この記事では、映画『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』 作品情報
- 製作年:2012年
- 上映時間:137分
- ジャンル:時代劇、ラブストーリー、ヒューマンドラマ
- 監督:ニコライ・アーセル
- キャスト:マッツ・ミケルセン、アリシア・ヴィカンダー、ミケル・ボー・フォルスゴー、トリーヌ・ディルホム etc
映画『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★☆
映画『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』 あらすじネタバレ(起承転結)
映画『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』 あらすじ【起・承】
1775年、元デンマーク王妃カロリーネ(アリシア・ビカンダー)は、死を目前にして、息子フレデックと娘ルイーゼに宛てて遺書をしたためていた。その内容は、国王クリスチャン7世との結婚から1772年までの物語。
1766年、イギリス王室から、デンマークの国王クリスチャン7世(ミケル・ポー・フォルスガード)に嫁いだカロリーネは、乗馬が得意な15才。期待に胸を膨らませるが、夫は精神を病んでおり奇行を繰り返していた。
そんな2人の間に1768年、長男フレディックが誕生。この年、王は新しく、ドイツ人医師ヨハン・フリードリヒ・ストルーエンセ(マッツ・ミケルセン)を侍医に迎えた。
ストルーエンセは、芝居好きな王の心を掴み、ルソーの思想に触れた王妃カロリーネをも虜にしてゆく。やがて、精神的に病んだ国王クリスチャン7世に代わり、王妃と侍医ストルーエンセが政治の実権を握るようになります。
その頃、夫との関係が冷え切っていた王妃カロリーネは、孤独だった。侍医ストルーエンセは、啓蒙思想に沿って、王と共に庶民の為の自由な政治を行い、改革を進めた。
その1つが、天然痘予防の注射だった。皇太子フレディックに注射され、効果があったという。
映画『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』 結末・ラスト(ネタバレ)
仮面舞踏会の夜、王妃カロリーネと侍医ストルーエンセはダンスを踊った。その情熱が高まるまま、2人はついに結ばれます。やがて、王妃は妊娠するが、王の子として出産。
王妃と侍医の実権が強くなるのを恐れた反対派、皇太后ユリアーネ(トリーネ・ディアホルム)と官僚のグルベア(デビッド・デンシック)は、2人の関係をスキャンダルとして広めてしまう。
これに驚いたストルーエンセは、それまで認めていた個人の自由を否定し、検問を行うと国民に宣言。そのやり方に異議を唱える暴徒が、王宮へ乗り込んできます。
国王は、疑心暗鬼になり、周囲に言われるまま、ストルーエンセの逮捕状に署名。このため、1772年にストルーエンセは逮捕・投獄されます。拷問の日々を送り、不倫関係を認めたとして処刑。
王妃カロリーネも、子供達と離され、クロンボーエ城に幽閉されます。その後、離婚が成立。ドイツの田舎へ送られ、その地で亡くなります。
王妃カロリーネの手紙を読んだ子供達。皇太子フレディックは、皇太后とグルベアを追い出し、ストルーエンセの政治を引き継いだのち、フレディック6世となりました。
映画『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
マッツ・ミケルセンの色気と知的さに酔う
”北欧の至宝”と呼ばれている、俳優マッツ・ミケルセン。ドラマ「ハンニバル」のレクター博士役で、底知れぬ狂気を演じ人気になりました。彼にはたくさんの代表作がありますが、「ロイヤル・アフェア」もその1つです。
歴史ものが合うのか?と不安に思う人もいるかもしれません。ところが、「ハンニバル」よりも、知的で情熱的なんです!王妃カロリーネとのダンス・シーンに注目して下さい。
18世紀のデンマークの王室スキャンダルが、フランス革命よりも早い時期に行われている点も興味深い。侍医ストルーエンセが啓蒙思想に沿って、庶民のための政治をしたというのが事実なら、もっと評価されてもいいのではと思います。
マッツ・ミケルセンは、見守るような柔らかな眼差しと時に諸刃の剣のような情熱を込めて演じています。あまり演じすぎず、感情を抑え気味にしているシーンもあり、好感が持てます。
「ドラゴンタトゥーの女」の脚本家ニコライ・アーセル&製作総指揮ラース・フォン・トリアーという豪華さ!
