この記事では、映画『エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語』の作品情報
上映時間:123分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:サイモン・カーティス
キャスト:マイロ・ヴィンティミリア、アマンダ・セイフライド、キャシー・ベイカー、マーティン・ドノヴァン etc
映画『エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語』の登場人物(キャスト)
- エンツォ(声:ケビン・コスナー)
- デニーの愛犬。デニーの仕事場であるサーキット場に行くのと、デニーのレースを見るのが好き。いつか自分もレーサーになれると思っている。この物語は全てエンツォのナレーションで語られている。
- デニー・スウィフト(マイロ・ヴィンティミリア)
- エンツォの飼い主。F1レーサーを夢見るセミプロドライバー。才能がありながらチャンスに恵まれず、長い下積み生活を送っている。悪天候のレースに強く、コーナリング・テクニックはピカイチ。レースがない時は整備士や講師の仕事をしている。
- エイヴリー・スウィフト(アマンダ・セイフライド)
- 愛称イブ。外国人相手の英語の教師をしていた時、デニーと出会う。やがて妻となり、娘ゾーイを出産する。エンツォの散歩中に意識不明となり、脳に腫瘍があることが発覚する。
- マクスウェル(マーティン・ドノヴァン)
- イブの父。娘の結婚相手がレーサーであることが気に入らず、当初からデニーの収入や身なりに不満を感じている。
- トリシュ(キャシー・ベイカー)
- イブの母。娘の幸せを一番に思っており、夫とは違ってデニーとの関係は良好。夫に逆らえない一面もある。
映画『エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語』のあらすじ【起】
カーレーサーのデニーは農場で売られていた子犬を見て運命を感じ、エンツォと名付けて飼うことにした。エンツォはデニーの職場、サーキット場に行くのが大好き。会場の熱気やピットクルーの早業を見てはワクワクしていた。デニーは雇われドライバーの職を得るなどして一年が過ぎた頃、エンツォはすっかり大きく成長する。
デニーは外国人に英語を教えている女性イブと出会った。エンツォはデニーとの間に邪魔者が入ったと嫉妬する。交際は順調に進み、とんとん拍子に結婚が決まった。周囲に祝福される中、イブの父マクスウェルだけは、デニーのレーサーという職業に不満を感じていた。
やがてイブは妊娠。デニーは安定した収入を得るため、講師の仕事を増やした。ドライバーの仕事もあり、妻は身重なのに家を空ける日が多くなる。
イブが自宅出産を検討していた時、デニーにデイトナ24時間レースのオファーが入る。出産予定日に近い日程だったが、イブはレースに出て欲しいと背中を押した。そしてレース当日。イブは産気づき、レースの真っ最中に女の子を出産する。デニーはレースが終わってすぐ帰宅し、我が子を愛おしく抱くのだった。
映画『エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語』のあらすじ【承】
子供はゾーイと名付けられ、すくすくと成長。エンツォのことを「私のお兄ちゃん」と呼ぶほど仲良く遊んだ。ある日、エンツォは独自の嗅覚で、イブの体から木が腐ったような匂いを感じる。病気かもしれないと警告したいが伝えることが出来ず、エンツォはもどかしい思いをするのだった。
デニーは久しぶりのレースで家を空けた。イブは突然の体調不良でゾーイを連れて実家に戻る。しかし、犬の餌を用意しなかったため、エンツォは2日間も餌なしで過ごすことになった。2日後、ようやくデニーが帰宅すると、エンツォは空腹のあまりゾーイの大事なぬいぐるみはビリビリに破いていた。デニーに怒られてしょんぼりするエンツォ。デニーは怒鳴ったことを謝り、レースは総合1位で正式にチームの一員になったと家族に報告した。
イブはエンツォとの散歩中に意識不明となる。検査の結果、脳に腫瘍があることが判明。摘出手術を行うことになった。
デニーは講師の仕事と、家事や育児をこなす多忙な日々が始まった。イブは手術後も退院の見込みはなく、ゾーイを祖父母に預ける日も増える。デニーが落ち込んだ日には、エンツォは散歩をせがんで気分転換をさせるのだった。
映画『エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語』のあらすじ【転】
仕事と家事の両立が慣れた頃、ようやくイブの退院が決まる。しかし、帰る先は彼女の実家。彼女の両親は「その時」が来るまで、ゾーイも一緒に預かりたいとデニーに言う。エンツォも預けられ、イブを夜通しで見張る日々が始まった。
