映画『if もしも‥‥』の概要:パブリックスクールの寮に暮らすトラビスは、古風で理不尽な規律に疑問を抱いていた。なんの疑問も抱かず素直にルールに従う同級生達と対立する彼は、同じ思想の友人と反乱を企てる。
映画『if もしも‥‥』の作品情報
上映時間:111分
ジャンル:コメディ、青春
監督:今井正
キャスト:岡田英次、久我美子、滝沢修、河野秋武 etc
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映画『if もしも‥‥』の登場人物(キャスト)
- ミック・トラビス(マルコム・マクダウェル)
- イギリスのパブリックスクールに就学する学生。厳しい規律や理不尽な上下関係に疑問を抱いている。理想と空想の狭間に生き、遂に友人らと反乱を企てる。
- ジョニー・ナイトリー(デヴィッド・ウッド)
- トラビスの友人。彼と同じく学校の体制に疑問を抱いている。
- ウォーレス(リチャード・ワーウィック)
- トラビスの友人。トラビスやジョニーと共に反乱に参加する。下級生のフィリップと恋仲になる。
映画『if もしも‥‥』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『if もしも‥‥』のあらすじ【起】
新学期を迎えた学寮は、部屋割りの紙を確認する生徒達の喧騒で賑わっていた。
監督生から「雑用係」と言われ呼び付けられた下級生は、従順に彼の荷物を運びはじめた。新入生のジュートは勝手が分からず、監督生の元に集う生徒達に混ざって指示を仰ごうとした。監督生は見慣れないジュートを「新兵」と呼び、雑用係の一人に部屋を案内させ、去り際に常に駆け足で移動することを命じた。
上級生の共同宿舎では、「凶悪犯」と呼ばれるトラビスが自分の荷物を運び入れていた。監督生の一人であるステファンは、ろくに挨拶もしない彼を自室へ追いやった。自室に戻ったトラビスは、友人のジョニーと秘かに持ち込んだ雑誌から軍人の写真を切り抜いて壁に貼り、戦争への憧れを語り合った。
寮の食堂に集められた生徒達は、神父から「よく学び、よく遊べ。常に譲り合いの精神を忘れるな」と説法を受けた後、新任の教員、トーマスを紹介された。生徒達はひとしきりルールを説明された後、性器まで診られる医療検査を受けた。トーマスは、医務室の学校保健師に案内され、2階の小さな部屋を宛がわれた。
映画『if もしも‥‥』のあらすじ【承】
就寝時の点検で、監督生は全員が規律通りベッドに収まっている様子を見てステファンを褒めた。監督生が去った後、同じ宿舎の同級生達は褒められたステファンをからかった。消灯後、生徒達は小声で他愛ない話を続けていた。ステファンは彼らにばれないよう自慰をしていたが、すぐにばれてしまいまたからかわれてしまった。
授業が開始されると、校長は生徒達が熱心に礼拝や授業に臨んでいる姿を見て、私立学校の誇りを教員や監督生に語った。しかし、数学の授業を受けていたジュートは、教員に胸元を弄られていた。その後、勉強部屋に戻ったジュートは同級生から学校の規律を教わるが、中々覚えられないでいた。
トラビスは、自室でレコードを聴きながら軍人の写真のスクラップを進めていた。一方でステファンは、神父へ、性的な興味が断ち切れないことを告解していた。神父は「断固戦うのだ」と精神論でアドバイスをした。
監督生達は、紅茶を楽しみながら、どの下級生が可愛いかという恋愛話に花を咲かせていた。その会話を聞いていた監督生の一人、デンソンは、同性愛ごっこに興味はないと一蹴した。すると、それをからかった一人は自分のお稚児であるフィリップを彼の付き人に宛がった。しかし、美しい顔立ちで上級生からの人気が高いフィリップは、デンソンの付き人でありながらも体育の授業で見かけたウォーレスに恋をした。
映画『if もしも‥‥』のあらすじ【転】
