映画『泥棒成金』の概要:『泥棒成金』(原題:To Catch a Thief)は、ケーリー・グラント主演のアメリカ映画。
映画『泥棒成金』 作品情報
- 製作年:1955年
- 上映時間:106分
- ジャンル:ラブストーリー、コメディ、サスペンス
- 監督:アルフレッド・ヒッチコック
- キャスト:ケイリー・グラント、グレイス・ケリー、シャルル・ヴァネル、ブリジット・オーベール etc
映画『泥棒成金』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『泥棒成金』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『泥棒成金』のあらすじを紹介します。
かつて宝石泥棒「キャット」として名を馳せたジョン・ロビー。今ではフランスの田舎の別荘で穏やかに暮らしていた。
だが、突然「キャット」が再び現れたというニュースが飛び込む。全く身に覚えのないロビーは驚き、レジスタンス時代の仲間であるベルタニに助けを求める。
ベルタニはレストランを経営しており、そこには昔の仲間たちが多く働いていて、ロビーのせいで自分たちも再び逮捕されてはかなわないと煙たがられる。
ベルタニの指示でニースのビーチへ向かい、そこで保険会社で宝石の保険も取り扱うヒューソンに協力してもらい、アメリカの成金のスティーヴンス母娘と知り合う。
偽キャットは必ずこの母娘を狙うとふんで、仲を深めて常に目を光らせていた。
ロビーの狙いは偽キャットを捕まえることで、当初母親の方にしか興味を示していなかった。しかし、美しい娘のフランセスはロビーに興味を持っていた。ロビーをドライブに誘い出したフランセスは、彼がキャットであることを見抜いていたことを話す。
そんな中で、フランセスの母の宝石がとうとう盗まれた。ロビーをキャットと知るフランセスは彼を疑い、急に冷たい態度をとる。
だが、ある夜犯人が現れる。それはベルタニのレストランで働く一人だった。彼は崖から落ち、死んだ姿で発見される。
フランセスは誤解していたことを謝るが、ロビーは事件がまだ終わっていないと考えていた。
ロビーは、一連の出来事の中で、真の黒幕に気が付く。それは死んだ男ではなく、ベルタニである。
犯人をおびき寄せるため、ロビーはスティーヴンス母娘にも協力してもらい、仮面舞踏会で一計を講じる。
偽キャットは、死んだ男の娘だった。ベルタニの悪事は暴かれて捕まり、ロビーは漸く穏やかな生活に戻るのだった。
映画『泥棒成金』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『泥棒成金』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ケーリー・グラントとグレース・ケリーの共演
この映画の監督は、アルフレッド・ヒッチコック。そして主演はケーリー・グラントにグレース・ケリーである。
これらの名前だけで十分観客を呼べるだろう。
ストーリーは、泥棒から足を洗った男が濡れ衣を着せられ、自分で犯人を暴く過程でラブロマンスも生まれる、そんなものである。展開はスピーディで簡潔、特に文句をつけるところもないが、格別面白いというわけでもない。
この映画で見せたいのはとにかく主役の二人であろう。ケーリー・グラントは言わずと知れた超有名俳優で、数多くの映画に出演する売れっ子。グレース・ケリーは、人気絶頂のさなかに結婚し、モナコ公国の公妃となり女優を引退した。その女優人生はわずか5年ほどであるが、今でもなお色褪せず、その名は広く知られている。
それほど人気な女優であり、さらにヒッチコック監督が特に気に入っていた女優の一人でもあった。
だから、この映画はそんなグレース・ケリーの魅力を楽しむ作品なのである。
コメディとして、気楽に観る
この映画は90分程度で短く、ストーリー展開も単純で分かりやすい。気負わず深く考えず楽しむ映画である。
それなりに古い映画なので、撮影もちょっと緩い感じがよくわかる。
昔の映画ではよく使われているように思うが、この映画ではスクリーン・プロセスという撮影技法がよく使われている。簡単に言えば、ものすごく単純でアナログな合成映像というところだろうか。背景はスクリーンに映し出した映像を使い、その前で俳優が演技をする。車や舟のシーンがそれである。
現在では大がかりなロケで迫力ある映像が好まれるし、それが当たり前なので、ものすごくチープな映像に感じるかもしれない。
だが、こだわるところにはこだわり、手を抜くところは抜く。
車の運転シーンは間が抜けた感じが否めないが、しかしそれなりに迫力は伝わってくる。
いちいち映像の良し悪しにこだわらずに観るのがいい。
映画『泥棒成金』 まとめ
ヒッチコック監督のお気に入り女優だけあって、とにかくグレース・ケリーの魅力が引き立つ映画だと思う。当時同じくらい人気だったマリリン・モンローとは正反対の魅力で人気だったグレース・ケリー。彼女のファッションも人々の注目の的だったが、この映画の中での衣装も元々エレガンスな彼女を引き立てるものばかりで、どれも魅力的だった。
また、ケーリー・グラントに関しても、ヒッチコック作品によく出演する俳優である。映画の内容にぴったりな、かっこよくもどこかコミカルな演技だった。
ストーリーに関しては特筆することはないけれど、サスペンスで有名なヒッチコック監督の演出であるし、またラブコメディ映画として気楽に観ることができる面白い映画であると思う。
みんなの感想・レビュー