映画『マーターズ』の概要:2009年に日本で公開された、フランスとカナダの合作スプラッター映画。「トールマン」や「MOTHER マザー」といった衝撃作を世に出し続ける、パスカル・ロジェ監督の出世作。
映画『マーターズ』 作品情報
- 製作年:2007年
- 上映時間:100分
- ジャンル:ホラー、サスペンス
- 監督:パスカル・ロジェ
- キャスト:モルジャーナ・アラウィ、ミレーヌ・ジャンパノイ、カトリーヌ・ベジャン、イザベル・シャス etc
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映画『マーターズ』 評価
- 点数:50点/100点
- オススメ度:★★☆☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★☆☆☆
[miho21]
映画『マーターズ』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『マーターズ』のあらすじを紹介します。
1971年、頭を丸刈りにされ全身傷だらけの少女が保護された。
彼女はリュシーといい、これまで監禁され、レイプ以外の拷問を受け続けていたようだったが、犯人は捕まらなかった。
リュシーは児童保護施設に入れられるが、ショックの影響で、心の中の「彼女」という存在に痛めつけられるようになる。
同じ養護施設の同年代の少女アンナは、リュシーの面倒を見るようになり、やがて2人は親友になる。
・・・15年後。
とある山荘で楽しげに朝食を取る4人家族を、悲劇が襲う。
ショットガンを手にしたリュシーが、一家を惨殺したのだ。
リュシーに呼び出されて山荘を訪れたアンナは、15年前に自分を監禁していた犯人はこの一家の夫婦で、復讐を果たしたと告げられる。
半信半疑のアンナだったが、親友を殺人犯にしたくないがために遺体を隠そうとする。
やがてリュシーの中の「彼女」が現れ、リュシーを自殺に追い込んでしまう。
残されたアンナが山荘の中を調べると、地下室に監禁され拷問を受けた女性を発見。
気が触れている彼女を助けようとするアンナだったが、そこに武装した集団と“マドモワゼル”と名乗る老女が現れ、リュシーの「彼女」や監禁、拷問の理由を語りだす。
そしてアンナは、次の“殉教者”になるべく捕らえられてしまう。
映画『マーターズ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『マーターズ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
想像を超えた残酷描写に要注意
拷問スプラッター映画「ホステル」以上の残酷描写と流血シーンの多さ、そしてあまりにも不条理なエンディングに、映画として公開された事自体が不思議に思えてくる作品。
若い女性ばかりを監禁、拷問して、マーター(殉教者)を作り出し、死ぬ間際に人間が見るものを知るという目的で動く“マドモワゼル”たちの気持ち悪さ。
拷問シーンの強烈過ぎる演出や残酷描写、監禁され拷問を受けたアンナの最期や、アンナが発見した気が触れた女性の血塗れの体、リュシーの中の「彼女」など、目を覆いたくなるような姿の女性や壮絶なシーンばかり。
苦手な場合は見ないほうがいいし、こういったジャンルが得意でも、覚悟を決めてから見た方がいいであろう作品だ。
ツッコミどころ満載のストーリー
序盤の幼少期のリュシーの逃亡シーンは、臨場感たっぷりで不気味な影が漂う、よく出来たシーン。
15年後のリュシーが犯人とその家族に復讐してから、ストーリーがツッコミどころだらけになる。
自分を監禁、拷問していた犯罪者の遺体を目の前にして、のんびりと寝泊りの準備を始めるのはおかしいだろう。
犯人にたどり着いた理由は新聞記事がきっかけで、リュシーの中の「彼女」は、15年前に自分と同じように捕まっていた女性を見捨てたトラウマが原因、という説明をするのは他の場所でもいいだろう。
それよりもリュシーが罪を犯したとはいえ、犯罪者を見つけたのだから早く警察に通報すべきだ。
リュシーが自殺した(「彼女」によって殺害された)後も、早く救急車を呼んで欲しい。
地下室で監禁され拷問を受けた女性を見つけた時こそ、救急車と警察を呼ぶべきなのに、なぜ世話をしようとしてしまうのか、意味がわからない。
殉教者になったアンナが“マドモアゼル”に何かを告げた後、それを仲間たちに発表するはずの“マドモアゼル”が自殺するラストシーンと「疑いなさい」という台詞は、殉教者たちの復讐にも思えるがスッキリしない。
アンナが最期に言った言葉をわざと聞こえないようにした演出は、想像力をかき立てるものになっている。
映画『マーターズ』 まとめ
見る人を選ぶ内容であり、好き嫌いが完全に分かれる作品でもある。
残酷描写や流血シーンの多さと、あまりにも残忍過ぎる場面の数々から、食事中や心臓が悪い方、スプラッター映画が苦手な方たちには見ないことをオススメしたい作品。
「マーターズ(Martyrs)」は“殉教者”、“犠牲者”という意味で、古代ギリシャ語では“証人”を意味する言葉。
本作では金持ちが道楽のような目的で、人為的に殉教者を作ろうとするため、同じように拷問を目的とした「ホステル」の秘密クラブと比べても、不条理さや嫌悪感が漂う作品。
救いが全く無い内容で、殉教者候補として捕まった女性は全員死亡し、“マドモアゼル”も理由がわからないまま自殺という後味が悪い作品。
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