トラビスとジョニーは、学校を抜け出して街を散策した。二人はバイク屋へ入るや否や、店員の目を盗み展示品のバイクで郊外へ繰り出した。二人はしばらくツーリングを楽しんだ後、街から離れた場所にあるバックホース・カフェへ立ち寄った。コーヒーを注文した彼らは、同年代らしいウェイトレスの女性に目を奪われた。トラビスはおもむろに彼女の唇を奪い、頬を殴られた。しかし、トラビスの空想は止まらず、脳内の彼女は「虎が好きなの」と言いトラビスと裸でじゃれ合った。そして三人はバイクに乗り合わせ、彼らは自由の風を堪能した。
ウォーレスとフィリップは、倉庫で逢瀬を重ねていた。煙草をふかす二人は創立記念日に誰が来るかという話をし、フィリップは母が新しい夫を連れて来ると語った。そこへ見回りのデンソンがやって来たが、ウォーレスはフィリップを匿い「誰もいない」とやり過ごした。
監督生達は、トラビス、ジョニー、ウォーレスを「反乱分子」として鞭打ちの罰を与えたいと神父に提案した。神父は監督生達に意見せず、トラビス達の処遇を一任した。
4人の監督生に呼び出されたトラビス達は、風紀を乱したという名目で彼らの手によって鞭打ちの罰を受けることになった。トラビスは彼らへやり方が汚いと反論し、罰を受ける前に「ムチで言う通りになるほど俺たちヤワじゃないぜ」と威嚇した。
映画『if もしも‥‥』の結末・ラスト(ネタバレ)
トラビスは、ジョニーとウォーレスに「今が決起の時だ」と言い血の契約を結んだ。「世界を変えるのは武力のみだ」と語るトラビスは、秘密裏に実弾を用意していた。その夜、ウォーレスはフィリップを腕に抱き眠り、トラビスは友人の望遠鏡で校舎の外を眺めていた。すると、望遠鏡の向こうにウェイトレスの彼女が見えた。
野外演習に際して、神父は敵前逃亡が何よりも罪深いという説法をした。敵を前に逃げた者は銃殺が当然であると語る神父の言葉は、礼拝堂にこだました。
生徒達は、空砲を発する銃を持ち実装備で演習に励んでいた。トラビスとジョニー、ウォーレスは、彼らが休憩の陣営を組むのを見計らい、水を配る神父目がけて実弾を発砲。トラビスは、地面に倒れ命乞いをする彼を銃剣で刺した。
校長室に呼び出された三人は、校長と神父へ謝罪した。校長は、あくまで彼らの味方であると念を押したが、「思春期の自己主張は認めるがこの件は容認できない」と言い、倉庫を片付けるという「特権」を与えた。
倉庫に入った三人は、閉ざされた奥の部屋に戦時中の名残である大量の火器を発見した。三人は、いつの間にか加わっていたウェイトレスの女性と共に、創立記念日で礼拝堂に集まった生徒や教員、来賓の将軍へ奇襲をかけた。
校庭に逃げた人々を屋根から狙撃するトラビス達は、「私は理解者だ」と叫び中央に進んだ校長に暫したじろいだが、ウェイトレスの女性が彼の頭を撃った。教員や監督生、保護者達との激しい銃撃戦に身を投じたトラビスは、歪んだ笑顔を浮かべる。もしも、こんなことが起こったら。
映画『if もしも‥‥』の感想・評価・レビュー
どこからどこまでがトラビスの空想なのか、ラストシーンまで一貫して非常に曖昧である。そのぼんやりとした線引きが、彼の内に秘められた鬱憤を表していると感じた。
作品を観ているうちにモノクロの描写が空想・妄想の表現かとも思ったが、どうやらそうではない。思春期にあらゆる願望を抑圧される少年の足掻きが、ありありと見える良作だ。
主人公の頭の中の世界と現実をハッキリ分けずに進行する物語を観て、『スイス・アーミー・マン』を観た時と同じ感覚になった。主人公の願望が具現化したのか、はたまた全て空想だったのか、後になってあれこれ考えたくなる映画だ。(MIHOシネマ編集部)
『明日に向かって撃て』や『イージー・ライダー』『俺達に明日はない』など社会を皮肉ったような「アメリカン・ニューシネマ」を数多く見てきた人にはなんとも新鮮味のない、既視感のある作品でしょう。「イギリス版」と言ってもストーリーはさほど変わりなく、理解できないルールに反発し、不満を爆発させ、武器を持ち…という展開。
新鮮味こそありませんが、過激なストーリー展開にはやはり「映画」の素晴らしさを感じることができます。「もしも」の話と言ってしまえばそれまでですが、そんな夢のようなストーリーをこの作品で疑似体験するのも悪くないです。(女性 30代)
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