この記事では、映画『アウェイク』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『アウェイク』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『アウェイク』の作品情報
上映時間:85分
ジャンル:サスペンス
監督:ジョビー・ハロルド
キャスト:ヘイデン・クリステンセン、ジェシカ・アルバ、テレンス・ハワード、レナ・オリン etc
映画『アウェイク』の登場人物(キャスト)
- クレイトン・ベレスフォード・Jr(ヘイデン・クリステンセン)
- クレイ。大富豪の息子。子供の頃に父を亡くし、財産や事業を受け継ぐ。経営者としてもやり手で、日本企業との合併などで事業を拡大している。秘書のサマンサとは恋人同士の関係。心臓に疾患がありドナー待ちであるが、血液型が希少であるため適合者が見つかっていない。
- サマンサ・ロックウッド(ジェシカ・アルバ)
- サム。クレイの秘書であり恋人。婚約はしたものの、母親に頭が上がらず結婚に踏み切らないクレイに失望している。
- ジャック・ハーパー医師(テレンス・ハワード)
- クレイの友人であり主治医。最初の発作を担当して以来信頼されており、ドナーが見つかれば移植手術を執刀する予定。過去の医療過誤で訴訟を抱えている。釣りが趣味。
映画『アウェイク』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『アウェイク』のあらすじ【起】
術中覚醒――手術における全身麻酔で肉体は麻酔が効くものの、意識は覚醒している状態のこと。実際に医療現場で起きているという。
大富豪の子息クレイは秘書のサムと恋人同士で、幸せを満喫していた。2人は婚約をしているものの、クレイは母親に気兼ねをして報告できずにいた。彼は子供の頃から心臓が弱く、ドナーが見つかれば移植手術をする予定となっている。担当するのは親友であるジャック医師。クレイの母のリリスは、大統領の手術経験もあるナイヤー医師に執刀させたいと思っているが、クレイはジャックを指名していた。
クレイは亡き父が残した事業を受け継ぎ、合併などで事業を拡大しているやり手の実業家であった。父の記憶はあまりなく、クリスマスにサンタの恰好で死んだ姿しか覚えていなかった。
サムは秘書業務で彼の屋敷にも出入りできる立場にあり、リリスとも面識があった。しかし、彼がいつまで経っても母親の前ではよそよそしく振る舞うため、ある日、サムは耐えられずに泣きながら屋敷を飛び出してしまう。これ以上彼女を悲しませないため、彼はようやく結婚を決意。すぐにリリスに報告するが、若すぎるからと反対される。2人はジャックの立ち合いで、極秘の結婚式を挙げた。

映画『アウェイク』のあらすじ【承】
そんなある日、交通事故によるドナー適合者が現れ、クレイの緊急移植手術が決まる。母はナイヤー医師を病院に呼ぶが、クレイの意思は固く、正式にジャックの執刀が決定する。リリスとサムは待合室で手術を見守ることになった。手術チームはクレイも顔なじみのパットナム医師や看護師ペニー、そして一人だけ、誰も知らないラリーという医師が麻酔を担当することになった。
そして、手術開始。全身麻酔を注入して数秒で意識を失うはずだったが、クレイは術中覚醒の状態に陥り、全身は麻痺しているのに意識が残ってしまう。彼はメスが胸に入るという感覚に激しい苦痛を覚えるが、気を紛らわせるためサムや子供時代の思い出に集中することにした。
待合室では、リリスはサムの薬指の指輪を見て、2人が結婚したことを知る。サムが彼の薬を持ち歩いていると知り、リリスは息子が離れてしまったという心細さを感じるが、同時にサムの献身も知った。
移植手術は順調に進み、ジャックは麻酔医のラリーに休憩を取らせた。ラリーが手術室を出て行くと、ジャックはその手を止め、「刑務所はごめんだ」とパットナムとペニーに話し始めた。術中覚醒しているクレイは、何を言っているのか分からず動揺する。やがて、ジャックが新しい心臓に、ある薬を入れようとしていることを知った。
映画『アウェイク』のあらすじ【転】
手術台のクレイは目を開けろと自分に言い聞かせると、魂が抜け出してしまった。魂は過去に遡り、この手術が仕組まれたものであると知る。待合室にいたサムは、手術の経過を聞いてくると言って手術室に入り、計画通りに進んでいるのかとジャックに尋ねた。彼女もグルだったのだ。
