この記事では、映画『推定無罪』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『推定無罪』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『推定無罪』の作品情報
上映時間:127分
ジャンル:サスペンス、ミステリー
監督:アラン・J・パクラ
キャスト:ハリソン・フォード、ボニー・ベデリア、ラウル・ジュリア、ジョン・スペンサー etc
映画『推定無罪』の登場人物(キャスト)
- ラスティー(ハリソン・フォード)
- 有能な主席検事補。職場の同僚であるキャロリンと不倫関係に陥り、のめり込んでいく。出世欲はなく、上司に忠義を尽くそうとする。
- バーバラ(ボニー・ベデリア)
- ラスティーの妻で、2人の間には息子が1人いる。ラスティーとキャロリンの不倫について知っており、深い孤独を味わっている。
- サンディー(ラウル・ジュリア)
- 敏腕の弁護士。ラスティーに弁護を頼まれる。ラスティーの無罪証明につながる証拠を集め、法廷で巧みな反対尋問を繰り広げる。
- キャロリン(グレタ・スカッキ)
- 美人検事補で、強盗事件を主に担当している。上昇志向が強く、キャリアアップにつながりそうな相手と関係を持つ。
- リップランザー(ジョン・スペンサー)
- ラスティーが信頼を置く刑事。ラスティーと共にキャロリンの殺人事件を捜査するが、途中で捜査から外されてしまう。
映画『推定無罪』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『推定無罪』のあらすじ【起】
検事局に出勤したラスティーは、地方検事からキャロリンがレイプの末に殺害されたと伝えられる。そして事件の担当を任される。ラスティーはリップランザーに担当刑事に指名する。ラスティーはキャロリンのパソコンを調べ、収賄事件のファイルが無くなっているのに気付く。ラスティーが事件を担当すると知ったバーバラは、死んでまでキャロリンに固執していると非難する。収賄事件のファイルは地方検事が持っており、ラスティーはそれを受け取る。事件は、5年前に賄賂を受け取って起訴を取り下げた検事補がいたというものだった。
リップランザーはラスティーに犯人の精子が死んでおり、犯人が不妊症の可能性があると説明する。更にリップランザーはキャロリンのアパートからラスティーの自宅に電話が掛けられている記録を見せる。そこでラスティーはキャロリンと不倫をしていたことを打ち明ける。ラスティーはキャロリンの元夫に会いに行き、若い頃の写真を見せられる。その後、ラスティーは犯行現場にあったグラスに残っていた犯人の指紋照合を急がせる。

映画『推定無罪』のあらすじ【承】
ラスティーは検死官に会い、避妊ゼリーにより精子が死んでいたと説明される。検死官はキャロリンが恋人との性交後に喧嘩になり、恋人に殺されたとの見立てをする。そして、殺人後に恋人がレイプに見せかけるために偽装したと主張する。ラスティーは地方検事にキャロリンと関係を持っていたかを尋ね、地方検事は素直に認める。自宅に戻ったラスティーは初めてキャロリンとの出会った日を思い出す。ラスティーはキャロリンの説得で一緒に幼児虐待の裁判を担当した。そして裁判で有罪を勝ち取り、2人は不倫するようになったのだ。
リップランザーは収賄事件にキャロリンが保護観察官として関わっていた資料を見つけるが、突如として殺人事件の担当から外される。検事局に戻ったラスティーはグラスの指紋がラスティーのものと一致したと告げられ、事件の容疑者にされる。ラスティーはキャロリンから地方検事の選挙に出馬するように勧められ、断った途端に捨てられたことを思い出す。ラスティーはサンディーに会って弁護を依頼する。ラスティーの血液型は犯人の精液とも一致し、ラスティーは逮捕される。
映画『推定無罪』のあらすじ【転】
ラスティーは自らの経験から検察側の主張を読む。キャロリンに捨てられたラスティーが復縁を迫ったのに断られ、キャロリンを殺したというものだ。サンディーは実際に不倫を示す証拠がないことを主張することにする。裁判ではラスティーの上司だった地方検事まで証言することになっていた。ラスティーは収賄事件のこともサンディーに説明する。裁判所の許可を得てラスティーはキャロリンの自宅に入り、そこでキャロリンの婦人科医の連絡先を見付ける。
裁判が始まるが、重要な証拠であるグラスが紛失していることが判明する。地方検事が証人台に座り、ラスティーが捜査を遅らせているようだったと証言する。サンディーは反対尋問で地方検事が当初ラスティーに事件に関連があるかもしれない収賄事件のファイルを隠していたことを問い詰める。ラスティーは息子に裁判について説明し、自分の身の潔白を証明するものだと言って聞かせる。リップランザーも証言台でラスティーとキャロリンの関係について聞いたことはないと言って、ラスティーを庇う。
映画『推定無罪』の結末・ラスト(ネタバレ)
