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映画『愛のタリオ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『愛のタリオ』の概要:純粋な田舎の少女が浮気な都会の男に裏切られ、復讐の鬼へと変貌していく様を描いたサスペンス。韓国に伝わる古い物語を、現代に照らし合わせて綿密に描いている。

映画『愛のタリオ』の作品情報

愛のタリオ

製作年:2014年
上映時間:112分
ジャンル:サスペンス、ラブストーリー
監督:イム・ピルソン
キャスト:チョン・ウソン、イ・ソム、パク・ソヨン、キム・ヒウォン etc

映画『愛のタリオ』の登場人物(キャスト)

シム・ハッキュ(チョン・ウソン)
ベストセラー作家として名を馳せる大学教授。女性関係の問題が露見し大学を追われ、田舎町で小説の書き方講座を担当しながら生活する。眼病を患い、視力を失いつつある。妻子がいるが、妻はハッキュの浮気癖が原因で鬱病になってしまい家に引き篭っている。
ドク / ユン・セジョン(イ・ソム)
ハッキュが隠居した先の田舎町に暮らす少女。都会から来たハッキュに興味を示し、彼の講義を受講する内に恋に落ちてしまう。初恋の相手であり処女を捧げたハッキュと結婚の約束をしたが、身籠った子は堕胎させられ、さらに別れを告げられた。ドクはセジョンと名前を変え、ハッキュへの復讐を誓った。
チョン(パク・ソヨン)
ハッキュの一人娘。仕事や夜遊びで帰宅せず、母を労わらない父に愛想を尽かしている。思春期を迎えると、彼女もまた家に帰らず非行に走った。
チェ氏(キム・ヒウォン)
違法賭博場を仕切っているヤクザ。日本のヤクザの下請け。ドクに雇われハッキュを追い詰める。

映画『愛のタリオ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『愛のタリオ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『愛のタリオ』のあらすじ【起】

韓国に古くから伝わる物語に、目の不自由な父を支える娘と継母の話がある。娘のチョンは、父ハッキュの眼を治すために体を売っていた。継母のペンドクは、何故彼女とハッキュの側に居続けたのだろうか。

女性問題の不祥事で大学から休暇を言い渡されたハッキュは、桜並木の美しい田舎で小説の書き方を教える講師として新しい生活を始めた。

ドクは母親と二人暮らしで、母はろう者であった。母は娘の幸せな結婚を望んでいたが、当のドクは今の生活に満足していた。

ドクは、遊園地のチケット売り場で働いていた。近くにある生涯学習センターから講義を終えて出て来たハッキュは、何気なくドクと会話をした。ドクは、小説はもちろんだがハッキュに強い興味を持ったため彼のクラスに参加。講義を行うハッキュを見て、彼女は恋に落ちた。

ハッキュは、ソウルに残した娘、チョンから早く帰って来て欲しいとの電話を受けた。鬱病の妻は、チョンに「また女といるのよ」と呟いた。

ドクは、ハッキュに抱く恋心を打ち明けた。最初ははぐらかしていたハッキュも次第にドクへ惹かれていき、二人は体を重ねた。「絶対に離れないわ」と縋るドクとは裏腹に、ハッキュは、女性関係の不祥事は女性側に非があったと判明するや否や、大学に戻るための荷造りを始めた。

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映画『愛のタリオ』のあらすじ【承】

ドクは、ソウルに帰ろうとするハッキュを引き留めるため、妊娠の事実を打ち明けた。ハッキュは、結婚して欲しいと訴えるドクを産婦人科へと連れて行くと中絶手術をさせ、彼女の快復を待たずにソウルへと帰った。ドクの携帯には、母からの着信履歴が沢山残っていた。

退院し帰宅したドクは、母から塩を投げつけられた。それでもハッキュを忘れられないドクは、彼が勤めるソウルの大学まで足を運んだ。ハッキュは、二人きりで別れ話をするためにその日は彼女を帰し、後日ドクの家の近くを訪れた。ハッキュの再訪を喜ぶのも束の間、ドクは彼から大金を渡され「もう俺を待つな」と告げられてしまった。二人が口論している内、ドクが消し忘れたコンロの火がカーテンに燃え移り、中にいた母諸共家は焼け落ちてしまった。ハッキュは、業火を横目に彼女の元から消えた。

火事から逃げたハッキュが帰宅すると、チョンは泣きながら「ママが部屋から出て来ない」と訴えた。鍵を壊し中へ入ると、妻は首を吊って死んでいた。

その日からハッキュの視界は霞むようになったが、同時に本も売れ始めた。全てを忘れるために遊び歩くハッキュは、ついに違法賭博場への出入りが露見し大学をクビにされた。ハッキュは、夜遊びを覚え帰宅が遅くなったチョンと共に、家を追われることになってしまった。

