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映画『戦艦バウンティ号の叛乱』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『戦艦バウンティ号の叛乱』の概要:奴隷用の食料を調達するため、2年の航海に出た戦艦バウンティ号。船長のブライによる独裁的で不条理な統治に不満を募らせた将校クリスチャンは、船員と共に大罪である叛乱を企てる。

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映画『戦艦バウンティ号の叛乱』の作品情報

戦艦バウンティ号の叛乱

製作年:1935年
上映時間:132分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:フランク・ロイド
キャスト:チャールズ・ロートン、クラーク・ゲイブル、フランチョット・トーン、ハーバート・マンディン etc

映画『戦艦バウンティ号の叛乱』の登場人物(キャスト)

クリスチャン(クラーク・ゲーブル)
イギリス海軍中尉。強制調兵隊も率いている。戦艦バウンティ号船長・ブライの知人であり、ロジャーをはじめとする少尉候補生へ航海術を教えるために乗船した。ロジャーへ船乗りのまとめ役と帆の見張りを頼み、共に生活する中で友人のように親しい間柄になる。船員を奴隷のように扱うブライの独裁的な統治が我慢ならず、航海の帰路で叛乱を決行する。タヒチの首領ヒティヒティの孫娘と惹かれ合い結婚、子供を設ける。
ロジャー・バイアム(フランチョット・トーン)
少尉候補生。7代続く船乗りの家系に生まれた青年で、「海の経験に勝るものはない」という父の教えを胸にバウンティ号へ乗船した。ヒティヒティからいたく気に入られ、息子としてタヒチに残らないかと相談されるもイギリスへ戻ることを決めた。クリスチャンの行動は賞賛しているが、叛乱自体には否定的である。
ブライ(チャールズ・ロートン)
戦艦バウンティ号の船長。不満を漏らしただけの船員に鞭を打ち、挙句相手が死んでいるにも関わらず容赦なく鞭を振るわせる冷血な男。自分の分の水や食事は多く用意させ、船員へは僅かな馬肉しか与えなかったり、自分に都合の良いように事実を捻じ曲げたりする小狡さを持つ。クリスチャンによってバウンティ号を降ろされるが、執念で生き延びる。
エリソン / トミー(エディ・クィラン)
新婚で、子供が生まれたばかりの若い男。酒場で徴兵された際に任期が2年と聞いた妻メリーは、赤ん坊がいるから夫を連れて行かないでと懇願したが無駄に終わった。出航間近のバウンティ号船中では、2年も耐えられないと弱音を吐き船を沈めようとした。
バッカス(ダドリー・ディッグス)
バウンティ号の船医。常に酔っぱらっているが、士官からも船員からも愛されている。片足に義足をつけており、ジャマイカ沖でフランス軍と戦った際に足を失ったとも、トリニダード沖で海賊にやられて足を無くしたとも吹聴する。長い航海の内に病気が悪化し床に臥せっていたが、ブライに呼び付けられ無理をして甲板へ上がった際に息を引き取った。

映画『戦艦バウンティ号の叛乱』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『戦艦バウンティ号の叛乱』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『戦艦バウンティ号の叛乱』のあらすじ【起】

1787年12月。ポーツマス港へ停泊する英国戦艦バウンティ号は、奴隷の食料用にパンの木を入手し西インド諸島へ輸送する任務を担っていた。しかし、叛乱が起きたためにパンの木を載せたバウンティ号が西インド諸島へ到着することはなかった。この叛乱により船乗りへ新たな規律が与えられ、英国の海軍力は揺るぎないものとなった。

霧が立ち込めるポーツマスのとある酒場へ、クリスチャン中尉率いる強制調兵隊が現れた。彼らはバウンティ号に乗る6人の船乗りを徴収すると、問答無用で2年間の航海を言い渡した。