検察は精液とラスティーの血液型が一致した証拠などを提示するが、肝心のグラスはまだ見つかっていなかった。リップランザーは収賄事件に関わった容疑者を見つけ出すが、殺人事件とは直接関係がないことが判明する。検死官が証言をし、死因などを説明する。サンディーはキャロリンが避妊手術を受けており、避妊ゼリーが必要なかったことを説明する。そして検死官が精子のサンプルを取り違えた可能性を指摘する。判事はサンディーを犯人と示す証拠がないとして、審理を終了させる。
フェリーに乗っていたラスティーはリップランザーに声を掛けられ、グラスを渡される。実はリップランザーがすっと保管していたのだ。ラスティーはグラスを海に投げ捨てる。ラスティーは家の柵を修理しようとして、工具に血が付いているに気付く。そこにバーバラが姿を見せる。バーバラは嫉妬に狂ってキャロリンを殺したことを自白する。ラスティーだけが気付くようにと願って数々の証拠を残したのだ。ラスティーは息子の母親を奪うことができないと思い、そのまま真相を闇に葬ることにする。
映画『推定無罪』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
同名小説を原作として傑作法廷サスペンス。声高に弁論を繰り広げるような派手な演出を一切排除し、静かに法廷シーンが展開されるため、知性を感じさせる。序盤は複雑な筋書きが展開されるが、実は不倫を巡る女の嫉妬といういたって単純な構図で犯人が明らかにされる。そうした意味で今作の本当の主役はキャロリンとバーバラの女性2人だ。物語が進行するにつれ2人の対照的な性格が浮き彫りになり、背筋が凍り付く思いがする。(MIHOシネマ編集部)
法廷物はなんだか難しい雰囲気がして苦手でしたが、今作はハリソン・フォードが主演ということで鑑賞してみました。正直、かなり淡々とした作品なので法廷バトルをイメージしていると静かな展開に驚くかもしれません。
しかし、その落ち着いた雰囲気が法廷の緊張感や張りつめた空気感を表現していて、こちらまで声を出さずに緊張しながら鑑賞してしまいました。
不倫をすることがそもそも悪いのですが、そこに絡む嫉妬や執念は精神的にダメージをくらう怖さがありました。(女性 30代)
ハリソン・フォード主演ということで期待していましたが、その期待を裏切らないサスペンスでした。物語が進むにつれて、主人公ラスティの苦悩や葛藤がリアルに描かれていて、観ているこちらも感情を揺さぶられます。終盤、真犯人が明らかになる瞬間の衝撃は今でも忘れられません。まさか自分の身近にいた人物が…という展開は王道ながらも見事。法律や正義の裏側にある人間の複雑さを描いた良作です。(30代 男性)
裁判シーンがとても印象的でした。正義とは何か、本当に信じられるものは何かを問いかけてくるような映画です。特に、ラスティが妻を守るために真相を隠すラストは胸が締め付けられるようでした。被告である彼自身の無実が証明されたにもかかわらず、正義が果たして貫かれたのか、深く考えさせられました。派手な演出はないけれど、静かにじわじわと迫る恐怖と真実が、この映画の魅力だと思います。(40代 女性)
ミステリー好きとしては、かなり見応えがありました。最初から最後まで誰が犯人なのか全く読めず、推理しながら楽しめました。ラスティの妻が真犯人だと分かったときは鳥肌が立ちました。夫婦間の関係や信頼がこうも複雑になり得るのかと考えさせられました。人間ドラマとしても非常に完成度が高いと思います。(20代 男性)
昔劇場で観て以来、久々に再鑑賞しましたが、今観ると当時とはまた違った印象を受けました。若い頃には見えなかった夫婦関係の微妙なズレや信頼の揺らぎが、年齢を重ねた今だからこそリアルに感じられました。結末の余韻が非常に重く、映画の中で「真実」が持つ意味について深く考えさせられる作品です。(50代 男性)
サスペンスものは苦手だったのですが、これはストーリーの運びが丁寧で最後まで観入ってしまいました。ラスティが徐々に追い詰められていく心理描写がリアルで共感できたし、最後のどんでん返しも納得感がありました。ラストシーンで彼が沈黙を選ぶあの一瞬に、多くの感情が詰まっていたように思います。(30代 女性)
途中までは正直「よくある法廷劇かな」と思っていたのですが、真相が見えてきてから一気に引き込まれました。個人的には、真犯人が奥さんだったという展開にゾッとしました。しかも彼女を守るために彼が全てを呑み込む…その選択は重く、深い愛なのか、それとも自己保身なのか、考えさせられました。(40代 男性)
終盤の展開には驚きましたが、それ以上に印象に残ったのは“語られない真実”の重みでした。法廷という舞台ではすべてを明かすことが正義とされていますが、この映画ではあえて語らないことで真実がより重くのしかかります。ラスティの選択には賛否あると思いますが、私はあれで良かったと感じます。(60代 女性)
学生のときに観た時は難しくてあまり理解できなかったけど、今観返してみたらすごく緻密な脚本で驚きました。主人公の苦悩も、夫婦の在り方も、大人になった今だからこそ深く刺さるものがあった。ラストで奥さんが犯人だと分かった時の静かな衝撃は、派手さがない分、心に残ります。(20代 女性)
映画『推定無罪』を見た人におすすめの映画5選
告発(原題:The Accused)
この映画を一言で表すと?
