映画『ザ・ドア 交差する世界』の概要:ダヴィッドは愛人との浮気中に、娘を事故で死なせてしまう。5年後、過去に行く不思議なドアで、娘が死ぬ前に戻ったダヴィッドは、無事に娘を救出。その直後、その世界に生きる自分に見つかり、思いがけず殺害する。
映画『ザ・ドア 交差する世界』の作品情報
上映時間:101分
ジャンル:SF、サスペンス
監督:アノ・サオル
キャスト:マッツ・ミケルセン、ジェシカ・シュヴァルツ、ヴァレリア・アイゼンバルト、トマス・ティーマ etc
映画『ザ・ドア 交差する世界』の登場人物(キャスト)
- ダヴィッド・アンデルナッハ(マッツ・ミケルセン)
- マヤの夫。売れっ子の画家。近所に住む愛人との浮気をしている間に、娘が自宅のプールで水死してしまう。それから5年後、自暴自棄の生活を送っていた彼は、5年前に通じるドアを見つけ、娘が死ぬ直前の世界に戻ってくる。
- マヤ・アンデルナッハ(ジェシカ・シュヴァルツ)
- ダヴィッドの妻。夫が浮気をしていることに気付いており、夫婦の関係は冷え切っていた。娘が死んで以降は夫と別れて、別の男と暮らしている。
- レオニー・アンデルナッハ(ヴァレリア・アイゼンバルト)
- ダヴィッドとマヤの娘。ある昼間、ダヴィッドが近所の女性と浮気をしている時に、プールに落ちて死亡する。
- シギー(トーマス・ティーメ)
- ダヴィッドの近所に住む謎の男。5年前の世界に通じるドアの存在を知っており、未来から来たダヴィッドの様子を監視している。
映画『ザ・ドア 交差する世界』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ザ・ドア 交差する世界』のあらすじ【起】
人気画家のダヴィッドは閑静な住宅街で、妻と娘と一緒に暮らしていた。近所に住むジアとは愛人関係にあり、その日も妻の留守中に娘リオニーを自宅に残したまま、愛人宅で浮気をしていた。情事が終わり家に戻ると娘の姿がなく、自宅プールの底で水死しているのを発見する。
それから5年後、ダヴィッドは娘を死なせた罪悪感から自暴自棄の生活を送っており、妻のマヤとは別々に暮らしていた。ダヴィッドはマヤに謝罪の言葉を伝えようとしたが、彼女の心の傷は癒えておらず、会うこともしなかった。
昔の自宅に向かったダヴィッドは自殺を試みるが、友人のマックスに助けられる。バーで慰められるダヴィッドは、マックスが自分の子供の話を始めると居たたまれなくなり、店を抜け出した。ダヴィッドは再び自宅に向かおうとしてアイスバーンで転倒した際に、冬場には見かけない蝶を見つけて追いかける。茂みの中に見たこともない不思議なドアを見つけ、中に入ってトンネルを抜けると、そこは5年前の世界だった。
映画『ザ・ドア 交差する世界』のあらすじ【承】
5年前の世界にやって来たダヴィッド。彼の目の前に、今まさに愛人宅に入ろうとする自分が現れる。その時、自宅の方角から大きな音が聞こえたため、彼は全速力で自宅に走り、プールに落ちたばかりのレオニーを救出した。ベッドに娘を寝かせた彼は、愛人宅から戻って来たばかりの自分と遭遇する。5年後のダヴィッドとこの世界のダヴィッドは揉み合いとなり、この世界のダヴィッドが死んでしまった。
自分の死体を庭に埋めたダヴィッドは、伸びた髪の毛を切って白髪を染めて若返り、この世界で生きることにした。帰宅したマヤは彼の変化に気付かなかったが、レオニーは異変に気付き、「パパじゃない」と言って部屋に閉じ籠った。
翌朝、マヤがダヴィッドの携帯を鳴らすと、電話に出たのは愛人のジアだった。夫の浮気に感づいていたマヤに、ダヴィッドは画廊に置き忘れていたのだと嘘をついた。ダヴィッドは携帯を取り戻すためジアを訪問。ジアはダヴィッドを見てすぐに、微妙に老けていることに気付いたが、ダヴィッドは適当に誤魔化して、さらに愛人関係も解消して彼女の元を去った。
映画『ザ・ドア 交差する世界』のあらすじ【転】
数日が経ち、レオニーは庭がとても臭いと騒ぎ出した。ダヴィッドはモグラのトイレだろうと笑って誤魔化し、娘の機嫌を直そうと一緒に遊ぶが、レオニーは笑顔になれなかった。
