映画『モンサントの不自然な食べもの』の概要:私たちの身近にある食品だけでなく家畜の肥料からも入ってくる危険性のある食べ物、遺伝子組み換え食品。遺伝子組み換え作物市場の9割を担うモンサント社の実情から食料危機について迫る。
映画『モンサントの不自然な食べもの』 作品情報
- 製作年:2008年
- 上映時間:108分
- ジャンル:ドキュメンタリー
- 監督:マリー=モニク・ロバン
- キャスト:ヴァンダナ・シヴァ etc
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映画『モンサントの不自然な食べもの』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★★
- ストーリー:★★★★★
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『モンサントの不自然な食べもの』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『モンサントの不自然な食べもの』のあらすじを紹介します。
米国に本社を構えるアクロバイオ企業・モンサント社。
表向きは種と肥料を提供する会社ながら、裏では『1ドルたりとも損失を出してはいけない』という現金さを貫くこの会社。
この社の主力商品『遺伝子組み換え作物(GM)』は日本に全く入り込んでいないと言えば嘘になる。種会社を次々と買収しているモンサント社の市場規模は9割といわれている。
つまり残りの1割だけが、世界中で遺伝子組み換えでない食物と言われている事になるのだ。
いくら土壌がよくても、モンサント社の種で育ててれば何の意味もないという事になる。元々は広大な台地で作物を育てる為に害虫に強い品種を遺伝子レベルで開発していたモンサント。
そこには、いつしか政治家の圧力がかかるようになっていた・・。
映画『モンサントの不自然な食べもの』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『モンサントの不自然な食べもの』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
人の命よりも政治家の命
映画では、モンサント社が政府や他の企業と癒着し、安全が確定していないものまで、安全だと無理に認めさせ市場に送り出させる過程が描かれている。
GM作物を英国が輸入する前に専門期間がネズミを浸かって科学的に調査するシーンが出てくるのだが、調査担当の研究者は発ガン性のある食べ物を安全と言えないと公の場で発言した為に、研究所の面々共々路頭に迷う事となってしまう。
博士の研究によると、GMジャガイモを与えられたネズミは内臓が小さくなり免疫力が弱くなるだけでなく脳神経まで犯されるというデータが出ていた。そんな潜在的毒物でも、モンサントの恩恵により政治家になれた人間が米国には数え切れない程いるのだから売れというのだから、恐ろしい話なのだ。
その他にもモンサント社が種会社を買収する過程で、インドの農家が自殺に追い込まれる映像も出てくる。食べる事は生きることという、ごく当たり前の思想でさえ、モンサントは食いつぶしていく。
それはかつてベトナム戦争の最中に枯葉剤を作っていたという黒歴史にもつながり、今は強力な除草剤を振りかけても枯れないという種を生み出し、農家に除草剤とセットで購入させている実態が映し出されている。
映画制作、公開まで綿密な準備が必要だったドキュメンタリー
題材が題材だけに、監督マニー=モニク=ロバンは綿密な裏づけ調査を行ってから撮影に臨んだ。
まずはメキシコ、パラグアイ、米国、ベトナム、インド、英国、イタリア、スイス、ノルウェー、フランスと1年かけ10ヶ国、各国の食糧事情を取材。そして検索エンジンを使い、ネット上で公にされている記事や情報を頼りにリサーチしていった。
何故この方法をとったか。モンサント社が秘密裏に妨害する圧力をかわす為だった。公に好評されているデータを元にしましたとなれば、攻めようもない。
監督は2年程の間、かなり悪質な嫌がらせを受けていたようだが、モンサント社も諦めた。そこで監督はこの映画の公開に踏み切ることが出来たらしい。
映画『モンサントの不自然な食べもの』 まとめ
この映画、公開に相当圧力がかかっていたらしく、東京は配給会社管轄の映画館アップリンクで上映したものの、地方ではそうはいかなかった。私自身も自然食品店の自主上映会で、ようやく鑑賞する事が出来た。
映画を観る時に予告編から始まると思うが、予告には様々なスポンサーが絡んでいる。映画会社をはじめとして配給会社、テナントビルの食料品店の広告など、肝心の映画が始まるまでに私たちはそれを観るはめになる。
今回紹介した映画は、それら『予告編を構成するスポンサー全て』に背を向けた形になったのだろう。しかし本当に伝えたいものがある以上、映像として世に送り出した監督の使命感に拍手を送りたい。
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