この記事では、映画『スノー・ロワイヤル』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『スノー・ロワイヤル』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『スノー・ロワイヤル』の作品情報
上映時間:119分
ジャンル:アクション、コメディ、サスペンス
監督:ハンス・ペテル・モランド
キャスト:リーアム・ニーソン、ローラ・ダーン、トム・ベイトマン、トム・ジャクソン etc
映画『スノー・ロワイヤル』の登場人物(キャスト)
- ネルソン・コックスマン / ネルズ(リーアム・ニーソン)
- 豪雪地帯の町で除雪業を営む模範市民。家族と幸せに暮らしていたが、ある日息子を殺害されたことで、復讐の鬼となる。
- バイキング(トム・ベイトマン)
- 薬物の密売をするギャングのボス。先住民のギャング、ホワイトブルとは領域を侵さない契約を結んでいたが、勘違いでホワイトブルの息子を殺害する。
- ホワイトブル(トム・ジャクソン)
- 先住民のギャングのボス。バイキングが契約を破って息子を殺したことを恨み、復讐のため彼の息子を誘拐しようとする。
- キム(エミー・ロッサム)
- キーホーの町の巡査。今回の事件はギャングの縄張り争いだと推理する。
- グレース・コックスマン(ローラ・ダーン)
- ネルズの妻。夫と息子と一緒に幸せに過ごしていた。息子を殺されて以来無口になり、家を出ていく。
- ブロック・コックスマン / ウィングマン(ウィリアム・フォーサイス)
- ネルズの弟。バイキングの父親の時代に、手下として雇われていた。アジア系の妻がいる。
映画『スノー・ロワイヤル』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『スノー・ロワイヤル』のあらすじ【起】
コロラド州の豪雪地帯キーホーで除雪業を営むネルズは、長年の功績を称えられ、模範市民賞を受賞する。妻のグレースと共に式典に出席し、慣れないスピーチをした。翌日、空港で働いていた息子が遺体で発見される。体内からは薬物も検出。二人は息子が薬物をやるわけがないと主張した。
あまりのショックで自殺を考えていたネルズの元に、息子の友人が現れる。売人からコカインを盗み追われていた彼は、息子は巻き添えに遭って殺されたのだと言った。
ネルズは復讐を決意。息子の殺害に関わった男、スピードに会うためクラブへ行き、年齢からは想像できないパンチ力でスピードを殴打した。命令したのはリンボーだと白状させると、スピードを絞殺。遺体を金網で巻いて滝に捨てた。ネルズはリンボーの店へ行くが、すぐに怪しまれて撃ち合いになる。息子を殺したのはサンタだと聞き出すと、リンボーも殺害し、金網で巻いて滝に捨てるのだった。
彼らのボスは、この地域で薬物を密売するギャングの親玉、バイキングだった。彼は妻と別居し、息子のライアンを交替で育てている。息子は父と違って温厚で、いじめっ子に殴られても殴り返さない。クラシックを好む少年だ。

映画『スノー・ロワイヤル』のあらすじ【承】
ネルズはサンタの車を見つけると、除雪車で追跡。車を停車させて殴るが白状しないため銃殺する。スーツケースに入っていた大量のコカインを捨てて、遺体を滝に落とした。
息子が死んでから塞ぎ込んでいた妻のグレースは、何も言わず家出した。ネルズは弟を訪問。彼は以前ウィングマンという呼び名で、バイキングの父親の元で働いていた過去があった。ネルズは弟に、バイキングの手下3人を殺したことを告白。遺体を金網で巻いたのは、魚が食べて浮き上がらないためだと話した。
バイキングは3人の部下とコカインが消えたのは、先住民ギャング、ホワイトブルの仕業だと勘違いし、ホワイトブルの息子を拉致した。暴行して銃殺し、遺体を道路標識に吊るすと、遺体を見たホワイトブルは激しく憤る。警察のキム巡査は縄張り争いだと推理した。
ネルズは弟から、バイキングを殺すならエスキモーという殺し屋を使えと紹介される。9万ドルで契約したエスキモーは、玄関から堂々とバイキングを訪問。依頼人の名前を同額で売ろうとした。コックスマンという名前を聞いたバイキングは、依頼人を裏切ったことを非難してエスキモーを殺害した。
映画『スノー・ロワイヤル』のあらすじ【転】
バイキングがウィングマンの家を訪問して脅そうとしたが、癌を患っていて死を恐れず、先代に恨みもあったことから、決して口を割らなかった。ウィングマンは何も話すことなく殺される。
ホワイトブルとバイキングは、30年前に互いの領域を侵さない約束を交わしていた。息子を殺されたホワイトブルは、今回の件を契約違反だとして許す訳にはいかないと考え、血には血を、息子には息子を、と復讐を誓った。
