この記事では、映画『アス』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説し、この映画の疑問や謎をわかりやすく考察・解説しています。
映画『アス』の作品情報
出典:U-NEXT
製作年 | 2019年 |
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上映時間 | 116分 |
ジャンル | ホラー サスペンス |
監督 | ジョーダン・ピール |
キャスト | ルピタ・ニョンゴ ウィンストン・デューク エリザベス・モス ティム・ハイデッカー |
製作国 | アメリカ |
映画『アス』の登場人物(キャスト)
- アデレート・”アディ”・ウィルソン / レッド(ルピタ・ニョンゴ)
- 少女時代に自分とそっくりな少女に出会うという体験をし、失語症となるが克服する。大人になって再び、成長した分身・レッドに会う。
- ゲイブ・ウィルソン / アブラハム(ウィンストン・デューク)
- アディの夫。口数が少ない妻とは違い、楽観的でおしゃべり。ある夜、別荘で自分とそっくりな分身・アブラハムに襲われる。
- キティ・タイラー(エリザベス・モス)
- ウィルソン家とは別荘が近く、家族ぐるみの付き合いをしている。彼女の前にも、赤い服を着た分身が現れる。
- ジョシュ(ティム・ハイデッカー)
- キティの夫。ウィルソン家より豪華な別荘に住む。キティと一緒に赤い服の分身に襲われる。
- ゾーラ・ウィルソン / アンブラ(シャハディ・ライト・ジョセフ)
- アディの娘。スマホが手放せない今時の少女。分身のアンブラは獣のように足が速く、彼女を追いかける。
- ジェイソン・ウィルソン / プルートー(エヴァン・アレックス)
- ゾーラの弟。いつもマスクを被っている。分身のプルートーは、顔が火傷でただれている。
映画『アス』のネタバレ・あらすじ(起承転結)
映画『アス』のあらすじ【起】
1986年。アディは両親とサンタクルーズ遊園地に行く。両親が目を離した隙に、何かに導かれるように歩き回る。「エレミヤ書11章11節」と書いた紙を掲げた男を横切り、砂浜へ。雨が降り、「本当の自分を探そう」と書かれたミラーハウスに入る。迷路のような鏡の部屋で、自分とそっくりな少女に出会う。
現在。大人になったアディは結婚し、陽気な夫のゲイブと2人の子供ゾーラとジェイソンと一緒に、サンタクルーズの別荘に着く。彼女は子供の頃の失踪経験で心的外傷後ストレス障害と診断されたが、今は克服していた。
4人はサンタクルーズ・ビーチへ。途中で救急車に死体が運ばれるのを目撃。その手には「エレミヤ書11章11節」と書いた紙が握られていた。浜辺で友人のタイラー一家と合流し、日光浴を楽しむ。浜辺には今も「自分探しの旅」の小屋があった。ジェイソンは小屋の近くで、血まみれの不気味な男を目撃する。
別荘に戻ると、アディは子供の頃の失踪事件を夫に告白。ここに来てから偶然が続き、彼女が近づいている予感がするから、家に帰りたいと言う。すると突然停電に。外を見ると4人家族の人影が、じっとこちらを見ていた。
映画『アス』のあらすじ【承】
赤い服を着た4人の人影に、アディと子供たちは怯える。ゲイブは外に出て追い払おうとするが、彼らはどんどん近づいてきた。バットで追い払おうとしたが、大柄の男に取り上げられ、足を強打される。家に侵入したその男は、ゲイブにそっくりだった。
他の3人も、まるで分身のように瓜二つ。彼らはリビングで、4対4で向き合った。レッドという名のアディの分身は、しゃがれた声で影の存在について語り始める。昔、少女には影がいて、二人は繋がっていた。少女が温かい食事を食べると、影はウサギの生肉を食べさせられた。影はずっと、少女を恨んでいたと話した。
ゲイブは彼らに何が欲しいのか聞くと、アブラハムは雄叫びを上げて彼を襲った。アディは手錠をかけられ、ゾーラは分身のアンブラに追いかけられる。ジェイソンは分身のプルートーと一緒に納戸に入った。彼は分身が自分の動作を真似することに気づく。マスクを外したプルートーの顔は、火傷でただれていた。
