映画『侵入する男』の概要:デニス・クエイドの鬼気迫る演技が光るスリラー映画。新婚夫婦は郊外の一軒家を購入するが、敷地内に度々侵入する売り主の男に悩まされる。はっきり嫌と言えずにいると、男の干渉は次第にエスカレートしていった。
映画『侵入する男』の作品情報
上映時間:102分
ジャンル:サスペンス
監督:デオン・テイラー
キャスト:マイケル・イーリー、ジョセフ・シコラ、ミーガン・グッド、アルヴィナ・オーガスト etc
映画『侵入する男』の登場人物(キャスト)
- スコット・ハワード(マイケル・イーリー)
- アニーの夫。広告ディレクター。妻と将来の子供のため、職場から車で1時間半離れた郊外の一軒家を購入する。購入後も勝手に敷地に入る売り主、チャーリーを迷惑がり毛嫌いする。
- アニー・ハワード(ミーガン・グッド)
- スコットの妻。妻をガンで亡くしたと言うチャーリーに同情し、勝手に敷地に入っても冷たくあしらえない。料理が得意で、感謝祭の日にチャーリーを食事に招く。
- チャーリー・ペック(デニス・クエイド)
- 高祖父が1905年に建てた豪邸をハワード夫妻に売却する。家への執着心が異常に強く、売却後も敷地に入っては勝手に庭の手入れをするなど、過剰な干渉をする。
映画『侵入する男』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『侵入する男』のあらすじ【起】
サンフランシスコの広告代理店で働くスコットは、妻のアニーと将来の子供のため、一軒家の購入を検討していた。ある物件の見学のため、郊外のナパ・バレーへ。自然保護区に隣接する蔦の絡んだ屋敷を見て、アニーは一目で気に入った。すると突然、背後で銃声が鳴る。野性の鹿を駆除していた、屋敷の売り主のチャーリーだった。
チャーリーは驚かせたことを詫びながら、高祖父が1905年に建てたという屋敷を案内する。ひと部屋ごとに、癌で亡くなった妻との思い出を語るチャーリー。売却後は娘を頼ってフロリダに行くと言う。スコットは購入を見送ろうとしたためチャーリーは値引きを申し出て、家具込みの330万ドルで売買が成立する。
引っ越しの日。チャーリーは家中の鍵をアニーに渡して去り、屋敷は正式に夫婦の物となった。後日、スコットの同僚のマイクと恋人のレイチェルが訪問する。マイクは庭で立ち小便をし、吸殻をポイ捨てした。翌朝、彼の愛車のシートに煙草の焦げ跡が残されていた。
映画『侵入する男』のあらすじ【承】
ある日、チャーリーは勝手に敷地に入り芝刈りをしていた。アニーは動揺しながら対応する。今はホテル住まいだと言うチャーリー。アニーは彼を気の毒に思い、感謝祭の食事会に招待した。
感謝祭の日、チャーリーは手作りパイを持って現れた。リフォームされた内装に感心するが、思い入れのあるタペストリーが撤去されているのを見て、苦痛で顔を歪める。夕食にはマイクとレイチェルも訪問。和やかな食事中、マイクとチャーリーは家の話題で意見が対立する。マイクが庭で一服中も、チャーリーは執拗に絡んだ。マイクは彫刻に煙草の火を押し付けて、その場を離れるのだった。
チャーリーが帰った後、マイクはチャーリーが森に潜伏していると予想する。それを確かめるため森に入ったマイクとスコットは、森を抜けた先で不審車を目撃する。それを機に、スコットは監視カメラを取り付けることにした。工事中にチャーリーが現れ、「俺に家で何をしている!」と怒鳴り込むが、スコットに追い払われる。それでも懲りずに夫妻に纏わり付き、クリスマスの飾り付けの手伝いを申し出るのだった。
映画『侵入する男』のあらすじ【転】
チャーリーはスコットが留守中に再び訪問し、クリスマスの飾り付けを手伝った。アニーはお礼に彼を家の招き、2人でワインを飲む。その頃スコットは、かつて関係のあった女性と飲みに行っていた。仕事で遅くなるとメールするスコットだったが、アニーに浮気だと勘繰られ、慌てて帰宅する。チャーリーを招いたことを知り喧嘩となるが、すぐに仲直り。居間で抱き合っていると、背後でチャーリーがじっと見下ろしていた。
翌日、スコットはチャーリーの妻は病死ではなく、銃自殺だったと知る。さらに調べると、殺人罪で起訴寸前だったことも判明。ホテルのバーでチャーリーと遭遇すると激しく罵った。
翌朝、スコットはジョギング中に車でぶつけられて怪我をし、一晩入院することになった。スコットはチャーリーの素性調査をマイクに依頼。その結果、チャーリーは建設会社が倒産して訴訟を抱え、借金まみれであることが分かった。
その夜、チャーリーが事故を聞いたと心配して屋敷に現れる。警戒心のないアニーは再び家に入れた。マイクはスコットの依頼で家の様子を見に来るが、チャーリーに気付かれて森の奥で刺し殺される。
映画『侵入する男』の結末・ラスト(ネタバレ)
翌朝、スコットが帰宅すると、チャーリーは相変わらず敷地内にいたため、言い合いとなる。アニーもようやく、スコットを轢いた犯人がチャーリーだと気付く。警察に接近禁止命令を要求するスコットだったが、警察はマイクと連絡が付かないと言う。スコットはチャーリーの娘に電話をし、父は屋敷を手放すことを避けるため、母を自殺に見せかけて殺したのだと聞かされる。
スコットの留守中に、またしてもチャーリーは屋敷に侵入。アニーは刺激しないように彼を追い出すが、ふと、地下に通じるドアを発見する。地下には部屋があり、明らかに人が住んでいる気配が。そこはチャーリーの住まいだった。アニーはチャーリーに追われ、マイクの死体を発見し、家に戻ったところで襲われる。
チャーリーは気絶したアニーを抱こうとした。そこにスコットが帰宅し、激しく殴り合う。チャーリーは背中を刺されるが、負傷しながら猟銃を手に「俺の家から出て行け!」と現れる。スコットはバットでチャーリーを殴り倒した。その直後、アニーが警察に「侵入者を撃ったわ」と通報。スコットはその言葉通りにチャーリーを射殺するのだった。
映画『侵入する男』の感想・評価・レビュー
家を売却したはずの売り主が屋敷に侵入し、新婚夫婦を恐怖に陥れるスリラー映画。いつも良い人ばかり演じているイメージのデニス・クエイドが、表裏のある悪役を見事に怪演している。同じ年に公開された「僕のワンダフル・ジャーニー」のイーサンとは真逆のキャラなので、そのギャップは衝撃的だった。
デニスの怪演で恐怖を味わえるが、ストーリー的には妻のアニーが付け入る隙を与え過ぎているため同情できず、全体を通してもう一捻り欲しいなあと感じる作品だった。(MIHOシネマ編集部)
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