』のように、女性の立場や怒り、社会の偏見に晒される主人公の心情が丁寧に描かれている。静かな怒りと鋭い批評性が印象的な一本。

復讐者に憐れみを

この映画を一言で表すと?

復讐が連鎖する地獄絵図のような韓国ノワール。

どんな話?

耳の不自由な青年が家族のために犯した誘拐事件をきっかけに、互いの復讐心が暴走し、破滅へと向かっていく。誰もが不幸になる非情な展開が描かれる。

ここがおすすめ!

容赦のない復讐劇の中にある切実な人間ドラマが、『愛のタリオ』の悲劇性と共鳴。情に訴えながらも、観る者に痛みを突きつける重厚な作品です。

ブラック・スワン

この映画を一言で表すと?

美しさの裏にある狂気、崩壊していく自己と欲望。

どんな話?

完璧を求めるあまり自我が崩壊していくバレリーナ・ニナ。彼女が演じる“白鳥の湖”の主役と自身の境界が曖昧になり、現実と幻想が交錯しながら心も体も追い詰められていく。

ここがおすすめ!

『愛のタリオ』と同様、女性の狂気や執着、愛の裏にある破壊衝動が主題。ナタリー・ポートマンの怪演と、息をのむ美しさと不安が入り混じった映像が見どころです。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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