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映画『眠れぬ夜のカルテ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『眠れぬ夜のカルテ』の概要:妄想性障害を抱え、多くの医師が匙を投げられてしまった女性。催眠療法で有名な精神科医がカウンセリングを始めたところ、患者が過去に抱えたトラウマと共にある真実が見えてくる過程を描いたサスペンス。

映画『眠れぬ夜のカルテ』の作品情報

眠れぬ夜のカルテ

製作年:2014年
上映時間:101分
ジャンル:SF、ヒューマンドラマ、サスペンス
監督:レスト・チェン
キャスト:シュー・ジェン、カレン・モク etc

映画『眠れぬ夜のカルテ』の登場人物(キャスト)

ニウ・シャオイエン(カレン・モク)
妄想性障害を抱えているため、多くの精神科医に診てもらいながらも解決の糸口が見いだせずにいた女性。ファン教授の推薦でルイニンのカウンセリングを受けることとなる。
シゥ・ルイニン(シュー・ジェン)
手段を厭わず多くの患者を催眠療法で救ってきた優秀な精神科医。ファン教授の頼みで、多くの医師が匙を投げてきた女性患者・ニンと向き合うようになり不思議な体験をする。

映画『眠れぬ夜のカルテ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『眠れぬ夜のカルテ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『眠れぬ夜のカルテ』のあらすじ【起】

閉め切られた建物に逃げ込んだ一組の母娘は、一人の若い女性から逃げ続けていた。一室に逃げ込んだ母娘は新聞を眺めるルイニンと出会う。ルイニンが人身売買の記事について話し始めると、母親は顔色を変えた。実は、追っていた女性は過去の母親の姿であり、人身売買により手放した娘への罪悪感から悪夢に襲われていたのである。これはルイニンによる催眠療法の一環であった。

これまでの治療の実績を報告するルイニン。ある人は「手段を択ばない」というルイニンの治療方法を非道だと否定するが、日常に溢れた心理の錯覚を利用し覚醒療法で多くの患者を救ってきたルイニンは自信を持っていた。

ルイニンの公演を眺めていたファン教授は、ある依頼をするために声をかけた。6歳から養護施設で育ったニン・シャウヤンという女性を看て欲しいというのだ。霊視や妄想性障害を抱えたニンは何人もの医師に匙を投げられてきていた。気が乗らないまま話を受けることにしたルイニンは、ファン教授と一緒に車に乗り込むも、何かを思い返したように「歩いて店まで向かおう」と提案するのだった。

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映画『眠れぬ夜のカルテ』のあらすじ【承】

患者・ニンは、以前に香港のシェンという女医の中絶歴を言い当てるなど不思議な証言を続けていたと知る。ルイニンがニンと初めて会った夜、クリニックの上階では工事が夜遅くまで行われていた。気分を害していたルイニンだが、初めて会ったニンの不思議な空気感に興味を抱き、診察を始めるのだった。

ニンは就寝時にビー玉が転がる音を聞いたと話し始める。転がり落ちたような音が気になり、ベッドの下を覗くとそこには祖母の顔が見えた。驚いて部屋を飛び出したところ、居間に家族が集まっていた。祖母が脳梗塞で突然倒れ亡くなったというのだ。

家族は祖母の遺したものを確認したいが、通帳や謄本をどこにしまっているのか誰も知らなかった。ニンは祖母の遺影の目線の先にある通気口がベッドの下であると気づく。ニンの予感は当たり、人が入ることのできない細い隙間に全て隠されていた。それ以外にもニンの奇妙な体験は続き、里親に勧められ精神科を受診するようになったという。

映画『眠れぬ夜のカルテ』のあらすじ【転】

ニンの奇妙な体験は他にも印象的なものがあった。ある夜、乗っていたバスが突然止まってしまい仕方なく降りたニンは一人の少女を見かけたと言う。その少女はいつの間にかバスの中に居て、ニンに何か訴えかけていた。帰り道にその少女の捜索願を見つけたニンは、翌日バスの運転手により少女が殺害されていたことを新聞の記事で知るのだった。

ニンが幼い時に実親に置き去られたとき見たという、赤い花びらと綿毛の話が気にかかったルイニン。モーという知人にある資料を頼み、ニンは2組の里親の元を渡っていたことが発覚した。実親が存在しないという事実にショックを隠せないニン。

慌てふためくニンに畳みかけるようにルイニンは、恋人について聞こうとした。カウンセリングを始めてから数十分の間に中指を何度も触るニンの仕草から、普段は指輪をしているとルイニンは予測したのである。

ニンは8年前に恋人を交通事故で失っていた。未だに恋人の死を受け入れられないニンが、霊が見えると信じ込んでいるのではないかとルイニンは診断するのだった。

映画『眠れぬ夜のカルテ』の結末・ラスト(ネタバレ)

ニンは診断を覆すように、ルイニンに憑いている2人の霊について語り出した。ルイニンは水が苦手なことや、実は自傷癖があり腕に大きな傷があることを指摘する。ある一件の交通事故についてニンが話し出した矢先、ルイニンは過去へと引き戻された。

バーで飲み明かしたルイニンは、恋人と友人を乗せた車で事故を起こしてしまった。海に車ごと落下し、自分だけ命が助かってしまったルイニンは後悔の念に苛まれ続けていたのだ。そのことをニンに言い当てられたルイニンは、治療から解き放たれた後に倒れてしまう。

実は治療を受けていたのはルイニンの方であった。全てはファン教授の思惑通りである。精神科医として優秀すぎるルイニンの治療は捗らず何人もの医師が匙を投げてきた中、ニンに白羽の矢が立ったのだ。ニンの治療により心の傷を自覚したルイニンだが、「許されるべきではなかった」とまだ自分を責めていた。ニンは優しく声をかけ、二人は少しだけ前を見つめるのだった。

映画『眠れぬ夜のカルテ』の感想・評価・レビュー

インパクトのある演出で物語は動き出し、後半の畳みかけの後真実は全て明かされる。夢オチにも近い物語の結末は、大きく好みが分かれそうだが過程に散らばった伏線の回収にハマれば合点の良く一作である。催眠療法という患者との接点を軸に、信じがたい会話のキャッチボールが繰り広げられるが、どこに行き着くか予想できないやり取りは見応えがあった。シチュエーションも無理のない設定でライトにハラハラとできる時間であった。(MIHOシネマ編集部)

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