映画『天使たちのビッチ・ナイト』の概要:中世のイタリアの修道院。3人の若い修道女は、お祈りとお勤めに励む一方、裏では暴力的で口が悪く、使用人を罵って辞めさせた。新しい使用人は、耳と口が聞けない美男子。興味津々の3人は、それぞれ色仕掛けを始めた。
映画『天使たちのビッチ・ナイト』の作品情報
上映時間:91分
ジャンル:コメディ
監督:ジェフ・ベイナ
キャスト:アリソン・ブリー、デイヴ・フランコ、ケイト・ミクーチ、オーブリー・プラザ etc
映画『天使たちのビッチ・ナイト』の登場人物(キャスト)
- アレッサンドラ(アリソン・ブリー)
- 修道女。父親が修道院に多額の寄付をしているため、特別待遇を受けている。結婚を夢見るが、修道女の生活が長引き絶望している。
- マセット(デイヴ・フランコ)
- ある城の使用人であったが、雇い主の妻との不倫が見つかって逃亡する。修道院の使用人に雇われる。
- フェルナンダ(オーブリー・プラザ)
- 3人の中でも特に言葉が悪くて暴力的なシスター。夜中に出歩くなど、不可解な行動が多い。
- ジネーブラ(ケイト・ミクーチ)
- 仕事を押し付けられ、文句を言いながらも働く修道女。フェルナンダと関係を結び、同性愛に目覚める。
- トマソ神父(ジョン・C・ライリー)
- 教会の神父。馬車の台車が横転したところをマセットに助けられ、彼を雇うことにする。
映画『天使たちのビッチ・ナイト』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『天使たちのビッチ・ナイト』のあらすじ【起】
14世紀。イタリアの人里離れた修道院。修道女のフェルナンダは、ロバを連れて朝帰りをした。シスター・ジネーブラに、日課である賛課を休んだことを咎められるが、ロバを捜していたと反論。雑用係のラルコがその様子を見ていると、2人は「見るな!」と罵った。
シスター・アレッサンドラは父親が多額の寄付をしているため、広い一人部屋で刺繍をして過ごしていた。結婚を夢見るが、父が結納金を用意できていないと知り落胆する。
彼女たちは日頃の愚痴を言いながら、ラルコに再び因縁を付ける。「脳なしの役立たず!」と殴る蹴るの暴行を加え、唾を吐いた。トマソ神父は刺繍の布を売りに町に行くため、ラルコに馬車を依頼するが、彼は「修道院はもう嫌だ」と辞めてしまった。
一方、ルニジャーナ城。若くて美男子の使用人のマセットは、城主の妻との不倫が見つかり、城から逃亡。森でトマソ神父に会った。神父は馬車の運転を誤り、布を入れた台車を川に落とした。マセットは台車を修理。するとそのお礼に、教会に泊めてもらえることになった。
映画『天使たちのビッチ・ナイト』のあらすじ【承】
2人は教会で聖餐用ワインを飲んだ。マセットはほろ酔いで、夫人との不倫を赤裸々に告白して懺悔した。彼は目と耳が不自由な振りをして、修道院で働くことになった。
庭仕事をしているマセットを見つけて、アレッサンドラは一目惚れをする。彼女はマザー・マリアから、高齢のシスターと一緒に刺繍を作るように言われた。彼女は道具をわざと壊して、マセットの納屋に入り修理を依頼。彼は耳が聞こえないと信じている彼女は、一方的に愚痴をしゃべり続けた。
ジネーブラとフェルナンダは、芝生に寝そべり納屋を監視。アレッサンドラがすっきりとした顔で出てくるのを見て、ジネーブラは淫らなことを想像した。
その夜。フェルナンダは聖餐用のワインをこっそり盗み、アレッサンドラの部屋にシスターを集めた。その中に、修道院で見かけないマルタという女性もいた。彼女たちは歌ったり、性体験の話で盛り上がる。フェルナンダはマルタとキスをした後、酔ったジネーブラの部屋に入り、彼女の寝巻きを脱がせた。
映画『天使たちのビッチ・ナイト』のあらすじ【転】
翌日。アレッサンドラは溝掘りをするマセットの元に行き、体を近づけて色仕掛けを始める。彼が彼女を押し倒すと、ちょうど賛課のベルが鳴り、彼女は教会へ走った。ジネーブラとフェルナンダが洗濯をしている所に、アレッサンドラがやってきて、汚れた服の洗濯を2人に押し付けた。
フェルナンダはマルタと修道院を抜け出し、薬草を煎じて体に振りかけた。薄化粧をしてネグリジェ姿となると、納屋にいたマセットの所へ。彼を2人がかりで押さえ込み、強引にキスをして性行為をし、終わるとすぐに出ていった。
昨夜のことを問うジネーブラに対し、フェルナンダは忘れるように言った。ジネーブラは弄ばれたことにショックを受けた。
翌朝、バルトロメオ司教が教会の視察に訪れた。帳簿を見て売り上げが少ないことを指摘した。その頃、アレッサンドラの部屋にマセットが忍び込んで、2人は抱き合った。老婆のシスターが部屋に入ると、彼は慌てて声を出し、話せることがばれてしまう。
映画『天使たちのビッチ・ナイト』の結末・ラスト(ネタバレ)
マセットとアレッサンドラが納屋にいると、ジネーブラが薬草でハイになってやって来た。彼を襲おうとしたが、女性の方が好きだと気づいて途中で止めた。そこにフェルナンダが来て、マセットに目隠しをして連れ出した。
2人は森の奥に入った。ジネーブラとアレッサンドラは尾行した。そこでは、裸の魔女が火を囲んで踊っていた。フェルナンダはマセットを岩に縛り、儀式を始めていた。それを見て興奮したジネーブラは、裸になって踊りに加わった。儀式は台無しになり、魔女は退散した。
ジネーブラはハイのまま教会に戻って騒ぐと、司教たちは唖然とした。翌日、司教は一人ずつ裁判にかけた。ジネーブラは下品な会話と同性愛の罪。フェルナンダは魔術と同性愛の罪に。トマソは神父職を剥奪され、修道士に降格。別の教会へ移った。マセットは元いた城に戻された。
教会は静かになり、アレッサンドラは特別待遇を外され、掃除の仕事を始めた。フェルナンダは魔女を隠していたことを詫び、仲直りをした。3人はマセットを助けるため城に忍び込んで救出。笑顔で教会に走るのだった。
映画『天使たちのビッチ・ナイト』の感想・評価・レビュー
中世の修道院が舞台。若い修道女たちの日常を、コメディテイストで描いている。聖職者なのに口が悪く、使用人を罵ったり蹴ったりする。お酒や薬にも興味津々で、男に近づくために薬を煎じたり、聖餐ワインをこっそり飲んでバカ騒ぎをする。修道女=お堅いイメージを覆し、自分に正直に生きているのが面白い。若い世代の旺盛な好奇心は、今も昔も変わらないのかもしれない。実際にこんな修道女がいたかも?と思ってしまった。(MIHOシネマ編集部)
修道女なのにという表現をして良いのかは分からないが、アレッサンドラ達は全然お淑やかじゃない。流れるように暴言を吐くので、思わず笑ってしまう。長閑な風景の中で暴れる修道女達の姿が際立っておもしろい。自分が想像していた修道女達の姿が音を立てて崩れていったが、不思議と不快には感じなかった。ここまで自由奔放だと、いっそ清々しささえ感じる。元気を出したいときや思いっきり笑いたいときに、また見たいなと思う。(女性 30代)
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