キム巡査はこの縄張り争いを機に、町から麻薬組織が無くなることを期待した。ネルズの家を訪問するが、彼はすぐにキムを追い返した。
トレバーは部下を射殺し、息子を殺した男を始末したから許してくれと、首をホワイトブルに配達した。ホワイトブルは、「息子には息子だ」と言って配達人を射殺し、ライアンの誘拐を企てることにした。しかし、ネルズが先回りして、下校するライアンを誘拐した。バイキングは息子を誘拐したのはホワイトブルの仕業だと思い込んだ。
映画『スノー・ロワイヤル』の結末・ラスト(ネタバレ)
ネルズは誘拐したライアンを自宅に入れ、卵料理を作って食べさせた。寝る前に本を読んでくれとせがまれて、除雪車のカタログを読み聞かせる。ライアンは除雪車に興味津々で、乗せてくれとお願いした。
学校の用務員がバイキングを訪れ、誘拐したのはネルズだと通報。バイキングはネルズの自宅に突撃するが、誰もいなかった。その頃ネルズは、ライアンを除雪車に乗せ、楽しそうに除雪作業をしていた。バイキングは部下を連れてネルズの会社に向かうが、部下の一人が裏切り、行き先をホワイトブルに教えた。
ネルズはバイキングの一行が集結するのを見て銃を構えたが、見つかって捕らえられる。そこにホワイトブルの一行が現れて、銃撃戦が始まった。銃撃をかわしたネルズはホワイトブルの手助けをし、バイキングを殺させた。激しい撃ち合いの結果、双方ほぼ全滅した。
キム巡査は十数人の遺体を確認。ライアンは楽しそうに除雪車に乗っている。ネルズは除雪作業を再開し、除雪車に隠れていたホワイトブルは勤勉に働く彼を見て、構えていた銃を手放すのだった。
映画『スノー・ロワイヤル』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
ノルウェー映画「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車」をハリウッドでリメイクしたもの。主人公のリーアム・ニーソンは、年を取ってもアクションは健在だ。息子を殺されたリベンジのはずが、勘違いでギャングの縄張り争いに発展する。ブラックユーモアが散りばめられ、思わずクスッと笑ってしまう。豪雪地帯のダイナミックな風景、なんでものみ込んでしまう大きな滝、豪快な除雪作業など、スケールの大きさも見どころ。(MIHOシネマ編集部)
本作は、模範市民として表彰されるほど勤勉な除雪作業員のネルズが、ギャングに息子を殺され復讐の鬼と化する姿を描いたコメディーサスペンス作品。
息子を殺害したギャングたちを次々と躊躇なく始末していくネルズの手さばきの良さは爽快だった。
そして、マフィア間の戦いも含めるとかなりの死者が出るが、死者が出る度に毎回その人物に名前やニックネームのテロップが出るというブラックユーモア満載の描写に不覚にも笑ってしまった。(女性 20代)
思っていたストーリーと違いすぎて、めちゃくちゃ笑いながら見てしまいました。家族のために命をかけたり復讐するパパの役はやっぱりリーアム・ニーソンが最高です。
寡黙で真面目なキャラクターを演じることの多い彼ですが、今作でも序盤はそうなんです。模範市民として表彰されたりして。しかし、息子を殺されてからの復讐劇がかなりヤバくて、更にそこからギャングの抗争に巻き込まれてしまうのでどんどん予想外の展開になって行くのが本当に面白かったです。
もっと緊張感のあるストーリーだと思っていたので意外でしたが、終始楽しんで見られました。(女性 30代)
雪に覆われた静かな町で繰り広げられる復讐劇というシンプルな構図に惹かれて観ましたが、良い意味で裏切られました。リーアム・ニーソン演じるネルズの冷静かつ無慈悲な復讐劇の中に、ブラックユーモアがしっかり効いていて笑ってしまう場面も多々。息子を殺された父親の怒りが物語を動かしますが、最後は組織同士の抗争にまで発展するスケール感も◎。ユニークな犯罪映画としてかなり完成度高いです。(30代 男性)
リーアム・ニーソン主演と聞いて『96時間』的な無双アクションを想像していたけど、これは全く違う味わい。息子を奪われた父親の復讐…というシリアスなテーマのはずなのに、どこかコミカル。人が死ぬたびに名前とニックネームが画面に出る演出がユーモラスで、ブラックコメディとしてもかなり楽しめた。テンポも良くて飽きさせない構成。まさに“静かに笑えるバイオレンス映画”です。(20代 女性)
重厚な復讐劇かと思いきや、予想外のユーモアと風刺が散りばめられた作品で、とても印象に残りました。ネルズが1人ずつ淡々と関係者を葬っていく展開がスタイリッシュで、その一方でどこか虚しさも漂うのが良い。息子の死の真相が明らかになると、事件が巨大なギャング抗争に発展するのが皮肉でリアルでした。リーアム・ニーソンの表情の演技が秀逸でした。(40代 男性)
