この記事では、映画『アフター・ウェディング』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『アフター・ウェディング』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『アフター・ウェディング』 作品情報
- 製作年:2006年
- 上映時間:119分
- ジャンル:ヒューマンドラマ
- 監督:スザンネ・ビア
- キャスト:マッツ・ミケルセン、ロルフ・ラッセゴード、シセ・バベット・クヌッセン、スティーネ・フィッシャー・クリステンセン etc
映画『アフター・ウェディング』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
映画『アフター・ウェディング』 あらすじネタバレ(起承転結)
映画『アフター・ウェディング』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『アフター・ウェディング』 あらすじ【起・承】
インドで孤児院を運営しているヤコブ(マッツ・ミケルセン)は、孤児の世話で忙しく働いていた。しかし、財政難で孤児院の運営が回らなくなってしまう。そんな折、デンマークの富豪から寄付の申し出があった。
それには条件があり、CEOと面会しなくてはならない。ヤコブはインドからデンマークに飛び、CEOヨルゲン(ロルフ・ラッセゴード)と会う。しかし、豪華なホテルのスイートに通され、面食らってしまう。
すぐに寄付が貰えると思っていたが、ヨルゲンに後日、返事をすると言われます。納得がいかないヤコブだったが、ヨルゲンから娘の結婚式に招待されるのだった。
娘アナの結婚式当日。遅刻してしまったヤコブは、結婚式で約20年ぶりに元恋人ヘレネ(シセ・バペット・クヌッセン)と再会した。ヘレネは、ヨルゲンの妻だった。
娘アナ(スティーネ・フイッシャー)は、結婚式のスピーチで、自分がヨルゲンの娘でないこと、ヘレネの元恋人の娘であることを告白します。これに驚いたヤコブは、元恋人ヘレネを問い詰めます。
ヤコブは、娘アナが実子であることを知り、アナを家族として熱く抱きしめるのだった。
映画『アフター・ウェディング』 結末・ラスト(ネタバレ)
ヨルゲンは、ヤコブにヤコブ・アナ基金を設立し、3000万ドルを与えるという。それには条件があり、まずインドの孤児に役立てること。それから、ヤコブがインドではなくデンマークに住むことだとした。
しかし、インドに実子同然の孤児がいたヤコブは悩み、怒って出て行ってしまう。ヤコブを追う、ヨルゲン。そこで、はじめてヨルゲンは自分の死期が近いこと。自分の死後、家族をどうしたいか話すのだった。
ヨルゲンには、妻ヘレネとの間に双子の男の子がいた。その双子を含めて、家族として面倒を見て欲しいとヨルゲンは言う。ヤコブはすぐに受け入れることができず、ホテルへ戻った。
ホテルには、結婚早々に夫に浮気されたと泣く娘アナがいた。翌朝、ヘレネもホテルに来て、はじめて3人は親子水いらずの時間を過ごした。そこで、ようやくヨルゲンの条件を受け入れることに決めた。
ヨルゲンが迎える、最後の誕生日。家族で楽しい時間を過ごすが、急にヨルゲンが”死にたくない!”と泣き出してしまう。数ヶ月後、ヨルゲンの葬式が行われた。
インドに戻ったヤコブは、実子同然の孤児に”一緒にデンマークで暮らさないか?”と話したが、断られてしまう。こうして、ヤコブはデンマークに住むことになった。
映画『アフター・ウェディング』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『アフター・ウェディング』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
家族の絆を再構築する物語
娘アナの結婚式をきっかけに、家族の秘密が明らかになります。スサンネ・ビア監督は、重要な事を小出しでぶっこんでくるので展開が面白くてやめられません。
マッツ・ミケルセンを目当てに観始めた人も、気が付いたら渋くていい演技をする、ヨルゲン役のロルフ・ラッセゴードに釘づけになってるかも。もちろん、マッツ・ミケルセンも負けていません。
改めて彼がイケメンだということが発見できますし、感情のふり幅に共感できます。ちょっとだらしないくらいの役柄がよく似合っています。
それぞれの心理状態が反映され、謎解きのような面白さもあります。役者の目や口が強調されて映るので、観ている方は人物により深く入り込めます。
ただ、ヤコブとヨルゲンの立場の違いが強烈すぎて、頭の中ではこんなことありえないなと思いました。この映画を観て、終活しなくちゃ!と思う人は注意してね。
スサンネ・ビア作品の常連!マッツ・ミケルセンの魅力
マッツ・ミケルセンが、TVドラマ「ハンニバル」シリーズのレクター博士役で大ブレイクしたのが2013年。ハリウッドでも大活躍していますが、彼の魅力は北欧映画にあります。