ヒットの予感を感じさせてくれる2人です!まず、ラース・フォン・トリアーといえば、2000年にパルムドール賞を受賞した「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を忘れることができません。
北欧映画特有の色彩と音楽の効果的な使い方が魅力です!後味が悪いと言う批判もありましたが、むしろあのラストの悲惨さが胸に強く残りました。
その才能に、脚本家ニコライ・アーセルの実力が加われば、歴史物に興味がない人でも観てみようという気持ちになるのではないでしょうか。
もちろん、この映画はニコライ・アーセル監督の作品なので、構成力と役者の演技が光っています。特にマッツ・ミケルセンの静かな情熱に心撃たれますよ。
映画『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』 まとめ
マッツ・ミケルセン目当てで観てみたら、北欧映画の良さにハマる作品です。デンマークの王室は、日本の次に歴史が長いとも言われ、今日まで多くの国に影響を与えています。
マッツ・ミケルセンが18世紀の衣装に身を包み、優雅に踊るシーンや医師としてのふるまいは完璧といっていいほど、美しい。改めて、彼の演技力の高さを感じました。
可憐な花のような王妃カロリーネを演じる、アリシア・ビカンダーにうっとりします。
また国王役の精神を病んだ姿にも圧倒されました。
3人の演技の厚さが1番の見どころではないでしょうか。歴史が好きな人はぜひ、ご覧下さい。
映画『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
18世紀のデンマークを舞台に、王妃と宮廷医師の禁断の恋を描いたこの作品は、単なる不倫劇ではなく、政治改革と理想に命を懸けた者たちの悲劇的な物語でした。主人公ストルーエンセの理想主義が王の信頼を得て、改革を推し進めていく過程は胸が熱くなる一方、最後に彼が処刑される流れにはやるせなさしか残りません。王妃の手紙が物語を締める演出も秀逸で、静かな余韻が残る作品でした。(30代男性)
歴史的背景をしっかり押さえながらも、ラブストーリーとしての切なさが際立った作品でした。特に、キャロライン王妃が心を許していく過程が丁寧に描かれていて、女としての孤独と愛への渇望が伝わってきました。後半、ふたりの関係が露見し、すべてが崩れていく展開は本当に胸が痛かったです。史実を基にしたからこそ、悲恋の重みが深く感じられました。(40代女性)
歴史の教科書では語られない人間の感情が、この映画にはぎっしり詰まっていたと思う。狂気をはらんだ若き王と、理想に燃える医師、その間で揺れ動く王妃という三角関係の構図が非常にスリリングだった。ストルーエンセが真剣に改革に取り組んでいたのに、それが“情事”という一点で崩壊してしまうのが皮肉で、現代にも通じる権力と倫理の問題だと感じた。(20代男性)
美術や衣装がとにかく美しく、まるで絵画を見ているような映像美にうっとりしました。王宮の冷たさと、ふたりの密やかな愛のぬくもりとの対比がとても印象的でした。ストルーエンセが命を賭けてデンマークを良くしようとした姿勢は感動的だったけれど、やはり当時の権力構造は甘くなかった。ラストの喪失感と王妃の静かな強さが心に残ります。(30代女性)
デンマーク王政の改革という重いテーマを、恋愛という個人的な視点から描いた構成が巧みだった。政治と愛の両立がいかに難しいかを突きつけるような展開に引き込まれた。主人公たちの理想が現実の中で押し潰されていく様子がリアルで、歴史の残酷さを改めて感じた。実話を元にしているからこその説得力がある、重厚な作品だった。(50代男性)
女性の立場から見ると、キャロライン王妃の生き様が本当に痛々しくも美しかった。自由のない王宮で孤独を抱えながら、自分を理解してくれる存在に心惹かれていく姿には共感しかない。けれどもその恋が、国家を揺るがす悲劇に繋がるのが切なすぎました。彼女の苦悩と強さが繊細に描かれていて、涙が止まりませんでした。(50代女性)
王政下の抑圧と啓蒙主義の光が交差するこの映画は、単なるラブストーリー以上の深みがある。医師ストルーエンセの思想と行動力はまさに革命家で、彼の改革が実際に実を結びつつあったことに驚かされた。だが、政治と私情を混ぜることのリスクもまた痛感させられる。社会変革の難しさが身にしみる作品だった。(40代男性)
映像のトーンがどこか冷たく、まるで登場人物たちの運命を暗示しているかのように感じられた。王妃とストルーエンセの関係が少しずつ深まっていく過程にじれったさを感じつつも、惹かれ合う理由に納得してしまう描写が巧み。史実としては悲劇でも、ふたりの間には確かに「真実の愛」があったと思いたい。余韻が深く、考えさせられる作品。(20代女性)
社会改革と不倫関係という、相容れない二つの要素が見事に融合していた作品。最初は歴史映画として観ていたけれど、途中からは完全にラブストーリーとして感情移入していた。特に、最後にストルーエンセが処刑されるシーンはショッキングで、彼の死がもたらす王妃の孤独と後悔に涙した。時代に翻弄される人々の姿が心に残る。(60代男性)
純粋な恋愛として見ても、政治ドラマとして見ても成立している見事な作品。ストルーエンセの改革は理想的だったけれど、王妃との関係がなければ続いていたかもしれないという皮肉な展開に苦しくなった。キャロラインが最後に手紙を遺すことで、ふたりの関係に意味を与えたところが感動的で、涙なしには見られなかった。(60代女性)
映画『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』を見た人におすすめの映画5選
マリー・アントワネット
この映画を一言で表すと?