アンブラはゾーラを追い、車の上に乗って威嚇する。そこに車の持ち主が現れて、車から降りるように注意をすると、彼女は植木バサミで男を突き刺した。
映画『アス』のあらすじ【転】
レッドはこの日を待っていたと言いながら、アディを脅す。ゲイブはボートに連れ込まれたが、アブラハムをスクリューに巻き込ませて殺害し、無事に逃げ切ることができた。
ジェイソンはプルートーを納戸に閉じ込めて逃げ出した。アディは手錠をはめたまま別荘を飛び出し、ゾーラは戻って来た。3人はゲイブが運転するボートに飛び乗り、タイラーの別荘へ行った。
しかし、タイラー家でも同じ現象が起きていた。彼らは既に、赤い服を着た分身に惨殺されていた。アディは彼らの分身に捕まる。ゾーラはゴルフクラブ、ジェイソンは置き物を手に握って家に侵入。赤い服の彼らを次々に倒して、アディを救った。
生き残ったアディたちは、テレビを見て驚愕する。赤い服を着た軍団が、各地で人間を襲っているというニュースを報じていたのだ。彼らはどちらかが死ぬまで襲い続けるだろうと、アディは推測した。タイラーの車で逃げようとすると、アンブラが追いかけてきた。彼女は車の上に飛び乗り、ハサミで襲う。ゾーラは車を急発進させ、彼女を車から突き落として殺した。
映画『アス』の結末・ラスト(ネタバレ)
町に行くと、至る所に死体が転がっていた。炎上する車の近くにプルートーが立ち、彼らの車に引火させようとした。ジェイソンは同じ動きをする彼らの習性を利用し、プルートーを炎に向けて歩かせて焼死させた。その直後、ジェイソンはレッドに連れ去られた。
アディが追いかけると、「自分探しの旅」の小屋に着いた。その中の長いエスカレーターを降りると、長い通路といくつものドアがあり、無数のうさぎが野放しにされていた。そこでレッドを見つける。
アディはしゃがれた声で地下の秘密を語る。昔、人間が肉体を複製する方法を見つけ、地下の世界を作ったこと。影も同じ人間で、地下から上の人間を操り人形のように動かしていること。別々だった人間と影だったが、ある日、神がアディとレッドを一つにしたと話した。
彼女は地上に上がるため、赤い服を用意するなど念入りに計画し、この日を待った。そう言うと、レッドはアディに襲いかかるが、反撃されて殺された。アディとジェイソンは地上に戻り、ゲイブとゾーラと合流する。
アディは町を離れながら昔を振り返る。少女時代に地上に来た日のことを。地上に出たのはレッドで、地下に残されたのがアディだったのだ。ジェイソンはそのことに気づいた顔をする。山の上では赤い服の集団が長い列を作っていた。
映画『アス』の考察・解説(ネタバレ)
映画『アス』に気まずいシーンはあるか?
映画『アス』には、観客が居心地の悪さを感じるシーンがいくつか存在します。中でも印象的なのは、家族が自分たちそっくりの「ドッペルゲンガー」と初めて遭遇するシーンです。アデレードの家族が自宅でリラックスしていると、突如として家の外に自分たちの完全なコピーが現れ、家の中に押し入ってきます。彼らの不気味な振る舞いと圧倒的な存在感は、家族と観客の両方に強い緊張と不安を引き起こします。
もう一つ気まずさを感じさせるのは、アデレードの友人であるタイラー一家のシーンです。彼らもまたドッペルゲンガーに襲われ、残忍な方法で殺害されます。このシーンは、和やかな会話から一変して恐怖に満ちた状況へと移り変わるため、観客に強烈なショックを与えます。
さらに、ラストシーンでアデレードと彼女のドッペルゲンガー「レッド」が対峙する場面も印象的です。激しい戦いの最中、二人は互いの過去と真の正体について語り合います。特に、アデレードの正体が明らかになる瞬間は、観客が驚きと同時に気まずさを感じる場面となっています。
これらのシーンでは、キャラクターの行動や状況が観客の予想を裏切る形で展開するため、不安や緊張感が引き起こされ、気まずさを覚えることになるのです。
映画『アス』の矛盾点やツッコミどころはどこ?