デニーが訪問したある日、イブは比較的元気そうだった。2人は寄り添い踊り、ゾーイとエンツォは嬉しそうに見つめる。その夜、イブは眠るように息を引き取った。葬儀が終わると、ゾーイはもう子供じゃないから遊べないの、とエンツォに諭すのだった。
葬儀直後だというのに、父のマクスウェルはゾーイを引き取りたいと言い、すでに書類も用意していた。デニーは断固拒否するが、手を掴まれて振り払う際にマクスウェルを突き飛ばしてしまう。後日、デニーは義父の暴行容疑で逮捕される。すぐに保釈されたものの、ゾーイは祖父母の元に連れて行かれた。しかも一時的な接近禁止令まで出され、デニーは90日間、ゾーイに手紙を書くことも禁止される。
エンツォはゾーイに呼ばれて祖父母の家へ。エンツォは犬らしい仕返し、居間のカーペットの上で下痢をすることで恨みを果たした。
映画『エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語』の結末・ラスト(ネタバレ)
デニーはサーキット場でフェラーリのスカウト、ルカを紹介される。ルカはデニーのドライバーテクニックに惚れ込み、イタリアでテストドライバーをしないかとオファーした。
90日が過ぎ、デニーはようやくゾーイと再会する。しかし夕方まで。ゾーイはパパとエンツォと一緒に暮らしたいと願った。ある雨の夜、エンツォは車にぶつかって大怪我をし、手術費などで大金が必要になる。弁護士費用も重なって金欠となり、デニーはすっかり弱気に。やむなく祖父母の監護権を認める書類にサインしようとした。すると、エンツォが書類に噛み付いてビリビリに破いてしまう。デニーは法廷で祖父母と対決することを決意する。
裁判の日、母のトリシュは証言台でこれまで主張を覆し、夫が先に手を出したと証言する。起訴は取り下げられ、ゾーイは晴れてデニーの元に戻ることになった。さらにイタリアの仕事も正式に決定。デニーはエンツォもイタリアに連れて行きたいと思っていたが、エンツォは体の衰えを感じていた。ある日、デニーは老犬エンツォをレーシングカーに乗せてコースを走行する。エンツォはスピードと風を体に受けながら、幸せだった日々を振り返るのだった。
8年後のイタリア・ムジェロサーキット場。デニーはチャンピオンとして少年たちの憧れの存在に。その隣には、父をサポートするゾーイの姿もあった。
映画『エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
タイトルからてっきりレーサーを目指す犬の奮闘記かと思ったら違った。作家ガース・スタインのベストセラー小説「エンゾ―レーサーになりたかった犬とある家族の物語」を映画化したヒューマンドラマだ。主軸となるカーレーサーの家族の物語は、常に犬目線のナレーション(ケビン・コスナー)で語られる。
老犬が回想するという設定なので、子犬時代から声が渋い。しかも出しゃばらず語り手に徹していた。あらゆる苦難と立ち向かう家族と、それを見守る健気なエンツォに、何度も涙を誘われた。(MIHOシネマ編集部)
犬の視点で語られる物語というだけで涙腺が緩むのに、エンツォの知性と哲学的な語り口に驚かされた。彼が人間になりたいと思う理由、そしてその過程で見てきたダニーの人生が本当に美しい。特に妻との別れや親権争いのくだりは、犬のエンツォ視点だからこその無力感と深い愛情が伝わってきて号泣。最後に生まれ変わったエンツォと再会するラストも最高。(30代 男性)
犬好きとしては、あまりに泣ける作品。ただの“泣かせる映画”ではなく、エンツォの語りがとにかく知的で哲学的。ダニーの夢と家族への愛をそばで見守りながら、自分自身も“学んで”成長していく姿が愛おしい。病気や別れ、理不尽な社会とも向き合う内容には重さもあるけれど、それを包み込む優しさがある。(20代 女性)
人生のアップダウンを一匹の犬がどう見ていたのか。その視点が斬新で、しかもとても深い。レースの比喩を用いながら語られる人生の哲学に唸らされる。娘との関係、親権問題、妻の死…どれもベタな展開ではあるが、犬の存在がそれらをユニークに、そして感動的に仕上げている。再会のシーンで涙腺崩壊。(40代 男性)
子育て中の身として、エンツォのように子どもを見守る“存在”にすごく共感しました。何もしてあげられないけれど、そばにいること、信じて待つことの大切さを教えられた気がします。犬が語ることで感情がストレートに伝わってくるし、家族愛を静かに、でも強く描いた作品だと思います。(30代 女性)