翌日レオニーは、本当のパパは生きているの?とダヴィッドに聞いた。「パパは娘を守れなかったから、遠くに行って守護天使になったんだよ」と答えると、レオニーは少し安心した表情を見せた。その夜、ダヴィッドとマヤは久しぶりに愛し合い、朝になるまで何度も抱き合った。
ダヴィッドの誕生日パーティーの夜。大勢の友人たちが集まり祝っていたが、庭を歩いていたマックスは埋められていたダヴィッドの死体を発見する。マックスとダヴィッドが言い合いになっていると、突然隣人の男シギーが現れ、刃物を振りかざしてマックスを殺害した。シギーはダヴィッドに指示を出し、マックスの死体を森に運んで埋めさせた。帰宅したダヴィッドは危険を感じ、マヤとレオニーを連れて未来に行こうと考えた。ドアの前まで行ったが、そこにシギーが現れて妨害された。
映画『ザ・ドア 交差する世界』の結末・ラスト(ネタバレ)
翌朝、自分の部屋で目覚めたダヴィッドは、マヤから昨夜の出来事について聞かれ、ハッパを吸っておかしくなったせいだと嘘をついた。シギーの家に招かれたダヴィッドは、彼もまた、あのドアからやって来た未来人だと知らされる。彼はあのドアのおかげで古い人生を捨て、今は結果を知っている賭博で儲けているのだと話した。さらに、大勢の人間があのドアを使っているのだとも言い、その多くは過去の自分を抹殺し、罪悪感に苦しみながらこの世界で生きているのだと話した。
その頃マヤは、友人夫婦が彼らとよく似たカップルに殺害される瞬間を目撃する。マヤは急いで彼らの子供ネーレを連れ出し、自宅に逃げた。しばらくするとそのカップルが警察官と一緒に訪問し、ネーレを引き渡すように言った。少し老けた両親を見て怯えるネーレは、大人しく彼らに付いて行った。マヤは納得できず、興奮したまま部屋に籠った。
その時、ダヴィッドの携帯にマヤから電話がかかった。少し老けた彼女の声を聞き、ダヴィッドは5年後のマヤだと悟った。彼女はレオニーに会うために来たのだ。
マヤの場合も皆と同様に、この世界のマヤを殺すのが得策だと考えたシギーは、ダヴィッドにこの世界のマヤを殺させようとした。しかしダヴィッドはそうはせず、彼女とレオニーを未来に行かせることにした。
ダヴィッドは車で暴走運転をして騒ぎを起こし、その間にマヤたちはドアの向こうへと逃がそうとした。マヤは逃げる途中で5年後のマヤに遭遇するが、5年後のマヤはレオニーを抱き締めるとすぐに離し、本来のママであるマヤに返した。ドアを開けて未来の世界に行くマヤとレオニー。その姿を見届けたダヴィッドは、シギーを轢きながらドアに激突して破壊した。
未来に戻れなくなったダヴィッドとマヤ。プールサイドで手を握り合い、2人でやり直そうと決意するのだった。
映画『ザ・ドア 交差する世界』の感想・評価・レビュー
デンマークの実力派俳優マッツ・ミケルセンが主演のSFサスペンス。ドイツ小説が原作のドイツ映画。悪役や癖のある役が多いマッツだが、本作は過去の自分をうっかり殺したため、若い自分になりすまそうと若作りをして、死体がバレないように必死に繕うダメなオヤジを演じている。過去に戻るというSF映画は多いが、過去の自分を殺して人生をやり直すのという発想がなんとも大胆。しかも他にもたくさんいるなんて、一体どんな街なのだろう。不思議な映画だった。(MIHOシネマ編集部)
マッツ・ミケルセンのセクシーな雰囲気に魅了される女性は多いですが、私もその1人。今作はそんなマッツ・ミケルセンのファンの方に見て欲しい作品です。
5年前の過去に戻り、人生をやり直すという設定が面白いのですが見所は、娘を亡くし自暴自棄になって荒んだ生活を送るマッツ・ミケルセンの姿でしょう。
いつも彼が演じる妖艶で美しくて影のあるキャラクターとは正反対の「ダメおやじ」が見られます。こんなダメダメな姿もファンにはたまらないでしょう。
ストーリー自体も面白いので、沢山の人にオススメしたい作品です。(女性 30代)
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