世界一の本の祭典、ニューヨーク・アート・ブックフェア。数多くの貴重な一冊、これから世に羽ばたこうとしちる新たな一冊が集っている。その場に集まるのは、本を愛する人々ばかり。そんなイベントを裏側から映した、ドキュメンタリー作品。
映画『ブックセラーズ』の作品情報
- タイトル
- ブックセラーズ
- 原題
- The Booksellers
- 製作年
- 2019年
- 日本公開日
- 2021年4月23日(金)
- 上映時間
- 99分
- ジャンル
- ドキュメンタリー
- 監督
- D・W・ヤング
- 脚本
- 不明
- 製作
- ジュディス・ミズラ
キーダン・ウェクスラー
D・W・ヤング - 製作総指揮
- パーカー・ポージー
- キャスト
- デイブ・バーグマン
アディナ・コーエン
ナオミ・ハンブル - 製作国
- アメリカ
- 配給
- ムヴィオラ、ミモザフィルムズ
映画『ブックセラーズ』の作品概要
一年に一回訪れる本の祭典。それが、ニューヨーク・アート・ブックフェア。数多くの新作、そして、由緒正しい古書が集う場所。そこには、目当ての本を求めて多くの人々が集う。そんなイベントの裏側から、本がどのように売り買いされ、そして、本がどのように人々から愛されているかを描いた作品。まさに、読書好きにとっては至福とも呼べる作品。本作のキャッチコピーは、『本のない人生なんて』。人の生活の一部になっている本。本作を見終わったあと、あなたは必ず本が読みたくなる。
映画『ブックセラーズ』の予告動画
映画『ブックセラーズ』の登場人物(キャスト)
- フラン・レボウィッツ
- 辛口で有名な映画評論家。その辛口かつユーモアなワードチョイスで、本作のガイド役を務める。
- ゲイ・タリーズ
- 『汝の父を敬え』や『覗くモーテル 観察日誌』などで知られる作家。元々は、ニューヨーク・タイムズの記者として働いていた。
映画『ブックセラーズ』のあらすじ(ネタバレなし)
この世には、非常に多くの本を愛する人がいる。そんな人達が首を長くして待っているイベント、それがニューヨーク・アート・ブックフェア。ニューヨークで開催されている本イベントだが、その規模はニューヨーク内だけに留まらない。世界中から人々が集う、世界最大規模のイベント、それがこのブックフェアなのだ。このイベントに関わる様々な本を愛する人達を本作ではクローズアップしている。また、様々な希少な本も登場。ビルゲイツが落札したレオナルド・ダ・ヴィンチの手稿や『不思議の国のアリス』など、世界の宝と言っても過言ではない物ばかり。まさに、本好きにとってはたまらない一作。
映画『ブックセラーズ』の感想・評価
本の上にグラスを置いたら死刑
本作には、作家、バイヤー、編集者、店員など、様々な登場人物がいる。しかし、その誰もが本作における主人公ではない。本作のメインは人でなく、そんな人々の心を掴んで離さない本達なのだ。多くの人の、本を愛する気持ちで構成されている本作。作中では、そんな本を愛する人の心の叫びが存分に描かれている。その中でも特徴的だったのが、『本の上にグラスを置いたら死刑』という言葉。非常に過激な一言ではあるが、いかにその人が本を大切に思っているかが伝わってくる文章。まさに、本作を一言で表すに相応しい一文でないだろうか。愛する物のために、思わず過激な言動も取ってしまう。あなたにもそんな経験ないだろうか。
変わりゆく時代
小さい頃から、人は本に触れてきた。親が読み聞かせしてくれた絵本、読書感想文で読んだ本、代々読み継がれている童話集。漫画本も、立派な本の一つだ。しかし、近年本業界は大きく変わろうとしている。電子書籍の台頭に、紙文化の衰退。本という形は、大きく変化しようとしているのだ。作中でも、本業界の行く末について語るシーンがある。本業界も、この現状を悲嘆しているに違いない。実際、そうなっている専門家もいる。しかし、本作に登場するスペシャリストは、全くそんな状況を意に介していない。次から次へとアイディアが溢れてきて、心配している暇もないというのだ。そんな輝かしい表情を見ていると、こちらも思わず明るい気持ちになってくる。変わりゆく時代の中にも、変わらないものは確かにあることを教えてくれる一作。
ニューヨーク・アート・ブックフェア
本作では、『ニューヨーク・アート・ブックフェア』を主軸として、様々な本を愛する人達が登場する。この、『ニューヨーク・アート・ブックフェア』、耳にしたことがあるだろうか。実はこのブックフェア、本好きにとってはまさに聖地とも呼ぶべきイベントなのである。一年に一回行われるこのブックフェアには、全国各地から様々な本が集結する。そして、本マニア達は、実際にこの場に足を運び、一つずつ自分の目で吟味し、最適な一冊との出会いを夢に見ながら本の海に飛び込むのだ。まさに、本好きにとっては堪らない、本好きによる本好きのためのイベント。ニューヨークで開催されているため中々足を運びづらいかもしれないが、本好きであれば一度は参加したいところ。