レースの哲学と人生の価値観が重なるところがすごく良かった。「雨の中を走る技術を学べば、人生の困難も超えられる」…この言葉が胸に残った。エンツォがただの“かわいい犬”ではなく、賢くて献身的な“相棒”として描かれていて、犬の目線から語られる物語の力を改めて感じました。(20代 男性)
こんなに静かに泣かせてくれる映画、久しぶりでした。特に後半、エンツォが年老いていく過程が辛くて、でも穏やかで、なんとも言えない気持ちに…。主人の苦労や悲しみを全て見てきた存在としての犬の描き方が本当に優しくて素晴らしい。エンツォのモノローグが美しく、文学的な印象すらありました。(40代 女性)
レースのスピード感と家族ドラマ、犬の視点という要素が見事に融合している。ペット映画にありがちな単純さがなく、しっかりと人間ドラマとしても成り立っている。特に裁判の場面では、怒りとやるせなさで心がギュッとなった。それでもエンツォはただ見守るだけ。それが余計に涙を誘う。(50代 男性)
犬の無垢さと、そこに宿る深い愛情がとてもリアルに描かれていて、ペットを飼っている人間としては涙なしでは見られませんでした。死というテーマも避けずに描いているのに、重苦しくならないのはエンツォの視点だからこそ。再会のラストがあるから、切なさのあとにしっかりと希望が残る映画です。(50代 女性)
原作を読んでから映画を観ましたが、映像化も見事でした。エンツォのナレーションが想像以上に心地よく、全体のトーンに深みを与えている。モータースポーツにあまり興味がなかった自分でも、レースのメタファーとしての使い方がとても効果的だと感じました。泣きたい夜に観る映画。(30代 男性)
映画『エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語』を見た人におすすめの映画5選
僕のワンダフル・ライフ
この映画を一言で表すと?
何度も生まれ変わって飼い主に会いにいく、犬の転生愛ストーリー!
どんな話?
ひとりの少年に愛された犬ベイリーが、死後も何度も生まれ変わりながら、飼い主の幸せを見届けようとする物語。犬の視点で語られる“人生の意味”と、運命の絆が描かれています。
ここがおすすめ!
犬のナレーションで物語が進むスタイルは『エンツォ』と非常に似ており、笑って泣ける感動作。「どれだけ離れても、大切な人を想う心は変わらない」というテーマが胸を打ちます。
HACHI 約束の犬
この映画を一言で表すと?
一途すぎるほどの“待ち続ける愛”に世界が涙した、実話ベースの感動作。
どんな話?
大学教授に引き取られた秋田犬・ハチが、彼の帰りを毎日駅で待ち続けたという実話をもとに描かれた作品。リチャード・ギア演じる教授とハチの絆が、時を超えて語り継がれています。
ここがおすすめ!
忠誠、家族愛、喪失、そして希望。『エンツォ』同様、犬が“家族”以上の存在として描かれており、静かで深い余韻が残ります。無償の愛を感じたい人にぴったりの一本です。
マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと
この映画を一言で表すと?
人生は思い通りにならないからこそ、愛おしい——やんちゃ犬とのかけがえのない日々。
どんな話?
新婚夫婦が迎えたゴールデンレトリバー“マーリー”との日常を、笑いあり涙ありで綴る実話ベースの家族ドラマ。マーリーはトラブルメーカーだけど、家族の絆を深める存在に。
ここがおすすめ!
犬と過ごす日常の尊さをリアルに描いた作品。『エンツォ』と同様、ペットを通じて人生の転機や成長を描いており、温かい感動に包まれます。家族で観たい感涙ムービーです。
きな子〜見習い警察犬の物語〜
この映画を一言で表すと?
失敗続きの犬と新人訓練士が、一緒に成長していく実話感動ストーリー!
どんな話?
警察犬になりたいがなかなか訓練に合格できないラブラドールの「きな子」と、新米訓練士の絆を描く実話ベースの日本映画。何度も失敗を重ねながら、少しずつ前に進んでいく二人の奮闘を描きます。
ここがおすすめ!
“努力することの意味”“心で通じ合う関係”を素朴な感動で伝えてくれます。『エンツォ』と同じく、犬と人間がパートナーとして生きる姿が胸を打ちます。
赤い首輪
この映画を一言で表すと?
戦場で人と犬が築いた、命と信念を越えた静かな絆。
どんな話?
第一次世界大戦後のフランス。軍人と彼の飼い犬との間にある“忠誠と愛”を軸に、社会的立場や人間関係、戦争の爪痕などを織り交ぜながら描かれる静謐なヒューマンドラマ。
ここがおすすめ!
犬が“ただのペット”以上の存在として描かれており、深い人間ドラマの中に動物との絆が自然に溶け込んでいます。『エンツォ』のように、静かな語りと深い感情が好きな方におすすめです。
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