クレイは、サムが看護師であり、ジャックと同じチームであったことを知る。ジャックはいくつもの医療過誤訴訟を抱え、借金まみれだったのだ。彼らの計画は、クレイが死んだ後、妻であるサムが1億ドルの財産を相続し、4人で山分けするというものであった。
サムの素性を疑っていた母が正しかったと、クレイはようやく真実に気付く。ジャックは気を取り直して手術を再開させ、サムは新しい心臓にある薬を注射した。その後、休憩していたラリーが戻り、何事もなかったかのように手術が続行された。待合室にいたリリスは、息子に何か異変が起きたことを感じる。
その後、薬の影響によって心臓が拒絶反応を起こす。ジャックは蘇生を試みるも、心臓は完全に止まってしまった。クレイの心臓が止まったことを知らされたリリスは、ジャックに手術を任せたことを後悔する。ただ、心臓は止まったものの、管を繋いだままの体はまだ生きている状態であった。
映画『アウェイク』の結末・ラスト(ネタバレ)
まだ生きている息子のため、彼女は自分の心臓を提供しようと、病院内で自殺を図り死亡した。死ぬ直前、彼女はナイヤー医師に連絡しており、彼のチームによってリリスの心臓をクレイに移植する手術が行われることになった。
その頃、クレイの魂は母の魂と話をしていた。母は待合室にいる間に、サムの正体に気付いていたのだ。「あなたは生きて」と息子を見つめる母。手術室では、ナイヤー医師によって移植手術が始まろうとしていた。
彼らの犯行が明らかとなり、パットナムとペニーは警察に捕まった。サムは全ての罪をジャックに押し付けて、悲劇の未亡人を演じるつもりでいたが、ジャックが彼女の指紋が付いた注射器を持っていたため、彼女は逃走するも逮捕される。
移植手術室では、心臓が一瞬止まりかける。クレイが母と一緒にいたいと弱気になっていたのだ。リリスは夫の死に関する真実を、クレイに語った。夫はDV男であったため、クリスマスの夜に凶器で殴り、転落死させたのだと言う。母の思いを知り、生きることを決意したクレイは、前を向いて歩き出した。すると、現実世界のクレイの心臓も安定する。手術が無事に終わり、母の心臓を受け継いだ彼は、再び目を開けた。
映画『アウェイク』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
術中覚醒を題材とした医療サスペンス。意識は覚醒しても体が麻痺した状態で、どうやって助かるのだろうと思ったら、なんと幽体離脱であった。ちょっとオカルトチックな要素が加わっているが、先が読めない意外な展開に、最後まで引き込まれた。
手術で心臓を取り出すシーンが結構強烈なので、内臓の映像がNGの人は要注意。ヘイデン・クリステンセンが術中覚醒でもがき苦しむシーンが凄まじく、絶叫が耳に残りそうだった。ジェシカ・アルバは従順な女性から悪女に豹変し、可愛いだけではなく憎らしい役を好演していた。(MIHOシネマ編集部)
こういった術中覚醒が実際の医療現場でも起こりうる現象だと知り、とても怖くなりました。しかし、今作で描かれていた本当の怖さは人間の闇。女って本当に怖いなと感じてしまいます。献身的な彼女を演じきり、結婚までこぎ着けたサムにすっかり騙されました。もしクレイが術中覚醒を起こしていなければサムの思惑通りだったのだと思うとゾッとします。
最終的に明かされた父の死の真実もまた、女の怖さを感じるものでした。身体にメスが入る感覚がわかってしまうなんて恐ろしすぎます。(女性 30代)
80分程と短い作品でしたが、話が2点3点と息つく暇がないため非常に楽しめました。彼女や親友が犯罪者だったことは物語としては王道といえます。この作品のオリジナリティは、手術中の主人公に意識がある点です。事実と思い出とのギャップは観ていて辛いものがありました。立場に甘えず結構勤勉な主人公でしたから…術後のことを考えても切ないですね。身体を切開される場面は、自分の観てきた作品の中でもトップ3に入る痛い演出でした(笑)(男性 20代)
「手術中に意識が残ったら」という恐怖だけでも十分スリラーなのに、そこに恋人と医師による陰謀が絡んできて驚愕。予告編では分からなかった深い人間ドラマとサスペンスが詰まっていた。クレイトンの心の声が現実と交差していく演出も巧妙で、終始引き込まれた。実は母親が…というラストも衝撃。(20代 男性)
麻酔中に意識だけが覚醒してしまう「術中覚醒」という恐怖をベースに、愛と裏切りを絡めた作品。彼女と信頼していた医師が裏で結託していたシーンはゾッとしたし、母親の愛があまりにも深くて泣けた。サスペンスとしての完成度も高いけれど、それ以上に人間ドラマとして観る価値があると思う。(30代 女性)