映画『ブックセラーズ』の公開前に見ておきたい映画
舟を編む
本を書く人、編集する人、表紙をデザインする人。最新作のように、本を売買する人、コレクションする人。本を取り巻く環境には、様々な人が関わっている。本作に登場する本に携わる人は、辞書編集者。幼い頃から身近にある辞書。だが、その辞書がどのように出来上がるかを知っているだろうか。元々営業部に所属していた馬締光也だが、馬締は人とのコミュニケーションを得意とはしていなかった。彼はあまりに真面目で、物事を額面通りにしか捉えられなかったのだ。しかし、そんな彼の才能を見抜き、とある人物が彼を引き抜いた。それは、辞書編集部のベテラン編集者、荒木だった。立場は違えど、本を愛する気持ちは変わらない。
詳細 舟を編む
ビブリア古書堂の事件手帖
栞子は、小さな古本店の店主。非常に美しく寡黙な彼女は、極度の人見知りで他者とのコミュニケーションを不得意としていた。しかし、そんな彼女の古書に関する知識は本物。そして、彼女はその知識を基に、客が持ち込む古書に関する謎を解いていくことになるのだった。実は、本作に登場する書籍は全て実在するもの。本作を見て、その本に興味を持った視聴者が購入したことで、なんと、絶版になっていた本が復刊されるなどの動きを呼んだ。一つのサスペンス作品としても良質だが、本好きにとってはたまらないマニア的作品でもある。
詳細 ビブリア古書堂の事件手帖
ふしぎの国のアリス
誰もが知る、ディズニーが手がけたアニメーション作品。元々は、ルイス・キャロルが手がけた児童文学小説である本作は、長いときを経て現在でも人々の間で愛されている。そんな本作のオリジナル原稿が、最新作では登場する。世界で唯一のオリジナル原稿。まさに、ファンにとってはたまらない。少女アリスは、姉と穏やかな日々を送っていた。しかし、退屈を覚えていたその時、チョッキを着ているウサギが時計を持って走っていく姿を見かけたのだった。興味を覚えたアリスはそのウサギの後を追いかけた。すると、アリスは大きな穴に落ちてしまい、知らない場所に辿り着いてしまったのだ。その場所とは、あらゆる不思議な生き物達が暮らす、『不思議の国』だった。
詳細 ふしぎの国のアリス
映画『ブックセラーズ』の評判・口コミ・レビュー
『ブックセラーズ』感想
とても良いドキュメンタリーだった。希少本を集める人たちの偏愛と熱狂に溺れるのは楽しい。「ツイードのジャケットを着た年配の白人男性」という、古書収集家のステレオタイプに沿わない多様な人々が、今なお業界を盛り上げてるのだと知れたことも嬉しかった。 pic.twitter.com/kb3xK307Wv
— たぬき (@tada11110) April 24, 2021
「#ブックセラーズ」
本好き達のドキュメンタリー。そんじょそこらの本では無くて、希少本マニア達が続々と登場。もう古さも金額も半端無い!昔の本は金を使ったり、マンモスの毛がはさまってたりとユニークだな~。表紙は捨ててはいけないということは金額が証明している。本好きここに極まれり! pic.twitter.com/48YhynsffB— まさし(小僧) (@iiduka_masasi) April 24, 2021
RT 『ブックセラーズ』アメリカ滞在時に観たけどとても良かった。
インターネットの影響で激減した書店だけどやっぱり本がギッシリ詰まった本棚の間を実際に本を手に取ってじっくり見ながら歩き回る…というのが良いんだよなあ。
とてもとても古書店巡りが恋しくなった。— V山 (@VeeeYaMa) February 24, 2021
映画『ブックセラーズ』のまとめ
あなたの周りにもないだろうか。個人経営の小さな書店、マニアックな本を取り揃えた古書店。それらの店に並ぶ本達がどのような経緯で書店に集まったのか、疑問に思ったことはないだろうか。そういった店には、実はお宝が隠されているのだ。店主が実際に足を運び、自分の目で確かめ、そして、お眼鏡に叶った作品が、本の山の中に紛れ込んでいる。その中から、客は自分のお目当ての作品を探し出す。それは、大型図書館ではできない楽しみ方なのかもしれない。人がいかに本を愛しているか。それを教えてくれる一作。
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