バイアム卿の妻は、バウンティ号に乗船する息子・ロジャーとの別れを惜しんでいた。母の不安と心配をよそに、タヒチ語辞典を作る命を受けたロジャーは「提督になって帰ります」と胸を張った。

港は見送りに来た大勢の人で溢れ返っていた。船内のクリスチャンはロジャーへ、彼と同じく少尉候補生であるスチュアートとヘイワードを紹介していた。船員達は遂に現れたブライ船長を出迎えたが、彼は開口一番懲罰係のモリソンへ鞭打ちの準備をさせ、反逆の罪に問われた男に鞭を振るうよう命じた。張り付けにされた男は既に死んでいたが、ブライは構わず死体に鞭を打った。それを見たロジャーはあまりのむごさに失神した。

多くの船員を乗せたバウンティ号は、ホーン岬を越えてアフリカ、南太平洋を経由しタヒチを目指す2万7000マイルの旅に出発した。クリスチャンは、2年間付き合うのだから船員にあまり厳しくしない方が良いとブライへ進言した。ブライは「恐怖という法でこそ規律が守られる」と言い相手にしなかったが、クリスチャンは「元囚人でも英国人だ。船を動かすのは彼らだ」と尚も船員を庇った。

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映画『戦艦バウンティ号の叛乱』のあらすじ【承】

大時化を乗り越えたバウンティ号の甲板では、ブライが航海の無事を神に祈っていた。そして元囚人であるバーキットと、エリソン、マスブラットを呼び付けると、学ぶ姿勢がないと言い全員の前で叱咤した。三人は10日間食事を半減させられた上に鞭で打たれ、過酷な条件で重労働を強いられる船員の中からは死者も出はじめた。ブライは餓死寸前の者にも「歩けるなら働ける」と言い強制労働させ、バッカスの診断も無視した。

ブライは、チーズの量が大幅に減っていることに気付き「盗んだ者がいる」と騒ぎ立てた。しかし、船員の一人が名乗りを上げ、彼は出航前にマグズから命令を受けチーズをブライの家へ運んだと証言した。ブライは男を嘘つき呼ばわりして縛り上げたが、クリスチャンは堪らず「言うなれば不正です。命令を受けたマグズが出航前にチーズを降ろしたのは事実、命令に従ったのに懲罰を受けるのはおかしい」と意見した。ブライはクリスチャンを黙らせると、士官らへ「全員でわたしに逆らう気だな」と怒鳴った。

タヒチの大陸が見え上陸目前という頃、ブライはクリスチャンを呼び付けて書類へのサインを命じた。ところが書類上の物資の数と実際に届いた数は、ブライが自分の食事を多く作らせていたため数が合わず、クリスチャンは船員を飢えさせている彼へ強く抗議した。ブライは、わざわざ船員の前へクリスチャンを呼び出し「軍法会議にかける」と脅した。

映画『戦艦バウンティ号の叛乱』のあらすじ【転】

タヒチに上陸したバウンティ号は、現地住民からの熱烈な歓迎を受けた。クック船長の友人で島の首領のヒティヒティを船へ招いたブライは、船が滞在する間辞書を作るロジャーを家に住まわせると言う彼に「特別扱いはできない」と言ったが、「あんたは船の船長、私は島の首領だ」と意見を一蹴された。

ヒティヒティの家族と過ごすロジャーの元へ、バウンティ号から降りたクリスチャンが訪れた。ヒティヒティは、ブライによって上陸を禁止されたクリスチャンをロジャーに会わせるため口添えしてくれたのだった。クリスチャンはヒティヒティの美しい孫娘に目を奪われ、言葉は通じないが心を通わせた。

数か月の滞在を終え、バウンティ号は西インド諸島へ向け出港しようとしていた。しかし、パンの木を健康な状態で運ぶには積載上限以上の水が必要と分かり、ブライは船員の水を減らすと決めた。