映画全体を通して「誰を信じるべきか」という問いが常に付きまとう。信頼していた人物が裏切り、思ってもみなかった人物が救いとなる展開は衝撃だった。主演のヘイデン・クリステンセンの演技も良く、無力さと怒りが滲み出ていてリアル。母親役のリナ・オリンの存在感もすごかった。(40代 男性)
息子を救うために自分の命を差し出す母親。母親という存在の深さ、強さを痛感した作品でした。手術台で横たわりながら、意識は鮮明で絶望の中にいるクレイトンの心情が切実すぎて、自分まで息苦しくなった。展開のテンポも良く、90分という時間に無駄がないのも良かったです。(50代 女性)
麻酔中に覚醒してしまうという現象をリアルに描いたことで、一種のホラーにも感じた。しかもそこにサスペンス、恋愛、家族愛が重なっているので、観る者の感情が終始かき乱される。医師や彼女の裏切りには怒りを覚えたし、母親のラストの行動は胸を打った。静かだけど重厚な映画。(30代 男性)
正直、予想以上に面白かった。サスペンスとしても完成度が高く、序盤と終盤で物語の印象がガラッと変わる構成が秀逸。視点の切り替えがうまく、主人公と観客が同じタイミングで真実に気づく演出も◎。心臓手術の緊迫感、母親の想い、そしてラストの希望。意外と感動系でもある。(20代 女性)
リアルな医療描写がまず怖かった。そしてその恐怖が真実の発見へとつながっていく構成が見事。恋人に裏切られるというシンプルなサスペンスではなく、母親の過去や決断に重きを置いた点が印象深かった。後半、母が臓器提供を申し出る場面には思わず涙…。無償の愛がテーマだったとは予想外。(40代 女性)
映画『アウェイク』を見た人におすすめの映画5選
THE GAME(1997)
この映画を一言で表すと?
現実と虚構の境界が崩れる、知的でスリリングな心理ゲーム!
どんな話?
裕福な銀行家ニコラスが誕生日に弟から贈られた「ゲーム」。しかしそのゲームは次第に彼の人生そのものを侵食し、何が本物で何が仕掛けなのかわからなくなっていく。衝撃のラストが待ち受ける、サスペンスの金字塔。
ここがおすすめ!
『アウェイク』と同様、観客を裏切る構成と緊張感の連続。信用していたものが崩れていく恐怖、騙し合いの心理戦が堪能できます。ラストの伏線回収も見事で、何度も見返したくなる作品です。
コンフェッション(2006)
この映画を一言で表すと?
たった一晩の対話で明らかになる、友情と裏切りの真実。
どんな話?
大学時代の親友同士だった二人が、バーで再会。その場で告げられる“ある告白”が、過去の事件を呼び起こし、静かな口論がやがて緊迫した駆け引きに発展していく…という会話劇形式のサスペンス。
ここがおすすめ!
舞台劇のような密室劇でありながら、緊張感は終始張り詰めています。『アウェイク』のように「信じていた相手の裏の顔」が徐々に明らかになる構成が秀逸です。
フラクチャー(2007)
この映画を一言で表すと?
完全犯罪に挑む若き検事と老獪な犯人の、頭脳バトルサスペンス!
どんな話?
自宅で妻を銃撃した男が、自ら犯行を認めながらも、法廷で完璧なロジックで無罪を主張。検察側は次第に追い込まれていき、事件の裏にある巧妙な計画に気づき始める。
ここがおすすめ!
法廷サスペンスとしても一級品。『アウェイク』のように「真実が見えた瞬間」のスリルとカタルシスが堪能できます。アンソニー・ホプキンスの存在感も圧巻。
ドクター・デスの遺産―BLACK FILE―(2020)
この映画を一言で表すと?
安楽死か殺人か…生と死の境界に挑む医療サスペンス!
どんな話?
「苦しまずに死なせてあげる」ことを信念とする謎の医師“ドクター・デス”を追う刑事たちが、彼の正体と動機に迫っていく。命の価値とは何かを問う、静かな衝撃作。
ここがおすすめ!
『アウェイク』同様に医療をテーマにしながら、モラルとサスペンスのせめぎ合いを描いています。どこまでが正義か、誰のための決断なのか…観た後に深く考えさせられる作品です。
グッドナイト・マミー(2014)
この映画を一言で表すと?
ママは本当にママなのか? 静かに狂気が忍び寄る、衝撃の心理スリラー。
どんな話?
整形手術後の包帯を巻いた母と、双子の兄弟。母の言動が以前と違うことに疑念を抱いた兄弟は、真相を探るうちに次第にエスカレートしていく。やがて明かされる残酷な事実とは…。
ここがおすすめ!
『アウェイク』のように、「信じていた人物が実は…」という展開が好きな方におすすめ。静かな映像美と衝撃的なラストが強烈なインパクトを残します。
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