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映画『落ちこぼれの天使たち』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『落ちこぼれの天使たち』の概要:ヒスパニック系高校に赴任した数学教師と落ちこぼれ生徒たちの物語。熱血教師は生徒たちに微積分の認定試験を受けさせるため、特別補習授業を開始した。1988年インディペンデント・スピリット賞受賞作。

映画『落ちこぼれの天使たち』の作品情報

落ちこぼれの天使たち

製作年:1987年
上映時間:104分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ラモン・メネンデス
キャスト:エドワード・ジェームズ・オルモス、ルー・ダイアモンド・フィリップス、ロザンナ・デ・ソート、アンディ・ガルシア etc

映画『落ちこぼれの天使たち』の登場人物(キャスト)

ハイメ・エスカランテ(エドワード・ジェームズ・オルモス)
カリフォルニア州のガーフィールド高校に着任したばかりの数学教師。前職はコンピューター会社の社員。教師でも難しいとされる微積分の認定試験を生徒たちに受けさせようと、1年かけて無報酬の特別補習授業を行う。
エンジェル(ルー・ダイアモンド・フィリップス)
エスカランテの生徒。不良グループのワルだったが、エスカランテと出会い数学に夢中になる。家では祖母の面倒をよく見る優しい孫。長身で長髪。
アナ(バネッサ・マルケス)
エスカランテの生徒。成績優秀。父親が経営するレストランで働くため退学しようとしていたが、エスカランテが親を説得して教室に戻って来る。
ラミレス(アンディ・ガルシア)
認定試験の審査委員。偏差値の低いガーフィールド高の試験結果が優秀であったため、不正があったと決め付けて合格を取り消そうとする。

映画『落ちこぼれの天使たち』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『落ちこぼれの天使たち』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『落ちこぼれの天使たち』のあらすじ【起】

コンピューター会社を辞めて数学教師となったエスカランテは、ヒスパニック系と低所得労働者が多い地域にあるガーフィールド高校に着任する。彼が教室に入っても生徒たちは騒ぎ続けるため、まともな授業にならなかった。それでも彼は生徒たちに少しでも数学に興味を持ってもらうため、授業スタイルを工夫する。エプロン姿でリンゴを切り分けて、分数の授業を行った。

エスカランテはクラスの番長エンジェルの脅しに屈することなく、熱い授業で生徒の心を掴み始まる。お前たちにはゼロの概念を発見したマヤ人の血が流れているのだと勇気付け、数学の公式を全員に復唱させた。やがて教室には不思議な一体感が生まれる。しかし他の教員たちは、小学校6年生の学習レベルの生徒に何を教えても無駄だと勝手に決め付けた。

エンジェルは小テスト中に不良仲間に呼び出され、教室を出て行った。しかし後でこっそり、数学を勉強したいとエスカランテに相談する。他の生徒たちも確実に、数学に興味を持ち始めていた。

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映画『落ちこぼれの天使たち』のあらすじ【承】

ルーペは教室ではワルっぽく振る舞うが、家では兄弟の面倒をよく見る優しい長女だった。家事が終わり勉強をしていると、遅くに帰宅した母に電気を消せと言われる。エンジェルは夜になると不良仲間と遊び歩いた。優等生のアナは、親が経営するレストランを手伝うため退学を決める。エスカランテはレストランに行き、親を説得。翌日、アナは高校に戻って来た。

エスカランテは生徒たちをコンピューター会社の見学に連れて行き、微積分の認定試験を受けさせることを思い付く。教師でも受かるのは難しいとされる試験だ。数学主任は失敗して生徒が傷付くことを懸念するが、エスカランテは反対を押し切り、日曜以外の毎日、特別補習授業を実施することを決めた。

夏休み中は教室が使えず、蒸し暑いロッカールームで授業を行った。生徒たちは暑さ対策でオレンジを食べて「涼しい」と連呼し、汗をかきながら授業を受けるのだった。

新学期。エスカランテは生徒たちに認定試験を受けるための契約書を書かせた。パンチョは工事の仕事で稼ぎたいとサインを拒むが、エスカランテは修理屋より設計士になれと説得。勉強ばかりで髪をとく時間もないと嘆くクローディアには、今のままで綺麗だと慰めた。

映画『落ちこぼれの天使たち』のあらすじ【転】

エンジェルは祖母の付き添いで病院に行き、授業に遅刻。エスカランテは遅刻を許さず、彼を教室から追い出してしまう。その夜、エンジェルは祖母を伴ってエスカランテ宅を訪問。孫が授業に戻りたがっていると祖母に言わせ、許してもらった。エンジェルには微分を学んで出世したいという野望があった。

夜間高校でも講師をしていたエスカランテは、心臓発作で倒れて入院する。認定試験まで2週間。安静にしなければならない体だったがエスカランテは病院を抜け出し、「俺は不死身だ!」と言って教室に登場。生徒たちは大喜びし、熱血授業が再開した。

認定試験を無事に終えた生徒たちは、海岸でひと泳ぎ。そして合格発表の日。結果は18人中18人全員が合格だった。生徒たちはエスカランテに感謝の気持ちを込めて、記念の盾をプレゼントした。

ところが後日、試験の実行委員であるラミレスが不正行為を疑い、合格の無効を検討しているとの連絡が入る。エンジェルはヤケクソになり、暴走運転でパトカーを挑発するなどワルに逆戻りしそうになったが、態度を改めて不良仲間と決別した。

映画『落ちこぼれの天使たち』の結末・ラスト(ネタバレ)

ラミレス委員は生徒を集めて聴取を開始。エンジェルは郵便配達人から問題用紙を盗んで、死体はロッカーにあるぞ、などと言って委員をからかった。

エスカランテは子供たちが人間不信になることを心配した。その生徒たちはへこたれず、エスカランテの車を勝手に修理して訪問し、今後の作戦を立てようと持ち掛ける。

エスカランテはラミレス委員に面会に行き、不正を疑う理由を訪ねた。すると、誤答が少なくて高得点であることが問題なのだと言う。ヒスパニック系に対する偏見だと怒りを露わにするエスカランテ。試験は委員と生徒間の問題だと言われると、ルーペが直接委員に電話。再試験が行われることが決まった。

エスカランテの短期集中授業を経て、再試験の日。生徒たちは90分の制限時間より早く解答を終える。アナは大学の奨学金申請の用があるからと会場を退出した。採点はその日に行われ、18人全員が優秀な成績で合格する。エスカランテはガッツポーズをして歩いて行く。ガーフィールド高ではその後も、認定試験の合格者は年々増え続けていくのだった。

映画『落ちこぼれの天使たち』の感想・評価・レビュー

第4回インディペンデント・スピリット賞受賞作。荒廃した高校に型破りの教師が赴任し、生徒を変えていくという学園ドラマの見本となるような物語だ。物語に出てくる「認定試験」は、高校生に大学レベルの試験を受けさせる全国共通の早期履修プログラムで、大学入学が有利に働く試験のこと。

「あるアメリカ教師の話―No.1教師エスカランテの場合」という単行本が原作で、生徒たちが再試験を受けたのは実話である。それにしてもエスカランテのキャラは強烈だった。家庭の事情を抱えた生徒たちもそれぞれ個性的に描かれ、十分に感情移入できる。そうなるだろうなと分かっていても、見終わった後にスカっとして笑顔になれる映画だった。(MIHOシネマ編集部)

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