女性の視点からすると、暴力描写は多めですが、不思議と観やすかったです。主人公がただの復讐マシーンではなく、普通の父親という設定が共感しやすく、むしろそのギャップが面白かった。特に印象的だったのは、敵側のヴィランたちがどこか間抜けで、それが作品全体にユーモアをもたらしていた点。シリアスと笑いのバランスが絶妙な一作でした。(30代 女性)
息子を殺された主人公が、スノープラウで復讐していくという設定が既にユニーク。復讐劇にありがちな“重さ”ではなく、どこか軽妙でシュールな雰囲気が全体に漂っていて、観ていて楽しかった。北欧映画のリメイクということもあり、ちょっとした間の使い方や映像の冷たさが独特で良かった。あえてのB級感が最高でした。(20代 男性)
年齢を重ねるほどに「家族を守る父親像」に共感してしまう。この映画のネルズもまさにそうで、息子の無念を晴らすために一歩も引かない姿には心打たれました。けれど、それだけで終わらないところがこの映画の魅力。ギャング間の誤解や、民族間の対立など、社会風刺も巧みに盛り込まれていて、見ごたえがありました。(50代 男性)
雪に包まれた景色と冷徹な復讐劇という組み合わせが非常に映像的に美しかったです。冷たい風景が感情の冷たさを強調していて、ラストまで緊張感がありました。なのに途中で笑ってしまうようなユーモアもあり、不思議な魅力のある作品でした。特に終盤、ネルズとヴィキングが偶然にも同じ方向へ進む車中シーンは象徴的でした。(40代 女性)
映画『スノー・ロワイヤル』を見た人におすすめの映画5選
ファーゴ
この映画を一言で表すと?
凍てついた大地に浮かび上がる、滑稽で悲惨な犯罪劇。
どんな話?
借金に悩む男が自作自演の誘拐事件を計画するも、予想外の連鎖が悲惨な事件へと発展していく。ミネソタの雪原を舞台に、ブラックユーモアと人間の滑稽さが絶妙に絡み合う犯罪ドラマ。
ここがおすすめ!
『スノー・ロワイヤル』と同様、寒冷地の風景と凄惨な事件、そして皮肉なユーモアの融合が魅力。コーエン兄弟ならではの独特な空気感と、どこか不器用な人間模様が心に残ります。サスペンスと笑いが同居した名作です。
96時間(原題:Taken)
この映画を一言で表すと?
家族のためなら、父は誰よりも冷酷になる。
どんな話?
元CIAの父親が、パリで誘拐された娘を救うため、限られた時間の中で犯罪組織を追い詰めていく。無敵のスキルを駆使して一人で突き進む、緊張感あふれるノンストップ・アクション。
ここがおすすめ!
リーアム・ニーソンが演じる「怒れる父親」は『スノー・ロワイヤル』とも共通するキャラクター。こちらはよりスタイリッシュでスピーディーな展開が魅力。1作目だけでも十分満足できる傑作アクションです。
ザ・アウトロー(原題:Den of Thieves)
この映画を一言で表すと?
悪と悪が火花を散らす、男たちの仁義なき心理戦。
どんな話?
ロサンゼルスを舞台に、武装強盗団と特別捜査班の駆け引きを描くクライム・サスペンス。暴力と頭脳の限界まで使い、最後には誰も予想しない結末へと収束する。
ここがおすすめ!
『スノー・ロワイヤル』のように、勧善懲悪では語れないダークな世界観が特徴。アクションと緻密なプロット、そしてどんでん返しのラストに心を奪われます。骨太な犯罪映画を求める方にぜひ。
イン・ブルージュ(原題:In Bruges)
この映画を一言で表すと?
罪を背負った男たちの、美しくも哀しい逃避行。
どんな話?
仕事のミスから逃げるようにブルージュの街に身を潜める殺し屋コンビが、過去と向き合いながら、運命の結末へと歩んでいく。静かで詩的な時間の中に、毒とユーモアが織り込まれた異色のドラマ。
ここがおすすめ!
美しいヨーロッパの街並みと、救いのない空気感が絶妙にマッチした作品。ユーモアと暴力が紙一重で同居するスタイルは『スノー・ロワイヤル』にも通じるものがあります。哀愁と笑いを味わいたい方におすすめ。
ウィンド・リバー(Wind River)
この映画を一言で表すと?
極寒の大地に埋もれた、真実と怒りの物語。
どんな話?
ネイティブアメリカン居住区で起きた少女の死をめぐり、地元のハンターと新人FBI捜査官が真相を追う。雪に閉ざされた環境と、そこに潜む静かな暴力が交差する本格サスペンス。
ここがおすすめ!
『スノー・ロワイヤル』と同じく雪に覆われた過酷な環境が舞台。凍りついた土地の中で進む捜査と、人々の痛みが丁寧に描かれており、ミステリーとしても人間ドラマとしても非常に高い完成度を誇る作品です。
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