この記事では、映画『ラスト・キャッスル』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ラスト・キャッスル』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ラスト・キャッスル』の作品情報
上映時間:132分
ジャンル:アクション、ヒューマンドラマ
監督:ロッド・ルーリー
キャスト:ロバート・レッドフォード、ジェームズ・ガンドルフィーニ、マーク・ラファロ、デルロイ・リンドー etc
映画『ラスト・キャッスル』の登場人物(キャスト)
- アーウィン(ロバート・レッドフォード)
- 歴戦の英雄で、軍の中将。自らの命令で兵士が死亡した責任を感じ、懲役10年の刑に服する道を選ぶ。囚人達を率いて刑務所内で暴動を仕掛ける。
- ウインター(ジェームズ・ガンドルフィーニ)
- 軍刑務所の所長を務めており、囚人達を非人道的に扱っている。実際の戦闘の経験はなく、戦争に関連する骨董品を収集している。
- イェイツ(マーク・ラファロ)
- ヘリのパイロットで、刑務所内で賭博を仕切っている。父親がハノイでアーウィンと共に捕虜になっていた。
- アギラー(クリフトン・コリンズ・Jr)
- 海兵隊の伍長。ハンマーで上官を殴った罪で収監されている。アーウィンに敬礼したことでウインターによる厳しい懲罰を受ける。
映画『ラスト・キャッスル』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ラスト・キャッスル』のあらすじ【起】
ウインターが所長を務める軍刑務所にアーウィンが移送されて来る。ウインターは受刑者間の敬礼が禁止されていることなど所内のルールを説明する。アーウィンは刑期を終えて帰ることが望みだと話す。翌日、ボスケットボールを巡って囚人同士のケンカが起こる。ウインターがボールの数をわざと減らしたのだ。ウインターは看守にサイレンを鳴らすように命じ、囚人全員を地面に伏せさせる。それに逆らった者はゴム弾で撃たれてしまう。囚人らはアーウィンに刑務所内の不当な扱いについて訴えるが、アーウィンは戦うことに消極的姿勢を見せる。
アーウィンは娘と面会し、孫のことなどを話す。アギラーがアーウィンに敬礼をして話しかけてきたため、アーウィンは敬礼の起源と意味を説明する。しかしウインターがその様子を見ており、アギラーに懲罰を命じる。アギラーは雨の中で敬礼の姿勢のまま長時間立たされる。アーウィンは懲罰をやめさせようとするが、その際にアーウィンが看守の体に触れたために同じく懲罰を命じられる。
映画『ラスト・キャッスル』のあらすじ【承】
アーウィンは炎天下の中で石運びをさせられる。イェイツはアーウィンが成功するかを他の囚人に賭けさせる。アーウィンは見事に懲罰をこなし、囚人の信頼を得る。イェイツはハノイで捕虜となった父親がアーウィンのことを命の恩人と見なしていたことを話す。しかし、アーウィンはイェイツの父親の存在があったからこそ自分は生き残れたと説明する。ウインターは囚人達に命じて1870年代にあった刑務所の壁を再建させていたが、アギラーが中心となってその壁を壊してしまう。
アーウィンの指揮の下で囚人達はしっかりとした壁を建て直し、アギラーは壁に名前を彫る。囚人達がアーウィンを中心とした指揮系統を持ち始めたことにウインターは脅威を感じ、重機により壁を壊すことを命じる。しかし、アギラーが重機の前に立ちはだかる。看守がゴム弾を撃つが、それが頭部に命中してアギラーは死んでしまう。アーウィンは囚人達を整列させて、アギラーのことを追悼するために演説する。囚人達は全員で合唱し、敬礼の仕草をする。
映画『ラスト・キャッスル』のあらすじ【転】
ウインターは敬礼を容認して事態の沈静化を図ろうとするが、アーウィンはウインターには指揮官の資格はないと言って辞任を要求する。仕方なくウインターは上官を呼んで解決しようとする。上官がアーウィンと面会中にウインターは上官を誘拐するという脅迫状を受け取る。ウインターは直ちに放水車やヘリを出動させるが、全てはいたずらで終わる。脅迫状は非常時の手順を把握するために、アーウィンが仲間と仕掛けたものだった。
