映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』の概要:’09年夏ロンドンを皮切りに開催されるはずだったマイケル・ジャクソンのコンサート『THIS IS IT』。同年6月、マイケルの突然の死よりそれは幻となった。マイケルの真摯なまでの仕事ぶりに迫る貴重な一作。
映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』 作品情報
- 製作年:2009年
- 上映時間:111分
- ジャンル:ドキュメンタリー、ヒューマンドラマ
- 監督:ケニー・オルテガ
- キャスト:マイケル・ジャクソン etc
映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』 評価
- 点数:90点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★★
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★★
[miho21]
映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』のあらすじを紹介します。
『皆が聞きたい曲をする』
マイケル・ジャクソンが、今までのライブと方向転換し、既存のヒット曲を中心に構成する最期のライブツアー『THIS IS IT』のチケットは瞬く間に完売した。しかし彼と彼を待ち望む全世界のファンの夢はかなわず、’09年6月、マイケルは帰らぬ人となる。ツアーは、マイケルのキャリア史上最高傑作になるはずだった。彼がこのライブにかけていた情熱の片鱗だけでもファンのみならず世界の人々に伝える事ができれば・・・。
ロンドン公演の監督ケニー・オルデガは、リハーサル中に撮影していたフィルムをかき集め、関係者からのインタビューを繋ぎ合わせ、マイケルの遺志を映像として伝えようとする。
映画は’09年4月からマイケルがなくなる直前まで、リハーサルに費やした三ヶ月の映像を編集したものだ。
ただ最高のスタッフとバックダンサー、コーラスを揃え、歌って踊るだけではなく、最新鋭の機器を使いアトラクション並のサプライズを観客に見せようとしている努力も映像から伺える。そして大勢のダンサーの中から気の遠くなる様な倍率を潜り抜け合格したバックダンサーは、涙ながらに彼の死について語る。
『人生ってつまらないものだろ? でも生きる意味を教えてくれたのは貴方だ、THIS IS IT・・・』
マイケルが残した大いなる遺産とは何なのか、それがこのドキュメンタリーに隠されていた・・・。
映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
遺族、スタッフ賛否両論だったドキュメンタリー
松竹系の映画館でこのドキュメンタリーが最長2週間限定で公開されたのは、’09年の秋。世界中が待ち望んだドキュメンタリーだった。
その一方でマイケルの遺族からは、公開に対して猛反対があった。それはマイケルの完璧主義を目の当たりにしてきたからだ。未完成のドキュメンタリーが、この世に出る事を一番望んでいないのはマイケルなのではないか、という論争はいまだに沸き起こっている。
しかしながら、マイケル亡き後、それは観る方に判断はゆだねられるべきだと思う。
地位名誉関係なく誰にでも平等だったマイケル
映画を観ると、久々に観るマイケルの素晴らしさに目を奪われる。彼がこの世にもう居ない事が映画を観る度に惜しまれる。
スケジュールは誰よりもタイトであるはずなのに、仕事に対するプロ意識の高さ、気配り、繊細さがずば抜けているのが判る。そして彼は才能があるものに対して地位名誉関係なく平等に接している事が判るだろう。
『Beat it』のサビのギターを弾く若い女性は、オリアンティ・パナガリスだが、この映画までは世界的に名前が知られているギタリストとは言えなかった。マイケルはYoutubeで彼女が弾くギターの演奏が気に入りスカウトし、丁寧に彼女に接している。
その一方で、キーボードを務めたのはマイケル・ベアデン。ホイットニー・ヒューストン、ジェニファー・ロペス、スティービー・ワンダー、アレサ・フランクリン、ライオネル・リッチー、リッキー・マーティンなど、数々の有名アーティストとコラボした作曲家でもあり音楽監督でもある。彼と『The way you make me feel』の出だしのリズムと音が違うので揉めるシーンがある。
ベアデン曰く、マイケルはCDの音とリズムをそのまま再現できる唯一のアーティストであり、今までコラボしたアーティストの中で彼の死ほど哀しいものはないというのだ。
リハーサル映像と関係者へのインタビューで構成された映画から察するに、マイケルが、どれだけ仕事に対して誠実であろうとしかたも伺える。
キング・オブ・ポップといわれるマイケル・ジャクソンのライブリハーサル映像をメインに、オーディションやプロモーションビデオの撮影風景、共演者等のインタビューを交えたドキュメンタリー映画です。
これまでの彼のプロモーションビデオも、豊富なアイディアとその時代の最新技術を駆使して作られており、音楽だけでなく映像としてもクオリティーの高い作品が多かったですが、この映画でも、彼のパフォーマンスの素晴らしさや、クリエイティブな感性が伝わります。人を楽しませることを徹底的に追求し、この地球を、人々を愛していたことがわかる作品になっています。(女性 40代)
もともとマイケル・ジャクソンのファンでもなんでもなかった自分が、彼の音楽に興味を抱くようになったのはこの作品がきっかけだ。
50歳の衰えを感じされないリハーサルでのステージパフォーマンスのカッコいいの一言に尽きる。凄い人という認識はあったが、視聴して、より具体的な彼の偉大さに触れることができた。
スキャンダルの犠牲になった人だったのだな、と感じられる彼の純粋さの鱗片を映像を通して伝わってきた。日本制作にありがちなお涙頂戴な演出がないのも良い。(男性 30代)
惜しくも故人となってしまったマイケル・ジャクソン。彼が行うはずだったコンサートのリハーサル映像をふんだんに観ることができる。リハーサルでは本番のように全力で歌ったり踊ったりはしないが、さらりと流しているからこそ「この人本当に上手いんだ」と分かる。実に軽やかで、なにより魅力的なのだ。もちろん完成したコンサートを観たかった。この先どんなことをしてくれていただろう、と思わずにはいられない。故人は完成したものしか世に出したくはなかったかもしれないが、残された者にとってはこれ以上は望めない贈り物だ。(男性 40代)
映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』 まとめ
マイケルはこの世に居ないが、この作品を通して垣間見えるのは、マイケルが仕事に対して私たちが思う以上に誠実であり続けた事である。
ライブの度に目新しい企画を繰り出し、時にはその行動ぶりからメディアの興味本心の目にさらされたマイケルだが、その本心にあったのは、いい仕事をし続けてこの世に送り続けたかったという事なのではないだろうか。
映画はあくまで、そんな彼の生前の仕事ぶりを評価していた人たちで構成されているので、安心して観る事が出来る。
何か人生に行き詰った時にはヒントになる要素が詰まっている映画ともいえるだろう。
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