映画『アス』には、観客が疑問に思う矛盾点や「ツッコミどころ」がいくつか見受けられます。まず、ドッペルゲンガーたちが地下でどのように生活していたのかについて、食料、水、生活環境などの説明が不十分です。彼らは地上の人間と同じ行動をとるようにプログラムされていたとされますが、その仕組みについては明確に語られていません。
また、ドッペルゲンガーが地上の人々と全く同じ行動をしているという設定自体に疑問が残ります。すべての行動を同期させることは物理的に不可能ではないでしょうか。例えば、地上で車を運転したり、特定の場所に移動したりする行動を、地下で同時に再現するのは難しいはずです。
さらに、物語のクライマックスでアデレードとレッドが地下で対決するシーンでは、レッドが過去にアデレードと入れ替わったことを明かしますが、それまでの間にレッドが地上に現れなかった理由や、彼女が地下で支配力を持っていた経緯など、背景が曖昧なままです。
これらの矛盾点や説明不足は、観客にとって「ツッコミどころ」となり、物語の設定に対する疑問を呼び起こします。しかし、全体的なストーリーの緊迫感と俳優たちの熱演により、映画の魅力は損なわれることなく維持されているのです。
映画『アス』の息子は母親の正体に気づいたのかネタバレ
映画『アス』のラストシーンでは、息子のジェイソンが母親アデレードの真の正体に気づいたのかどうかが注目を集めています。クライマックスにおいて、アデレードとドッペルゲンガーのレッドが地下で対決し、アデレードがレッドを倒します。しかし、その後に明らかになる衝撃の事実は、幼い頃にアデレードとレッドが入れ替わっていたということです。つまり、現在のアデレードは本来のレッドであり、レッドとして登場したのは実は本物のアデレードだったのです。
車内でアデレードがジェイソンを見つめながら微笑む場面では、その表情に何か不自然なものが感じられます。この瞬間、ジェイソンは母親の真の姿を理解したかのような表情を見せ、彼女から目をそらします。ジェイソンは母親が普通の人間ではないことを感じ取ったようですが、彼女が本物のアデレードではないことを完全に理解しているのかどうかは明確ではありません。
このシーンは、ジェイソンが母親の正体に気づいたことを示唆していますが、彼がその真実をどの程度把握しているのかは不明なままです。彼の反応は、母親が見せる本来の姿に対する不安や疑念を表しており、映画の結末に不穏な余韻を残しています。
映画『アス』を観ているとイライラすると言われる理由
映画『アス』を鑑賞中に「イライラする」と感じる理由には、複数の要因が絡んでいます。まず、登場人物たちの理解しがたい行動選択が挙げられます。例えば、家族がドッペルゲンガーに襲撃されている最中に、明らかに危険を避けるべき行動をとったり、助けを求めるべき状況で適切に対処できなかったりする場面があります。これらの場面で、観客は「なぜそんなことをするの?」と疑問を抱くことになります。
また、物語の設定や展開における説明不足も、観客を混乱させる要因となっています。ドッペルゲンガーたちの存在理由や、彼らが地上に現れるようになった経緯についての情報が不十分なため、物語の流れに納得がいかないと感じることがあります。このような設定の曖昧さが、観客にストレスを与え、「イライラ」という感情を引き起こすのです。
さらに、緊迫感のあるシーンが連続する中で、コメディ要素が挿入されたり、不安を煽るような演出が多用されたりすることで、観客は感情的に疲弊してしまうこともあります。恐怖と緊張が続く一方で、笑いを取ろうとするシーンが挿入されると、感情の振れ幅が大きくなり、観客は不安定な心理状態に陥ることがあるのです。
これらの要素が重なることで、映画を観ていると「イライラする」という感情が湧き上がりやすくなるのです。
映画『アス』のラストのオチは矛盾しているか?
映画『アス』のラストシーンには、矛盾点があると感じられる部分がいくつかあります。物語の終盤で、アデレードとレッドが幼少期に入れ替わっていたことが明らかになります。つまり、現在のアデレードは本来のレッドであり、ドッペルゲンガーとして描かれていたレッドこそが本物のアデレードだったのです。この衝撃的な展開によって、物語全体の解釈が大きく変化します。
しかし、この設定には疑問点が残ります。まず、入れ替わった後の「レッド」が、長年にわたって地下でドッペルゲンガーたちを統制し、反乱を企てる力を持っていたことです。彼女は地上の人間として育ったはずなのに、どのようにして地下で他のドッペルゲンガーたちを従えることができたのでしょうか。その経緯や能力について、明確な説明がなされていません。
また、入れ替わりが起きた時点で、周囲の大人たちや家族がその変化に気づかなかったことも不自然に感じられます。幼い頃の性格や行動が突然変化したにもかかわらず、誰も疑問を抱かなかったというのは現実的ではありません。