ウインターは大統領の命令に背いて兵士が殺されたためにアーウィンが収監されていることを囚人達に知らせ、従わないように説得しようとする。そしてイェイツにアーウィンの企みについて情報提供するように取引を持ちかける。アーウィンは刑務所の統制を失った場合に所長は解雇させられるとの規定を説明し、囚人達に暴動を呼びかける。そして看守を制圧した上で、救難信号として国旗を逆さに掲げる作戦を説明する。アーウィンはイェイツが取引を持ちかけられたことも見抜いており、正しい行動を取るように訴える。
映画『ラスト・キャッスル』の結末・ラスト(ネタバレ)
イェイツはウインターに会い、情報収集のためにもう1日欲しいと頼む。翌朝、イェイツはウインターに国旗を逆さに掲げる計画を説明し、自分が前日の面会時にウインターが保管した国旗を奪ったことを明かす。囚人達は中庭に集められて、刑務所内で国旗の捜索が始める。それこそがアーウィンが待っていた好機だった。囚人達は火炎瓶で監視塔を攻撃し。投石機を使ってウインターがいる所長室に石を投げ込む。さらにイェイツがヘリに飛び移り、ヘリを監視塔に衝突させる。
アーウィンは国旗を掲揚するために、囚人達を中庭に整列させる。そこに実弾で武装した看守を率いたウインターが現れ、投降を命じる。アーウィンは囚人達を地面に伏せさせると、自分だけは旗を持って掲揚台に近づく。ウインターは看守に発砲を命じるが、看守は命令に従うことを拒んでしまう。そこでウインターは自らの手でアーウィンに何発も銃弾を撃ち込む。アーウィンは息絶えるが、国旗は上下正しく掲げられていた。囚人達は国旗に向かって敬礼し、ウインターは看守によって逮捕される。
映画『ラスト・キャッスル』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
刑務所内での尊厳をうたう映画だが、重たい雰囲気はなく肩肘張らずに鑑賞できる。題名の通り城に対する考え方が重要らしいが、むしろ旗が果たす役割が面白いと思った。前半にも旗が登場する場面があれば深みが増したのではないだろうか。ロバート・レッドフォードは静かに闘志を燃やす男がよく似合う。ジェームズ・ガンドルフィーニが演じているためか刑務所長にも人間味を感じられ、そこまで憎めない存在に見えてくる。(MIHOシネマ編集部)
軍人たちが収容された軍刑務所という閉鎖空間で、名将アーウィン将軍が囚人たちを一つにまとめ、規律と誇りを取り戻す過程が見事だった。特に最後の反乱シーンは、戦術的にも心理的にも見応えがあり、緊張感が続く。将軍が命を落としてもなお、アメリカ国旗を掲げる場面は涙が止まらなかった。男たちの誇りと尊厳を描いた傑作。(30代 男性)
将軍vs所長という構図は単純だけど、それが非常にドラマチックに描かれていて面白かった。囚人たちが軍人としての誇りを取り戻す様子が、感動とともに描かれる。ラストの石垣で作った“敬礼する兵士”の彫像には鳥肌。暴力的な映画ではなく、信念とリーダーシップの力を描いた心に残る作品だった。(40代 女性)
刑務所映画と思って侮っていたが、これは“戦場なき戦争”だった。レッドフォード演じるアーウィン将軍が、かつての敵をも巻き込みながら人を動かす力に圧倒された。特に、敵だったヤーテスが最後に旗を掲げる場面は胸に迫る。無言の中にある敬意と後悔、男たちの絆が熱く描かれていて涙が止まらなかった。(20代 男性)
軍の中での尊厳と規律、それを失った者たちがどう再生していくかを描いた作品として素晴らしい。刑務所という場所であっても、誇りを失わなければ人は立ち上がれる。反乱という形でそれを成し遂げた彼らの姿に、リーダーとは何かを考えさせられた。敵対する所長の内面も描かれていて、単なる悪役で終わらないのが良かった。(50代 男性)
リーダーシップという言葉をここまで体現した映画は他にないかもしれない。アーウィン将軍の静かなカリスマ性、言葉ではなく行動で信頼を勝ち取っていく姿に惹きつけられた。自分の命をかけてでも囚人たちの尊厳を守るラストは、まさに“ラスト・キャッスル”にふさわしい感動。軍人ではなくても学べるものが多い作品。(30代 女性)
