映画『愛の新世界』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「愛の新世界」のネタバレあらすじ結末と感想

愛の新世界の概要:ピンク映画出身の高橋伴明監督が、女優志望のSM嬢と玉の輿を目指すホテトル嬢の友情と、彼女たちのたくましい生き様をサバサバと描く。本作が映画初主演となる鈴木砂羽が、豪快なヘアヌードを披露している。若かりし頃の松尾スズキ、宮藤官九郎、阿部サダヲらの姿も見られる。

愛の新世界の作品情報

愛の新世界

製作年:1994年
上映時間:115分
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春、コメディ
監督:高橋伴明
キャスト:鈴木砂羽、片岡礼子、杉本彩、萩原流行 etc

愛の新世界の登場人物(キャスト)

レイ(鈴木砂羽)
東京の小劇団で芝居の修行をしている女優の卵。生活費を稼ぐため、道玄坂のSMクラブで女王様として働いている。S嬢の才能があり、固定客多数。カラッとした性格で、物事に動じない。動植物が大好きなので、郊外の自然豊かな場所で暮らしている。
アユミ(片岡礼子)
道玄坂のデートクラブに所属しているホテトル嬢。レイが勤めるSMクラブと勤務先のデートクラブが同じ建物内にあるため、レイと顔見知りになって意気投合する。医者や弁護士と結婚するという夢があり、かなりの結婚資金を貯めている。
さくら(中島陽子)
レイと同じ劇団に所属する劇団員。デブキャラのしっかり者で、似たような体型の劇団員と付き合っている。アユミが所属するデートクラブで、電話番のアルバイトを始める。
澤登(萩原流行)
レイの客。ヤクザの幹部で、背中には立派な刺青を入れている。普段は部下に恐れられる強面のヤクザだが、性癖は極度のマゾ。情け容赦ないレイの大ファン。

愛の新世界のネタバレあらすじ

映画『愛の新世界』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

愛の新世界のあらすじ【起】

東京の小劇団で女優をしているレイは、生活費を稼ぐため、SMクラブの女王様をしている。最初は興味本位で始めたのだが、女王様はレイにとって天職だったようで、彼女は雑誌のグラビアを飾る人気SM嬢となる。

SM嬢としていくら人気が出ても、やはりレイの夢は女優として成功することであり、彼女は熱心に芝居の稽古を続けている。レイが所属している劇団『ドリームキッズ』は、演出家の松木も含めて劇団員が8名しかいない小さな劇団で、団員たちもみんな若い。女優は、レイとデブキャラのさくらしかいないため、レイは劇団の看板女優だった。

性に奔放なレイは、日替わりで男性劇団員と関係を持つようにしている。劇団員はマドンナのレイを独り占めしたりせず、仲良く彼女の好意に甘えていた。レイは、他にも不特定多数の男性と付き合っていたが、どれもこれも長続きせず、すぐに飽きてしまう。男に恨み言を言われても、レイは全く気にしない。

レイの勤めるSMクラブは、「道玄坂ハイム」という建物の一室にある。この建物には、他にもいくつかの風俗店が入っていた。ある日、出張仕事に出かけたレイは、同じ建物内のデートクラブでホテトル嬢をしているアユミとエレベーターで一緒になる。レイとアユミは初めて言葉を交わし、今度飲みに行く約束をする。

愛の新世界のあらすじ【承】

レイとアユミは、それぞれ指定されたラブホテルへ向かい、客の相手をする。アユミを呼んだのは、説教好きな中年男性で、1番スケベなタイプだった。

アユミには、医学部を目指して3浪中の彼氏がおり、アユミはその彼氏と結婚すると決めていた。彼氏の実家は個人病院を経営しており、結婚が実現すればアユミは玉の輿に乗れる。アユミはホテトル嬢をして1000万円も貯金し、その金を他銀行から父親名義で自分の口座に振り込む。それを彼氏に見せて、「父が結婚資金に振り込んでくれた」と嘘をつく。これは自分の家柄を偽るための戦略だった。

一方、レイを呼んだ客は、女になった自分をいじめて欲しいと願う中年男性で、奇妙な女装をしてレイにいじめてもらう。レイに自分の変態性を罵倒されることが、その客にとっては最高の喜びだった。

仕事を終えたレイと仲間のSM嬢たちは、朝方まで酒盛りし、それぞれ帰路につく。レイは、東京郊外の自然豊かな場所でひとり暮らしをしており、小鳥のさえずりを聞きながら眠りにつく。仕事場の渋谷へ行くには少々不便だったが、自然を愛するレイは、ここで動植物と触れ合う時間を大切にしていた。

劇団員のさくらは、アユミが所属するデートクラブで、電話番のアルバイトを始める。芝居の稽古で鍛えたさくらは、電話の応対もしっかりしており、即戦力となる。さくらは、アユミとライバルのホテトル嬢の大喧嘩も、一喝してやめさせる。