そんな親子の元へ、ユン・セジョンと名前を変えたドクがやって来た。玄関口で対応したハッキュの目はほとんど見えておらず、チョンに会いに来たと語る彼女を疑いもなく招き入れた。

映画『愛のタリオ』のあらすじ【転】

チョンに近づいたドクは、母を求める彼女から「毎日遊んでね」と言われる程に気に入られた。ドクは、ハッキュの執筆を手伝うという名目で頻繁に出入りするようになり、チョンもドクに会うのを楽しみにしていた。

ハッキュの目は、日に日に悪くなっていった。ドクは親身になって眼科医を紹介したが、実はこの医者と彼女は通じており、法外な治療費をハッキュに提示した。ハッキュは金を工面するため再び違法賭博に手を出し、かえって借金を背負ってしまった。

翌日、賭博場を仕切っているヤクザのチェがハッキュの家を訪れると、借金のかたにチョンに体を売らせる契約書を書かせた。ユン・セジョンが経営する店にいたチョンは、チェの手下達に攫われてヤクザの本拠地がある日本へ送られてしまった。

日本へ密入国する船の中で、チョンはチェに、何故セジョンの店に居ると分かったのか尋ねた。チェは「ドクのことか?他人を疑えよ」とチョンを嘲笑った。

晴れてハッキュと二人きりの生活を送ることになったドクは、彼に生ゴミを食わせるなど嫌がらせを行った。ハッキュがどん底まで弱った時、彼女は自分がドクであることを打ち明けた。ハッキュは、娘を奪われ、嫌がらせを受けながらも彼女に側にいて欲しいと願った。

映画『愛のタリオ』の結末・ラスト(ネタバレ)

依存し合うドクとハッキュの前に、すっかり大人びたチョンが姿を現した。彼女は、その場では「セジョンのチヂミが食べたい」とドクに変わらぬ態度で接したが、チョンもまた復讐に燃えていた。

ドクはチェに助けを求めたが、自分でなんとかしろと見放されてしまった。

チョンは、日本でチェの親分に取り入っていた。ドクと通じていた眼科医が、治療と称してハッキュの目を悪化させていたことを暴いたチョンは、父に目を移植しろと彼女を脅した。日本のヤクザからは逃れられないと悟ったドクは移植手術を受け入れ、何も知らないハッキュは「視力が戻ったら二人でやり直そう」と彼女を抱き締めた。

ようやく自分に対して真摯に向き合うハッキュに、ドクは「悪い男でいてよ!」と泣き喚いた。そうして抱き合う二人だったが、チョンに雇われた闇医者達の手によって意識を失った。

ドクは、故郷で過ごしたハッキュとの時間を夢に見た。美しい思い出や感触は次第にボヤけてゆき、意識を取り戻した時には視界が無くなっていた。

視力を取り戻したハッキュは、失明したドクの手を強く握り「愛してる」と囁いた。

映画『愛のタリオ』の感想・評価・レビュー

ドクの執着心はもちろん恐ろしいが、妻を不安にさせ子供を一人ぼっちにし、純粋な少女に堕胎を強要してもさして罪悪感を抱かなかったハッキュの人間性が怖かった。

しかしながら、現行男尊女卑の思想から抜け出せずにいる日本では違和感のないキャラクターにも思える。こんな男が居ていいものかとショックを受ける反面、育児放棄の事件で実名報道されるのは女性が多い。男に原因があってもあまり取り上げられない。

愛がテーマの映画ではあったが、純愛やら不倫やらの前に、社会的な制裁を受けているようで受けていない、まずもって反省できないだらしのない男に目がいってしまった。(MIHOシネマ編集部)


本作は、女性問題で大学を追放された教授が、赴任早々に田舎町で出会った純粋な少女ドクと恋する様子を描いたサスペンスラブストーリー作品。
特に、教授の美しい肉体とハンサムな顔立ちが魅力的だが、そのルックスと対照的なダメ男っぷりには驚かされた。
ドクが復讐にまわる後半シーンは、体当たりの演技に女の怖さを見せつけられた。
「タリオ」は「目には目を歯には歯を」という意味で、まさその言葉の通り。
復讐の復讐や裏切りに、切なさの残る後味の悪い終わり方で面白かった。(女性 20代)


「愛」の形が素晴らしいです。こういう、愛が深すぎて、憎しみに変わってしまう作品大好きなんです。この作品はまさに「目には目を歯には歯を」をそのまま映像化した感じです。とにかくチョン・ウソンが美しくて、それだけで観る価値があります。そんな美しい男性がみるみる落ちていく姿がたまりません。
「愛」と「復讐」韓国映画ではいつもこの2つが隣り合わせですね。この作品はどちらもかなり過激なもの。ラストの展開にも驚きますが、そこまでの過程も丁寧に描かれていて見応えがありました。(女性 30代)

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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