本作「アフター・ウェディング」をはじめ、「しあわせな孤独」(02)でもスサンネ・ビア監督作に欠かせない俳優です。
ハリウッドでは、「007 カジノ・ロワイヤル」(06)のル・シッフル役などクールな殺し屋というイメージが強いが、北欧ではクールよりもダメ男を演じています。
コミカル路線もしくは、「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」(12)のようなセクシーな役に分かれるようです!また兄ラース・ミケルセンも俳優です。
この2人が共演したらどうなるのだろう?観たいような、観たくないような複雑な気持ちになります。(実はデビュー作の短編で共演あり)
マッツ・ミケルセンってどんな役でも演じられる素晴らしい俳優ですよね。ハードなアクションもこなし、今作のような家族の絆を描くハートフルなキャラクターも違和感無く演じてくれます。
孤児院に寄付してくれる相手が元カノの旦那で娘は自分の子だったなんて展開絶対にありえませんが、とても優しい雰囲気で描いていて、悪い人や嫌な人が出てこないので好きなキャラクターに感情移入しながら見られると思います。ラストは妙にリアルな展開で現実に引き戻された気がします。(女性 30代)
社会貢献に身を捧げる男ヤコブが、資金援助のために帰国したデンマークで、かつての恋人とその娘と再会し、衝撃の事実と向き合う…物語が進むにつれて感情が波のように押し寄せてきました。実は娘が自分の子だったという展開には驚きましたし、彼女の母親ヘレネが再婚していたことにも複雑な気持ちに。人間関係の機微が丁寧に描かれていて、深く心を揺さぶられました。(30代 男性)
家族とは何か、人生の選択とは何かを突きつけられるような、重みのある作品でした。特にヤコブが父親としての責任を突然背負わされる場面は、自分の人生を振り返らせられるほどの衝撃でした。ヘレネの夫ヨルゲンが末期がんであり、娘の将来を託すためにすべてを仕組んでいたという事実が明かされる場面では、涙が止まりませんでした。(50代 女性)
最初は資金援助の話だったのに、まさか娘の結婚式がきっかけで人生が大きく動くとは思っていませんでした。ヨルゲンの行動は一見計算高いけれど、実は深い愛に基づいていたことに胸を打たれました。特にヤコブとヨルゲンの会話シーンは男同士の静かな感情のぶつかり合いで、とても印象に残っています。こういう重厚な人間ドラマがもっと観たいです。(40代 男性)
予告からは想像もできないほど、繊細で複雑な物語でした。特にヨルゲンがすべてを計算した上でヤコブを家族の一員に迎え入れようとしていた真意には心を揺さぶられました。結婚式という“始まり”が、いくつもの“終わり”と交差する構成も秀逸。涙をこらえながら見届けた作品です。主演のマッツ・ミケルセンの演技も控えめながらも感情豊かで素晴らしかった。(20代 女性)
登場人物たちの誰もが“善人”でありながら、それぞれのエゴや悲しみを抱えていて、人間の奥深さを感じさせられました。特に印象的だったのは、娘アナの視点で見た“父親が突然2人になる”という現実。彼女の揺れる感情がリアルで、感情移入せずにはいられませんでした。全編に漂う静かな空気の中に、濃密なドラマが詰まっていました。(30代 女性)
舞台は一見華やかな結婚式の場面から始まりますが、次第に明かされる秘密の数々に、観ている自分も心を締め付けられました。特に、ヤコブが知らぬ間に父親になっていたこと、そしてそれがヨルゲンの余命わずかという事実に結びついていく展開には、計算され尽くした脚本の美しさを感じました。決して派手ではないが、深く心に残る映画です。(40代 女性)
まるで静かに感情をえぐられるような映画でした。登場人物の表情ひとつひとつに意味があり、特にヨルゲンが最後にヤコブへすべてを託すシーンは涙なしでは見られません。善意に満ちた取引のようでいて、実は愛に満ちた選択だったという構成が素晴らしい。映像も美しく、北欧映画らしいしっとりとした質感が印象的でした。(50代 男性)
人間関係の「再構築」をテーマにした静かな傑作。知らぬ間に親になり、家族に巻き込まれていくヤコブの戸惑いと葛藤がリアルでした。親としての責任と、人間としての感情がぶつかり合う姿は、子育てを経験した身として深く共感できました。死を迎えるヨルゲンが、家族の未来を守るために動いていたことにも、強い意志を感じました。(60代 女性)
物語の語り口が非常に繊細で、人生の残酷さと温かさを同時に描いている点に感動しました。特に、善意のように見えるヨルゲンの行動が、実はヤコブに大きな負担を残しているという複雑さが、この映画をただのヒューマンドラマに留めていません。だからこそラストでヤコブがアナと向き合い、父親になる決意をするシーンに救いがありました。(20代 男性)
映画『アフター・ウェディング』を見た人におすすめの映画5選
マイ・ライフ(My Life, 1993)
この映画を一言で表すと?