SMクラブに出勤したレイは、常連客の澤渡を迎える。澤渡は立派な刺青を背負った極道の幹部だったが、極度のマゾだった。情け容赦なく自分をいじめ抜いてくれるレイに、澤渡は本気で惚れ込んでいた。

愛の新世界のあらすじ【転】

レイとアユミは約束通り飲みに行き、お互いの仕事について語り合う。2人は自分の仕事に誇りを持っており、それを隠したりはしない。レイは、女王様の仕事は芝居の勉強にもなると思っていた。

飲み屋、カジノ、ホストクラブ、オカマバー、クラブをハシゴしたレイとアユミは、2人組の男にナンパされ、深夜のドライブを楽しむ。男から、海沿いの別荘で飲もうと誘われるが、2人はさっさと帰る。そのまま渋谷まで走って帰った2人は、今度夜明けの海に行こうと約束して、それぞれ帰路につく。

帰宅したレイは、田舎の母親へ手紙を書く。母親には「セラピストのアルバイトを始めた」と報告する。SM嬢の仕事には、セラピストのような側面があるのも事実だった。レイはその手紙に「セラピストの仕事は芝居の勉強になる」と書いておく。

アユミのライバルだったホテトル嬢の結婚が決まり、仲間たちでお祝いの場を設け、彼女を送り出す。喧嘩ばかりしたアユミも、心から彼女の幸せを祈る。

次の公演の台本が仕上がり、レイたちは芝居の稽古に励む。劇団員は様々なバイトをしながら、芝居を続けていた。レイも劇団員も、みんな芝居が大好きだった。

近所のラブホテルで女性が絞殺される事件が発生し、近隣のデートクラブが臨時休業する中、怖いもの知らずのアユミは商売に精を出す。ところが、危険な客に指名され、アユミはナイフを突きつけられる。アユミは店に電話して、「ナポリタン」という暗号で緊急事態を知らせる。さくらが暗号に気づき、店長に知らせたため、アユミは無事に救出される。そんな目にあっても、アユミは客を取り続ける。

下半身に異変を感じたレイは、産婦人科へ行き、性病と診断される。レイは、劇団員に自分が性病であることをサラッと告げる。彼女と関係を持っていた劇団員は、仲良く病気をもらっており、みんなで病院通いを始める。その頃、アユミは医者の卵と別れ、今度は司法試験に挑戦中の弁護士の卵と付き合い始めていた。

愛の新世界のあらすじ【結】

レイのところへ、妙に理屈っぽい客がやってくる。普通の性体験に飽きたと言い放つその男は、女王様のレイに向かって、偉そうな口をきく。レイは、「私の流儀でやらせてもらう」と宣言し、男を縛り上げる。強引に目隠しと猿轡をされた男は、そのまま暗い部屋で数時間に渡って放置され、従順な奴隷に調教される。クラブのオーナーは、レイの才能に惚れ込み、2号店の店長を任せたがる。しかし、レイにその気はない。

劇団の公演日がやってきた。澤渡は、ルール違反を承知でレイの身元を調べており、売れ残っていた大量の当日券を密かに買い占める。それを部下に無料配布させるが、客は集まらない。律儀な澤渡は、タダ券にJリーグのチケットを付けて、レイのために客を集める。

澤渡の尽力で満員になった劇場で、レイと劇団員は、精一杯の芝居を見せる。客席には、アユミの姿もあった。芝居はなかなか好評で、レイたちは満足して公演を終える。テンションの上がったレイたちは、誰彼かまわずキスをして、祭りの終わりを祝う。

公演後、ルール違反を詫びに来た澤渡に、レイは素直に礼を述べる。レイにキスされそうになり、澤渡は目を閉じる。ところが、レイの代わりにさくらが澤渡にキスをしてしまう。何も知らない澤渡は、感激の涙を流していた。みんなは澤渡を気遣い、事実を伏せておく。

レイと劇団員にアユミも加わり、打ち上げも大いに盛り上がる。朝方まで大騒ぎして、劇団員たちは酔い潰れて寝てしまう。早朝、一緒に帰り始めたレイとアユミは、レイの提案で、夜明けの海へ向かう。

レイとアユミは、2人組の男をナンパして、車を確保する。レイは無免許で車を大暴走させ、男たちを震え上がらせる。あちこちで事故を起こしながら、とある海岸へたどり着いたレイとアユミは、男たちを砂浜へ埋め、全裸で海へ入る。目隠しをされ、顔から下を埋められた男たちの前で、全裸のレイとアユミは、子供のようにはしゃぎ回る。

ようやく帰宅したアユミは、弁護士の卵に逃げられたことに気づく。しかし、アユミは落ち込んだりしない。同じ頃、レイも帰宅し、気持ち良さそうに窓を開ける。レイは、こんな日々を満喫しており、「明日からはもっと面白いはずだ!」と、期待に胸を膨らませるのだった。

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