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映画『赤いアモーレ』あらすじネタバレ結末と感想

映画『赤いアモーレ』の概要:心に傷を抱えた孤独な男女が出会い深く愛し合うようになるが男には家庭があった。激しく愛し合うこの2人をペネロペ・クルスと監督も務めたセルジオ・カステリットが熱演している。2004年公開のイタリア映画。

映画『赤いアモーレ』 作品情報

赤いアモーレ

  • 製作年:2004年
  • 上映時間:121分
  • ジャンル:ラブストーリー
  • 監督:セルジオ・カステリット
  • キャスト:ペネロペ・クルス、セルジオ・カステリット、クラウディア・ジェリーニ、アンジェラ・フィノチアーノ etc

映画『赤いアモーレ』 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

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映画『赤いアモーレ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『赤いアモーレ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『赤いアモーレ』 あらすじ【起・承】

イタリアで外科医をしているティモーテオ(セルジオ・カステリット)は妻のエルサと15歳になる娘のアンジェラと暮らしていた。

ある雨の日、ティモーテオ(以下ティモ)の病院にバイク事故で頭部に大怪我を負ったアンジェラが緊急搬送されてくる。アンジェラの手術が終わるのを待つ間、ティモは窓の外にかつて愛した女の幻を見る。

アンジェラが生まれる前、ティモは金持ち育ちのエルサとの結婚生活に疲れを感じていた。恵まれない家庭環境で育ったティモは、エルサに遠慮をしながら暮らしていた。

ある日、田舎で車が故障してしまい困っていたティモにイタリア(ペネロペ・クルス)という女性が声をかけてくれる。廃墟のような場所にあるイタリアの自宅で電話を借りたティモは、彼女を犯す。ティモがそんなことをするのは初めてのことだった。

数日後、ティモはイタリアの元を訪れ、先日のことを謝罪する。彼女はティモを責めず、再び2人は関係を持つ。ティモは貧しいイタリアにお金を置いていく。そのままイタリアはティモの愛人のようになっていく。

しかし社会的地位もあるティモはイタリアとの関係を断ち切ろうと考えていた。エルサに子供が欲しいと言うが、仕事もしている彼女はその申し出を拒む。結局ティモはますますイタリアにのめり込み、イタリアもティモを深く愛するようになる。

イタリアが妊娠したことがわかり、中絶しようとする彼女をティモは止める。ティモはエルサに全てを打ち明ける覚悟をして家に帰るが、なんとエルサからも妊娠の報告がある。ティモの様子がおかしいことに気づいていたエルサは、密かに避妊リングを外していた。

エルサの妊娠に周囲もお祝いムードとなり、ティモはイタリアに連絡しづらくなってしまう。そんなある日、イタリアがティモの病院にやってきて、薄情なティモの態度を責める。
しかし“妻の具合が悪い”と言うと、イタリアは黙って帰っていく。

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映画『赤いアモーレ』 結末・ラスト(ネタバレ)

それでもティモはイタリアを忘れることができず彼女の家へ行く。イタリアは劣悪な環境で堕胎をし、自暴自棄になっていた。イタリアは実の父親から性的虐待を受けた過去をティモに話し、自分のような人間はいい母親になれないからこれでいいのだと言う。そしてイタリアとティモは一旦別れる。

ティモが妊娠9か月を迎えたエルサと街にいる時、通りの向こうにイタリアの姿を見つける。エルサを先に帰し、路地裏で再会したティモとイタリアは激しく愛し合う。イタリアはエルサの妊娠を以前から知っており、故郷へ戻るつもりだと話す。今度こそ本当の別れを覚悟し、イタリアはティモの前から走り去っていく。

エルサは無事にアンジェラを出産したがティモの心は晴れない。そしてティモはイタリアのところへ行き“君なしでは生きられない”と告げる。

結局ティモは車でイタリアを故郷まで送り、2人はホテルに泊まる。レストランでティモはイタリアにプロポーズし、イタリアもそれを受ける。ところが明け方イタリアが突然苦しみ始め、そのまま病院に担ぎ込まれる。

イタリアは劣悪な堕胎により敗血症を起こしており、危篤状態となる。ティモは見知らぬ病院で強引に自分の手でイタリアの手術をするが、イタリアは助からなかった。ティモはイタリアが残した片方の靴を抱きしめ、涙に暮れる。

それから15年、ティモはイタリアのことを忘れられずにいた。アンジェラを失いそうになった今、ティモはやっと娘がどれほど大切な存在か気づく。そして窓の外のイタリアの幻は姿を消す。