タヒチを経ったバウンティ号にて、ブライは床に臥せっていたバッカスを呼び付けた。病気が進み今朝輸血をしたばかりのバッカスを庇うため、士官も船員も「彼は動けない」と説明したが、そんな彼らが鞭打たれるのを防ぐため、バッカスは無理に起きてきた。彼は甲板にいるブライの前で絶命し、クリスチャンは涙ながらに「全員が目撃者だ、あんたが殺した!」と声を荒げた。士官の一人は「彼の死でもこの船は改善されないだろう」と嘆いた。

1792年、9月15日。クリスチャンはブライへの叛乱を決意した。カンバーランドにいる両親への伝言をロジャーへ頼んだ彼は、ブライへの不満を募らせる船員を招集すると、武器を取らせ船を乗っ取った。クリスチャンはブライを痛めつけて殺そうとする船員達をなだめ、食料と磁石だけを載せた小舟にブライとその支持者達を追いやった。バウンティ号に残った者の内5人は叛乱に反対しており、ロジャーもその一人だった。

映画『戦艦バウンティ号の叛乱』の結末・ラスト(ネタバレ)

クリスチャンに追い出されたブライは、一番近い港であるティモールを目指して小舟を進ませた。衰弱する彼らは3600マイル進んだところで大陸に辿り着き、イギリスへ戻った。

バウンティ号を乗っ取ったクリスチャンは、タヒチへと戻りヒティヒティの孫娘と結婚した。子供を設けたクリスチャンを見たエリソンは、イギリスにいる自分の家族に想いを馳せた。

島での生活を満喫していた船員達だったが、ある時一隻の英国船が現れた。クリスチャンは、荷物をまとめて家族と共にバウンティ号で逃げよう呼び掛けたが、エリソンとロジャーをはじめ叛乱に反対していた者達はやって来た英国船で帰ると言って別れた。

英国船にはブライが乗っていた。彼は、島に残った者への罪は問わないとしながらもロジャーらを拘束し、クリスチャンの追跡を開始した。ブライが指揮する戦艦パンドラ号は、岩礁だらけの海域でも進路を変えようとせず遂に座礁し、パンドラを捨てた彼らは小舟でイギリスへ戻った。帰国するやいなや、叛乱に関する裁判が始まった。

バウンティ号の叛乱について、裁判所へ出頭したロジャーやエリソンらを前にしたブライは、叛乱の動機が思いつかないとシラを切った。叛乱の首謀者の一人として絞首刑が決まったロジャーは、覚悟を決めてブライによる独裁的な統治と食料の独占、懲罰の域を超えた鞭打ちを暴露し、彼の醜い欲と暴虐さで船員の反抗心を生んだと主張した。さらに、船乗り達全員の気持ちを代弁していると言うロジャーは「奴隷でなく英国人として誇り高く仕事をしたいと思っている。英国戦艦を指揮し見事な航海ができるのに、なぜ船乗りの気持ちを分かってやれないのだ」と海軍の在り方を批判した。

一方、ピトカーン島に辿り着いたクリスチャンらは、帰還の道を完全に断つためバウンティ号を燃やし、前人未踏の島へ永住することを決めていた。

ロジャーの決死の訴えを受け、海軍の環境は改善された。労働環境改善へ貢献した彼は海軍の将来を担い釈放され、士官として再び航海へ出た。

映画『戦艦バウンティ号の叛乱』の感想・評価・レビュー

実際にあったイギリス軍艦バウンティ号での叛乱を元にした物語。

ブライ船長の横暴さにはクリスチャン同様辟易した。彼にどんな報復が待ち受けているのかと期待したが、小舟での決死の航海はあれど最後までのうのうと生きていた。嫌な奴に限って長生きである。

バッカスが亡くなる場面は非常に心苦しかった。ブライには本当に人の心が無いと確信したのも同様の場面である。終盤、裁判の場面でロジャーがクリスチャンの正当性を弁護してくれたのは気持ちが良かった。(MIHOシネマ編集部)

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