法廷の場で暴かれる「見えない暴力」と闘う、衝撃の社会派ドラマ。
どんな話?
若い女性がバーで集団暴行を受ける事件をきっかけに、検察官が加害者だけでなく観衆の責任を問うという難題に挑む。実話を基に、司法と倫理の狭間で揺れる正義をリアルに描き、観る者に問いかけてくる作品です。
ここがおすすめ!
ジョディ・フォスターがアカデミー主演女優賞を受賞した渾身の演技が光る一本。暴力の残酷さと司法の限界を描きつつも、決して希望を捨てない姿勢が心を打ちます。重いテーマながらも、真実と向き合う力をもらえる映画です。
ジャッジ 裁かれる判事(原題:The Judge)
この映画を一言で表すと?
父と息子の確執が法廷で交差する、家族と法のドラマ。
どんな話?
冷徹な弁護士が、故郷で判事を務める父親の殺人容疑を晴らすために弁護に乗り出すが、法廷で交わされるのは事件の真相だけでなく、親子の確執でもあった。感情の葛藤が裁判を通して浮き彫りになる濃密なドラマです。
ここがおすすめ!
ロバート・ダウニー・Jrとロバート・デュヴァルの名演がぶつかり合う感情の嵐。法廷劇としても秀逸ですが、何よりも「赦し」と「和解」を軸に描かれる家族の再生物語が胸に響きます。温かくも切ない余韻が残る傑作です。
フラクチャー(原題:Fracture)
この映画を一言で表すと?
緻密な知能犯vs若き検事の一騎打ち!
どんな話?
妻を撃った犯人が自ら出頭、証拠もあるはずだったが、裁判が始まると予想外の展開に。若き検事と老獪な容疑者との頭脳戦が繰り広げられる法廷サスペンス。真相に近づくほどに深まる謎が観る者を惹きつけます。
ここがおすすめ!
アンソニー・ホプキンスの知的で不気味な演技は圧巻。対するライアン・ゴズリングのフレッシュな存在感も光ります。緻密な脚本と駆け引きの応酬で、最後の一手が見えるまで目が離せません。どんでん返し好きに必見。
氷の微笑(原題:Basic Instinct)
この映画を一言で表すと?
欲望と知性が交錯する、大人の心理サスペンス。
どんな話?
作家の女性が恋人の殺人容疑で疑われ、捜査官との間に官能的で危険な駆け引きが展開する。セクシュアルな魅力と冷静な頭脳を武器に、真実を煙に巻くようなサスペンスが展開し、観客を翻弄します。
ここがおすすめ!
シャロン・ストーンの妖艶さが全編に漂い、彼女の演じるキャサリン・トラメルの不可解な魅力に引き込まれます。ストーリーも一筋縄ではいかず、観る者の思考を刺激する極上の心理サスペンスです。
チェンジリング(原題:Changeling)
この映画を一言で表すと?
失われた母子の絆と不正義に立ち向かう、魂を揺さぶる実話ドラマ。
どんな話?
息子を失った母が、戻ってきた「別人の息子」に疑念を抱き、真実を求めて警察と対峙する。1920年代のロサンゼルスを舞台に、腐敗した制度と戦いながら母としての信念を貫く女性の姿が描かれます。
ここがおすすめ!
アンジェリーナ・ジョリーの鬼気迫る演技に圧倒されます。実際の事件を基にしながら、サスペンスと人間ドラマの両面で深い感動を与えてくれます。「正しさ」を信じることの重さと尊さを強く感じられる作品です。
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