「運命に翻弄された王妃の美と孤独を描く、豪華絢爛な歴史ロマンス」
どんな話?
オーストリアからフランス王妃として嫁いだマリー・アントワネットが、華やかなヴェルサイユ宮殿で贅沢な暮らしを送るも、やがて革命の波に飲まれていく様を描く。少女から女王へと変わる姿が鮮烈に描かれています。
ここがおすすめ!
華美な衣装と音楽が現代的に演出され、歴史映画なのにポップで斬新。『ロイヤル・アフェア』と同じく、王室に囚われた女性の苦悩と成長が描かれており、女性視点での共感も深まる作品です。キルステン・ダンストの演技も魅力。
ファリア家の娘
この映画を一言で表すと?
「信仰、自由、そして女性の自立を問いかける、イラン発の感動作」
どんな話?
19世紀イランを舞台に、ペルシャ王に見初められた女性が、近代思想と自由な恋愛に目覚めていく姿を描く。伝統と変革、愛と犠牲の間で揺れる女性の内面を丁寧に掘り下げた作品です。
ここがおすすめ!
『ロイヤル・アフェア』同様、女性の視点で描かれる歴史的恋愛と社会変革の物語。衣装やロケーションも美しく、時代背景を通じて現代に通じるテーマを感じ取れる深い作品です。静かに心を揺さぶられます。
ある公爵夫人の生涯
この映画を一言で表すと?
「美貌と知性を持ちながらも愛に飢えた、英国貴族の悲劇」
どんな話?
18世紀のイギリスで、政略結婚により公爵夫人となったジョージアナが、冷酷な夫と世間の期待に縛られながらも、自らの人生と愛を求めて苦悩する姿を描く。実在の人物がモデルとなっています。
ここがおすすめ!
ケイト・ウィンスレット主演の気高くも傷つきやすい女性像が心を打ちます。『ロイヤル・アフェア』の王妃と同様に、女性の立場や愛の行方が丁寧に描かれており、衣装・美術・演出すべてが上質。歴史ロマンス好きにぴったり。
ある画家の数奇な運命
この映画を一言で表すと?
「激動のドイツ史を背景に、一人の芸術家の生涯を描く壮大な人間ドラマ」
どんな話?
ナチス支配から戦後の東西ドイツ分裂時代を背景に、幼い頃に家族を奪われた芸術家が、自分の表現と過去に向き合っていく物語。実在の画家をモデルにしたフィクションで、深いドラマが展開されます。
ここがおすすめ!
政治と個人の葛藤、理想と愛の両立など、『ロイヤル・アフェア』と同じテーマを現代史に置き換えて描いたような作品。3時間超の大作ながら、緻密な構成と映像美で引き込まれます。深い余韻に浸りたい人へ。
アナザー・カントリー
この映画を一言で表すと?
「エリート校での友情と裏切り、同性愛、そして革命の芽生えを描いた青春史劇」
どんな話?
1930年代の英国名門校を舞台に、成績優秀な青年が保守的な体制に疑問を抱き、友人との関係や政治的思想を深めながら、やがてスパイとなる道へと進んでいく。若き日のルパート・エヴェレットが主演。
ここがおすすめ!
階級社会や体制への反発、個人のアイデンティティの葛藤といったテーマが『ロイヤル・アフェア』と重なる。重厚なテーマを持ちつつも、青春映画としても楽しめる良作。知的な刺激と感情の共鳴が味わえます。
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