軍事映画でありながら、まったく戦場が出てこないのに手に汗握る展開。囚人たちが軍人として再び団結していく過程がリアルで、特に石を積み上げる“無言の反抗”が最高に格好良かった。アーウィン将軍が最期まで仲間の誇りを守ったこと、彼の死が決して無駄でなかったことに、深い余韻が残る。(20代 女性)
所長ウィンターのキャラ造形が秀逸。エリート意識と劣等感にまみれた彼の支配はまさに“心理戦”。その中で、アーウィン将軍が何も語らずに周囲を変えていく姿が対照的だった。正義とは何か、権威とは何かを問いかける構造で、派手なアクションがなくても最後まで惹き込まれた。まさに“静かな名作”という印象。(40代 男性)
大学でリーダーシップ論を学んでいる身として、非常に興味深く観られた。アーウィン将軍のリーダーシップは命令ではなく“信頼”に基づいていて、だからこそ囚人たちが自発的に動いた。軍人の誇りと尊厳を取り戻す物語は、ただの反乱劇ではなく再生の物語。将軍の最後の決断は、きっと彼らの未来を変えたと思う。(20代 男性)
軍隊出身者として、リアリティとメッセージ性に強く感動した。軍人である前に人間としての尊厳がある。アーウィン将軍がそれを仲間に思い出させたことが、この映画の核心だと思う。刑務所という舞台で描かれる戦いは、ただの暴動ではない。ラストの国旗掲揚は、全てを超えて心に響いた名シーンだった。(60代 男性)
映画『ラスト・キャッスル』を見た人におすすめの映画5選
ショーシャンクの空に
この映画を一言で表すと?
絶望の中でも希望を手放さない男たちの奇跡の物語。
どんな話?
無実の罪で収監された男が、希望と知恵を武器に過酷な刑務所生活を生き抜き、やがて自由を掴むまでの20年を描いた感動作。人間の尊厳と自由への渇望が静かに心を打つ名作。
ここがおすすめ!
『ラスト・キャッスル』と同じく、閉鎖された空間の中での反逆と希望がテーマ。信頼と友情、静かな抵抗が生むカタルシスに心が震える。結末の爽快さは映画史に残る感動です。
グリーンマイル
この映画を一言で表すと?
命と奇跡をめぐる死刑囚たちの“癒し”のドラマ。
どんな話?
1930年代のアメリカ南部の刑務所を舞台に、特別な力を持つ黒人死刑囚と看守たちとの交流を描いたヒューマンドラマ。死と向き合う中で芽生える人間愛と奇跡が胸を打つ。
ここがおすすめ!
極限状態の中で描かれる人間性と希望が『ラスト・キャッスル』と重なる。刑務所内の力関係や精神的な戦い、ラストに訪れる深い余韻が心に残る。泣きたい夜に観たい一本。
トレーニング デイ
この映画を一言で表すと?
善悪の境界が揺らぐ、1日だけの極限バディムービー。
どんな話?
ロサンゼルスの麻薬捜査官となった新人警官が、狂気と正義の狭間で生きるベテラン刑事の下で訓練を受ける24時間を描くクライム・サスペンス。モラルを試される選択が続く緊張の連続。
ここがおすすめ!
組織の中での対立や心理戦、圧倒的なカリスマに翻弄される構図は『ラスト・キャッスル』と共通。デンゼル・ワシントンの鬼気迫る演技も必見。正義とは何かを突きつけてくる。
グローリー
この映画を一言で表すと?
黒人兵士たちが戦場で掴んだ、誇りと自由の物語。
どんな話?
南北戦争下で初の黒人部隊として編成された第54マサチューセッツ連隊が、白人指揮官のもと差別と偏見に立ち向かいながら戦う姿を描く、実話を基にした戦争ドラマ。
ここがおすすめ!
団結と誇り、命を賭けた戦いというテーマが『ラスト・キャッスル』と強くリンク。人種差別や不平等と闘いながらも、信念を貫く男たちの姿に圧倒される。勇気が湧く名作。
炎のランナー
この映画を一言で表すと?
信仰と誇りを胸に、世界に挑んだ男たちの静かな闘志。
どんな話?
1924年のパリ五輪を舞台に、宗教的信念と人種的偏見に直面しながらも、自らの信念を貫いて走るイギリス人アスリートたちの姿を描く実話に基づいたヒューマンドラマ。
ここがおすすめ!
静かな映画ながら、信念を曲げずに貫く強さというテーマは『ラスト・キャッスル』と重なる。見終わった後にじわじわ感動が押し寄せる良作。名曲「Chariots of Fire」も必聴。
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