映画『ブラッディ・ホステージ』の概要:賃貸アパートの大家エルヴィスは、家賃を滞納する住民の部屋で大金を見つけ、勝手に横取りしてしまう。自分の借金の返済やギャンブルで使い切ると、本来の持ち主のギャングにばれて、娘を誘拐されてしまった。
映画『ブラッディ・ホステージ』の作品情報
上映時間:89分
ジャンル:サスペンス
監督:マリク・ベイダー
キャスト:ニコラ・シュレリ、スティヴィ・パスコスキー、ダニイェラ・スタインフェルド etc
映画『ブラッディ・ホステージ』の登場人物(キャスト)
- エルヴィス・マルティーニ(ニコラ・シュレリ)
- アルバニア系アメリカ人が多く住む地域で、賃貸アパートの大家をするシングルファーザー。住民の部屋にあった金を横取りしたことで、娘が誘拐されてしまう。
- ディノ(スティヴィ・パスコスキー)
- エルヴィスに大金を奪われたギャングのボス。金を取り返すため、彼の娘を誘拐する。
- アリ(ブランドン・トラマー)
- 修理屋を営むエルヴィスのいとこ。エルヴィスのアパートの修繕を受け持っている。
映画『ブラッディ・ホステージ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ブラッディ・ホステージ』のあらすじ【起】
アルバニア系アメリカ人のエルヴィス・マルティーニは、2年前の火事で妻を失った。今は娘と2人で暮らし、アパートの大家の仕事で生計を立てている。しかし、家賃の多くが回収できず、滞納されたままだ。彼自身にもギャンブルの借金があり、苦しい生活を送っている。
そのため、娘レナの学費も払えていない。彼女は父と違い、教会に通う信心深い子に育った。一日の出来事を母の携帯に報告するのが、日々の楽しみになっている。
レナの学費を貸している神父は、彼の荒れた生活ぶりを心配しては、アパートを訪れてお清めをする。アパートの地下室では住民のクシュが、大量の大麻を栽培中だ。アパートに住む人妻は、エルヴィスと不倫関係にあった。
売春婦ロレクサは、3か月も家賃を滞納している。エルヴィスは修理屋のアリを呼び、彼女の部屋の鍵を取り換えさせた。勝手に部屋に入り、テレビやステレオと、大金が入った紙袋を見つけて、家賃の代わりとして持ち帰った。
彼は部屋で没収金を数えて驚いた。6,000ドルも入っていたのだ。
映画『ブラッディ・ホステージ』のあらすじ【承】
エルヴィスはその金を持って、まずはギャンブルの借金の一部を返済した。続いて銀行でローンの支払いを済ませた。
その帰り道、アルバニアの友人たちが路地裏でパーティをしていた。エルヴィスは酒に酔って女性に絡み、仲間から追い払われてしまう。彼は妻が自分のせいで死んだことを思い出し、酔いつぶれた。
翌日、彼は娘を連れてレストランへ。親子で料理を楽しんでいると、携帯電話が鳴った。「ロレクサの部屋に入れろ。俺の荷物を取りに行くからな」。どうやら、没収した金の持ち主からだった。
エルヴィスは電話を気にせず、残った金でギャンブル場へ。カードゲームに興じるが、負けてスッカラカンになった。やけになってクシュの所へ行き、大麻を吸ってハイになった。
その後、人妻と不倫をしていると、何者かが侵入して襲われた。目覚めると部屋は物色され、別の部屋にいたはずの娘の姿がなかった。
彼は車で娘を探し始める。ロレクサに電話をして事情を聞こうとするが、彼女は電話に出なかった。
映画『ブラッディ・ホステージ』のあらすじ【転】
エルヴィスは町中を当てもなく探す。すると、駐車場でロレクサの車を発見。彼女は車内で死んでいた。娘の身も危ないと察して焦る。しばらくして、電話が鳴った。
「娘を返してほしければ、25,000ドル払え!」と電話の男は脅した。エルヴィスはお金を用意するため、修理屋のアリに父の形見のベンツを売った。しかしまだ、全然足りない。クシュのところに行き、金を貸してくれと懇願するが、追い払われた。
困り果てていた時、電話が鳴った。それはアパートの空き室の問い合わせだった。彼はハッと閃いた。新しい入居者を募集して、家賃と敷金を集めようと思い付いたのだ。
急いで合鍵を20個作り、空き室の掃除を始める。ゴミを片付けて、内装を修繕し、ペンキを塗り替えた。その後、入居を希望していた人たちに、片っ端から電話した。
入居希望者が続々と訪れた。彼は一人ずつ部屋を案内し、全員と多重契約をした。1人につき500ドルを受け取ったが、まだ足りない。地下に行き、クシュの頭を後ろから殴り、大麻の売上金を奪った。
映画『ブラッディ・ホステージ』の結末・ラスト(ネタバレ)
エルヴィスは集めた金を持って走り出す。電話で呼び出されると、男の2人組に羽交い絞めされ、車のトランクに詰め込まれた。トランクの中からいとこに電話をして、助けを求めた。
車が止まったのは倉庫街。彼は倉庫の中に連れ込まれた。凶暴そうな犬が吠える中、同じアルバニア人のギャングが、金のネックレスを光らせながら近づいて来た。主犯のディノだ。
「あの娼婦は俺の金を盗んだから殺した」と彼は言う。エルヴィスは謝罪し、集めた金を渡した。ディノは檻に閉じ込めているレナを、エルヴィスに見せた。
「パパに乱暴しないで!」と檻の中からレナは叫ぶ。ディノはエルヴィスを鎖でつなぎ、娘の前でいたぶった。さらに襲おうとした時、エルヴィスは隠していたナイフで彼を刺し、息の根を止めた。
「ごめんな」と、涙を流して娘に謝った。同じ頃、いとこのアリが仲間と共に、倉庫に駆け付けた。
その後、彼は心を入れ替えた。大麻をやめ、アパートの大家の仕事も、真面目に取り組み始める。朝は娘を学校へ送りに行く。亡き妻の携帯に、必死でやっているよ、と報告した。
映画『ブラッディ・ホステージ』の感想・評価・レビュー
アルバニア系アメリカ人が多く住む地域の物語なので、劇中ではたびたび、アルバニア語の会話が飛び交ったり、国旗やダンスなど、アルバニアの文化が描かれている。いとこのアリがエルヴィスの横暴さを戒める時に、「アルバニアの地獄は寒いぜ」と言い残すのも、その地域ならではの表現なのだろう。ラストではエルヴィスを助けるために、仲間を集めて倉庫にやって来る。アルバニア人同士の結束の強さが窺えるシーンだった。(MIHOシネマ編集部)
みんなの感想・レビュー