死を目前にした男が、家族に伝えたい想いを綴る感動作。
どんな話?
余命わずかな男ボブが、生まれてくる我が子に自分の人生や想いを伝えるため、ビデオレターを撮り続ける。家族との絆、人生の悔い、そして死との向き合い方が繊細に描かれたヒューマンドラマ。観る者に「生きる意味」を問いかけてくる作品。
ここがおすすめ!
『アフター・ウェディング』と同じく、“残された時間で家族に何を遺せるか”というテーマが心に響きます。マイケル・キートンの熱演が光り、親として、伴侶としてどう生きるかを丁寧に描いた珠玉の名作。涙なしでは観られません。
イン・アメリカ/三つの小さな願いごと(In America, 2002)
この映画を一言で表すと?
喪失を抱えた家族が、再生を願って歩む移民ドラマ。
どんな話?
ニューヨークに越してきたアイルランド人一家が、慣れない生活の中で次々と困難に直面する。亡くなった息子の影を引きずりながらも、家族で再び幸せを見つけようとする過程が感動的に描かれる。静かであたたかな物語。
ここがおすすめ!
『アフター・ウェディング』のように、家族の再生と喪失がテーマ。過去に向き合いながらも前に進もうとする姿勢に心を打たれます。子どもたちの視点も加わることで、より優しく包み込まれるような感覚になれる作品です。
リターン・トゥ・パラダイス(Return to Paradise, 1998)
この映画を一言で表すと?
「友情」と「責任」が極限状態で試される重厚なドラマ。
どんな話?
マレーシアで逮捕された旧友の命を救うため、自分も刑務所に戻るか否か――男は人生をかけた選択を迫られる。友情とモラル、過去の決断の重さが問われる社会派ヒューマンサスペンス。
ここがおすすめ!
『アフター・ウェディング』同様、「人の人生に影響を与える決断」を描いており、観る者自身にも選択を迫るような問いを投げかけてきます。重いテーマながら、心に深く残る作品。主演のヴィンス・ヴォーンの演技も秀逸です。
クレイマー、クレイマー(Kramer vs. Kramer, 1979)
この映画を一言で表すと?
父と子が築く絆のかたちを描いた不朽の名作。
どんな話?
突然妻に出て行かれた父親が、息子との生活に奮闘しながら父親として成長していく。しかし後に、親権を巡って元妻と裁判で争うことに。家族のかたちとは何かを問う、感動のヒューマンドラマ。
ここがおすすめ!
『アフター・ウェディング』のように、“親としての在り方”や“血のつながりと責任”が描かれます。ダスティン・ホフマンとメリル・ストリープの名演技は必見で、涙と温もりを同時に感じさせてくれる一作です。
アバウト・タイム ~愛おしい時間について~(About Time, 2013)
この映画を一言で表すと?
「今を生きること」の大切さを教えてくれる優しい時間旅行。
どんな話?
タイムトラベル能力を持つ青年が、人生のあらゆる瞬間を大切にしようとする心温まるラブストーリー。家族、恋人、日常のすべてに感謝したくなるような、美しくて切ない物語。
ここがおすすめ!
『アフター・ウェディング』と同じく、時間と家族の尊さを描くヒューマンドラマ。ユーモアと感動が絶妙に混ざり合い、何気ない日常こそがかけがえのない宝物だと気づかされます。観終わった後、人生をもっと大切にしたくなる一作。
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