さらに、物語の冒頭でアデレードが遊園地で迷子になった際の出来事も、彼女が入れ替わったことを前提にすると、その後の彼女の普通の生活との整合性に疑問が残ります。これらの矛盾点は、映画のテーマやメッセージの理解を難しくし、観客に「なぜ?」という疑問を残すことになるのです。
映画『アス』のアデレードが入れ替わりに気づいたタイミングのネタバレ
映画『アス』では、アデレードがいつ自分が入れ替わっていたことに気づいたのかが明確には描かれていません。しかし、物語全体を通して、彼女が徐々に自分の真の姿に気づいていく様子が描写されています。特に、彼女の幼少期のフラッシュバックシーンや、ドッペルゲンガーの「レッド」との対決場面では、彼女が過去の記憶を思い出す場面が見られます。
物語のクライマックスで、アデレードとレッドが地下で対峙する際、レッドは幼少期に二人が入れ替わったことを明かします。アデレードの表情からは、彼女がその事実を既に知っていた、あるいは薄々感じていたことがうかがえます。つまり、アデレードは完全にその事実を認識していたわけではなく、断片的な記憶や感覚として、その事実を感じ取っていたのだと考えられます。
特に、家族との日常生活の中で、自分が本来の「自分」とは違う存在であることを、無意識のうちに理解していた可能性があります。彼女が踊りのシーンや過去の出来事に恐怖や不安を感じる場面は、自分の正体に気づき始めていることを示唆しているのです。
アデレードが完全に自分の過去を思い出したのは、レッドと対峙した瞬間でした。それまでは潜在的な記憶として彼女の中に埋もれていたのです。このことから、物語のラストで彼女が見せる表情は、真実に直面した彼女の混乱と、隠し続けてきた秘密が明るみに出ることへの恐怖を表しているのだと解釈できます。
映画『アス』のジェイソンも実は入れ替わっていたのか考察
映画『アス』では、ジェイソンとそのドッペルゲンガーであるプルートの間でも、実は入れ替わりが起こっていたのではないかという説があります。この考察にはいくつかの根拠があります。
まず、ジェイソンは物語の序盤から他の家族とは異なる行動を見せており、彼の奇妙な振る舞いや周囲の状況への反応は、他の家族と一線を画しています。彼が地下にいるドッペルゲンガーたちの行動を無意識に模倣しているかのような場面もあり、これはジェイソンとプルートが入れ替わっていた可能性を示唆しています。
また、ジェイソンとプルートの関係は特に密接であり、ジェイソンはプルートの動きをすぐに察知し、まるで彼を操るかのような場面も見られます。さらに、プルートが顔に火傷を負っている理由が明かされていませんが、これは過去に入れ替わりが起きた際の事故を示しているのではないかと推測されています。
ただし、映画全体を通して、ジェイソンとプルートが実際に入れ替わっていたことを示す明確な証拠は提示されていません。この説は観客の想像に委ねられているのです。物語のラストで、ジェイソンが母親のアデレード(本物のレッド)の正体に気づいたような表情を見せることから、彼自身も自分の正体について疑問を抱いているのではないかと考えられます。
このように、ジェイソンとプルートの入れ替わり説は映画の中で明示的には語られていませんが、物語の中で提示される曖昧な要素が、この考察を支える材料となっているのです。
映画『アス』のジェイソンの入れ替わりを示唆するシーンはある?
映画『アス』には、ジェイソンとプルートが入れ替わっている可能性を示唆するシーンがいくつか散りばめられています。特に印象的なのは、ジェイソンとプルートの行動が驚くほど同調しているシーンです。物語の後半、ジェイソンがプルートを後退させ、炎に飛び込んで二人を守ろうとする場面では、まるで彼らが目に見えない絆で結ばれているかのように描かれています。このシーンは、ジェイソンとプルートが何らかの形で同じ存在であることを暗示しているのかもしれません。
また、ジェイソンは家族の中でもプルートに対して特別な感受性を持っており、プルートの行動に素早く反応することが多いのです。他の家族と比べて、ジェイソンはドッペルゲンガーたちの存在に対してもある種の冷静さを保っており、まるで彼らの正体を知っているかのような振る舞いを見せます。このことから、ジェイソン自身がプルートとしての経験を持っているのではないかと推測することができます。
さらに、ジェイソンがプルートの仮面を発見した際の表情や反応は、単なる恐怖ではなく、何か複雑な感情を含んでいるように見えます。まるで彼が何かを思い出したかのような表情を浮かべるのです。こうした場面は、ジェイソンとプルートの間に深い関係性があることを示唆しています。
ただし、映画の中で彼らが実際に入れ替わったという明確な証拠は提示されていません。これらのシーンは、観客にジェイソンとプルートの関係性について考えさせるための要素として機能しており、物語のミステリアスな雰囲気を深める役割を果たしているのです。
映画『アス』はどこで見れる?フルで無料視聴する方法は?
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