アンジェラの手術は成功し、一命を取り留める。ロンドンに出張へ行っていたエルサも駆けつけ、娘の無事に涙を流す。ティモはずっと隠し持っていたイタリアの靴をイタリアの幻が座っていた場所に置いていく。

映画『赤いアモーレ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『赤いアモーレ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

ティモーテオの愛って一体…

不倫関係に陥っていく外科医のティモーテオと貧困層の女性イタリア。この2人の共通点は家庭環境に恵まれなかった過去を持ち、心に傷を抱えていること。ティモーテオは医者となり贅沢な暮らしと美しい妻を手に入れた今でも、自分に自信が持てずにいるし、イタリアは自分の人生をすでに諦めているように見える。

2人はおそらく直観的に自分たちが似た者同士であると感じたから、急速に惹かれあっていったのだろう。ティモーテオは妻には遠慮ばかりしているが、イタリアのことはいきなり犯してしまう。2人のセックスは心の闇をむき出しにしているようなケダモノ感があり、全くロマンティックではない。それは別にいいのだけれど、会うたびにやり始める展開には少々飽きてくる。

それは、2人の関係そのものにもある。不倫関係なので葛藤があるのは仕方ないが、これでさすがに別れたのだろうなと思ったらまたすぐに復活。それでも妻とも別れない。

しかも娘が生まれてすぐにイタリアへプロポーズするという展開に至っては真意がさっぱりわからない。それほどイタリアを愛していながら、彼女が死んだらやっぱりお家へ帰るわけで…。イタリアも不幸だが、妻のエルサも相当かわいそうではないか。

天国のイタリアが守ってくれたという結末(なんだと思う)も、この勝手男の都合のいい妄想にしか見えない。なぜならティモーテオの愛は自己中心的だから。

愛する人についてあれこれ語るティモーテオには何も感じなかったが、妻のエルサが坊主頭となった娘に“明日ママも髪を切る”と語りかけるシーンにはグッときた。このエルサの愛は本物だ。イタリアの愛も本物。常に相手の幸せを願っている。これが男女の違いというものだろうか…。

目力のすごい2人

主演を務めたペネロペ・クルスとセルジオ・カステリットの芝居がいいから、この映画は見られる。演出と映像もいいので、メロドラマくさい話もしっかりした映像作品になっている。そういう意味では見応えのある作品だ。

特にペネロペ・クルスはイタリアという薄幸な女性を非常にうまく演じている。どこか卑屈さが見え隠れするイタリアの献身的な愛や捨て犬のような眼差し。育ちの悪さからくる下品さと豊満な肉体から醸し出す色気。かなりギリギリの線まで汚れ役に徹しているので、時々見せる美しい笑顔がより印象に残る。一番素晴らしいのはイタリアの内面にある深い優しさと人間としての清潔感がしっかり表現されていること。だからイタリアには素直に感情移入できる。

監督、脚本も務めたセルジオ・カステリットもティモーテオという複雑な男の葛藤とずるさを繊細に演じており、その点はお見事。

主演女優と主演男優の熱演と目力のすごさ。これは圧巻だった。


ペネロペ・クルスは本当に美しいです。彫りの深い彫刻のような綺麗な顔立ちに完璧すぎるプロポーション。そんな女性がいたら身重の妻がいたとしても誘惑には勝てないかもしれません。
しかし、女性の目線で言えばティモーテオはすごくズルいと思います。結局エルサには真実を話さずに何事も無かったように自分を肯定して生きていくし、イタリアのことは都合の良いように思い出にする。愛していたと言うよりも、欲望が抑えきれなかっただけなのでは無いかなと感じてしまいました。(女性 30代)

映画『赤いアモーレ』 まとめ

「赤いアモーレ」というタイトルからある程度のドロドロ感は予想していたが、想像以上にドロドロした不倫ものだった。しかし妻と愛人が好感の持てる女性だったのはかなりの救い。その分、優柔不断で身勝手な男の行動には憎悪がわくのであるが。

男女で受け止め方が異なりそうな作品だ。自分が男であれば、ティモーテオの気持ち?ずるさ?性欲?愛?がもう少し親身に理解できたのかもしれない。

一度見るには面白かった。しかしもう一回は見たくない。内容も空気感もいろいろと暑苦しいというか汗だくな感じなので、濃ゆい恋愛映画をお探しの方はツボに入るかも。

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